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内部の真実
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【この小説が収録されている参考書籍】
内部の真実の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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特にありません。 | ||||
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最初は話の流れに乗り切れず、1年近く放置していました。 再び手にとり、読み進めて、捜査陣の一人として勝永伍長が登場してからは俄然調子が出てきました。 暗闇を漂う白い花、その甘い香り、ほたるの光、はかなげな美女たちの面影。 しかしまた、終盤で茫然とすることとなりました。 結末で明かされる主人公の哀しい望みが心に残りました。 | ||||
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対英米戦の旗色が悪くなってきている戦争末期の台湾で、日本軍人同士の決闘騒ぎが起きた。一人は死亡、もう一人はその場に昏倒していた。 一見単純な事件と思われたが、二挺のうち一挺の拳銃には弾丸が未装填であり、二挺とも指紋が拭われていた。第三者、第三の拳銃が現場には存在したのか? 民家の塀の内側、漆黒の闇の中という密室的な空間で起こった事件。憲兵たちは論理的可能性を考えて捜査を進めるが、関係者の供述が揺らぐにつれ、深い迷宮へと誘われていく。 ネタがバレるため詳しくは書けないが、同じ可能性の検証をぐるぐるとループしているかのような感覚に陥り、眩惑されてしまう。決して複雑ではないはずの舞台設定で、ここまで読者を翻弄する力量はすごい。 日本統治下における台湾本島人の暮らしぶりや日本人との交流のさまが、実に細やかに描かれている。純愛ものの要素も織り込まれており、そこかしこに純文学的薫りが立ち上ってさえいる。 不思議な味わいだが、紛れもなく傑作。 | ||||
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135頁から、一気読みモードに突入させられました。倒錯変形物かなと思って読んでいたら、謎解き小説にそして純愛小説へと、千変万化のストーリーテリングに酔わされましたね。間違いなく傑作です。(但し、細部を厳密に理解するには、要再読かと。)大戦中の台湾における軍隊生活や民間人との往来などについても、多くを学べた一書でした。 | ||||
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同著者「猫の泉」と一緒に注文させていただきました。 名古屋から東京まで、2日で到着。早いです。ありがとうございました。 梱包も丁寧で、商品の状態もよく、よろこんでおります。 またよろしくおねがいいたします。 | ||||
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太平洋戦争末期の台湾を舞台に、恒子と言う女性の庭で起こった殺人事件の模様を、濃厚な異国情緒と複雑な恋愛模様を背景に綴ったもの。二部構成になっており、作品の殆どを占める第一部は事件関係者でもある軍曹の小高の手記と言う形で示され、第二部は小高の死後、別人の一人称で語られる。作者は台湾での従軍経験があった模様で、軍隊組織や台湾の地理・風物等が木目細かく描写され、物語に独特のリアリティを与えている。 いきなり事件現場から始まり、射殺された苫と言う曹長、昏倒していた名倉と言う炊事係、そして二挺の拳銃が夜の恒子の家の庭と言う密室的状況で発見された事が示される。二人共、恒子に劣情を抱いていたらしい。名倉が苫を射殺したなら話は簡単だが、名倉が所持していた銃は未装填、苫の傍に落ちていた銃は一発だけ発射された跡があるが、二挺共に指紋が残っていない。軍の銃弾管理(実包)上も名倉犯人説は成立しない。そして、事件当時の庭に居たと判明する第三の人物。だが、第三の人物の存在を考慮しても、銃弾の謎は解決しない。第四の人物を仮定すると密室的状況が益々強くなってしまう。この辺りの謎の畳み掛けは巧い。ここで、謎解きに専念しない所が作者の持ち味なのか、小高の回想談を交えて、往時の台湾の社会状況、事件の背景等が悠揚迫らぬ筆致で語られる。特に、玉蘭の花の香り...。 最後に明かされる真相は、ある意味シンプルだけに、却って作者のアイデアに感心させられた。「内部の真実」と言う題名が示唆するかの様な、芥川「藪の中」を思わせる事件決着のさせ方も趣きがある。事件が起きたのも闇の中、真相も闇の中、そして人間の心の中も闇との意匠が光る。 | ||||
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