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遠い声、遠い部屋
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遠い声、遠い部屋の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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ワケの分からない文章読んでいる内に感覚がおかしくなっていく。それが心地よく感じることもあれば、不快に感じることもあった。 | ||||
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新作の長編小説と時間をおかず発表された本書。わたしの想像していたほど、世間的には評判になっていないような。それではすこし惜しい気がします。作品の価値や内容はだいたいの読者はすでにご存知と思いますので、気になったことをすこしだけ述べさせてもらいますと、この小説の登場人物や作品の舞台になった時代・場所には共感できるところが全くないにもかかわらず、ページを繰る手がとまらなかったこと。小説の不思議さ。感想はやめて本の造りについて。ソフトカバーとなっていますが、手に持った時のしっくりする感じ。装幀の美しさはさすが新潮社。大手の出版社は海外の作家の翻訳にもっと意欲的になってほしいところ。若くて向上心のある人はぜひ。 | ||||
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カポーティ選手が23歳にしてモノした初の長編小説を、村上春樹の翻訳で読む。 アメリカの田舎に住む17歳の文学趣味の少年が、おのが大脳前頭葉に浮かんだ、さまざまな夢想幻想妄想空想を、幸か不幸か、その想起の途中で放棄せず、最後まで同伴しながら書きつづった膨大な夢物語であり。それ以上でもなければ、以下でもないと、私は思う。 途中でおおいに退屈したが、それでも仕方なく読了したのは、なんせ翻訳者が有名な小説家であるから、だった。 | ||||
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最後に気になりました。 | ||||
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幻想的とは簡単な形容できない、瑞々しさと硬質さ。 おそらくこのタイミングでなければ書けなかった、奇跡のような作品。 村上春樹もきっとこの作品の翻訳には難儀をしたであろうが、見事な訳業である。 | ||||
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文章のリズムがよく非常に読みやすく、言葉の選び方のセンスもさすがです。 原文の雰囲気を感じられる素晴らしい翻訳だと思います。 特に会話の部分は古い訳ですと日本の訛りを多用して黒人ならではの奔放さを表現していますが、 こちらの方は、そういうところが洗練されて登場人物の個性が会話のニュアンス表現で自然に浮かび上がってきます。 やはり翻訳というものは時代とともに更新されていくべきだと感じました。 | ||||
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本書のタイトル『遠い声、遠い部屋』は、本文のどこから来ているのでしょう? 「はるか遠くにあるその部屋」(101頁) 「べつの声たち、べつの部屋たち」(122頁) 「ここにはない遠い声、遠い部屋を記憶しているリトル・サンシャイン」(267頁) 原書のタイトルは、”Other Voices, Other Rooms” 「べつの声たち、べつの部屋たち」が直訳です。 「はるか遠くにあるその部屋」は、若者には遠くにあるのですが、 老人には近く感じられる、隣の部屋のような別の世界です。死の世界。 「ここにはない遠い声、遠い部屋」は、 「ここにはない」という不在感です。 other という英語には、別離の意味を感じます。 死に別れて、はるか遠くの異界へと離れていく、という別離。 死という別れ。死者たちの声は、聞こうとする人にしか聞こえない。 風の歌のように。 Other Rooms は、死人の部屋。 生きていても死んだようになってしまった人のいる部屋です。 老人は、大きな声も出なくなって、ボールを落とすことができるだけ。 人気(ひとけ)のない、空っぽの部屋。空室みたいな空虚な空間。 死者たちの霊魂は、見たい人だけに見える。別世界。 三途の川の向こうからの声が聞こえ、部屋の中が見える若者がいる。 「『遠い声、遠い部屋』という訳題に関しては、先輩の翻訳者、河野一郎氏のつけられたものをそのまま使わせていただいた。長年にわたって読者に親しまれてきたタイトルであり、またそれ以上に適切な訳題が見当たらなかったからだ」(283頁) 本書訳者の村上春樹さんは「訳者あとがき」にそう書いていました。 村上さんは、先輩翻訳者をリスペクトしています。 河野一郎を越えてやる、という意気込みは・・・ 生意気だと叱られるかも知れませんが、屁理屈を聞いてください。 読者としては、本書のタイトルは、原作者をリスペクトして 「べつの声たち、べつの部屋たち」もしくは「アザー・ヴォイシーズ、アザー・ルームズ」 と直訳してほしい。 子どもの耳には聞こえているのに、大人たちは聞こうとしなくなった死者の声たち。 補聴器をつけた耳の遠い老人には、聞こえるはずもないのに聞こえてくる声たち。 