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クライマーズ・ハイ
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クライマーズ・ハイの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 1~20 1/2ページ
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テーマがなんともまだら、絞りきれていないので読後感が消化不良。 また、汚い人間関係を見せながらダラダラと読まされる新聞屋の下りに意味があるとは到底思えない。 山の部分だけで100P程度、それでじゅうぶん事が足りるだろう。 まさに時間の無駄。これが最高傑作というのなら横山某という作家は大したことがないのだろう。 | ||||
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日航機事故の闇を暴くかとかと思って購入したが、そこには触れられてなかった。残念 | ||||
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前からオーディブル時々聞いてます。今回も読みたかった本なので、期待して購入しましたが、残念なのは朗読する方の声、話し方。すごくきれいな声で発音も聞きやすいのですが、いかんせん声または話し方に深みがなく、薄っぺらく聞こえてしまい、小説の世界に入っていけない。自己啓発的な読み物ならこれでいいけど、小説となるとまるで世界観が違う。 残念です。 | ||||
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これが「地方新聞のリアル」なのだろうか? 流石に「大久保連赤」の描写と、それが一気に墜落していく所までは凄い描写であった。 横山さんの作品は読んだことはなかったが、「なるほど、流石元新聞記者」と唸るだけのものがあった。 しかし、その後主人公はいきなり「報告なしで広告を外してしまう」という失態を演じる上に、自分が正しいと思っている。 当たり前だが、スポンサーは慈善事業でやっているんじゃないし、そもそも広告効果があるかどうか分からない地方新聞に「善意」で出資してくれているところがほとんどのはず。ただもう、そのスポンサーも終盤に無理やり「悪役」にされてしまう。 しかしまあ、一応青臭い報道哲学なのか、と思いながら読んでいくが、この主人公は「強い人には弱く、弱い人には強い」という性格なので、まるっきり応援する気にならない(笑)。社長が切れると黙るが、それ以下の中間職は全員見下しながら接し、後輩がつけあがると「壁に押し付ける」というフツーに暴力気味で対応する・・・。ただまあ、一応ストーリーが面白いし、そしてなんで主人公が常に苛立っているのかが分かるシーン、「大久保連赤の時、実は負けまくっていたじゃないですか・・・」と項垂れるシーンとかは読みごたえがある。 ひょっとすると地方と中央、そのどうしようもないレベルの違いに、作者本人はずっとキレていたのかもしれない。 しかし、とにかく主人公は「暴力気味にキレる」という形でないと調査を進められないので、部下が数人しかついてきていない(笑)。 例えば中盤に、脇役が「おい、そろそろ日航機以外も記事にしろ」と語る。「もう悲惨な現場だけに拘るな。今日来てくれるオーケストラは何年も前から町中で楽しみにしていたんだから、きちんと記事にしろ」という脇役がおり、どう見てもその人の方が正しいのだが、主役にとってはこいつも「俺の日航機を邪魔する敵」に映るらしい。 一体、記事の手柄の大きさに拘っているのは、どっちなのか・・・。 ただ、この主役はそもそもパワハラで部下を死なせた過去があるらしい。普通は少し反省するものだと思うが、それから何十年経ってもパワハラ癖は治らなかったらしいが、ある意味ではリアリティがあるのか。 そして、最後・・・一般人の怪文書を無理やり採用する主役にはもう誰も期待しておらず、むしろ今の今までこの異常ジャーナリズムの持ち主をちゃんとクビにしなかったのは何故なのか・・・。 それでも、星二つなのは、やっぱりストーリーそのものは面白いからである。 まあ、読む人にとっては違う評価もあるだろう。 安いので買ってみて損はないはずである。 | ||||
