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スモールワールズ
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スモールワールズの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全57件 21~40 2/3ページ
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82歳で読みました。新聞の書評で目についたからです。最初、気分が乗れずパラパラと。。。三話のピクニックあたりから理由もなく引き込まれ、第四話の“はなうた”に至り、パズルの一つのピースでも欠けると。。そして五話の求められたら、ちゃんと向き合って話を聞いてあげること。。。6話の式日の若者二人の孤独と信頼と微かなつながり。そして最初の“ネオンテトラ”に急いで戻り読み返した。何という事ない話だが妙に引き込まれ、ああ読み返して良かった、真珠を貝殻の中に見落としてしまうところだった。そして“魔王の帰還”。こんな温かい話は久しぶり、遠藤周作の“私が捨てた女”以来の金縛りにあった。年金生活、オミクロン、終活、それでもこの小説の登場人物の全員と共に同じ大地で生きてゆきます。 | ||||
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賞の候補ということも知りませんでした。 6つの短編ですが、どれも新鮮な感覚に襲われました。 初めて読む新しい感性です。 | ||||
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表紙の積み木には絵が描いてある。 絵が気になって「花うた」から読み始めた。 加害者と被害者が、人から人への語り部となる。 さて次の絵は「愛を適量」 傷つく人と傷つける人、 適量がわからなかったお話が綴られる。 では次は...絵を見てもわからない。 読んでみて、そうかぁと思ったり 首をひねってみたりする。 小さな世界の、でもささやかでないお話が繋がっていく。 | ||||
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冒頭からすみませんが、激賞させて下さい! 素晴らしい! 短編集としてもお話としても作家としても。こんな才能がBLあたりで眠っていたなんて(いや、BL小説もドラマ化されてるから眠ってはいないか・・・)。 一話目の「ネオンテトラ」でその展開に驚き、もうこれ以上の感動はないだろうと思いきや、次の「魔王の帰還」では漫画のようなダイナミックな展開に圧倒され(実際にコミック化されている)ました。これ、シリーズ化して欲しい。 さらに次の「花うた」は短編小説として最高峰に位置するんじゃないかという出来栄えです。泣けます。絶対ウルウル来ます。そもそも、よくこんなストーリー、表現形式(手紙)を思いつくなと。心から脱帽。 次回作が楽しみです。この人にはずっとずっと、小説を書き続けて欲しい! 今回は残念でしたが、直木賞なんて、いつか絶対取れます。 | ||||
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六篇の短編集。それぞれ独立した作品なのだが、登場人物に薄く関わる人が登場する。六篇のそれぞれの世界がありながら、知らないところで誰かと誰かが関わっている。関わりに気が付かないで生活している世界は、まさに「世間は意外と狭い」だと感じた。個々の作品では、貧富の差やジェンダー、女性差別、親子関係など結構重いテーマを扱っている。それらが融合して世界ができていると感じた。ユーモラスな表現もあるが、重いところをさくっと心を抉ってくる感じで、軽さの中に重さがある。この狭い世界は苦しみで満ちているのだろうか。心を引きずる作品である。 | ||||
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初めてこの作家の本を読みました。 作品ごとに様々な様式とテイストを持っていて飽きることなく一気に読んでしまいました。特に「魔王の帰還」と「花うた」が秀逸。この全くテイストの違う作品が入っているのはすごいことだと思います。「花うた」を「アルジャーノンに花束を」との類似性をコメントされる方もいますが、テーマが全く違い素晴らしい短編だと思います。この作者の今後の作品が楽しみです。 | ||||
