■スポンサードリンク
ジェネラル・ルージュの凱旋
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
ジェネラル・ルージュの凱旋の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全164件 41~60 3/9ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今回嵐を呼ぶキーパーソンはオレンジ病棟に君臨する血まみれ将軍、速水。 愚痴外来の看板にして我らが万年講師・田口の大学の同窓で、財政破綻から沈みゆくと夕日と揶揄されるオレンジ病棟で孤軍奮闘辣腕をふるい、患者の搬送ヘリ導入の悲願を抱く医師。 なんといっても速水がかっこいい! 自由奔放・唯我独尊キャラとおもいきや患者と相対するや一転凄まじい外科手術のスキルを発揮……もう言うことなすこと全部かっこいい!抱いて! そりゃ翔子や花房さん佐藤ちゃん(?)じゃなくても惚れるってなもんです。 イイ男きわまれり。 多彩な脇役陣にもここぞ!という見せ場が用意され実に魅せてくれる。 「ナイチンゲール」の翔子は不謹慎な言動にちょっと引いてたんですが(薄幸の美少年に萌えたり)「ジェネラル・ルージュ」を読むとそのパワフルでアグレッシブ、自分が間違ったと思ってなければ吊るし上げにあっても毅然とした態度を取り続ける姿が素敵で応援したくなる。 翔子の上司・花房師長も凛々しくてかっこいい。猫田師長もとぼけたいい味だしてるし、速水のワンマンぶりに振り回される佐藤ちゃんの哀れっぷりがたまんない。 そしてミス・ドミノ!白鳥の優秀な部下(?)氷姫が遂に本シリーズに殴りこみです。その戦々恐々の働きぶりにはこんな看護師には絶対担当されたくない……と全読者が身の危険を感じること請け合い。 「ナイチンゲール」と同時進行・表裏一体の構成となっているので、ナイチンゲール既読だと「あの時こっちじゃこんなことがおこってたのか!」「この人こんなことしてたのか!」と目から鱗の発見が数々。 両作が両作を補完し面白さが相乗で二倍になる理想的な構成。 遊び心と職人の仕掛けが憎い! 難解な医学用語も出てくるのですが、しかし面白い!リーダビリティーの高さには毎度驚かされます。 医療の事なんてさっぱりわからん私でもすらすら読めちゃうのはやっぱキャラ立ちまくりの人物の魅力とテンポ良く練られた文体の効果でしょうか。 出てくるキャラ男女問わずアクが強くて一人として没個性な人物がいないのは凄い。 中でも速水のかっこよさが際立ってますが(ジェネラル・ルージュの異名を冠するに至った口紅のエピソードとか反則……)翔子視点の田口の描写がなかなか新鮮で(笑)「優しい風貌に似合わず切れ者」「食えない人」「桜宮病院の策士」とか……一作目二作目と田口のトホホな一人称語りに慣れた読者は思わず笑っちゃいます。 院内政治の確執など人間関係は相変わらずドロドロしてますが、速水を筆頭にした現場の医師たちの個性や舌鋒が強烈でクライマックスまで一気に読めます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今回嵐を呼ぶキーパーソンはオレンジ病棟に君臨する血まみれ将軍、速水。 愚痴外来の看板にして我らが万年講師・田口の大学の同窓で、財政破綻から沈みゆくと夕日と揶揄されるオレンジ病棟で孤軍奮闘辣腕をふるい、患者の搬送ヘリ導入の悲願を抱く医師。 なんといっても速水がかっこいい! 自由奔放・唯我独尊キャラとおもいきや患者と相対するや一転凄まじい外科手術のスキルを発揮……もう言うことなすこと全部かっこいい!抱いて! そりゃ翔子や花房さん佐藤ちゃん(?)じゃなくても惚れるってなもんです。 イイ男きわまれり。 多彩な脇役陣にもここぞ!という見せ場が用意され実に魅せてくれる。 「ナイチンゲール」の翔子は不謹慎な言動にちょっと引いてたんですが(薄幸の美少年に萌えたり)「ジェネラル・ルージュ」を読むとそのパワフルでアグレッシブ、自分が間違ったと思ってなければ吊るし上げにあっても毅然とした態度を取り続ける姿が素敵で応援したくなる。 翔子の上司・花房師長も凛々しくてかっこいい。猫田師長もとぼけたいい味だしてるし、速水のワンマンぶりに振り回される佐藤ちゃんの哀れっぷりがたまんない。 そしてミス・ドミノ!白鳥の優秀な部下(?)氷姫が遂に本シリーズに殴りこみです。その戦々恐々の働きぶりにはこんな看護師には絶対担当されたくない……と全読者が身の危険を感じること請け合い。 「ナイチンゲール」と同時進行・表裏一体の構成となっているので、ナイチンゲール既読だと「あの時こっちじゃこんなことがおこってたのか!」「この人こんなことしてたのか!」と目から鱗の発見が数々。 両作が両作を補完し面白さが相乗で二倍になる理想的な構成。 遊び心と職人の仕掛けが憎い! 難解な医学用語も出てくるのですが、しかし面白い!リーダビリティーの高さには毎度驚かされます。 医療の事なんてさっぱりわからん私でもすらすら読めちゃうのはやっぱキャラ立ちまくりの人物の魅力とテンポ良く練られた文体の効果でしょうか。 出てくるキャラ男女問わずアクが強くて一人として没個性な人物がいないのは凄い。 中でも速水のかっこよさが際立ってますが(ジェネラル・ルージュの異名を冠するに至った口紅のエピソードとか反則……)翔子視点の田口の描写がなかなか新鮮で(笑)「優しい風貌に似合わず切れ者」「食えない人」「桜宮病院の策士」とか……一作目二作目と田口のトホホな一人称語りに慣れた読者は思わず笑っちゃいます。 院内政治の確執など人間関係は相変わらずドロドロしてますが、速水を筆頭にした現場の医師たちの個性や舌鋒が強烈でクライマックスまで一気に読めます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
