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深紅
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深紅の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.93pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全59件 21~40 2/3ページ
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出だしがスゴイです。 修学旅行中、家族が事故にあったから急いで帰る用意をしなさい。 から始まる前半、家族に何が起こったのか? 事故? どこで?どんな事故? 大人は誰も教えてくれない。 事故なんかじゃない、もっと何か悪いことが起きているんだ、 修学旅行先から東京へ戻るまで、あれこれ思い、想像しながらの4時間。 そして、変わり果てた姿の家族。。。 一気にストーリーに引き込まれます。 葬儀が終わり、叔母の家に引き取られるまでの前半。 犯人の上申書。 裁判所の判決文。 後半は、時間が経ち主人公が小学生から大学生へ。 普通の女子大生のようでも、背負っているものは重い、重すぎます。 あるきっかけで、犯人には同い年の娘がいることを知り、会おうとする。 会ってどうするのか?どうしたいのか? 非常に重い内容なのですが、読みだしたら、止まらず読まされてしまいました。 | ||||
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著者の名前だけは知っていたけれども、 手に取るのは始めてのこの作品、 正直かなり面白かった。 当初、ドストエフスキーの罪と罰のような描写で、 気持ち悪くなり本を閉じようと思ったが、 巧みな比喩表現、登場人物の描写、随所に隠されたキーワードなど、 誰もが文句無く名作といえると思う。 おそらく東野圭吾にも かなりの影響を与えたのではないだろうか。 著者の死が残念でならない。 | ||||
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主人公は現在二十歳の女性。小学校の修学旅行に行っている最中、両親と弟ら家族を惨殺された過去を持つ。 彼女は、その凶行が、父親の仕事絡みでの金銭トラブルによるもので、トラブルの元凶は、意外にも、 父親の方にあったことを、後から知ることになる。 さらに、死刑を言い渡された加害者に、自身と同年齢の娘がいたことを知る。 わけのわからぬ衝動に駆られて、彼女に接近する主人公。 加害者の娘(未歩)と被害者の娘(奏子)との絡みが興味深いので、長いけれど完読することができた。 「一家惨殺」という凶悪犯罪が、未歩と奏子の人格にいかなる影を落としたのか?という点について、 作者はそれなりに考えていると思う。 とくに、末歩の人格については、夫からの暴力を容認してしまっている理由を、「潜在的な自己懲罰の 欲求によるものだ」と自己分析するくだり、ベタではあるが、共感でき、胸が熱くなった。 一方、被害者の娘である奏子についてはどうか? こちらの方は、正直言って微妙だ。 恋人に抱かれても感じることができないというのは、彼女の被った深い心の傷を示唆するもので、 納得できる設定だ。だが、屈折した人格の持ち主であることは分かるものの、全体的に、妙に落ち着いている感じがして、 違和感を覚えた。 成長過程における具体的なエピソードが無い。人物造形の面で不十分だと思う。 その意味では、未歩の暴力夫を殺してしまうようけしかける展開に関しても、「加害者の娘に対する復讐」 という理由付けはあっても、乱暴すぎる印象は拭えず、読んでいて戸惑いを覚えた。 また、後半、奏子は、交際相手の同級生である拓巳に、一方的に別れ話を持ち出す。 その台詞は「拓巳はいつか、私を持て余すようになる」というものだが、あまりにも一方的すぎる。 このあたりのやりとりに、もっと紙数を割いてくれれば、奏子の人格を、より深く解明するための助けになったのではないか? と残念に思った。 結論としては、「主人公の奏子の人格が十分に解明されていないことが、作品全体の力を弱めてしまっている」 ということになるだろう。 | ||||
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鮮烈な描写で最初の事件を重く深く読ませた割には、 事件後の遺族感情の記述は少なく、 その後の展開が浅く感じた。 もっとバランスがとれてればなー。 最後まで不明瞭な箇所もあり消化不良。。 | ||||
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通常、行き当たりばったりで無ければ、物語はエンディングを決めて物語を構成する。 作者の言いたい事は、そこに集約される。 『あれだけの酷い事件』を乗り越えた少女は大人になり自らの家族の命を奪った殺人犯の娘を 無意識のうちに憎む。 けれども、その娘には罪は無く、自らが背負った物と同じ物を背負った殺人犯の娘を許す。 因果応報はいつかは経たねばならない。 法律の起源は、ハンブラビ法典だがその作られた経緯は、抑えるものが無ければ 部族間闘争が収まらない所から発している。 憎しみの連鎖はいつかは止めねばならない。ヒトは成長するものだ。 成長して欲しい・・・そんな願いから産まれた物語では無いのか・・・とつい深読み。 | ||||
