ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士

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評判

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士の評価:

4.51/5点 レビュー 131件。 S ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.51pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全124件 101〜120 6/7ページ
No.24
(4pt)

この本に出会えてよかった

前置きが長すぎる。
登場人物が多すぎて、訳がわからなくなる。
それでも、下巻に入ってから、特に、裁判が始まってからの盛り上がりが異様。
P390 その事件の核心は結局のところ、スパイとか国の秘密組織とかじゃなくて、よくある女性への暴行と、それを可能にする男どもなんだ。
迷走していたかにみえた物語が一気に整理され、意味が見えてくる。
最初はイマイチだと思っていたサブタイトルが、がぜんカッコ良く見えた。
すべての組織の人間の思惑、策略、動揺が見えるのが面白い。
これこそ、作者視点で描かれた作品の醍醐味ですね。
そしてエピローグも良い。
大円団、大勝利。実に爽快だ。
リスベットが柔らかくなる。
解説にもあったが、やはりこれはリスベットの物語なんだなあ。
第1部から続いていた物語は、これでいったん区切りがつく。
第4部を読みたい気もするが、これで終わりというほうがすっきりしていい気もする。
いずれにせよ、この本に出会えてよかった。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上 Amazon書評・レビュー: ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上より
4152090480
No.23
(5pt)

プロットに関しては批判があるようですが…

シリーズを通読した率直な感想は、面白かった、堪能した、です。
確かに、コナリーやディーヴァー、ジャック・カーリィみたいな、プロットが緻密に構成された作品群と比べると、
バラバラなストーリーを継ぎ接ぎした印象を受けるのは否めません。
(ただし、「1」で放りっぱなしにされていた伏線が、「2」で生きてくるみたいなスケールの大きな構成は評価されるべきでしょう)
ですが、裏を返せば、その錯雑っぷりがスウェーデンミステリーの魅力なんだと思います。
良く言えば「洗練」、悪く言えば「標準化(もちろんその技術的高さは刮目に値しますが)」されちゃった観のある欧米系ミステリーと比べると、
へニング・マンケルやこのスティーグ・ラーソンの強引ともいえる力技は、貴重な輝きを放ってますよ!
(ただし、カミラ・レックバリの『氷姫』なんかだと、プロットがしっかり「洗練」されているので、こうした世代的変化はある意味興味深いですが…)
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下 Amazon書評・レビュー: ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下より
4152090499
No.22
(4pt)

スーパーツンデレハッカー

遅ればせながら、全巻読みました。いや〜〜おもしろかったですw!
まず各巻の冒頭に記される、スウェーデンの女性がおかれる立場に対するギョっとする統計。
「え?スウェーデンてそんな物騒なところなの・・・?
あのお洒落家具の国が・・?」とまず思わせられます。
この統計がどこまで正しいのかはわかりませんが、本編に対してある説得力になってるのは確か。

 登場人物の多さも、行ったり来たりする話運びも意外と苦になりませんでした。
リスベットのキャラクターは、一歩まちがえれば読者に反感を抱かせる様な性格ですが
筋が通っているのでむしろスウェーデン版ツンデレキャラとして素晴らしい出来でしょう。

スーパーハッカーぶりが荒唐無稽すぎ、という向きも見受けられますし
その通りだとおもいますが、「ハッカー」が物語に出て来た段階で「魔法使い」と
ある意味同義だとも言えますのでwそこはあまり気になりませんでした。
ミカエルのスーパーモテモテぶりも「魔法使い」的ですし。

ひさしぶりにワクワクしながら読みました。テレボリアン他、悪役が本当にイヤ〜な奴なところは
宮部みゆき的です。メジャーな力があるところも。
もうこれ以上読めないのが本当に残念です。

しかし・・・ミカエルがここまでモテモテな必要あるんですかねw?
そこだけがひっかかります!
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下 Amazon書評・レビュー: ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下より
4152090499
No.21
(5pt)

あー続きが読みたい!

