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探偵物語
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探偵物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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なんか、古本が送られてきた。 | ||||
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1979年から1980年にかけて放送されたテレビドラマ『探偵物語』。俳優 松田優作の代表作の一つとも言われるこの作品に原案者がいた。ハードボイルドミステリーの評論家であり、翻訳家でもある小鷹信光氏だ。 ドラマ『探偵物語』は、好評だった『大都会』シリーズを日本テレビから他局に移す為に、松田優作と村川透監督を置き土産としたことから始まったとされている。複数の刑事達ではなく一匹狼を主人公とするに際し、企画段階で招聘された著者は、ハードボイルドとは、一人で生き抜く私立探偵とは、などについて膨大な文字数の企画原案を執筆した。ドラマの第12話「誘拐」に於ける「日本のハードボイルドの夜明けはいつ来るんでしょうかね、 小鷹信光さん」と言う松田優作のアドリブも有名だ。 さて、テレビドラマ放送開始と時期を同じくして徳間書店から刊行された本書は、著者の完全なオリジナルである。 特筆すべきはその文章の上手さだ。ハードボイルド小説としては最もポピュラーな、工藤探偵の第一人称の形式で綴られる物語。或る家出娘の捜索依頼を発端として、誘拐事件、暴力、カーチェイス、愛憎、殺人などの具材に疑惑を織り交ぜグイグイと読ませてくれる、非常に優れたエンターテインメント性の高い作品となっている。長年培ってきた文筆業としての技とミステリーに関する知識の面目躍如といったところだ。 因みに、本書に於ける工藤俊作はベスパに跨ることないし、黒丸のサングラスもソフトハットも身に着けてはいない。ましてや「工藤ちゃん」でもない。自分のルールに則り行動するハードボイルドの主人公。共通しているのは元サンフランシスコの警察官という裏設定くらいであり、ドラマとは全くの別物だ。ドラマのイメージで手にすると完全に裏切られてしまう様な、正統派のハードボイルドミステリーに仕上がっている。ではあるのだが、どうしても松田優作の顔が思い浮かんでしまうのは、仕方がないだろう。 徳間書店版は絶版となっていたため、20年近くの長い間幻の作品とされていた本書は、続編の出版を条件として1998年に幻冬社から加筆修正の上文庫化された。そのお陰で私もドラマ放送当時に一度立ち読みして以来の再読の機会を得たという訳だ。 なお、本書は小鷹氏の小説家としてのデビュー作である。如何に著者が「探偵物語」に力を注いでいたのかが分かるというものだ。 | ||||
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松田優作主演の伝説的テレビドラマの方が有名な作品。本書はその原作(原案)にあたる。私はテレビドラマを見たことがないので、それとは比較できない。本作品を読んで感じたのは、テレビドラマがどれほど伝説的であっても、本書は極めて優れたハードボイルド作品だということ。探偵の工藤のキャラクター設定は典型的なハードボイルドではあるが理想像である。そして、小説のテンポの良さからくるエンターテインメント性は癖になりそうだ。古い作品ではあるので、登場するガジェットーー公衆電話とか留守番電話のテープとかーーに古くささを感じてしまう。そこは時代の流れなので仕方がないが、むしろ感じ取るべきは、ハードボイルドという男の生きざまだろう。工藤探偵だけでなく、本作品に登場する男はみんなハードボイルドな生き方をしている。日本風にいえば武士道に通じるものがありそうだ。 作者の小鷹氏は残念ながら2015年に鬼籍に入られた。私がハードボイルドを読もうとしたきっかけもミステリマガジンで氏を知ったからなのであるが、評論や小説を読むにつれて、氏の偉大さを知ることになる。ハードボイルドに出会えて良かったと思う。 | ||||
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探偵物語好きにはうってつけです。 松田優作好きにもお勧めです。 | ||||
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パソコンもナビも無く、携帯に追われる事も無かった古き良き昭和。 事件解決には生身の人間力がモノを言った時代の探偵小説です。 表紙にはTVドラマの松田優作扮する工藤ちゃんが描かれていますが 小説の工藤俊作はTVと違ってシリアスでコミカルなキャラではありません。 昔の正統なハードボイルド小説を久しぶりに読んで 機械に使われている現代の人間を見たらこの時代を生きた工藤ちゃんは何と思うだろうか? なんてふとおもいました。 | ||||
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松田優作主演の人気TVドラマ「探偵物語」の原案作。 TVドラマの特徴であるコミカルさは影を潜め、ロス・マクドナルド風に家庭の問題を絡めたシリアスな内容に仕上がっている。 その上、登場するキャラクターも異なるため、TVドラマに親しんだ方は困惑するかもしれない。 それでも、作品のクオリティは非常に高いので興味をもたれた方は是非。 | ||||
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ご存じ松田優作演じる工藤俊作の活躍するTVドラマ『探偵物語』の原案となる小説作品。作者の小鷹信光氏は数々の名翻訳で知られるハードボイルド作品翻訳家であると認識していたのだが、翻訳家が直接小説を書いてしまう例っていうのは珍しいのではないだろうか? 東江一紀とか村上春樹などは翻訳はやるけれど、どちらかと言えば作家が本業でしょう。小鷹さんといえばやはりあまりにハードボイルドの数々の名作の翻訳者という職業で知られている(有名になっている)気がしてしまうのだ。 だからこの本を手に取ったときに、なんてまあ小説の上手い人なんだとぼくは驚いてしまった。とにかく文体がいいし、突っ張った探偵が格好いいし、卑しき街の描写もいい。なんともはや大人の作品であり、リチャード・スタークあたりを思い起こさせる乗りの良さでもある。ハードボイルドの本質を知っている人でなければ表現できない味わいのようなものが、深く深く入り込んでいる、まさに作者の愛情のこもった一冊である。勿論ヒーローは松田優作そのままで想像しつつ読めてしまうところが便利このうえない。長い間、読めなかった幻の名作だけにファン垂涎の一冊! | ||||
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ご存じ松田優作演じる工藤俊作の活躍するTVドラマ『探偵物語』の原案となる小説作品。作者の小鷹信光氏は数々の名翻訳で知られるハードボイルド作品翻訳家であると認識していたのだが、翻訳家が直接小説を書いてしまう例っていうのは珍しいのではないだろうか? 東江一紀とか村上春樹などは翻訳はやるけれど、どちらかと言えば作家が本業でしょう。小鷹さんといえばやはりあまりにハードボイルドの数々の名作の翻訳者という職業で知られている(有名になっている)気がしてしまうのだ。 だからこの本を手に取ったときに、なんてまあ小説の上手い人なんだとぼくは驚いてしまった。とにかく文体がいいし、突っ張った探偵が格好いいし、卑しき街の描写もいい。なんともはや大人の作品であり、リチャード・スタークあたりを思い起こさせる乗りの良さでもある。ハードボイルドの本質を知っている人でなければ表現できない味わいのようなものが、深く深く入り込んでいる、まさに作者の愛情のこもった一冊である。勿論ヒーローは松田優作そのままで想像しつつ読めてしまうところが便利このうえない。長い間、読めなかった幻の名作だけにファン垂涎の一冊! | ||||
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