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殺人鬼
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殺人鬼の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.39pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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<「黒蘭姫」の感想のみ> Wikipediaでは、「金田一が犯人の自殺を制止した直後に等々力警部が身柄を確保しているので、両者が互いを認識できる距離にいたことは確実である。しかし、それ以上には明確な描写が無いため、両者の面識の有無は判断できない」と記載されている。 しかし明らかに金田一耕助は、犯人の逃走を予見して裏階段で待ち構えていたように描写されているから、「別の階段からあがって来た」(P.124)等々力警部とは、事前の打ち合わせができたうえで、警部は別の階段に待機していたと考えるべきではないだろうか。 そして、この時点で警視庁の警部が一民間人の耕助と打ち合わせていたという不思議は、執筆順で後付けに違いないものの、昭和22年の9月末から10月にかけて、『悪魔が来りて笛を吹く』事件(執筆は昭和26年後半から)があったことを考えれば何の不思議もない。 しかも同事件では、金田一耕助と等々力警部が戦前から関係あったことが記されている。 当然そうなると、「暗闇の中の猫」の記述とは矛盾してしまうわけだが、あちらは金田一耕助が登場していない原型作品を昭和31年に改稿した作品だから、その際のチョンボと考えてスルーした方がよいと個人的には思う。 つまりWikipediaでは本作を昭和21年11月の事件としているが、昭和22年11月だったとすれば、とても納得しやすい。本作の雑誌掲載が昭和23年1月号からだったことを考えれば、店頭に並んだ時期より少し前の設定だと捉えるほうがむしろ自然では? 同書が今手元にないので後日チェックするしかないが、その事件で耕助が美禰子の訪問を受けたのはどこだっただろうか……。 ――ところが、同書をチェックするまでもなくそうは問屋が卸さなかったw 昭和22年3月の事件である『黒猫亭事件』にて、その時点ですでに金田一耕助は三角ビルを離れて、松月に転がり込んでいることが描写されている。雑誌掲載は昭和22年12月号で、本作「黒蘭姫」はその直後、昭和23年1月~3月号の掲載である……。 別雑誌の掲載だし、執筆タイミングがその流れのままなのかは不明だが、その間は短い筈で、矛盾が生じるほど混乱するとは考え難い。 すなわち、この「黒蘭姫」事件は昭和21年11月に決定。 等々力警部とは、戦前すでに知り合って貸しがあったようだし、ギリ納得できる。 耕助が美禰子の訪問を受けたのは、松月の離れに違いない。(後日確認予定) いやぁスッキリ。 ――そして昭和24年5月号から雑誌連載された『死仮面』事件では、昭和23年9月と書かれた男の手記を読んだ金田一耕助が、その半月後に三角ビルで捜査依頼を受けるのである……。 ちなみに、それは『八つ墓村』事件が解決した後であることも明記されていて、もーどーしよーもないww "松月の離れ"は金田一耕助の所在として有名なのだが、居候のことでもあるし、『黒猫亭事件』後も三角ビルと行ったり来たりを繰り返していたと考えることも可能かw 三角ビルの事務所に寝泊りは辛そうだし、「蝙蝠と蛞蝓」の下宿は捜査に関わる一時的なものなので、一時期は松月の離れから三角ビルに通っていたとか? 芦辺拓あたりがオマージュ作品でうまくフォローしてくれてないかな……。 ところで、作品自体の感想も書いておくと、――直前の「殺人鬼」もそうだけれど――コネコネクチャクチャ度が上がってきた気配がする。耕助が依頼を受けて、現場に到着してから犯人の目星をつけるのがいくらなんでも早過ぎないか? もちろん頁数の都合というメタは抜きで。 ま、コロンボとかもそうかww ついでながら、宝石の万引き&見とがめられて店員刺殺のプロットは、ほとんどそのまま後の「霧の中の女」に再利用されている。 たしかその犯人は検挙されなかった。 まさか、黒蘭姫がやらかしたのではww | ||||
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もはや古典の域に達する横溝正史とはいえ、心無いレビューが多いです。 ミステリーなのですから、ネタバラシはいけないと思います。 私が予備知識無きに「百日紅の下にて」を読んだ時の感動はかなり心地よいものでした。 「源氏物語」的な構想も旧横溝ワールドの耽美さを感じさせ、それと戦後の焼け跡の描写が重なって見事な一品です。 氏の短編中では一番の傑作なのではありますまいか。 表題作の「殺人鬼」は横溝正史が戦後本格推理小説を立て続けに発表していた時期の作品です。 とはいえトリック小説というよりも、氏の語り口のうまさで見せてしまった作品です。 この小説の中に描かれている題材の一つ一つが後にさまざまの作品に生かされていますので、苗床みたいな作品だったと言えるかもしれません。 | ||||
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