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◇「ネオンテトラ」 :30代のモデル美和は、同い年の夫との間に子供ができないことに焦燥を感じていた。ある日、マンションの向かいで父親に激しく叱責されている中学生の姿を見る。聞けば、姪の有紗とは同級生の笙一だという。父親が寝静まるまでコンビニで時間をつぶして帰宅をためらう笙一に、美和は声をかけ……。 子供のいない30代女性・美和の日々には、じりじりとした焦りの側面と、諦観にも似た静かな思いが同居しています。その揺れ動く心情が、過剰に文学的な言葉ではなく、ありふれた日常のことばで淡々と描かれるところが心に添いました。 ところが、最終局面で物語は予想を大きく覆す急激な展開を見せます。美和が飼うネオンテトラという熱帯魚の習性に重ねあわせて、彼女のくだした決断の、鮮やかなほど残酷なあり様を目の当たりにして怖気(おぞけ)が立ちました。 ◇「魔王の帰還」 :高校生の鉄二と両親のもとに、姉・真央が嫁ぎ先から出戻ってくる。巨躯の真央のことを鉄二は密かに「魔王」と呼んでいた。鉄二も事情があって高校を転校していた。学校で友達もなく、浮いた存在だった鉄二に唯一声をかけてきたのが同じクラスの奈々子だった。鉄二と真央と奈々子はその夏、ひとつの忘れられない思い出を作ることにする……。 三人の登場人物が皆、人知れず秘密をかかえ、そのために友人や家族を失っています。互いの秘密を知ったのち、彼らがたぎる夏の思い出づくりをする物語が、コミカルに、そして切なく描かれていきます。 少々、漫画チックな点が強いのと、それぞれの秘密が型にはまった感じで他の物語でもありがちな点が食い足りないと感じますが、それでも思わずほほえみながら読み進めてしまったのも事実です。 ◇「ピクニック」 :瑛里子は赤ん坊の未希の育児に少なからぬ苛立ちを感じていた。夫の裕之はそんな妻の様子を尻目に単身赴任の辞令を受け入れてしまう。後日、瑛里子は母親の希和子にいっとき預けて夫を赴任地まで訪ねて行くが、その間に事件が起こる……。 「子どもの成長というのは『たまたま無事でいてくれた』日々の積み重ねだと感じたことのない親は?」(136ページ)――という言葉に実感がこもる物語です。慣れない育児が始まって、新米ママの瑛里子の焦燥が夫や母との関係をぎくしゃくさせていきます。その様子が世間的には「産後うつ」だの、「育児放棄」だの、「児童虐待」だのといった訳知り顔の、心無い言葉によって矮小化され、やがて当事者たちを切り裂いていく。その様子が痛ましいまでに描かれます。 最後に事件の真相が明るみになるのですが、この一家族の顛末を説明しすぎているように感じられました。この説明的な落ちがなかったほうが、世の中一般の子育てに息つく暇もない親や家族の思いを、より普遍的にあらわした物語になったようにも思うのですが。 ◇「花うた」 :新堂深雪は10歳上の兄とふたり暮らしだった。しかしその兄がある日、肩がぶつかったというだけの理由で向井秋生という見ず知らずの男に殴られて死んでしまう。傷害致死罪で服役した秋生に深雪は手紙を書くのだが……。 書簡体で書かれた短編小説で、冒頭に掲げられた手紙の日付が2020年。差出人の名は向井深雪となっています。そして二通目に掲げられたものの日付は遡ること10年の2010年。そして差出人名は新堂深雪です。つまり読者は最初の数ページで、犯罪被害者遺族と服役囚がおそらく結婚したのであろうことが推測できる仕掛けになっています。 しかし深雪の秋生に対する当初の書簡の言葉遣いは辛辣です。たったひとりの肉親だった兄を死なせた犯罪者に当然ともいえる厳しい非難の言葉を投げつけます。秋生から返る反省の言葉も表面的なものに過ぎないとさらに深雪の憤りは勢いをますばかりです。 そんな二人がいかに身を寄せ合うことになるかは実際にこの物語を読んでもらうしかありませんが、「小さなかけらが足りないだけでダメになるもの」が秋生の言うようにくだらない事柄なのか、それとも深雪の言うように世の中のたいていのものは「小さなかけらが足りないだけでダメになるもの」だと認めることができるのか。そこが生き方の分かれ道であることが見えてくるストーリー展開は、なかなか唸らせます。 この「花うた」を含め、ここまでの4編を見ると、ある種の事象が世間一般にはいかにステレオタイプ的にしか解釈されないのか、そのことのもどかしさを作者は手を変え品を変えながら物語の形にして訴えているのではないかという気がしてきました。 ◇「愛を適量」 :高校の古文の教師・慎悟は離婚して一人暮らし。教師としての情熱はとうの昔にどこかに置いてきてしまったかのように、大概のことは「どうでもいい」で済ませる日を送っている。ある晩、帰宅すると自宅マンションのドアの前に見知らぬ男が立っていて……。 バレーボール部の顧問として熱い日々を送った過去は遠い昔のこと。慎悟はある事件をきっかけに気力と家族を失っています。そこへ突如現れた男がきっかけとなり、彼は過去と現在と未来を見つめ直していきます。 