夜のピクニック
評判
夜のピクニックの評価:
3.97/5点 レビュー 573件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全809件 581〜600 30/41ページ
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夜のピクニックの評価:
3.97/5点 レビュー 573件。 A ランク
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80kmもの道のりを20時間ほどかけて歩き通す。
朝8時に出發し、朝8時頃ゴールする。
前半は團體歩行で後半は自由歩行。
後半は仲のよい友達同士で、これまでの想ひ出やこれからの進路などについて語りながら歩く。
それは、高校生活の貴重な想ひ出になることだらう。
甲田貴子と西脇融は、親友にも云へない祕密を持つてゐた。
二人はその祕密ゆゑに、お互ひ話をすることもなく、學校生活を過ごしてゐた。
さういふ二人を、周圍は、祕かにつきあつてゐるのではないかとか、相手のことを好きなくせに云ひ出せないのではないかなどと勘繰つてゐた。
しかし、二人の祕密はさういふ樂しいたぐひのものではなかつたのだ。
お互ひに相手の氣持ちがわからないまま過ごして來た二人だつたが、
周圍の勘違ひによるおせつかひの所爲もあり、後半はそれぞれの仲間が一緒になつて歩くことになつた。
貴子は、祕かに自分に課してゐた小さな賭けによつて、「歩行祭」といふ一種の極限状況の中、自分自身をみつめなおすことになる。
そして、永年のわだかまりが融け、「歩行祭」のゴールが見えて來た時、貴子は新しい何かの始まりを感じるのであつた。
ううむ、良いなあ。
もはや子供ではないが、と云つて大人にもなりきれない、そんな時期の惱みや戀愛や友情。
かういふものを書かせたら、恩田陸はピカイチだ。
「ネバーランド」以來、久々に恩田陸描くところの高校生を堪能した。
<以下、閑話休題>
私の母校の高校は、私が3年生の時に創立100周年を迎へた。
そのお蔭で樣々な記念行事があり、さういふ節目に在籍してゐられた偶然に感謝したものだつた。
その中のひとつが、「強歩大會」。
九十九里濱を20km歩くといふ行事だつた。
運動部の連中は、當然の如くスタートから走り出した。
山岳部の私は、走らずに歩くことで、どこまで順位をあげられるかにチャレンジした。
醒めてゐる連中は、「け、くだらねえ」と冷やかな態度。
海を見つめながら己の内面を見つめるのだといふ哲學者もゐた。
ゴールが視界のかなたに入つて來た時、後ろから走つて來たヤツらに拔かれた。
その中に、「け、くだらねえ」といつてゐたヤツの姿があつた。
なんだ、結局一生懸命になつてゐるぢやないか。
あいつには負けたくない、さう思つて、ついに私も走り出した。
しかし、歩く時に使ふ足の筋肉と、走る時に使ふ足の筋肉は正反對なのだつた。
私は向う脛の筋肉が吊つてしまひ、九十九里の砂にまみれた。
あとすこしでゴールだ。
後ろからどんどん拔かれつつも、吊つた足を引きずりながら、ゴールした。
3年生360人のうち51番だつた。
「くだらねえ」と云つてゐたヤツはバテバテになりながらも49位。
結局追付けなかつたが、不思議と悔しくなかつたことを思ひ出す。
高校時代。
あの3年間は、じつに不思議な時代だつたと思ふ。
30年たつても、まるできのふのことのやうに思へる。
隣で息子のヨメが「まあおぢいちやんたら、また高校時代の話をしてるわ」つて孫に言ふんだ。(121ページ)