同じことを何度も何度も繰り返す、モゴモゴした声たち。 遠い、とか、近い、とかの距離の問題ではないのです。 「アザー」は、霊界の、幽界の、死者たちの、とかに訳したいです。 「異次元の声たち、異次元の部屋たち」と訳してもみたい。 大人になりきっていない、異次元の存在の子どもらしく訳してみたい。 現代社会では《異次元》という言葉が、政治経済的にも使われる生きた言葉です。 異次元のものは、生きているものには、未知なるもの。 未経験で不可知の世界です。未知数のようなもの。 「X(未知なるもの)」(253頁) 「XXXXXXXX(キス・キス・キス・キス・キス・キス・キス・キス)」(114頁) 愛をこめて。 《備考》 <登場人物リスト> サム・ラドクリフ テレピン油会社のトラック・ドライバー(9頁) シドニー・カッツ パラダイス・チャペルで「モーニング・スター・カフェ」を経営(245頁) ジョエル・ハリソン・ノックス ミスタ・サンソムの息子(14頁)。十三歳(70頁)。J. H. K. サンソム(112頁) ノックス少佐 ジョエル少年の母方の祖父(13頁) エドワード・R・サンソム (15頁) ジョエルのパパ(15頁)。可哀想なエディー(147頁)。エドとエイミーはニューオリンズで結婚(185頁)。エドはプロボクサーのマネージャー(177頁)。ランドルフの父親(188頁)。ミスタ・サンソム(206頁) エドワード・Q・サンソム (103頁) エレン・ケンダル ジョエルの叔母さん(17頁)。ミセス・ケンダル(58頁) ルイーズ ケンダル一家の、少し耳が遠い従姉妹(18頁) エイミー・スカリー サンソムと結婚(23頁)。ジョエルのママ。ミセス・サンソムは離婚(16頁)。ミス・エイミー(53頁)。おそらくは四十五から五十歳の間(59頁)。旧姓ノックス。 アイダベル・トンプキンズ 燃え立つような赤毛のおかっぱ頭の痩せた少女(35頁)。双子の妹(45頁)。もうすぐ十三歳(45頁)。老犬(ヘンリー)がいつも一緒(207頁)。男まさりのお転婆少女(208頁) ミズ・ポッター (30頁) ミズ・コールフィールド (30頁) ミス・ロバータ・ヴェルマ・レイシー 酒場の女(36頁)。R. V. レイシー。「プリンスリー・プレイス」カフェの女店主(227頁)。ミス・ロバータ(228頁) ロバータばあさん 馬鹿笑い(213頁) ロメオ 黒人の少年(35頁) ジーザス・フィーヴァー ラバ(ジョン・ブラウン)がひくワゴンの御者(49頁)。老人(62頁)。小柄な黒人(86頁)。ヴァイオリンを弾けた(190頁)。羽のついたダービーハット(191頁) ミス・フローラベル・トンプキンズ アイダベルの姉(42頁)。双子の姉。1934年型の六人乗り緑色のシヴォレー(124頁) アイリーン・オーティス 女子嫌悪感の筆頭(43頁) ランドルフ ミス・エイミーの従兄弟(57頁)。おそらくは三十代半ば(99頁)。二十三歳のときドロレスと恋をした(172頁)。ペペを愛していた(178頁) サミー・シルヴァスタイン 「上級探偵一号」(59頁)。ジョエルの親友(111頁) アンジェラ・リー ランドルフのお母さん(60頁)。(219頁) ミス・カディンスキー 古代史の先生(61頁) ミスタ・ケイシー 去年に亡くなった(62頁) ランドルフ お父さんの方のランドルフは歌った(63頁)。ミスタ・ランドルフ(77頁)。ジョエルのパパ。 ミズーリ・フィーヴァー 食事係の黒人の娘(66頁)。ユーフー、ミズーリ、ユーフー(64頁)。ジーザス・フィーヴァーの孫娘(66頁)。長身(68頁)。ズーがあたしの正式な名前(75頁)。ズーの金歯(87頁)。いま二十四歳?(97頁)。アコーディオンをひく(198頁)。ジョエルの友だち(199頁) ミズ・ガス・フリー 白人の女魔術師(68頁) ケグ・ブラウン 十四歳のミズーリに悪いことをして、今では監獄につながれている(71頁)。十四歳のミズーリと結婚(97頁)。ミズーリの喉を切った(98頁)。長い剃刀を不吉な十字架のように首から鎖でぶら下げた、唇の分厚い囚人(245頁) ペペ・アルバレス 若くて威勢の良いメキシコ人の拳闘選手(93頁)。プロボクサー(177頁)。ドロレスと恋人同士(177頁)。ボクシング・グローブ以外には何も身につけていない裸の男(245頁) アニー・ローズ・クッパーマン ミス・アディー 通りの先に住んでいた意地の悪い女のひと(114頁) リトル・サンシャイン 隠者(115頁)。ランドルフの「良い友だち」(115頁)。年を取っている(116頁)。老人(120頁)。馬小屋係の少年(121頁)。護符(192頁)。ここにはない遠い声、遠い部屋を記憶している(267頁) ミセス・ジミー・ボブ・クラウド 「クラウド・ホテル」を経営(120頁) トビー 大猫に殺された赤ん坊(217頁)、ジーザス・フィーヴァーの子(153頁) オーガスト (158頁) ビリー・ボブ (162頁) クルト 坊や(165頁) ドロレス 少女(171頁)、ギターを弾く(179頁) ミスタ・スカリー (189頁) ランス 最愛の人(204頁) ブルーイさん 年取った猟犬のブラッドハウンドを飼う(212頁) サイモン 黒人(225頁) ミス・ウィステリア 黄色い髪の小さい二十五歳(231頁)。小さな王冠を彼(ジョエル)の頭にかぶせながら、ぐっと前屈みになり、あやうく木箱の中に落っこちそうになった(245頁) | ||||
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