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正直購入したことを後悔しました。何人かのレビュアー様がおっしゃっている通り、長いわりには盛り上がりに欠け、全体的にアンバランス。まず主人公に感情移入できなかったです。あくまでも個人的な感想ですが、主人公にあまり魅力を感じませんでした。設定は本当にどろどろしているのに、終盤の主人公達は本当にあっさりしている。つじつまが合わない気がして、話についていけない。良くないことですが、なぁなぁな展開にだれてしまい、後半は流し読みをしてしまいました。自分は二度とこの著者の作品には手を付けないと思います。期待した分残念でした。 | ||||
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後半ハラハラで加速しちゃったー!! なんかもうギリギリの綱渡り。 被害者と加害者 そしてその家族 難しい問題だよね、常に。 正解なんて当事者にもわからない。 でも、この場合は、これでよかったんだと思う。 | ||||
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読むスピードが遅い私が、386ページを2日で読んだことからも本書の面白さが分かる。冒頭ののどかな様子からはその後の進展を全く予想させない。そのため、一気に展開していく物語に余計に引き込まれる。情景が目に浮かぶような描写は、非常に細かいが無駄がない。余計な挿話もないので途中でダレる所がなく一気に最後まで緊張感が続く。設定はドラマチックだが、最後に大どんでん返しがある訳ではない。それでも物足りなさを感じないのは、扱われているのが現実に実際に起こっていることではなくて、人物の心の深層の動きをいろんな角度から見ていているからだ。表面的なサスペンスだけを求めるのなら、尻すぼみに感じるかもしれない。とても深い「心理サスペンス」だと思う。 | ||||
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まあその・・・重いといえば重い 本人の意識次第といってしまうには重すぎ? 正直なところ、あまり好きな本ではないです。 なにが好きでないか書くと、自分が嫌な人になりそうなので省略(笑 | ||||
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帯の文句にあるような「奇跡的傑作」とは思えないが、 私には評判のいい前半部よりも、後半部のほうが心に残る。 はっきりいってしまうと、後半部だけでもよかったのではと思う。 このモチーフで短編が読みたかったなぁ。 ミステリーとして読むと肩透かしを食わされるし、ジャンルでは縛れない小説である。 | ||||
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まず、驚くべき人物設定であることに驚くだろう。事件の被害者と加害者の遺族同士の、一種の交流というのは前代未聞ではないだろうか。過去と現在を行きつ戻りつし、遺族としての気持ちが時に迷い、時に勇気を鼓舞しながら物語が進行していく。非常にスリリングだが、見た目は淡々としていて、非常に薄ら寒さを感じるときもある。 最後がどうなることやら途中から気が重くなったが、最後はこれしかないだろうなという終わり方で気持ちがゆっくりと弛緩した。きっと主人公も同じ気持ちだろう、そう思わせる開放感だった。 本作品でも作家のこだわりである「マスコミの責任」がはっきりと現れている。作中に登場するルポライターが作家の贖罪の心を表す姿に思えてならなかった。 本書は文学賞受賞作品だが、その選考委員でもあった高橋克彦の力強い解説も非常に面白い。 | ||||
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この小説は家族を失った小学生が心のどこか壊れたまま成長する姿が実に見事に書かれている・ そして犯人の娘に会いに行き、彼女との交流を持つ中、彼女自身事件と向き合い、新たな憎悪、共感など新しい感情が浮かんでくる。 色々な事を考えた小説だった。被害者家族の傷と加害者の思いそして加害者家族の人生。 この小説は被害者家族である奏子の視点から書かれている。加害者の娘である未歩との交流の結末は違ったものを想像していた分すこし肩透かしをくらった点もあったが、対極的な立場であるが、同じ苦しみを得たものとして磁石のように惹かれあった二人の気持ちは理解できるように思う。 | ||||
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評判の本なので読んでみた。たしかに前半の事件発生、その経緯を追った場景描写は緻密で克明、主人公奏子の心理描写も圧巻。後半、被害者の娘と加害者の娘が出会う件にむけて重厚なストーリー展開が続く。奏子は家族を惨殺した加害者の娘、未歩にどう接していくのか…。 一気に読んだが、ラストの展開が弱く、期待はずれの感あり。読み応えは、ある。 | ||||
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前半の話は本当に引きずり込まれた。殺人描写も残虐で生々しく、これからこの娘の人生はどうなってしまうのだろうと。 後半、殺人者の娘の登場で話の展開が変わった。私はてっきり殺人者の娘は被害者の娘の正体に気付いていて、最後にどんでん返しがあるのだろうと思っていた。ところが、何のひねりもなく赤の他人の関係のまま終わってしまった。読んだ後、これはないなと思わず呟いてしまった。がっかりした。私の中では何ひとつ解決してなかったから。殺人者の死刑判決を延ばす本当の理由もイマイチ納得できなかったし、主人公も一体どうしたかったのかもはっきりしなかった。親戚の叔母さんが面倒みてくれた理由や父親の愛人との絡み、何もかも中途半端な感じ。娘同士の奇妙な友情もどうせならお互いの素性を知った後の展開までしてほしかたなぁと思う。前半の話の面白さから差し引いて星三つにしました。 | ||||