海堂作品を初めて読みました。順番としてこの作品がはじめでよかったのかはわかりませんが、読み始めたら止まらない。 速水部長の毅然とした態度と発言が気持ちよくスッキリとした気持ちになります。 海堂作品をもう少しいろいろ読もうと思い、早速いろいろ買いました! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
テレビでは毎回,患者さんの原因不明の症状の謎解きに重点が置かれているようですが,この原作では,救急医療の問題点と大学病院内での様々な足の引っ張り合いを中心に描かれています.テーマとしては重い問題なのでしょうが,コミカルな部分もありエンターテイメント性に優れた作品だと思います. 上巻前半の第一部は,救命救急の現場での緊迫感がひしひしと感じられる展開でどんどん読み進んでいけます.謎の看護師なども出現し,興味がとぎれることがありません.上巻後半からは速水部長の不正経理疑惑に関する話になり,下巻につながります. 物語の背景として,前作の「チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)」「ナイチンゲールの沈黙(上) (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)」からつながっている部分がありますので,順に読まれるのがよいかと思います. | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
前作ほど、白鳥が前に出てきていない分、救急救命部長の速水の存在が大きい。 田口とのやり取りの場面が多く、個性が描かれている。 テンポの良さは前作に引き続き。まとめて読んでもよいかも。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
前作ほど、白鳥が前に出てきていない分、救急救命部長の速水の存在が大きい。 田口とのやり取りの場面が多く、個性が描かれている。 テンポの良さは前作に引き続き。まとめて読んでもよいかも。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
医療に対する著者の問題提起が 小説のスタイルで盛り込まれている。 小説としても十分面白いのだが、 医療の抱える問題を考える題材としても 面白い。 ドクターヘリ AI医療の採算性 など、説教くさくなく さらりと読ませる点も良かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
医療に対する著者の問題提起が 小説のスタイルで盛り込まれている。 小説としても十分面白いのだが、 医療の抱える問題を考える題材としても 面白い。 ドクターヘリ AI 医療の採算性 など、説教くさくなく さらりと読ませる点も良かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私立病院で勤務をしている者です。仕事柄か、医療関係の小説・ドラマなどには興味があり、海堂さんの作品も複数読ませていただきました。中でも、 この作品が一番引き込まれた作品です。救急医療は、世の中の誰もが、現実にお世話になる可能性があると思います。私の勤務している病院は、救急指定を受けており、なぜが周りにある、公立・市立病院よりもはるかに多い救急車が日々やってきます。夜中でも手術をしている事もしょっちゅうです。先生方には本当に頭が下がります。何日も家に帰れない事もあると聞きます。この本は、決して大げさではなく、現実に起こっている事だと思います。速水先生のように、必死で救急医療を支えているドクター・病院があるという事を、少しでも多くの方に知って頂けるきっかけになればと思います。個人的には、海堂さんには、これからも救急医療を取りあげた作品を書き続けて頂き、速水先生が颯爽とドクターヘリを活用し、救急医療と正面からぶつかっている姿をぜひ読みたいと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「ナイチンゲールの沈黙」を読み終えたら、 そのままの勢いで、続けてこれを読みました。 田口・白鳥コンビが活躍するメディカル エンタテインメントの第3弾。 今度の舞台は同じオレンジ新棟のICU。 読み始めると、どこかで感じるこの既視感。 序章を終わり、第1章に入るとそれは確証に変わる。 間違えて、またナイチンゲールを持ってきてしまったんじゃ ないかっと不安になるくらい。 