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この人の警察小説を読んで一発でファンになり、既刊の中でも本作は有名なので期待して読みました…が、今のところ横山秀夫の中で唯一ハズレ判定になってしまいました。 大規模な飛行機墜落事故の記事を巡る記者たちの熱い物語ですが、この熱気についてこれるかどうかではっきり評価が分かれると思います。作者は元記者ということで、おそらく本作に書かれている現場は限りなくリアルなものなんだと思います。それを踏まえても私の常識とは違う世界で生きている人たちなんだなという感想しか生まれず、読んでいてもうイライライライラしました。 主人公が突出して酷いのですが社会人だというのにまるで子供のようで途中何度ひっぱたいてやりたくなったか知れません。正論しか言ってない上司には噛みつく、現場をひっかき回しておいて悪びれない、自分のド忘れで大きなミスをしても開き直って「じゃあ損害分は俺の給料から引いてよ。でも必要だと思ったら今度は故意で同じことすっから」。こんなに自由に生きている社会人を私は知りません。特別仕事ができるわけでもないし、私が社長でもこんなのいたらクビにしています。 本作でおそらく悪役として書かれているキャラの言い分の方が納得できるんだなぁ…。あとラスト最悪でしたね。みんな飛行機事故で亡くなった人たちの死ばっかり悼んで飛行機関係ないところで亡くなった人間の死なんてどうでもいいんですね!よくわかりました!!というキチガイみたいな文章を新聞に載せて、それがさも正義のように書かれていて吐き気がしました。遺族から苦情こなかったぁよかったぁ~じゃないでしょう…なんだこいつら…。私が遺族で悲しんでる時にこんなの読んだらブチ切れてますよ…。 主人公の糞さはひとまず置いといて。ストーリーは多方面に飛びますが基本的にどれも中途半端で警察小説の時に感じた緻密な起承転結は影も形も感じませんでした。良くも悪くも著者の警察小説とは作風がまったく違うので、同じ雰囲気を求めて本作に手を出すとびっくりするかもしれません。私は合わないどころか妙な胸糞悪さに読んだことをちょっと後悔してしまいました。 文章の読みやすさはさすがです。サクサク読めるのでそこだけは救いでした。文章の良さを評価して☆2とします。これだけの高評価ですから合う人はがっちり合うんだと思います。大ボリュームのわりに得たのは不快感だけだったので本作が合わなかった私は今後警察小説だけ読むことにします。 | ||||
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「第三の時効」が面白かったのでいくつか続けて読みました。64は随所に無理があるもののまあまあ、半落ちルパンでがっかり、震度0は途中でギブアップ。これでだめだったら止めようと思い、本作はがんばって通読しました。このひと、結局同じパターンしかないんですね。もう読みません。 主人公は、自分の意にそぐわないと感情むき出しにしてどなり&がなりちらす、根は優柔不断な小心者の「反骨と熱血の燃えるブンヤ」(苦笑)。こんなの単なる異常者です。まあ、確かに日刊紙の中央官庁クラブ登録記者には、「自分は特別」みたいな勘違いオヤジは多いですけど。 最後の、かつての部下のいとこ(でしたっけ?)の投稿も(感動ばなしにしたてあげたかったのでしょうけど)まったくずれています。あげくの果ては、「悪役」は失脚して男気あふれる「ブンヤ魂」が集うハッピーエンド(?)。なんすかこれ? 共感も感情移入も、もちろん感動もできないめちゃくちゃな「おはなし」でした。 | ||||
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群馬県に落ちた日航機。それまで群馬といえば、大久保事件や連合赤軍の事件で、どっちが大きいとか小さいとか、ただ取材して、記事を書いただけなのに、事件の大きさが記者の格になるそうで、新しい事件を軽くみたい幹部連中は、日航機の事故を小さく扱おうとするし、若い記者は自分たちこそすごい事件を取材したんだと威張る。そんなどうでもいい争いの話が大半を占める。読んでいて不快になるだけ。まぁ、そういう記者根性を批判しているのかもしれないけど、別にそんなものは読みたくなかった。 | ||||
