グレイラットの殺人
評判
グレイラットの殺人の評価:
4.21/5点 レビュー 24件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 21〜24 2/2ページ
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グレイラットの殺人の評価:
4.21/5点 レビュー 24件。 A ランク
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余談ですが、ダニエル・クレイグが最後にボンドを演じた"No Time to Die"のラスト、サッチモが歌う"We Have All The Time in the World"が流れた瞬間、私は涙が止めど無く流れて往生しました(笑)。
そして、ワシントン・ポーの私的な法廷シーンがインサートされ(それは何らかの形で物語に膨らみを持たせていきますが(笑))、いよいよ事件が発生します。
カンブリアのスカーネス・ホールにて世界のリーダーたちによる首脳会議が開催されようとしている中、売春宿で男が野球のバットで撲殺されるという事件が発生します。殺害された男はヘリコプター会社の社長であり、会議参加者の輸送に関わり合いがありました。国際犯罪対策庁(NCA)がその事件を担当することになり、ワシントン・ポーと愛しの(本当に愛おしい(笑))ティリー・ブラッドショーが深く、より深く巻き込まれていくことになります。
スリラーの詳細を語るのはいつものようにこの辺りまでですね。
その物語は果たしてどこへ辿り着くのか?どんなスリラーなのか?パズラーなのか?エスピオナージュなのか?エンディングの見当がつかないまま本当にうねるように物語は進行していきます。シンボルは"グレイラット"の置物。
FBI、MI5がワシントン・ポーの協力者のように、或いは監査人のように付き従いますが、そこには国家間の思惑が潜んでいるようにも思えます。明らかに世界が悪くなっていっているように思える2020年代(思えるだけで示せるエヴィデンスがあるわけではありません(笑))。せめて<エンタメ>の世界においてはワシントン・ポーのように(あらゆる法を超えても戦おうと)振舞うプロフェッショナルが存在していてもいいのではないでしょうか?優れたITスキルという武器を携えたティリー・ブラッドショーの力を借りて。
最後にM・W・クレイヴンの作法の要が明かされているように思えたのは、「優れたオーケストラは、指揮者のタクトより遅れて演奏する」という一文(概念)に出会ったことにあります。そこに米国と英国の関係性、優れたスリラーの書き手と読者の関係性、サスペンスを生み出すためのテクニックの秘密などが垣間見れました。
文句なしの一作だと思います。
□「グレイラットの殺人 ワシントン・ポー "Dead Ground"」(M・W・クレイヴン 早川書房) 2023/9/25。