なんとこのジェネラル・ルージュはナイチンゲールと 同じ時間軸で起こった出来事を描いているらしい。 それぞれの出来事が微妙に絡み合いながら。 というのも、もともとは一つの作品として書いておきながら、 あまりにも長くなりすぎたので、二つに分けたということ。 なるほどね。ナイチンゲールを読んだ時に感じた 物足りなさはそこにあったわけだ。 このジェネラル・ルージュも読んで、いろいろ補われ、 そして深みが倍増していくというそういう仕掛け。 ミステリーではありますが、前2作と違って、 人が死なず、(あ、正しくないですね。ICUが舞台なので、 事件・事故で致命傷を負った方はなくなっています。) 謎解きよりも、人間ドラマの要素の方が大きいですね。 いけてないおっさんだった田口先生の成長もそうですが、 ICUの速水部長のキャラもいい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
題名からして少々格好が良すぎますが、語られる内容がまた気恥ずかしくなるほど憎い演出です。 『チームパチスタ』から続く第三作ですが、医療ミステリーではなくヒューマンドキュメントとして楽しむ作品ですね。 勿論ノンフィクションではなくフィクションとして。 速水部長のスーパーマンぶりがあまりに凄すぎて、田口も白鳥も本作では全くの脇役です。 沼田という海童氏が得意とする"デフォルメキャラ”も、速水の引き立て役にしかなっていません。 現実の医療現場に、こんなお医者様がいらっしゃるとはとても思えませんが、エンタテイメントだからこその爽快感です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とても楽しめました。 上巻はあまり大したこと無いなと思って読んでいましたが、 下巻に進みクライマックスになるにつれて上巻での伏線が 面白い具合に物語を進めました。 特に下巻でのエシックスコミティとリスクマネジメント委 員会での討論シーンは最高です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
(本作については、上下巻共に同様のレビューになっています) どんな作家でも、物語を描く上で、「こうありたい自分」の理想像を 投影した人物を意識的・無意識的に生み出すことがあると思う。 本作の速水医師は、もしかしたら海堂さんにとってそういった存在。 投下できる資本・資金が減り続け、そして人海作戦の結果人員が 疲れ果てているとしたら、現場の将は血にまみれて闘うしかない。 そういった力強く、悲壮なメッセージを受け取った。 個人的には、『チーム・バチスタの栄光』で描かれた克明なバチスタ 手術の描写よりも、本作の速水医師による現場の描写の方が、 拙く荒々しい部分がありながらも、作者の魂を感じ、心に残った。 また、本作下巻の末尾に、シリーズの年表や登場人物をまとめた 特別付録が付いている。これを見たときに、「ああ、この人は、 エンターテインメントの分野で、ある一線を超えて普遍性を獲得 したのかも」と思った。 「読み返してもいいなあ」と思わせてくれる作品。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
海堂尊が贈る、大人気田口・白鳥シリーズ。 今作はミステリーではない。 エンターテイメントというのにも抵抗を感じる。 現代の救命救急の限界を登場人物の口を介して訴えている。 テーマだけ聞くと重そうでつまらなそうだが、文章に熱というか勢いがあるためぐいぐい読める。 登場人物がとても魅力的。特に、速水のかっこよさが半端ない。 彼の訴えには心揺さぶられました。 ここまで何かを訴える小説は久しぶりに読みました。 作者お得意の、病院内の確執もいいスパイスになっています。 ジェネラル・ルージュの凱旋。 この題名に込められた想いをあれこれ想像すると、楽しくて仕方無い。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これはまた、面白い小説でした。 これまでにないスピード感があり、一気に読んでしまえます。 秋の夜長にはおすすめの一冊です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いよいよ「チームバチスタ」の第2弾映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』も公開直前。今回のテーマは、救命医療がとりあげられている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書は田口・白鳥シリーズの第3弾作品である.本作の舞台も東城大学付属病院であり,主役はジェネラル・ルージュという別名をもつ,同病院の救命救急センター部長・速水晃一である.本作でも神経内科学教室講師・田口公平と厚生労働省大臣官房秘書課付技官・白鳥圭輔の田口・白鳥コンビが,キーマンとなっている.しかし,本作での白鳥は,ストーリーの後半からのみ登場し,前2作と比べて,その存在意義は少し薄れている.一方,田口は本職の不定愁訴外来医師ということより,リスクマネジメント委員会委員長として,本作では存在意義を増している. 