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震度0の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.46pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全52件 41~52 3/3ページ
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ストーリーそのものは非現実的でリアリティに乏しい。しかし,時系列的に話が進み,いくつもの伏線が用意されており,それが徐々に明らかになっていく過程は人を引き付けるものがある。登場人物ひとりひとりのの個性が際立っている。 威厳を保てない本部長,他人を見下す独善的な警務部長,地元の権限に固執する刑事部長,沈黙する生活安全部長,風見鶏の交通部長,良識ある警備部長・・・6人の上層部の人々の思惑が複雑に絡み合い,情報戦の主導権争いをするあたりは,組織に生きる人間の業のようなものが感じられていて興味深い。ただ,これが警察組織の姿だとは思えない。単純にミステリーものとして読みたい。 | ||||
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警察内部のことは一般の人間にとってはブラックボックスだし、関連の人はそう簡単に話さないだろうから、こういう小説をもって状況を想像するしかない。キャリア ノンキャリアの実態、各部署の対立、公舎内での家族まで巻き込む展開など、実際からは脚色されるところはあるだろうが、それぞれありうる話が出てきて、個々のエピソード、トピックスをジグソーパズルをつなぎあわすように最後に持っていく展開は見事です。またまた一気読みをしてしまいました。テレビ化や映画化を想定して自分で配役を考えていくのも楽しい。それだけ各メンバーの個性が明確に描かれています。 | ||||
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N県警の警務部長の失踪事件をめぐる、警察署内でのキャリア対ノンキャリアの駆け引きを描いた作品。横山氏の小説の多くが、このキャリア対ノンキャリアあるいは個人対組織ということをメインのテーマに書いているが、この作品では、これまでに作品の中で最もキャリア対ノンキャリアというテーマに踏み込んで書いていると思う。作品としては、前半から中盤の展開が単調で退屈であるが、終盤の失踪の謎が解き明かされるあたりだけはうまく書けており、一気に読まされた。ただし、他の横山氏の作品と比べた場合とりたててこの作品が優れているかというと、そうではなく、平均点といったところであろうか。一方、他の方も話題にされている大震災との関連であるが、私自身は、これほど大きな実際の大災害を取り上げるのだから、当然、失踪の動機や捜査など、なんらかの展開で地震に結びつくものと考えながら読んでいた。しかし結局、時間軸として使われたにすぎないという印象を受けた。神戸の震災でも当初は情報があがってこず、正確な震度が伝わらなかった。N署にも警務部長の失踪という激震が襲ったが、つまらない対立から正確な情報があがらず震度がわからなかった。そして結局は、「地震」そのものがなかったつまり「震度0」であるという解決を得ようとするが・・・、ということを書きたいのだと思うが、このことを書くために多数の方が犠牲になった実際の災害を使うのはいかがなものかと思う。結局震災の救援を真摯に考えていたのは上層部のなかでただ一人というのも、小説とは知りながらも悲しく、不快に思った。ここで架空の災害を用いても読者を納得させるだけの筆力が作者にはあると思うのだが・・・。 | ||||
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神戸を襲った激震に日本中が震撼した日、N県警主要幹部の間にも烈震が走った。誰もが一目おく警務課長・不破義仁が昨夜から帰って来ていないという。失踪か、何らかの事件に巻き込まれたのか―――本部長・椎野勝巳、警務部長・冬木優一、警備部長・堀川公雄、刑事部長・藤巻昭宣、生活安全部長・倉本忠、交通安全部長・間宮民夫はそれぞれの思いを胸に、保身と出世を脳裏に不破の行方を掴むべく動き出すが…アパート型の公舎に住むそれぞれの妻たちや過去の出来事、あまりの惨状に当初は誰もその被害の大きさを把握できなかった阪神大震災の様子も加わって、複雑に展開していく。じりじりと進展していく事件と、それぞれの思惑、少しずつ露見していく隠された秘密が410頁を一気に読ませてしまう。 | ||||
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警察の操作を題材としていますが、その中核をなすのは警察幹部の情報合戦です。キャリア、ノンキャリアの心の機微をうまく捉え、現代版シャーロックホームズとも言えるかもしれません。 | ||||
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県警本部幹部各々のキャラクターがありありと描かれ、心の機微が、手に取るように、伝わってきます。にもかかわらず、銘々が、憎めない存在として描かれているのは、人間の限界を知り、限界を享受し、その上で、生きていく人間像を描くことに、この作品でも筆者が真正面から挑んでいるからではないかと、思いをはせました。登場人物の共通項は、それそれ判断を誤りながらも、冷静にそれを受け止めて、あきらめずに、リカバリーを図ろうとする、たくましさではないか、その意味で、この作品でも、試行錯誤さえあれば進歩できるということを、主軸にしているように思います。勇気を与える書です。 | ||||