ミレニアム6冊一気に「大人買い」し、夜中まで起きて一気読みしました。
中でも「3」は連日夜更かし。読み出したら止まらない面白さでした。
まだまだ続きがありそうなのに、読めないのが残念。
「4」の原稿はあるそうなので、いずれ出版されることを期待しています。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上 Amazon書評・レビュー: ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上より
4152090480
No.20
(5pt)

スエーデンのイメージが具体的になりました。

高福祉国家とムーミンの印象しかなかったスエーデン。最近はIKEAとH&Mが加わったとは言え、遠い国でした。
男尊女卑的思想や人身売買、暴力に苦しめられている女性の問題、リスベットの裁判では少しスッとした気分を味わえました。
遠い国でも同じような問題があるのですね。
3部作の中では3が一番好きだったな。
あー続き気が読みたい。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下 Amazon書評・レビュー: ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下より
4152090499
No.19
(5pt)

三部作がこんなに面白く充実した形で終わるなんて!!!

面白い! すごく面白かったのだ!!!
 権力に屈せず、信念をまげないジャーナリスト、ミカエル。
 3部作を通しての真の主役、リズベット・サランデル。
 彼女は華奢で、まだ成人を迎えてないかのように見える外見とはうらはらに
 その世界ではトップクラスのハッカー。
 レオンのころのナタリー・ポートマンをそのまま成長させたよう。
 人当たりが悪く、不適合者としてレッテルを貼られた彼女が見えざる敵
 (終盤目に見えてくるのだが)に復讐していく物語。
 ミカエルたちの雑誌「ミレニアム」が、警察や国家なども巻き込んでその彼女を助けていく話。
 読み進めるうちに鳥肌がたち、
 フィクションだとわかっているのに襲撃される場面ではひゃっと声をあげてしまうほどの場面描写、
 知り得ない世界の話(たとえばPC、ハッカーなどの専門的な話)を書くときでも
 読者をほったらかしにするのではなく、きちんと連れて行ってくれる筆運び。
 スウェーデンを舞台に、スパイもの的要素も加え、政治、世界情勢、女性問題、
 人種問題にも触れながら進むストーリーは
 手に取りやすい装丁とは裏腹に、ずっしりと重みがあり、
 かつ小難しくなく、まさにエンターテイメントな面白さの塊。
 ダン・ブラウンの面白さなんて、なんだったんだろうとつい思ってしまうくらいの、この気持ち。
 まだ読んでいない方に本当におすすめしたい!!!!!
 
 第1作目を手にしたとき、たしかにちょっと小馬鹿にしたかも。
 まあ、あるよね、こういう面白い本、って。
 第2作目は、もしかしたらすごい読み応えがあったかも!とこの先の予感を抱かせた。
 そしてそして、第3作目。繰り返すが、本当にこんな気持ちを抱くとは思わなかった!
 作者が成功を見る前に亡くなってしまったという事実をつきつけられ、残念で仕方がない。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下 Amazon書評・レビュー: ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下より
4152090499
No.18
(4pt)

ヒーロー(女性ですがあえて)としてのアスペルガー症候群

たくさんのレビューがあっという間に出ていますので作品自体については私など不必要かとも思います。しかし、誰も触れていないのであえてもう一単語入れさせてください。
 <アスペルガー症候群>
 大活躍のリスペット・サランデルは小児期からの精神科医に”彼女は明らかに偏執症的な統合失調性の妄想にとらわれており、双極性障害が見られ、共感能力が完全に欠如している。彼女ほど反社会的パーソナリティ−障害の定義にぴったり当てはまるケースはない”と言われる。しかし怪我で入院中の主治医はもっと単純な診断の例としてアスペルガー症候群をあげ、”彼女は殻には閉じこもっているが、妄想にとらわれているようにも、パーソナリティー障害を抱えているようにも見えない”と言う。
 いままで何かとアスペルガー症候群が悪いイメージで捕らえられており、私は統合失調症も双極性障害も反社会的パーソナリティー障害も決して特異なもの悪いものとは思いませんが、それらとははっきり独立した症候群と認めてもらえた大変うれしい本でした。まるで著者自身がそうであるかのようにリスペットが描かれていましたし。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上 Amazon書評・レビュー: ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上より
4152090480
No.17
(5pt)