海堂作品といえば,日本の医療行政が抱える様々な問題点をえぐり出し,エンターテイメント小説という形式で,分かりやすく世論に訴えかけている.本作では患者や医療従事者の立場を軽視した病院経営の合理化に伴う,救急医療部門の軽視という問題を指摘している.これはもとをただせば,日本の医療行政の失策といっても良いであろう.また本作でも,海堂氏のライフワークであるAi(死亡時画像病理診断)を中核とする死亡時医学検索システムの構築について触れ,世論の認知度の向上に努めている. 海堂氏の一連の作品は,一般人だけでなく,ぜひ政治家や厚生労働省職員,さらには医療従事者にも読んで,死亡時医学検索の重要性を認知し,行動していただきたい. | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今回のテーマは、医療経済。赤字を垂れ流す医療に政府は医療費削減を断行し、総務省は黒字化できない施設は民営化しろと言った。民営化とはなにか?民間企業の理念は利益の追求、金儲けだ。つまり、医療で金儲けしろということだ。ならば、不採算部門である救急医療や小児科、産婦人科はなくなることになる。でなければかかる費用以上に患者に請求しなければ成り立たない。医療はライフラインではないのか?警察や消防や自衛隊に金儲けしろというヒトがいるだろうか?官僚や政治家などの金持ちたちは東京のど真ん中で金持ち専用の私立大学付属病院の特別室で最先端の医療を受けるつもりだろう。しかし、金がなければ病院にいけない、災害が起こっても自衛隊や警察が負傷者のケアをしてくれるのだろうか?机上の空論ばかりを振り回し、予算の分捕り合戦と天下り先の確保にしか興味のない官僚に医療を国民のライフラインと考える頭はないようだ。もはや、ジェネラルのように使命感のみでは犯罪者にされ、消え行くのみである。海堂作品はすべての医僚関係者に読んでもらいたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今回のテーマは、医療経済。赤字を垂れ流す医療に政府は医療費削減を断行し、総務省は黒字化できない施設は民営化しろと言った。民営化とはなにか?民間企業の理念は利益の追求、金儲けだ。つまり、医療で金儲けしろということだ。ならば、不採算部門である救急医療や小児科、産婦人科はなくなることになる。でなければかかる費用以上に患者に請求しなければ成り立たない。医療はライフラインではないのか?警察や消防や自衛隊に金儲けしろというヒトがいるだろうか?官僚や政治家などの金持ちたちは東京のど真ん中で金持ち専用の私立大学付属病院の特別室で最先端の医療を受けるつもりだろう。しかし、金がなければ病院にいけない、災害が起こっても自衛隊や警察が負傷者のケアをしてくれるのだろうか?机上の空論ばかりを振り回し、予算の分捕り合戦と天下り先の確保にしか興味のない官僚に医療を国民のライフラインと考える頭はないようだ。もはや、ジェネラルのように使命感のみでは犯罪者にされ、消え行くのみである。海堂作品はすべての医僚関係者に読んでもらいたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「原作読んでいた→映画化されたので見に行った」というケースが個人的に圧倒的に多く、その大半が「原作の方が圧倒的にいいよなァ」で終わります。 逆に「映画で気に入った→原作買って読んだ」のケースは自分の中で評価が二分します。「映画の方がキャスト含めて迫力在るし分かり易くて良い」という場合と「原作の方が厚みがあって全然いいじゃん」というケース。およそ半々になります。 本作については圧倒的に後者でした。 映画も凄く良かったです。 元々、(特に)阿部寛さん、竹内結子さんのファンですし堺雅人さんの圧倒的な熱量を感じさせる演技に気圧され一瞬映画であることも忘れ本当の救急医療最前線の指揮者が行政、組織、医療の仕組みに対して抱く憤懣やるかたない想いをぶちまけ猛り、嘆いていると思ったほどです。 映画について高い評価を抱きつつ尚、この原作は凄いと感じました。 映画の印象と異なり案外軽妙なタッチで全編が進むことに意外感を抱き「あれ?映画の方が真摯じゃん」と最初は感じましたが読み進む内にジェネラル速見が抱える心の闇とその理由、映画で演じられた阿部寛さんより圧倒的にシニカルで傲慢で嫌な男、白鳥が短く挟む一言の重さ。映画ではあまり描かれなかった(そもそも男女変わっているし)田口と狸親父病院長との意味深なやりとり。 医療現場に携わり、それも4〜5年で文筆業に転業ではなく長年勤務医を続けてこられた筆者だからこそ軽いタッチでも重篤で瀕死の状態にある救急医療の問題をここまで描けるのだと思います。 田舎の開業医をしている先輩や小児心療内科の勤務医をする幼馴染みの愚痴から聞こえる内容とは異なり、その目線の深さにも感銘を受けました。 エンターテイメント作品という位置づけをされているのが本質を見失わせ、長期ベストセラーになるべき資質を奪うのではないかと余計な心配してしまう程に何度か読み返してみたくなる作品でした。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!