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深紅



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【この小説が収録されている参考書籍】
深紅
深紅 (講談社文庫)

深紅の評価: 3.93/5点 レビュー 59件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.93pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全59件 41~59 3/3ページ
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No.19:
(5pt)

被害者側と容疑者側

 秋葉奏子は、小学6年生の頃に両親と幼い2人の弟を都築則夫に殺された。そのまま大きくなった奏子は大学生になったが、その事件がもとで「四時間」という名の心的外傷後ストレスに悩まされてきた。
 そんな時、奏子は事件で死刑になった都築則夫にも娘がいることを突き止める。その女性、都築未歩はバーテンダーとして働いていたが、同棲している男の暴力に悩まされていた。そんな未歩に近づいた奏子は、始めは興味本位であったが、次第に復讐心が芽生えてくる。
本作品では、都築則夫は死刑になったが、奏子やその遺族の悲しみは晴れたわけではない。法律は人を裁けるが、人の心に影響するとは限らないのだ。
なお、この作品は後半が竜頭蛇尾に終わっている感じがあるが、それを差し引いてもとても面白い作品であると思う。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.18:
(2pt)

もう少し勉強して下さい。

 本書に対する批評は「前半の緊迫感に比べて後半がやや腰砕け」というのが最大公約数でしょう。
 しかし、前半も充分にトホホです。ネタばれはしませんが、まず、この状況で監察医務院で解剖することは絶対にありません。この場合、慶応に2体、東大1体、杏林1体でしょう、多分。判決文も本物に似ていない。判決文は裁判所のHPでいくらでも見られます。以上の点は、きちんと取材してから小説を書くべきです。
 後半は世評のように腰砕け。動機が弱いし、仲良しドラマになってどうする。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.17:
(5pt)

贖罪と憎悪が絡み合い・・・。

旅行中の娘一人を残し夫婦・息子2人が男に惨殺される。冒頭の数10ページで死刑囚となった男の上申書による殺害の状況説明・判決文による司法判断が詳らかにされ事件の様相は全て明らかに。よって、筋立ての主眼は事件がなぜ起きたかではなく、加害者・被害者双方の残された娘二人が成人してからの邂逅にあります。面白さは評判通り。加害者の贖罪意識・被害者の恨みという定番メニューを各々の娘の立場に転換し、かつ加害者側の殺人動機の「微妙さ」と相俟って読者は娘二人の心情双方にある種の共感を覚えるよう巧みにレールが敷かれている。そんな感じ。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.16:
(4pt)

あくまでも感想

普段本を読まない私。
「難しくて、途中で飽きてしまうかも?」なんて思いながらも、手にとって読んでみると……現実の事件に関心を寄せるように、深くこの本にハマっていきました。
凄いです。
読み応えがあります!
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.15:
(5pt)

お勧めです!!

面白かったです!普通のサスペンスじゃないところも。この手の本はいつも犯人探しだったり、トリック探しで退屈ですが、この作品は実際に事件があったかのように錯覚さえしそうな細かい描写で続きが気になって一気に読んでしまいました。私も自分の家族を惨殺されたら、犯人に向けた憎しみをその家族にも向けるだろう。その次にはどのような行動をとるか。。。奏子のとる行動にどきどきしました。お勧めです!
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4062102854
No.14:
(4pt)

読書の連鎖を作る一冊

初めて野沢さんの本を読みました。分量はあるものの、スラスラ読めてしまいました。というより、読まずにいられませんでした。犯罪の被害者心理・・・残された加害者の子ども・・・実際どうなんだろう?という気持ちが沸々と湧いてきました。本作のような人間関係は現実には考えにくいですが・・・。それでも、現実のルポ等よんでみたくなる作品です。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
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No.13:
(3pt)

犯罪のもたらす悲劇

「自分だけが助かった。」その事実は決して奏子を喜ばせはしない。なぜ自分だけが助かったのか?なぜ自分も死ななかったのか?被害者の家族なのに罪悪感が残ってしまう。死んだ家族のことを考えると、心の底から笑えない。その思いは家族を突然失った者にしか分からないだろう。笑うことに後ろめたささえ覚えるのだ。奏子は未歩を憎んだ。しかし、未歩の苦しみも理解できた。理解できたからこそ、未歩を最後まで追い詰めることができなかったのだろう。犯罪は、周りの人全てを不幸にする。決して犯してはならないのだ。
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4062102854
No.12:
(5pt)