中盤以降、男と慎悟の関係が厳しいものとなると、読み進めることがきつく感じられるところもありました。ですが最終盤で、慎悟はかつてこの男にきちんと向き合っていなかった自らを悔やみながら思い返し、それを契機に、ささやかながらも明日への一歩を踏み出していきます。その姿は想定外の清々しさを感じさせてくれました。 ◇「式日」 :「先輩」は通っていた定時制高校の普通科の「後輩」とひょんなことから知り合いになる。それから数年が経ち、「後輩」は身内の葬儀に出席してほしいと「先輩」を誘う……。 年が離れた先輩・後輩の女と男のそれぞれが生い立ちに事情を抱えていて、たまさか出会ったのちにも、つかず離れずの関係を持ちながら、ある葬儀によって互いを以前より深く知ることになるという掌編です。 「この先二年、三年と経てば蓄えた親密さの余熱も消えて心のうちを読み取れなくなり、いずれは完全な他人になるのだろうか」(270頁) 生まれてから死ぬまで人は様々な人と出会い、深い関係を結ぶこともあれば、わずかな縁を得るだけで別れていくこともあるでしょう。「先輩」「後輩」の関係もよくあるそんな多種多様な出会いと別れのひとつにすぎなかったように、記憶の彼方に遠ざかっていくかに見えたのですが、葬儀をきっかけにして「先輩」はこの関係を流れに身を任せることはやめ、今度は何らかの決断を下していく決意を固めていくのです。その幕切れに清々しさを感じました。 . | ||||
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正義感が強く愛情豊かな登場人物3人がその優しさ故に、他人の思いの強さに何も言えなくなってる。傷つきながらもいったん自分の中で受けとめて他人を責めたり恨んだりしない感じがすごくいい。群れからは外れるがちな3人だけど、出会えたから、一人でなかったから、互いに理解し合えた。3人のチーム魔王の最高に素敵なリーダーが魔王こと真央だ。私も職場や家庭でもこんな人になりたいと強く思った。爽快な読後感。この話だけでも是非読んでほしい。 | ||||
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何となく、似たような話やそれに近い話が、実は自分の周りや自分自身にもあるような、ないような。世の中って色々あるし、人生は山あり谷ありだとつくづく思わされた一冊でした。お勧めします。 | ||||
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とてもよかったです。 短編集ですが、深く刺さる話が多かったです。 本屋大賞を露骨に狙いすぎているのが残念でした・・・・。 | ||||
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一冊で一つのストーリではないのでかなり読みやすいと思います。また色々と考えさせる内容なので奥が深いと思います。特にトピックが今現在話題に上がることが多いのでより一層考え方が深まると思います。 | ||||
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「魔王の帰還」のように心温まるお話もあれば、「ピクニック」のようにゾ…とするお話もあり、えもいわれぬ感動ややりきれなさや清々しさが胸に残るお話もあり…。文章がとても馴染みやすく、スルリと受け止めることができました。何故こんなにも心理描写が豊かなのでしょう…何故作者さんはこんなにも"心"の名前を知っているのだろう、と不思議な気持ちになりました。ふいにはらはらと涙が止まらなくなるような、不思議な本でした。とても面白かったです。 | ||||
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あても無く読みたい本を探していて、 一穂ミチ??と言う著者も書名も初見で、スモールワールドと。 装丁に何故か心を止めて読んでみたくなりました。 短編集で それぞれが私の育った世の中と少しズレてたり、女の子はやさしい口の利き方を、男の子はそんなナヨナヨしない! 罪を憎んで人を憎まず・なんて他人事だから! 生まれながらの性別に疑問⁈なんで! 貧しさも、心の弱さも、それぞれの家庭の抱えてる問題も他人のせいにしたらキリが無い!。などなどと そんな時代に育ってきた私。 ところが、そんな日常や問題を抱えて正直に生きる人たちのこの本は、グイグイと物語の世界に引き込むのでした。 とかく読んで居るのが辛くなるのが普通ですが。 どれもが秀逸なのです。 ~花うた~はたまりませんでした。 実は私、4歳で発病障害を得ましたが明治生まれの両親により厳しく人間力を育まれました。 お陰で80歳に近い今も心を寄せる人たちに恵まれ明るい気持ちだけは健在に暮らしています。 