本文をより存分に味わうための注釈に更なる工夫が欲しい。

作品の面白さについては今更言及する必要もないだろう。上下巻共通の栞に登場人物の簡単な紹介がされているのは、昨今の外国小説には珍しいことではないがありがたいサービスです。強いてあげるなら本の冒頭に掲げた登場人物については細大漏らさず記載して欲しかったです(まあ紙幅の関係もあるのでしょうが・・・)。
それと地図が・・・この際はっきり申上げます。見難い!縮尺も緯度もない。スウェーデンの事情に通じてる人以外がこの本を手に取ることはない、あるいはその程度の知識は教養として当然の前提だということだろうか。不親切な感は否めない。地名についても非常にわかり難い。日本の行政区分の都道府県市区町村のどれに該当するのかといったところからして判然としない。警察機構の説明も本文にある説明から推測する以外なく、具体的な管轄区分も明確に地図上に表記されていないのでどこの事件がどの担当に本来なるべきなのかも判りづらい。そして本文に出てくる地名には実在のものだけでなく架空の地名もあるのだろうか?具体的な位置が知りたい地名に限って見事に地図から抜け落ちていたりする。この地図を作った人は本文を読んで作ったとは到底思えないのだが?
移動に要する時間の感覚が全く欠落してしまうのでスリルが半減してしまうのです。例えばストックホルムからイェーテボリまでの鉄道移動に通常要する時間がどの程度なのかや直線距離もわからない。これだけスウェーデン中を飛び回る話しなのに・・・。文庫にするときには上に挙げた問題点は絶対に改善するべきだと思う。
それとこの巻ではスウェーデンの政治事情が複雑に物語に影を落としてくる。冷戦時代における対ソ連防諜の役割と当時の政治思潮の変遷の前提知識があればより作品の魅力を存分に味わえるはずなのだが・・・。大まかな政治動向や本文で触れられる重大事件についての年表さえも付いていない。せめて最終巻にあたる第3巻からだけでもこれまでの複雑な事件の時系列が一瞥可能ならいいのに・・・と思うことがしばしばあった。1巻から読み進めてきた読者に対するサービスとして多少なりとも3巻目にはそのような配慮を考えては頂けなかっただろうか?という思いはする。何にしろ非常に面白いのは間違いないのだが、読み手のスウェーデンに対する知識のストックがないと本来の面白さを存分には味わえていないのではないかという口惜しさがある。この点を補強する注釈をきちんと付けてくれていれば更に本としていいのだが・・・。大いに改善を促したい。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上 Amazon書評・レビュー: ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上より
4152090480
No.16
(5pt)

一気に読みました。

面白い!
 一気に読みきりました。
 法廷でのミカエルの妹・アニカの雄姿。
 全て終わってしまった後のリスベットのハチャメチャ振り。
 忘れた頃に現れたニーダーマンとサランデルの死闘。
 ラストはお決まりの再開!
 素晴らしかったです。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下 Amazon書評・レビュー: ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下より
4152090499
No.15
(5pt)

最高

この言葉がまさにピッタリだと思う。ミステリーでありながら人間くささも感じられる物語。
もうすでに3部作まで何度も読んでいるのに、ミレニアムの世界に浸っていたくてまた1作目から読み始めてしまった。何度読んでも面白いし展開がわかっているのに飽きない。スウェーデンでは映画化されドラマ化もされているらしい。ハリウッドが映画化を検討してるらしいが実現すれば日本でも公開されると思うので是非映像でもミレニアムに浸ってみたい。
続きが読めないなんて信じたくないので、是非ラーソンのパートナーの女性が続きを世に送り出してくれる事を希望する。
本当に素晴らしい作品だ。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下 Amazon書評・レビュー: ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下より
4152090499
No.14
(5pt)

