霧と虹とサイダーの氷
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あらすじ
【東京創元社×カクヨム学園ミステリ大賞優秀賞受賞作】四月の教室における、あなたの居場所について。謎解きゲームと、友だちづくり。ふたつの難問に向き合う一年一組の生徒たち。誰をもひとりにしない願いの物語。新鋭が放つ清新な学園ミステリ!秋湊高校新入生初登校の日、一年一組全員の机のなかに、小さなカード三枚と何者かからの挑発的なメッセージが入れられていた。曰く「諸君、入学おめでとう。君たちに入学祝いを用意した。これから出題する謎をすべて解き明かすことができたら、賞品を差し上げよう」──かくして謎解きゲームの幕は上がった! 新鋭が贈る「東京創元社×カクヨム 学園ミステリ大賞」優秀賞受賞作。(「BOOK」データベースより)
評判
霧と虹とサイダーの氷の評価:
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霧と虹とサイダーの氷の総合評価:
4.00/10点 レビュー 1件。
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単発の、一回性イベントなら素敵にみえる出来事でも、それが組織によって行事化された場合、いかに醜悪で最低なものに成り下がってしまうか、真剣に考えてみてほしい。上級生が「伝統」と称して、必要以上にでしゃばってくることの危うさは今さら言うまでもないのではないか。ルールを自分たちで決めることができるメタレベルに立った人間というのは、基本的に自身の失敗を認めない。しくじったのは実際に作業した下部カーストが無能だったからという解答がいつも既に用意されているから。組織内の行事とは、そういうものでしかない。
この小説で描かれているイベントが一見素敵に見えるのは、それが単発だからであって、構造的に優れているからでも美しいからでもない。もし、あなたがこの小説に感動してしまったなら、次は浅倉秋成『教室が一人になるまで』を読んでみて欲しい。そこに「正解」があるわけではないのだけれど、無自覚だった危うさを考えてみるきっかけにはなるかと思う。普通に理想とされているような「みんな仲がよくて、結束が固くて、いじめも差別もないクラス」とは、本当にいいクラスなのだろうか? それは目指すべきクラスなのだろうか?
問い直してみることは無駄ではないはずだ。