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日本ミステリにおける「警察小説」進化の歴史――大沢在昌『新宿鮫』、高村薫『マークスの山』の達成点が、君塚良一脚本『踊る大捜査線』で更に乗り越えられたことは、ミステリギョーカイ関係者に(意図的に?)黙殺されているが、横山秀夫の一連の作品によって、新たな境地に達したことは疑いない。「探偵小説」的側面から見れば、市民社会における「正義」を実質的に担保する、一般市民に現前する組織体としての「警察」という機構――「警察小説」とは、この「正義」という表象がその内実を詮索され、以て相対化されていく過程にほかならない。しかし、従来のそれは、「警察」に対して肯定的であれ否定的であれ、「権力」システム(の内部)というフレームは自明のものとして維持されてきた。これが、キャリア‐ノンキャリアの対立、内部抗争、組織隠蔽などが主題化されていくにつれ、市民社会を統べている「権力」というシステム内部の持つ「社会」性があらわになり、小説作法、その語り口のレベルで、その「権力」性は溶解してしまう。 作者の登場によって、「警察」は様々な人間たちが交錯し交歓しながら奸計をめぐらす社会空間に変貌した。この空間内部のコードと個々人の思惟との差異を冷徹に見つめながら、作者は並の本格ミステリ作家は到底かなわぬミステリアスな世界を紡いできた。――本作は、「警察小説」の到達点である。警察官失踪に端を発する県警の受難に、警察村の面々は保身と面子に拘泥しながら、次々と入手される情報に翻弄される。作中に呼び出される阪神大震災は「社会」が崩壊する不気味な予兆として、県警幹部たちの熾烈な駆け引きに影を落とす。――「震度0」。果たして、余震は来るのか。 | ||||
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私も組織の一員です。多かれ少なかれ、組織の人間関係なんて、そこが警察であろうがスーパーであろうが、あまり変わりはないと思う。私は最後の結末の方が人の心の表に出る感情とか策略とかよりも、どうにもならない愛情の方が悲しかった。どんなに周りの人に悪く言われたり、村八分や意地悪されても、最後に信じていた愛に裏切られるのは、どんな大きな地震よりもつらい事だと思います。だから、あえて震度0なのではないのでしょうか?とにかく最後まで、読んでみてください。 | ||||
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■1995年1月17日早朝、阪神大震災が発生。同じ日、約700キロ離れたN県警も激震に見舞われた。春の定期異動案がほぼまとまり、マスコミが動き始めたこの時期に県警本部の不破警務課長が失踪したのだ。不破は有能で気配りもできる人格者。事件やトラブルの可能性は見当たらない。ただ不破の車が、以前警察署長として彼が赴任していた東部署管内で発見された。深まる謎。やがて各部署が抱える暗部が露出しはじめた――。■県警の威厳保持、幹部の経歴防衛のため、事態は慎重に扱わねばならない。特に絶対にマスコミにかぎつけられてはいけない。かくして、県警最高幹部6人の暗闘が始まる。6人とは、椎野本部長(キャリア)、冬木警務部長(同)、堀川警備部長(準キャリア)、藤巻刑事部長(地元ノンキャリア)、倉本生活安全部長(同)、間宮交通部長(同)。トップ2人が激しく口論し、ライバル同士の部長は情報収集に暗躍。■小説は、各部長室と公舎を中心に分刻みで展開し、息もつかせない。意外な事実が明らかになる終盤は、頁をめくるのがもどかしいほどの面白さだ。 | ||||
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いつもの横山節顕在といったところでしょう。冒頭に謎めく事件が発生し、それを追ううちに、次々と表面に出てくる隠されていた事実。そして最後に収集されるという、よく言えば確立されたスタイル。悪く言えばワンパターンなのですが、横山ファンには久々の警察が舞台の長編小説を楽しめると思います。 いつもながらここまであくの強い察官キャラクターは横山さんならではのもの。最初はどうにも展開がとろくて少々間延びしてますが、中盤から終盤にかけての、怒涛のような展開は見事。N県警本部と県警幹部公舎だけで展開される、ある種の密室劇。そのため事件的には凄く地味ですが、なればこその臨場感、久々の横山警察小説を堪能させてもらいましたが、まあ正直なところ、氏の小説を本書で始めて読むという人には、ちょっと物足りないかもしれませんね。 ページ数こそ400ページですが、いつものごとく台詞でスカスカなので、読みやすい本ではありますよ。これもいつもの横山スタイルですけどね(笑)。 | ||||
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県警主要幹部6人の部長とその妻たちそれぞれの視点と立場からの叙述によって、物語(事件)が進行する。それぞれの欲望、保身、栄達、嫉妬、へつらい、優越感などが、戯画化されて、あからさまに語られる。多角的視点からの叙述には賛否があると思う。正義の味方の主人公になるべき人物はいるが、事件からは脇役の位置にいる。よって、読者は、感情移入できずに推移を見守るしかない。しかし、ご安心あれ。最後は見事な収束を迎える。いくつかのディテールが生かされ、重なり合う。小説を読む醍醐味が味わえる。そして、最後の最後にこの物語における「震災」の意味が明らかになる。お楽しみに。<追記>ネタバレ有り『半落ち』に叙述の方法や構成が似ていますが、「謎解き」部分は格段に優れています。ただし、ささやかな疑問もあります。ネタバレになるので、逆に書きます。未読の方は無視してください。ウドイノイタシ | ||||
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組織の中で、とてつもない大事件に振り回される。狡く立ち回り、メンツや実利を得ようと様々立ち回るが、結局は根拠のない情報に振り回される、弱いものたち=つまりは、私たちの物語である。 遠景に阪神大震災、中景に舞台にもなっている警察幹部官舎、近景に警察本部を置き、「震災」と「もうひとつの激震」が互いに狂言まわしとなりながら物語は進む。なぜ、このような構成を思いつくことができるのか。舌を巻く。 著者の、人物の陰影の細かさと、一人一人が石垣のごとくぴっちりとかみ合う構成の緻密さは相変わらず凄みがあり、濃密な筆裁きを堪能できる。登場人物が多いため冒頭に登場人物と舞台の見取り図があるが、全く必要ないくらい整理されて頭に入ってきた。本書では、作中で中心的に振る舞い事件を解決するような、感情移入できる強いキャラクターが作られていない。それが終盤まで読者を緊張させ引っ張っているが、魅力に欠けあるいは説得力に欠けると読む人もいるかも知れない。しかし、そのような形をとったために、組織人の悲しみや脆さ、混乱の中で透徹した視点を持てるのはどういう者なのか、が浮かび上がってきていると思う。 | ||||
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