徹夜して読んでしまうほど面白かった

最近、徹夜して本を読むことなどなかった自分だが、3巻の下は途中で止められず徹夜してしまった。
著者は伏線を張るところから主人公側の動きを開示しているのでその後の展開はおよそわかってしまうが、それでも読まずにいられないぐらい面白い。
スウェーデンの話なので登場人物の名前に馴染みにくく、しかも登場する人物が多いという点を克服できれば絶対に楽しめる。

このシリーズを読む順番は、1巻「ドラゴンタトゥーの女(上下)」、2巻「火と戯れる女(上下)」、3巻「眠れる女と狂卓の騎士」とした方が良いと思う。3−2−1と読んだのでは意味がわからないところが出てしまう。
なお、すでに著者が亡くなっていて後が続かないのが残念だ。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下 Amazon書評・レビュー: ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下より
4152090499
No.13
(5pt)

敬意 & 憂鬱

日本で全く無名のスウエーデン作家の、殆ど処女作みたいな本書を発掘し、出版するに
至った早川書房に敬意。
版権取得に当たっては、いったい何語の本書から面白みを理解したことやら、大変興味
あります。(翻訳はフランス語とスウエーデン語の両方を使ったと記述あります。
それにしても翻訳も素晴らしいと思います。サーと読んで行って、”ちょっと、これ
どういう意味だ?”と引っかかる所が殆どありませんでした。)
その決断あったからこそ、これだけ面白い3部作を堪能出来た訳で、ミレニアム3部、6冊
1万円以上払っても文句はありませんでした。
この作家は、精密な建築技師みたいなところがあり、何も疎かにしないというか、
たとえばミレニアム2で放置されたままだった、リスベットのホンダの車も、本書で
ちゃんと使い道が用意されており、細かい所ですが感心しました。
というわけで、後書きにもありましたが、本書で解決されていないのは、リスベットの
妹の件だけであり、これが続編に繋がるはずだったのでしょう。
今度は何時、これくらい面白い本に出合えるのかと思うと、今読み終わったばかりなのに、
憂鬱になっています。評価は5☆までしかありませんが、6☆でもいいか、という感じです。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上 Amazon書評・レビュー: ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上より
4152090480
No.12
(5pt)

まちがいない!今世紀最高の傑作。

6冊を息つく間もなく一気読みしてしまった。

 すべてのミステリ的要素を兼ね備え、かつリスベット・サランデルというミステリ史に残る最強(日本的には最萌え??)ヒロインを描き切った!(とは残念ながらいえないか。謎は残った。)

 作者がこの累計1000万部にも及ぶ世界的反響を見ずに逝ってしまった悲劇とあいまって、まちがいなくミステリ史上に残る傑作だ。
 この世紀の傑作をほぼリアルタイムで読めた幸福に感謝したい。
 しかし、この続編がもう読めない、リスベットとはもう二度と会えないとは、ああ・・・・。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下 Amazon書評・レビュー: ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下より
4152090499
No.11
(5pt)

現代女性のバイブル

リスベットの活躍は言うまでもないが、彼女と直接、間接的にかかわる女性たちの活躍が素晴らしい。扉にも書かれているごとく、まさに現代の「アマゾネス」たち。第3部は現代女性にとってのバイブルとなりえるのではないか。
もちろん、ミカエルをはじめとしたおなじみの人物も、さらに魅力を増して登場する。これほどの人物描写、ストーリー展開のできる作家が、シリーズ半ばで亡くなってしまったのは本当に残念。せめてミレニアム第3部までを読める現代に生まれた幸運に感謝するしかない。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上 Amazon書評・レビュー: ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上より
4152090480
No.10
(5pt)