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まず思うことは、野沢尚の作品だなぁということ。 「破線のマリス」の時も思ったが、この人の作品は ハッピーエンドとはほど遠い終わり方をする。 そして、この「深紅」を読むと、 彼が昨年自殺によってその生涯を自ら閉じて しまったことにも妙に納得がいく。そんな作品である。 だから、相変わらずテーマはものすごく面白いし、 終盤まで引っ張るのだがいまいち切れ味に欠ける。 悩んだまま作品が終わっていく。作家野沢尚という人は、 ここがちょっと惜しいのである。 〜〜〜〜〜 家族を惨殺された主人公奏子と 死刑宣告を受けた犯人の娘が出会ったあとから、 物語はどんどん深い闇の中に入っていく。 | ||||
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主人公の奏子が修学旅行中に家族が惨殺されてしまう。 でも読み進めていくうちに その犯人は奏子の父親に 恨みがあり、復讐される形で殺されてしまったのがわかる。 一家を惨殺された奏子が悲劇のヒロインのはずなのに 殺人犯の娘の未歩のほうが悲劇のヒロインに 思えてしまう。なんだか腑におちない感のする 作品です。 | ||||
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小6の主人公が修学旅行先で突然家に帰るように言われるところから始まるストーリー、。子供ながらに、家族の死を確信し、東京に帰るまでの4時間を、不安な気持ちと覚悟を持ってやり過ごしていく。 そして知らされる残虐な殺人行為。読者は、この少女を悲劇のヒロインとして認識し、罪を犯した犯人を心から憎む。 第2章には、犯人の男の上申書が綴られていく。そこで知る、彼の悲劇。読み手を今度は行き場のない怒りに誘う内容である。 この前半部分の展開は、読み手を一気に引きずり込み、途中で止めることを許さぬ構成だ。やがて始まる、被害者と加害者の二人の娘のくだり。前半に比べると、確かに緩慢かもしれないが、作者の言いたいことはこの後半にこそある。真綿で首を絞めるように徐々に加害者の娘を追いやっていくさまは、前半の性急な犯罪と対比されて、むしろ怖い。 大変に計算されつくした傑作と思った。 映画も見てみたい。 | ||||
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殺人事件の被害者の娘と加害者の娘が出会うと、どんなどろどろした話になるのかと思い、 どんな結末と救いを読めるんだろうと期待してましたが、あまりのあっさりした展開にがっくりしました。 前半が盛り上がって、後半が尻つぼみというレビューが多いですが、まったくそのとおりでした。 別段、二人の少女の奇妙な友情物語を読みたいわけじゃないので。 それに前半も盛り上がったとは思えず、重いテーマを選びすぎたという感じです。 殺人事件って、被害者って、悲しみは最初の激しさをなくしても、 怒りや憎しみはずっと抱えているものだと思うから。 | ||||
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第一章では、主人公が修学旅行先から事件の知らせを受け、 教師と共に家族の安置されている病院に行くまでが克明に 描かれる。主人公の心理描写は、この作者でなければ書け ないような緊迫感あふれるものである。 第二章では、犯人の上申書という形で犯行の様子が語られる。 そこでは、必ずしも被害者である父親が良い人間ではなかった 事が明かされる。 そして、第三章以降、犯人にも同じ年の娘がいる事を知った 主人公が、身分を隠して犯人の娘に接近していく。 いったい主人公は何をするつもりなのか? ジリジリした緊張感が盛り上がる。 が、終盤で今ひとつ盛り上がりに欠けた。 結局主人公は何をしたかったのか? 良く判らないまま終わってしまった。 この作者の作品を何作か読んだが、いずれも描写力は優れるものの、 一遍の小説としてみると、バランスの悪さを感じる。 | ||||
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前半数ページを読んだだけで、私はこの本を読みきる自信がなくなった。何より、その当時の私の家族構成や状況がこの事件で惨殺された家族の構成や状況とかなり似通っていたからであった。 しかしそれと同時に、もっと先を知りたいという渇望も沸々と沸いてきて、やはり今回も野沢さんにやられたな、と思っていた。 が、私の記憶はそこでぷつりと途切れる。 前半のあまりのインパクトに、後半が印象に残らないのだ。 被害者と加害者が偶然出会って、そこからどうしたとなれば、誰もが想像するのが陰惨な復讐風景。 前半であれだけ盛り上げたのだから・・・。 と思わせといて後半、記憶に残る事件が何もない。 奇を衒ったのかも知れないが、これでは尻すぼみといわれても仕方がない。 日本人の多くが導入部しか知らない、ベートーベンの「運命」のようなイメージだ。しかしあの導入部だけで人々の記憶に強烈な印象を与えるのが野沢尚らしいともいえる。 | ||||
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