犯罪被害者遺族と加害者親族のコントラスト

一つの殺人事件を巡る暗黒物語。それぞれの心情が丹念に綴られていく・・・犯罪被害者遺族の暗い情念が描写されていて秀逸。
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4062102854
No.11:
(5pt)

著者が精力を傾けて残した傑作

被害者の娘と加害者の娘を接近させるシナリオは、残虐性を孕みつつ挑戦的だと思う。しかし、そのことで双方が胸の内に秘める想いを、赤裸々に表現することができている。和解か、それとも復讐か、被害者の娘がどちらを選択するか、そこにサスペンス色も見出すこともできるが、作品の読みどころは鏡像関係にある二人の心が精密に描写されるところだ。なお、この作品は第22回吉川英治文学新人賞を受賞している。
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No.10:
(4pt)

二人の苦悩と呪縛

家族を殺された泰子と、 家族を殺した加害者の娘の未歩。 泰子は未歩に逢いにいく。憎しみの螺旋と、二人の苦悩と呪縛。 犯罪とはこんなにも爪痕を残す。どうか二人が、少しでも幸せになれますように。読んでいる最中、ずっと気になっていたこと。 主人公は、未歩に 「あなたの父親が私の家族を殺した」 と告げるのかどうか。 告げたときの、未歩はどうだったのか。 答えは… やはり読んでみなくてはね。
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No.9:
(5pt)

深い愛を感じました。

皆さんの感想ですと前半はいいけど、後半が弱いとか書いてあったのでそうなのかな?と思い読んでみました。でも、私の感想は逆で、むしろ後半の方が素晴らしかったです。というより、後半部のために前半があるような気さえしました。発想、着眼点もとても新鮮でした。被害者の少女も、加害者の少女も立場が違っても同じ苦しみを抱えて生きていた。生きていていいのか?そう思いながらの人生は切ないほど悲しいです。すべての呪縛から解き放たれた2人の少女。彼女たちのこれからの人生が、素晴らしいものになるように祈らずにはいられませんでした。本当に深い愛を感じました。
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4062102854
No.8:
(5pt)

重いテーマを一気に読ませる

著者の作品は購入前に常に悩まされる。本を手に取って作品紹介を読む。重い 重そうだ。たいていはこのパターン。けれど類まれな筆力が一旦読み始めると重さに投げ出すことなく最後まで一気に読ませてくれる。常に著者の作品に隠されたテーマとなっている家族。それにメディア批判。今回もそれは隠し味として存在。メインは自力救済を禁じた法治国家という仕組みの中で被害者の人権というものが如何に扱われているか。そしてそこから生まれるゆがみ。憎悪の自己増殖。被害者遺族への感情移入を完璧にさせておきながら加害者へのそれを直後にさせてしまう凄み。立場が変わることで正義も変わる、相手の立場にたつということの難しさ。そしてそれが容易にできないのならせめて出来ていないことを悟って安易な感情洞察は避ける方がより傷が少ないということを教えてくれる。秘めたテーマのもうひとつは案外 連帯保証人などという摩訶不思議な制度への問いかけかもしれない。好みは大きく分かれるだろうが様々なテーマ 様々な問題意識これを避けることなく考えさせてくれることを評価したい。
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4062102854
No.7:
(4pt)

対照的な前後半

前半は一家殺人事件というショッキングなスタートから犯人の供述と、スリリングでスピード感ある展開。一転して後半は、心に傷を負って成長した奏子と犯人の娘の心理描写に重きを置いてじっくりと進む。後半部分の2人の心理こそが、この作品の中核で前半のショッキングな事件はその伏線に過ぎない。そういう意味では、最初の事件で引きつけて、後半へと流れ込ませる流れは実に巧い。ただ、後半の一部に唐突に感じてしまう部分があったり、心理描写中心の後半は好みが分かれる部分が多いと思うので4点とした。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.6:
(5pt)

切ないミステリー

 ミステリーだというのに涙を流したのは初めてでした。ある事件の加害者の娘と、被害者の娘それぞれの心の痛みが伝わってきました。 事件には、加害者、被害者はもちろんその周りの人たちも、相当傷つくことを、あらためて思いました。
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4062102854
No.5:
(1pt)

