■スポンサードリンク
憧れ写楽
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
憧れ写楽の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
写楽テーマの時代小説。かつては日本中を熱狂させた「写楽の正体」の謎もいまや遠い昔、学術的にはとっくに決着がついた形で阿波藩のお抱え能役者「斎藤十郎兵衛」でもう動かしようがないだろう……という令和の現在にそれでも写楽の謎解き小説を成り立たせるにはどうやってお話を作ったらいいのか?といったアプローチですっごい離れ業を決めてみせるのであります。この発想はなかった! ただ伏線があからさまでして、大方の読者は途中で(だいたいは岩井半四郎の証言で、遅くても歌川豊国の証言あたりで)トリック?に気づいてしまうような。版元・鶴屋喜右衛門といい喜多川歌麿といい、真相に繋がる手がかりを充分以上につかみながら、首謀者の蔦屋重三郎自身の口から明かされるまで見破れないままだったのはまことにじれったく、それとも、そんな風に感じるのはこちらが推理小説の読み過ぎでしょうか。鶴喜も歌麿も時代小説の登場人物で、推理小説のキャラクターじゃないからね。 ついでにもう一つ、実説よりも一般的なイメージを優先したのか、ところどころで設定が引っかかるのが残念なところ。鶴屋喜右衛門さん、あなた、写楽と同じ時期に勝川春英の役者大首絵を売り出していましたよね……。 そして、最も引っかかったのは作中の写楽のオリジナルは歌舞伎役者を適度に美化して描いているから魅力的で、跡を引き継いだ斎藤十郎兵衛の作は役者に似せ過ぎたから不評だった……というものですが、後世で写楽が高く評価されたのはそれこそ役者を美化せずに写実的に似顔を描いたという点にあったのでは。江戸の価値観で写楽の評価を位置づけようとしたら後世の評価を否定してしまったわけでして、いったいぜんたい著者さんがどこまで意識して書いたのか、気にかかるところであります。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!