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弟、去りし日に



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【この小説が収録されている参考書籍】
弟、去りし日に (創元推理文庫)

弟、去りし日にの評価: 4.50/5点 レビュー 4件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(4pt)

弟、去りし日に

大変読みやすく、長さが気にならない作品でした。
ストーリーも思いがけない展開で面白かった
弟、去りし日に (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:弟、去りし日に (創元推理文庫)より
4488155065
No.3:
(5pt)

文学的なスリラー

スリラーとかミステリのジャンルに入るのだろうけど、純文学のような筆致で主人公ヴィクターの孤独が切々と伝わってくる。ヴィクターはずっと疎遠だった弟の死をきっかけに過去と向き合わざるをえなくなるが、真実をいくら追い求めたところで弟はもうこの世には存在しない。そのことに胸を突かれた。それでもそんな彼が10歳の姪っ子と心を通わせるうちに徐々に変わっていく過程がすごく良かったし救われた。
弟、去りし日に (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:弟、去りし日に (創元推理文庫)より
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No.2:
(5pt)

名作

こちらはミステリーなのか、スリラーなのか、
いや、そんなコワくもないですが、
これは純文学だろ、と言いたくもなる内容、
かつ、上質な文章。
じわじわと主人公の内面に変化が起き始めると、色合いを変えていく文体。
ヒトが変わっていく、それは希望として、
いつ、いかなるタイミングにでも起きうること。

主人公は孤独だ。
しかし、丁寧でスジが通った男である。
毎日を一生懸命に、マジメに生きていくと、
ある日こんな夜明けを迎える事が出来るかもしれない。
どうか、続編を、と期待してしまう、1冊。

今、孤独な、
もしくはかつて孤独だった、
孤独を共として、暮らしていた事がある、
今もそうなアナタに送りたい。

とは言うものの、
誰しも、どこか孤独を抱えていたりするものだから、
是非、みんなに読んでもらいたい。

※登場人物が多いように見えて、
実は数名、覚えていられれば、大丈夫です。
弟、去りし日に (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:弟、去りし日に (創元推理文庫)より
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No.1:
(4pt)

違和感が実は何かを変えるための起爆剤

舞台は、米国南東部、ジョージア、テネシー、ノースカロライナ。1992年8月。ジョージアの地方都市、ブレアズビル。ユニオン郡の保安官、ヴィクター・ランディスが主人公。彼の元へデイド郡で保安官を務める彼の弟、フランクが車に轢かれて亡くなったという訃報が届きます。状況から見て明らかに故殺であり、何故弟が非番の日にテネシーへ向かっていたのか?謎が残ります。弟には離婚した妻、エレノアと二人の娘・ジェンナがいることを知ります。
 しかしながら事件を担当するトレントン市警察はいつまで経っても事件に本腰を入れる気配がありません。いくつかの謎と弟がもしかすると<悪徳警官>だったのではという疑惑が残る中、ユニオン郡の貯水地の畔で或る少女の死体が発見されることになります。そして、他の郡でもいくつかの少女の遺体が発見されていきます。それは「連続殺人事件」なのか?弟、フランクの事件との関連は?最大の謎は、何故長きに渡ってヴィクターとフランクは絶縁状態だったのか?スリラーですから概略をお話しするのはここまででしょうね(笑)。
 前半は、まるでやる気を見せないトレントン市警察のせいか遅々として捜査が進まずイライラすることになりましたが、後半はそうなるであろうと予測した展開を超えてドラスティックでスリリングなストーリー・テリングが待っていました。勿論、その内容も話すことはできません。
 米国南東部は、本当に米国でも美しい場所の一つだと思います。ジャック・ダニエルの醸造所があるテネシー、リンチバーグがドライ・カウンティだったこともあってか郡境まで行ってバーボンを買ったことを思い出しました(笑)。<行政区>の存在がこの物語を複雑にさせている所以であり、或る意味ミス・ディレクションの役割を担っているかもしれません。
 また、終盤はいささか"違和感"を感じる読書になりましたが、それについて詳細を語ろうとするとどうしてもネタバレになる危険性があるためこれも語ることができません。ワイオミングを舞台にした猟区管理官、ジョー・ピケット・サーガをジョン・フォードを筆頭とする「正統派ウエスタン」の末裔とするならば、<英国人>作家による米国の物語がセルジオ・レオーネをその端緒とする「マカロニ・ウエスタン」("Spaghetti Western"とも呼ばれる)と見なすことができるのかもしれません。その違和感が実は何かを変えるための起爆剤としての役割を担っています。抒情的な邦題が実は一番しっくりきませんね。言っておきますが、この物語の本質はそこにはありません。ブライアン・ガーフィールドの「狼よさらば」の論理によって物語が構築されています。

 「物事をずっと同じ見方でしか見なかったら、決して違うようには見えないのよ。そうじゃない?」(p.279)とヴィクターに向かってフランクの前妻、エレノアは宣います。
 人が"Last Highway"と向き合おうとする時、きっとそのことを思い出すでしょう。
 ◾️「弟、去りし日に "The Last Highway"」(R・J・エロリー 東京創元社) 2024/10/3。
弟、去りし日に (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:弟、去りし日に (創元推理文庫)より
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