(短編集)

神の光

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評判

神の光の評価:

4.20/5点 レビュー 10件。 B ランク

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平均点4.20pt

Amazonレビュー一覧

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全8件 1〜8 1/1ページ
No.8
(5pt)

おもしろかった

とてもよかった。今年読んだ中でベスト。
神の光 Amazon書評・レビュー: 神の光より
4488029337
No.7
(5pt)

その翌朝、何ということでしょう、カジノがあった砂漠の街が一夜にうちに跡形もなく消えているではありませんか

推理短篇集『神の光』(北山猛邦著、東京創元社)に収められている『神の光』は、読み始めて暫くは、古代中国の「一炊の夢」のような物語かと思わせて、実は、現代の世界情勢が背景となっているという、何とも心憎いスケールの大きな推理小説です。

一攫千金を夢見て忍び込んだ砂漠の真っ只中の街の秘密カジノで見事大金をせしめたジョージは、盗んだバイクで脱出を試みるが、2マイル(約3.26㎞)ほど走った所でバイクの調子が悪くなり、車道脇の小高い丘に建つ無人の丸太小屋で夜明けを待つことにします。その翌朝、何ということでしょう、カジノがあった砂漠の街が一夜にうちに跡形もなく消えているではありませんか。

「ジョージは立ち上がり、(カジノで稼いだ大金を収めた)バッグを確認するために外へ出ようとした。その際に、ちらりと窓の外を見て――驚愕する。そこにあるはずの街が、なくなっていた。周囲を丘に囲われた盆地の中央に、昨夜までは確かに存在していたカジノの街が、今日は何処にも見当たらなかった。これは夢の続きか? それとも蜃気楼か何かの影響か? ジョージは小屋を飛び出し、直に街を見下ろす、やはり、ない。街が一つ、丸ごとなくなっている!」。

北山猛邦は、ひょっとすると、エドガー・アラン・ポオの生まれ変わりかもしれませんね。
神の光 Amazon書評・レビュー: 神の光より
4488029337
No.6
(5pt)

どの作品にも壮大なロマンが感じられた

●悪ふざけの遊びすぎ或いは机上の空論などと反論や誹謗中傷を受けるのは承知の上でチャレンジした
力作。限りなくゼロに近い究極の可能性を追求した徹底さには、思わず笑みがこぼれてしまう。
 本書に収録された作品に用いられた超絶技巧のトリックは短篇だからこそ成立し、もし長篇であれば
最後まで緊張感が持たなかったかも。論理的な推論の構築が際立つ作品の中で、第4話の「藤色の鶴」
が最も良かった。

 平安時代から未来まで・・・千年の時を超えて輪廻転生を繰り返し巡り合う二人。建物を消失させる
トリックよりも、姉が弟を守ろうとする深い想いが何とも言えず胸を打った。惜しむらくは姉に抱く少
年の心模様をもう一押し描いてほしかった。この作品を読めただけでも本書を購読した価値はあった。
神の光 Amazon書評・レビュー: 神の光より
4488029337
No.5
(4pt)

本当に凄いのは〝トリック以外〟にある

「建物の消失」しばりで編まれた短編集…ということだが、本当に凄いのは、本当に「消失」していること。「消失トリック」はミステリでは人気のネタだが、そのほとんどは「消えたように見せかけている」だけで、本当に消失させるパターンは非常に少ない。それこそ、本作の元ネタになった有名作しかり。

だが、本短編集『神の光』では、どれも本当に、巨大な建造物が、消える。物理トリックで消えるのだ。それだけで、本格ミステリファンは狂喜するというもの。
「物理の北山」という異名は伊達ではない、北山猛邦のトリックメーカーとしての才が遺憾なく発揮されている。
『2026 本格ミステリ・ベスト10』第1位も納得。

しかし本短編集『神の光』で本当に凄いのは…〝トリック以外〟にあるのではないか?