それでも、この本により頭を殴られたと想いました。 花うたです。 心身の辛い究極で、私は元気で想像力の無い人には私の辛さが解らないよ!とつぶやくのでした。 この本のいつも殴られ、殴り返す事しか人生に無かった主人公に出逢ったからです。 長い時間と心の変化に作者も共に寄り添い、格別な弁護士家族にも恵まれ犯罪者から人間回帰を迎えられるかと・・・・ 最後にはその人に寄り添うことになる女性。 淡々とした書簡の往復は見事です。 どうした私!涙が止まりませんでした。 この本に出逢ったことはこれからも大切に出来るでしょう、何故か遠い日に亡くなった両親の贈り物 と勘違いしそうな気もしながら。 作品は映画になるのでしょうか、外出は難しいので家で拝見する日まで元気に暮らします。 是非お読みになるのをお勧めさせていただきます。 一穂ミチ様、次の著作を楽しみにして待っています。 桜の咲く季節に思い出しながら。 | ||||
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読み切った後のほっとくる感じが素敵。 多分自分はこれからも今の考えで生きていくんだろうなと ただただ感じた。 | ||||
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魔王の帰還が好きでした。 爽やかでテンポがよくて終わり方も素敵。 他の話も、気づけば引き込まれます。 重いテーマを扱った物語でも、すごく読みやすくてすんなり入る。直木賞ノミネート前に読みましたが、候補に選ばれるのも納得です。 今っぽい文芸作品だなぁ。 | ||||
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この本の6つのお話と,kindleで無料で入手できる「回転晩餐会」を読みました. たしか,どれも自分と,自分に親しい人たちのお話です. あまり多くの人が抱えていないであろうものを抱えている人が多かったと思います. だからか,なんでそうなるの,と思うことがときどきありました. ハッとさせられる言葉がところどころありました. | ||||
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六編の短編集。いずれも一定以上の面白さだが、非常識っぽい設定のものの方が、大変気に入った。「ネオンテトラ」と「ピクニック」は、作家のどや顔が透けて見えるような感じがしてちょっと白けた。「花うた」は、テーマが全く違うものの、手法と構成が超有名SFの『アルジャーノンに花束を』に似すぎていて興ざめ。よかったのは、トランスジェンダーの娘が離婚後の父親を訪ねてくる「愛を適量」。そして、なんと言っても豪快過ぎてくっきり印象を刻むキャラクター・真央が活躍する「魔王の帰還」だ。 | ||||
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夫婦や兄弟、親子、先輩・後輩、加害者と被害者家族など、小さな世界で繰り広げられる、どこにでもありそうだけど切ない関係性を描いた6つの短編集。 どの話も、主人公の感情表現が豊かで、特に話し言葉の言葉選びが秀逸だったと思う。 読んでいてどんどん引き込まれていく反面、どうなっていくのだろうという怖さもあり、読み応えがあった。 個人的には「魔王の帰還」と「花うた」が好きだった。 「魔王の帰還」は、身長188cmで総合格闘技からスカウトされたこともあり結婚して出て行った魔王と呼ばれた姉が、突然実家に帰ってくる話。 姉のストレートで純粋な思いや、弟の不器用だけど優しい気持ちにほっこりさせられた。気持ちで負けて帰ってきた姉弟がどうなっていくのか、最後まで楽しめた。 「花うた」は、たった一人の肉親である兄を殺された妹と、傷害致死で刑務所に服役中の加害者の男とのやりとりを描いた話。 加害者は果たしてどんな気持ちでいるのか、反省の態度は見られるのか、この関係性で行う文通がどんな展開を迎えるのか楽しめた。 | ||||
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読後、なんともいえない感情が。 こうやって誰でも少しづつ誰かの人生に関わっているんだろうか。 続きを読みたくなってしまう。 | ||||
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知人から勧められた本です。知人が絶賛していたのもうなずける面白さでした。一編一編がどれも印象に残り、人間ひとりひとりのありように、愛しさを感じました。 | ||||
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