巨悪に立ち向かうミカエル&リスベットとの再会を熱望する現時点での完結編です。

全世界に興奮と熱狂の嵐を巻き起こしたスウェーデン最強のサスペンス・ミステリー3部作「ミレニアム」現時点での完結編の下巻です。本書の中心となるのは、ミカエルと公安警察チームが公安内部の闇の組織ザラチェンコ・クラブを欺きながら犯罪の立件に向けて着々と証拠固めをする過程、リスベットとミカエルの妹の弁護士アニカが班と結託する非道な精神科医テレボリアンと裁判で対決する圧巻の法廷シーン、エリカを憎む謎のストーカーをハッキングと消去法で暴き出すリスベットの活躍といった部分ですが、全編に渡って印象的なエピソードが畳み掛けるように続き、その中で脇役を含めた人間の感情がしっかりと息づいています。私の記憶に深く刻まれた場面を記しますと、元女刑事で警備会社社員のスサンヌがエリカを助けて心を通わせる場面、運命に翻弄され苦境に立たされたエリカの潔い決断、公安警察の女刑事モニカとミカエルの熱く燃える恋、遂にミカエルを抹殺しようと敵の雇った殺し屋がレストランで銃を乱射し絶体絶命の危機に立たされる白熱の対決シーン、法廷で弁護士アニカが虐げられた女性の立場を赤裸々に訴え全員の共感を得る感情の流れと特に元後見人のパルムグレンが病身を押してリスベットの為に懸命に証言する姿に熱い感動を覚えました。そしてエピローグでは天国から地獄へ一転する展開で一瞬ヒヤリとさせて、結局はリスベットの真の実力を強烈に印象づけます。この3部作を通じて一作毎に魅力的なミステリーの趣向で楽しませてくれた著者は、生前第4部以降も更に素晴らしい構想を用意されていたに違いありません。ミカエルとリスベットの頼もしい未来を予感させる温かなラスト・シーンを読み終えた私にはこれで二人と永遠にお別れとはどうしても思えません。全世界のファンの為に惜しくも早世された著者ラーソン氏の意志を何方かが継いで頂き、いつかこの最強コンビを復活させて欲しいと熱望致します。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下 Amazon書評・レビュー: ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下より
4152090499
No.9
(5pt)

殺人スパイ集団ザラチェンコ・クラブVS狂卓の騎士!驚異のサスペンス3部作完結編。

著者ラーソン氏のあまりに早過ぎる死が惜しまれるスウェーデンが生んだ今世紀最高の3部作「ミレニアム」第3部の上巻です。前作の最後で頭に銃弾を打ち込まれながら驚異的な生命力で墓穴から甦ったリスベットの姿が強烈に記憶に刻まれ、流石にその反動からか本書の出だしはやや大人し目です。ミカエルの手配により病院に送られたリスベットとザラチェンコは困難な手術の末に危うく一命を取りとめる。リスベットが眠れる女となって身体の回復に努める頃、静かに闇の組織の陰謀が蠢き始めていた。
このシリーズは第1部が猟奇殺人鬼と悪徳経済犯、第2部では麻薬密輸と人身売買の凶悪な犯罪集団が悪玉でしたが、今回は公安警察内部に潜む闇の組織と更に手強くなっています。本作はミカエルが双方共に命名した殺人をも辞さない強敵「ザラチェンコ・クラブ」に対し、ミカエルの妹の弁護士アニカや警備会社社長アルマンスキー、リスベットの元後見人パルムグレンに雑誌ミレニアムのスタッフ達を加えた「狂卓の騎士」がリスベットを救おうと立ち上がる構図の物語になります。この千頁近い大作の前半の読み所は、老スパイ・グルベリが班の仲間を集めて作戦を練り上げる統率力と意表を突く思い切った謀略、ミカエルのお陰でPDAを手にした病室のリスベットがPC仲間「ハッカー共和国」の協力を基に情報収集する場面、公安警察のエドクリント警視と部下の女刑事モニカがミカエルと共に内部の闇組織の調査に踏み出す作戦、日刊紙SMPの編集長となったエリカの新環境での試練と恐怖のストーカーの出現、等々です。私が著者の手柄と感じる点は、スピーディーな場面転換で興味を持続させる所と慎重過ぎる程に証拠を積み上げて行く細部への執拗なこだわりで、この頑固な姿勢が読者に作り物でない本物の物語を読む手応えと満足感を与えていると思います。今回は激情を抑え冷静に行動するリスベットの下巻での活躍に期待しましょう。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上 Amazon書評・レビュー: ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上より
4152090480
No.8
(5pt)

