■スポンサードリンク
私はここにいる、と呟く。
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
私はここにいる、と呟く。の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.20pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「わたしはここにいる」と呟くことそれ自体が、他者への願いとなっている。自分が呼びかけるのではなく、向こうから気づいてほしい、呼びかけてほしいという願いである。ここにいると呟いているのは過去の自分だ。7つの短編のそれぞれの主人公は過去を振り返り、なにかしら過去に縛られている感覚を持つ。その呼びかけは、現在の自分に、母親に、過去の恋人や疎遠になりつつある夫に、道をたがえた同級生、社会一般、あるいは、既に死んだ人に、向けられている。心の中で「ここにいる」と叫び続けてみても見つけてもらえるとは限らない。あるいは、見過ごして、そっとしてもらえるとは限らない。叫んでも届かないことがわかっているから叫ばない。でも、呟かずにはいられない。それは赤ちゃんの泣き声にも似ていて、どこか子どもじみているかもしれないが、とても切実な響きを持つ。届かずに消えていく声の救いのなさに、胸がざわざわと落ち着かない感じが残った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「わたしはここにいる」と呟くことそれ自体が、他者への願いとなっている。 自分が呼びかけるのではなく、向こうから気づいてほしい、呼びかけてほしいという願いである。 ここにいると呟いているのは過去の自分だ。7つの短編のそれぞれの主人公は過去を振り返り、なにかしら過去に縛られている感覚を持つ。 その呼びかけは、現在の自分に、母親に、過去の恋人や疎遠になりつつある夫に、道をたがえた同級生、社会一般、あるいは、既に死んだ人に、向けられている。 心の中で「ここにいる」と叫び続けてみても見つけてもらえるとは限らない。あるいは、見過ごして、そっとしてもらえるとは限らない。 叫んでも届かないことがわかっているから叫ばない。でも、呟かずにはいられない。 それは赤ちゃんの泣き声にも似ていて、どこか子どもじみているかもしれないが、とても切実な響きを持つ。 届かずに消えていく声の救いのなさに、胸がざわざわと落ち着かない感じが残った。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!