このような作品は出所背景を明らかにして欲しい

小説としては読んでいて楽しめました。ところでこの事件のモデルとなっているのは1983年6月の練馬の一家五人惨殺事件ではないでしょうか?犯行動機の違いはありますが、殺人方法・一家の父親に対する恨み・殺害の順番・上申書の「子どもを殺したのはかわいそうだったと思います」「自分は正常です」といった箇所などはこの事件そっくりそのままです。何よりもこの事件はたまたま林間学校に行っていた11歳の長女だけが難を逃れたという事件でした。作者はこの被害者遺族に取材などをしたのでしょうか?もししているのであれば解説等で触れてしかるべきだと思います。その遺族は今も実在しているのですから。この場合、奏子がその少女ということになるのでしょうが、そう考えると私は彼女の描写(言動)にやや疑問を感じました。もし取材等をしていない場合、何も知らない事件関係者が読めば不愉快な思いをすることも考えられます。綿密な取材の中で死刑囚の内実に迫った加賀乙彦の「宣告」などと比べると物足りませんし、犯罪被害者への配慮に疑問を感じました。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.4:
(4pt)

非常に面白いです。ただ・・・。(少しネタバレ)

内容、展開、人物描写とも満点に近いデキであることには違いないのですが、何故か読み終わった後、煮え切らない気持ちになるのはやはり後半の締めくくりにあるのかなぁ。せめて間接的にでも主人公が加害者の娘に正体を明かすシーンが欲しかったような、無くてもいいような…。でも面白いですよ。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.3:
(4pt)

衝撃の前半と非常の後半

 帯に衝撃のミステリーとあったが確かにこれは一本とられた感じがある。前半は期待通り。しかし後半は賛否が分かれそうだ。個人的にも評価に悩む書だった。 前半はそれこそ衝撃だ。主人公の奏子が修学旅行中に一家が惨殺されてしまう。奏子の立場なんてあった物じゃない。それ以上に、そのことが一生トラウマになりつつける様は無情だ。二章では犯人の上申書と判決文が淡々と流れる。野沢尚は感情移入させるのが上手い。ここでそうすることで三章以降がでてくるのだから。 その後は犯人の娘である未保とのサスペンス。これが後半の非情と言ったところか。非情なのは読み進めていく内に分かると思う。だが本当にあれがリアリティを求めることになったかは自分にはよく分からないでいる。そのほか書き方にしても大学時代と小学生時代が入れかわるところは間がよく分からないなどやや雑なところがあった。 そう言う意味で後半は非常に好き好きで違うと思う。当然野沢尚が用意したシナリオとラストは認めなければならない。自分としてはかなり凝った書だと思うし、途中読者を裏切っておきながらラストに繋げるところは違った意味での魅力だった。そういうリアリティもあっていいと思う。最高点は付けられないが、徹底した心理描写で感情移入させるところはよい。そこは認めるべきだし、それあっての野沢尚じゃないだろうか。 異色であることは言うまでもない。と言うより何度も言ってきた。しかし認めるべき絶品だ。賛否が分かれるのは仕方ないが、個人的にはいい読み物を読んだと思っている。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.2:
(3pt)

なんかなぁ

殺人犯の裁判所に出した上申書のあたりを読んでいると、グッと引き込まれたのですが・・・被害者の娘が殺人犯の娘に殺人をけしかけるまではよかったんですが、どうも最後が締まらない。尻すぼみな感じが残ります。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.1:
(3pt)

テーマを作品に活かしきれていなかったのがやや残念

 先日著者の新刊「反乱のボヤージュ」を読んだが、本書は全く違う内容のサスペンス。脚本家らしく、どの作品もドラマを見ているような感覚を覚えるのだが、本書はサスペンスとしては正直やや物足りなさを覚えました。事件当日の犯行の様子や、主人公である奏子の心理状態や事件に関った者の心の痛みは非常に良く描かれていて、前半部分は緊迫した内容なのですが、奏子が加害者の一人娘と会い、復讐を仕掛けようとする辺りから、それまでの緊迫さが薄れ、心の動きは良くわかるものの曖昧さが目立ち、ラストもすっきりしない結末となっていたのは残念でした。被害者の娘と加害者の娘の関りをサスペンスとしていることには興味を覚えましたが、テーマを作品に活かしきれていない面もあったように思います。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854

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