今年の『このミス』第1位は『ミレニアム』で決まりだろう

オリジナルは2007年リリース。邦訳は2009年7月10日リリース。最後の方は読み終わるのが惜しくて仕方がない感じすらした。間違いなく今まで読んだミステリーの中で一二を争う完成度だ。今年の『このミス』第1位は『ミレニアム』で決まりだろう。そうでなければ『このミス』の選者の方がぶれていることになる。

『ミレニアム』の凄いところは色々な側面を出しながら、完成度が高いところにあると思う。特に『3』では最後に至って政治小説・警察小説・法廷小説の要素まで見せ始める。後半の主人公の一人とも言えるミカエルの妹アニカ・ジャンニーニの見事な法廷弁論に唸った。

下巻390ページでミカエルはアニカにこう語る。

『・・・この事件の核心は結局のところ、スパイとか国の秘密組織とかじゃなくて、よくある女性への暴力と、それを可能にする男どもなんだ。・・・』

この小説は多面的な要素を持っている。ただ、スティーグ・ラーソンの語らんとする根本はこの言葉に集約されている気がする。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下 Amazon書評・レビュー: ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下より
4152090499
No.7
(4pt)

”闇の組織”の登場で高まる緊迫感。続編が読めないのはとても残念

スウェーデン発驚異の三部作のいよいよ第三部。本書は第一部同様、スカンジナヴィア推理作家協会が北欧5カ国で書かれたミステリー最優秀作に与える「ガラスの鍵」賞を受賞している。
第一部は比較的独立した物語だったが、本書は第二部の完全な続編であり、サプライズの堪能と物語の前後関係の理解のためにまず第二部を読んでから読まれることを強くお勧めする。

瀕死の状態から一命を取りとめたリスベット。しかしここに重大な秘密を守るため、公安の秘密組織“班”、ミカエル・ブルムクヴィストの言うところの“ザラチェンコクラブ”が登場する。彼らの出現とその謀略で物語の緊迫感はいやがうえでも高まる。

ストーリーは、“班”対それに対抗するミカエルの仲間や公安警察、県警の構図で、入院中のリスベットを軸にして進んでゆく。事態はリスベットの裁判というクライマックスに向けて、目が離せない展開が続くのである。

本書は、“女を憎む男たち”を憎む、壮絶な過去を持つリスベットの闘いの物語であることは言うまでもないが、何者にも屈せず『ミレニアム』誌で社会の悪と矛盾を糾弾することに徹するミカエルの姿にも、ジャーナリストとしてのラーソンの影を見ることができる。

それにしても、この三部作を通していえることは、第一部の密室と化した孤島、見立て殺人、サイコ・キラー、大富豪一族の闇を含めた本格ミステリー。第二部の警察小説、ノワール、リスベットの驚愕の過去、現代スウェーデンの抱える社会問題。そして第三部の公安の秘密機関、謀略スパイスリラー、法廷サスペンスと、エンターテインメントとしてのミステリーのジャンルがすべて含まれていて、それらがすべて一定の水準以上のレベルを持ち、しかも“今の時代”が抱える社会的な問題が根底にあるので、リアリティーに富んでいて、読者にとってたまらない魅力を持った読みごたえ充分な作品であるということである。
続編を期待するのは当然だが、スティーグ・ラーソンの急逝でそれもかなわぬ夢となった。とても残念で惜しい。