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新聞社の派閥や利権の抗争で、読んでいてイライラした。 個人的な感情ですが、主人公の身勝手な行動に、とても腹が立ちます。残念。 テーマを盛り込みすぎて、どれも無理やりなハッピーエンドだと感じた。 墜落事故のノンフィクション的な部分は良かったと思う。星2つ。 | ||||
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最後まで主人公を好きになれなかった。自分の勝手な記者とはこうあるべき、という思いだけで営業を軽んじたり、読者ニーズに走ることを負け犬、腰抜けとののしる。会社小説にしてもただただ登場人物たちがいがみ合い終わる。読んでいて一切の爽快感も得たものもなかった。 | ||||
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主人公に柔軟さがなく、読んでいて不快な気分だった。 それを400ページも読まされたという不満だけが残った。 主人公はクライマーズハイというよりはアスペルガー症候群。 | ||||
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何かと話題になる本なので購入。読んでみて後悔。 まず、主人公についていけない。 その場の感情で動き、責任も感じず、ただやりたい放題。 どの行動、思考をとっても何一つ共感できないのだ。 それなのに、まわりはこんな主人公を中心に動いていく。 主人公のほうに落ち度があっても、どういうわけか許され、しかも尚一層認められるのだ。 あまりに主人公に都合が良すぎて、リアリティなんかもうどうでもよくなる。 一番おもしろかったのが、あの投書を採用した場面だ。 その道のプロであるべき40過ぎのおっさんが、記事の扱いについて 女子大生の浅く幼い考えに感動し、会社に迷惑かけてまで投書欄に載せるのだ。 あの場面、普通に考えれば死んだ後輩に対する負い目があってのことではないのか。 しかしそのこのには一切触れず、ただ「気付かされた」とだけ書かれている。 終始にわたりこうなってくると、もう感情移入もへったくれもない。 が、こう書きつつ不安になって来るのは意外と好評価が多いからだ。 私がおかしいだろうか?? | ||||
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せっかくの素材が下手な文章で台無し。 物語のなかで「地方紙にとって二度と起こらない大事件」と強調しているが、その事件をものにできなかったのは作者本人だと思った。 主人公の衝立岩登攀シーンとJAL墜落事故時の地方新聞社内での格闘の追憶とが交互に描かれるのだが、残念ながら単に物語がブツ切れになっただけだ。 数多くの登場人物もありきたりなキャラクター設定ばかりでつまらない。 横山といい、山崎豊子と言い、新聞社出身の作家はなぜこうも文章が下手なんだろう。 新聞記事と小説とでは文章の勝手が違うからだろうか。 ※見ていないけど映画のほうがいいかもね。 | ||||
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男ってやつはなんでこう大騒ぎしなけりゃ自分のやるべき仕事もできないのか、というのは正直な感想でした。主人公にしてもいちいち憶測や邪推をしないで素直に自分の役割をはたせばこんなことにならないんじゃないの?なんだか勝手な自己陶酔の連続でひきました。文章自体はおもしろいところもありましたが。 | ||||
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周囲の評価が高かったので読んでみたのですが、いまいち心に響きませんでした。作者は以前新聞記者であったとのこと。私は報道関係者に対して常に懐疑的な意見の持ち主なのでなおさらそう感じたのかもしれませんが。 作者の言いたいこと「報道とは何ぞや」ということが、この悲惨な事故を対象にとることで、ひたすら矮小化されている感が否めない。報道を擁護する立場なのだろうに、主人公が一連のストーリーを通じてどんどんあさましく、情けなくなっていくように描くのはどうなのだろう。 | ||||
