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霧と虹とサイダーの氷
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霧と虹とサイダーの氷の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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ここで描かれているようなイベントが、行事として定着しない学校であることを願ってやまない。 単発の、一回性イベントなら素敵にみえる出来事でも、それが組織によって行事化された場合、いかに醜悪で最低なものに成り下がってしまうか、真剣に考えてみてほしい。上級生が「伝統」と称して、必要以上にでしゃばってくることの危うさは今さら言うまでもないのではないか。ルールを自分たちで決めることができるメタレベルに立った人間というのは、基本的に自身の失敗を認めない。しくじったのは実際に作業した下部カーストが無能だったからという解答がいつも既に用意されているから。組織内の行事とは、そういうものでしかない。 この小説で描かれているイベントが一見素敵に見えるのは、それが単発だからであって、構造的に優れているからでも美しいからでもない。もし、あなたがこの小説に感動してしまったなら、次は浅倉秋成『教室が一人になるまで』を読んでみて欲しい。そこに「正解」があるわけではないのだけれど、無自覚だった危うさを考えてみるきっかけにはなるかと思う。普通に理想とされているような「みんな仲がよくて、結束が固くて、いじめも差別もないクラス」とは、本当にいいクラスなのだろうか? それは目指すべきクラスなのだろうか? 問い直してみることは無駄ではないはずだ。 | ||||
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