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下 Amazon書評・レビュー: ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下より
4152090499
No.6
(4pt)

“闇の組織”の登場で高まる緊迫感。続編が読めないのはとても惜しい

スウェーデン発驚異の三部作のいよいよ第三部。本書は第一部同様、スカンジナヴィア推理作家協会が北欧5カ国で書かれたミステリー最優秀作に与える「ガラスの鍵」賞を受賞している。
第一部は比較的独立した物語だったが、本書は第二部の完全な続編であり、サプライズの堪能と物語の前後関係の理解のためにまず第二部を読んでから読まれることを強くお勧めする。
瀕死の状態から一命を取りとめたリスベット。しかしここに重大な秘密を守るため、公安の秘密組織“班”、ミカエル・ブルムクヴィストの言うところの“ザラチェンコクラブ”が登場する。彼らの出現とその謀略で物語の緊迫感はいやがうえでも高まる。
ストーリーは、“班”対それに対抗するミカエルの仲間や公安警察、県警の構図で、入院中のリスベットを軸にして進んでゆく。事態はリスベットの裁判というクライマックスに向けて、目が離せない展開が続くのである。本書は、“女を憎む男たち”を憎む、壮絶な過去を持つリスベットの闘いの物語であることは言うまでもないが、何者にも屈せず『ミレニアム』誌で社会の悪と矛盾を糾弾することに徹するミカエルの姿にも、ジャーナリストとしてのラーソンの影を見ることができる。
それにしても、この三部作を通していえることは、第一部の密室と化した孤島、見立て殺人、サイコ・キラー、大富豪一族の闇を含めた本格ミステリー。第二部の警察小説、ノワール、リスベットの驚愕の過去、現代スウェーデンの抱える社会問題。そして第三部の公安の秘密機関、謀略スパイスリラー、法廷サスペンスと、エンターテインメントとしてのミステリーのジャンルがすべて含まれていて、それらがすべて一定の水準以上のレベルを持ち、しかも“今の時代”が抱える社会的な問題が根底にあるので、リアリティーに富んでいて、読者にとってたまらない魅力を持った読みごたえ充分な作品であるということである。
続編を期待するのは当然だが、スティーグ・ラーソンの急逝でそれもかなわぬ夢となった。とても残念で惜しい。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上 Amazon書評・レビュー: ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上より
4152090480
No.5
(5pt)

スティーグ・ラーソンが初めてその一線を越えた

オリジナルは2007年リリース。邦訳は2009年7月10日リリース。『1』・『2』を読了した者にとっては、まさに待ちに待ったリリースだった。『2』と違って『3』は、前回までのあらすじみたいな部分が皆無で、いきなり『2』の続きが展開していく。そこがまず気に入った。後半部分が特に素晴らしい。リスベット・サランデルを演じられる女優は誰だろう、と考えてみた。ぼくが考えるに一番近いのはナタリー・ポートマンである。『V』での演技の根性を観れば、この難役をきっとこなすに違いない、と思う。
読んでいて思うのは、作者スティーグ・ラーソンが既に故人であることの残念さである。ぼくは、これほどにコンピュータやネットワーク、ひいてはPDAといったデバイス類、ソフトウエアやウエブ・サービスを知り尽くした作家は初めてである。そして、その正確な知識の生み出す世界が、この上もないほど魅力的だ。まさに、ついに登場した現代のミステリー作家ということになる。そしてこのシリーズのすばらしさに浸るほど作者が故人で今、この世界に存在しないことの無念さが実感されるのだ。
ここまでの詳細な世界を誰が書ける?ジェフリー・ディーヴァー?島田荘司??絶対的に知識が足らない。スティーグ・ラーソンが初めてその一線を越えたのだ。このシリーズがこれで終わってしまうと思うと残念でならない。読みたいレベルの新しい作品を読める歓びは何にも増して高いのだ。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上 Amazon書評・レビュー: ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上より
4152090480