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本屋大賞1位ということで、読んでみた。 正直な感想はなぜこれが1位なのか?ということである 飛行機墜落事故の事を軸に仕事や家庭、友人のことを おじさん視点で描かれているのだが、どうも感情移入も 共感もしにくかった。自分が20代の若輩者だからなのか… はたまた読解力がなさすぎるからなのか 40超えて妻子ができればまた違った感想を抱けるのかもしれない。 | ||||
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日航御巣鷹山墜落事故を題材に、それに奮闘する記者である主人公が、家族や会社の人間、周囲の知人たちにもまれながら、長年心に積もったわだかまりを払拭していくといった感じのストーリー 会社の上司に信じられないほどの悪態をついたり、会社の意向を無視し自分の過去を精算するため他者を巻き込んだ独りよがりな行動などには疑問甚だしくもありますが、記者をしている友人に聞いたところ昔の記者というのはどうやらこういった方も多かったようです。 しかし日航御巣鷹山墜落事故を扱っているのにその内容の詳細はペラペラでその必要性を全く感じず、ただ大きい事件を扱う記者の奮闘を描いているだけに終止収まっている感は否めない。 日航御巣鷹山墜落事故について小説を通して少しでも知ることができたらと思いこの本を手に取ったがその役割を全く担ってはくれなかった。 | ||||
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「山」と「地方新聞社の群像劇」だけならもっと高く評価できます。 しかし、肝心要の「日航機墜落」を期待して読んだので失望しました。 結局の所、主人公にとっては日航機墜落よりも過去に起きた後輩の死の方が重要だったのです。 それも、必然性も無く唐突に挿入された要素なので「どうして主人公は『今』拘る必要があったのか」と言う疑問は消化不良に終わります。 主題さえ違えばもっと違う評価が出来るのですが残念です。 | ||||
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地方新聞社とは色々あるけど、こうも若手が40代の目上に唾吐き捨てて「現場に登ってないあんたに何が判るっつんだ!?」と言えたりするの? アナーキー過ぎて、惨状の現場を踏んだ神沢の憤りは判るけど、あまりにも上司も目上もへったくれもない若手の下克上的生意気ぶりには読んでて不愉快だった。 また、悠木が仕事上の絶対的な仕方なさで罵倒したために、結果的に死んだ望月記者をめぐるトラウマのエピソードはさらに変。営利を求めるのは新聞も仕事上当たり前で、その新聞に載せる故人の生前写真を探してくるのは、確かに新人記者には遺族感情の前で葛藤するだろうけど、生業上仕方のないこと。だから、悠木が過剰なトラウマに苛まれてきたのは変。 もっと変なのは悠木が、その故望月記者の従姉妹が対面時にもってきた自身の投書を、望月への贖罪の気持ちひとつで自分とこの新聞に載らすのをその場で確約したこと。自分の私的感情と私的関係だけで、公共の新聞に自分の独断で載せるのを押し切ったのは、普通は職権濫用。 また、その従姉妹の投書内容も、やっぱ「日航機事故遺族の感情を配慮せず、自分の親族関係の命を軽視した新聞への当てつけ」以外のなにものでもない。重い命と軽い命とで結局新聞は人命の軽重を作ってるんだといわれても、やっぱ社会的大事故で失われた多くの命と、世にごまんとある交通事故で失われた命とでは、新聞は紙面積の都合と社会的役割上、前者を取り上げないわけにはいかない。 あと、この投書事件が本読んでて終盤に出てきてからは、「日航機事故で失われた多くの命も、主人公の悠木あるいは作者自身にとっては、結局他人事のでかすぎて扱いに困る“もらい事故”にすぎないの?」と疑問に思った。『クライマーズ・ハイ』の題名で我々読者に想起させるあの80年代の日航機大事故だけど、本書では単に架空の新聞社内の、組織破綻に近いその異様な上下関係・人間模様や、主人公にしてはあまりに魅力のない悠木(それでも全権)のしみったれた人間模様を、単に背景として彩るだけのいちエピソードにしか扱われてない。あの歴史的惨劇がこうまで薄っぺらく扱われてるとは一体? 最後に再度問いたいのは、作者は新聞・記者の役割をナイーブすぎるほど神格化しすぎているが、新聞社は非営利団体ではないのだ。読者の知的・感情的充足感を満足させ、営利を常に追求しないことには、ずっとは飯は食えない。公器と営利の羊頭狗肉な狭間で格闘してる。 追記になってしまうが、忘れてたことが。ハーケンで岩を登るシーンに、あまりに肉体的な汗の実感と周りの山景色の彩りが欠けている。スポーツ感がゼロで、題名倒れじゃないか? | ||||