消失トリック自体はすべて物理トリックでありながらも、戦争小説、ハードボイルド、SF、ファンタジー(幻想小説)、怪奇小説と…ジャンルやシチュエーションがまぁ多種多様なのだ。
しかもそのトリックとそのジャンルがピッタリ合っているのが凄い。

…というか、実際のトリック自体はやっぱりかなり無理のあるものや、荒唐無稽でリアリティのないものばかりで。その下手したらバカミスになりかねない大トリックを「小説」として成立させるために、これだけのジャンルを取りそろえざるを得なかったのだろう。

そう、ミステリーの面白さの本質とは「トリック(真相)」ではなく、謎の描き方とミスリードにある。つまり「ミステリアスさ(演出)」だ。
そして小説の面白さの本質とは、「ストーリー(物語)」ではなく、「語り口(文章)」にある。

『神の光』に収められた短編はどれも、語り口がべらぼうに巧い。
回想、伝聞、時系列シャッフル、メタフィクション(ビブリオ)、夢…等々、様々なジャンルだけでなく、そのトリックを最大限に活かせる謎の描き方とミスリード(ミステリアスさの演出)を可能にする語り口をこれだけ思いつき、有効に選択できたことが本当に凄いし、まさにトリック以上に驚くべきプロの職人芸だ。

だから本短編集『神の光』は、どれも本格ミステリとしてよくできているだけでなく、すべて「小説」として抜群に面白い。
ぶっちゃけ表題作の『神の光』は、「映像の世紀」とか見過ぎていたせいでトリックはすぐに察してしまったが…それでもこの展開と語り口、文体だけでぜんぜんおつりがくるくらい楽しめたというもの。

また1話につきちょうど50ページちょっとという、頁のコントロール術――つまり構成や尺配分も抜群に巧いし、文章も、短編小説としてどれもよく引き締まっている。近年流行りのライトな文体ではないのもよかった。

ただ、本短編集『神の光』は発表順に編まれているのだが…1作目から順番に読んでいくと「トリック重視」から「物語性重視」へと徐々に移り変わっていく様子がよく分かり、ただ単にトリックのためのジャンル・語り口というわけではなく、作者の趣味嗜好の遍歴の結果でもあるのかもしれない。

とかく、ミステリアスな消失トリックだけでなく……ワンアイデアや若書きでは絶対に生まれ得なかった、職人肌のベテラン作家のテクニック(技術)を味わい、見習うという意味でも、小説を書く人全員にオススメしたい良短編集でした。
神の光 Amazon書評・レビュー: 神の光より
4488029337
No.4
(5pt)

斬新な「建物消失ミステリー」

建物の消失という斬新なテーマに挑んだ本短編集は、とても素敵な「読書の時間」を提供してくれました。北山猛邦先生の他の作品も購入することにしました。
神の光 Amazon書評・レビュー: 神の光より
4488029337
No.3
(5pt)

意欲的な短編集

最終所だけは時間的、物理的に無理があるのでは??と感じたが楽しめた。
神の光 Amazon書評・レビュー: 神の光より
4488029337
No.2
(5pt)

昔懐かしい新本格の香り

北山猛邦といえばクロック城。クロック城が出た辺りで私の新本格ブームが終わったのでその後の作品は全く追いかけていなかったので20年ぶり以上の北山作品である。

本短編集は建造物消失にテーマをとった5つの短編が収録されている。連作ではないので独立した作品群だがどれも少しずつ幻想的な雰囲気。新本格ではあるものの、語り口は読みやすく、年齢とともに敬遠してきたアニメ的な描写が無いのは非常に好感が持てた。

作品についてはネタバレになるのでここには書けないが、最も気に入ったのは1作目。まんまとミスディレクションにかかったのは5作目。伏線の張り方が分かりやすいまま真相というものも、分かりやすいことが伏線のものもあった。

いずれにせよかなりの高水準の作品が並び、本格性を重視する年末ランキングでは上位間違いなしであろう。
神の光 Amazon書評・レビュー: 神の光より
4488029337
No.1
(4pt)

「消失」のプロフェッショナル、面目躍如!

新本格派といえばやはり「館モノ」なのですが、従来の「奇妙な館に密封。限定された登場人物が次々に殺される。もちろんその中に必ず犯人がいて、過去の因縁が動機。そして館には建築的なトリックが存在する。」という鉄則を見事にひっくり返して「館は見ているだけ。なんとその館自体が目の前から突然消えてしまう。」という5作からなる短編集です。

個人的には物理的、化学的、建築的、神話的、心理的に1%でも可能性を説明できさえすれば、物語としては成立すると思います。本作では「ラスベガス郊外のネバダ砂漠」での出来事だけは騙されずに推理できました。もちろん「ちょっと苦しい」「無理だと思う」場面も無きにしもあらず、ですがそれらを含めてのエンタメであり新本格派の小説だと強く感じています。
神の光 Amazon書評・レビュー: 神の光より
4488029337