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題名の「クライマーズ・ハイ」は、レビュアー諸氏の言にもあるように、仕事が山場にさしかかかっている時の妙な高揚感をもさしているのであろう。いや、むしろそれは自分を奮い立たせるための言葉であるのかもしれない。自分を変えるために谷川岳という「死の山」に挑もうとした「山屋」が、そして自分を見つめ直すために日航機墜落という未曾有の事故に挑んでいく事件記者が、自分の目の前に立ちはだかっているものの大きさに押しつぶされないための。そして、山とは自分が乗り越えなければならないものの象徴でもある。しかし、納得できたのは題名だけであった。仕事終了後、5時過ぎから読み始めて9時に読了。まさに食事の時間も惜しむようにして、一気に読み終えた作品ではあったが、読み終えた後の私に残ったのは、もどかしさと戸惑いであった。作者はこの小説を通して何を言いたかったのか。はっきりいえば、それが伝わって来なかったのである。(いや、人生の契機にどう動くのか、どう動くべきか、を書きたかったんだろうとは思うのですが)私は横山氏の作品に今回初めてふれた。したがって、この作品だけで作者に対する評価を下すのは早計かとも思うのだが、「初の長篇」であることを意識し過ぎ、いろいろな要素を詰め込み過ぎて、かえって焦点がぼやけしまったように感じた。日航機墜落事故、新聞社内の抗争や上司との軋轢の中で自分を貫こうとする主人公や若き新聞記者たちの熱気、といった企業小説的な視点、また新聞記者であることと人間であることとの狭間での葛藤、人間の命の軽重、「山屋」、そして謎の言葉を残して倒れた同僚の真意を繙こうとする推理小説的な視点…。これらは一つ、あるいは二つでも十分に素晴らしい作品が書ける内容であると思う。しかし、それらがぎゅうぎゅうと一つの作品の中に詰め込まれていれば、焦点がぼやけてしまうのも当然なのではないか。だから最後の投書の重みも感じられず、嫌みな感じばかりが残ってしまったし、登山の場面にも緊迫感、臨場感がなく、山の自然の美しさ、厳しさ、清々しさといったものが感じられなかった。特に「山屋」安西の言葉には説得力がなく、作者の「職業作家」としての「作り」の部分で書いているような感じすらしてしまった。初めて「現場」を見た神沢の狂気を孕んだような瞳や暮坂の「記者」であることに取り憑かれたかのような姿を「老犬」の姿とともに描いた場面など、秀逸であっただけに残念である。 | ||||
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日航機墜落事故を地元新聞記者として迎えた主人公の、仕事と家庭と友人のなかの苦悩が書かれたもの。著者の作品を読むのは、『半落ち』以来2作目でしたが、いまや押しも押されれぬベストセラー作家であることと、書かれている内容が「17年目にしてやっと書けた」という日航機墜落事故であるという前評判で非常に興味をもちました。山崎豊子の作品で、日航機墜落事故を改めて詳しく知った人も多いと思いますが、私もその一人で、あの『半落ち』の著者が日航機墜落事故をどのように書いたのか、非常に期待して手にとりました。著者は、墜落現場の地元の新聞記者であったということなので、日航機墜落事故については、私が期待していたような事故の悲惨さなどを書くこともできたと思いますが、あえてそれを必要最小限に抑えていたことはわかります。しかし、「日航機墜落」を「横山 秀夫」が書くと広告に書かれた上で、新聞社の社内抗争や、事故とは全く関係ない山登りのことなどを書かれてもピンとこないというのが正直な感想です。 | ||||
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