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悪魔はいつもそこに
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悪魔はいつもそこにの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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法も宗教も全ては隠れ蓑に過ぎない。後ろ盾なき者は法もモラルも超え反撃あるのみ。田舎の閉鎖を持ちつつ因業な普遍性に満ちる。 | ||||
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まずこれはホラー小説ではない。タイトルからミスリードされそうだが、中身はかなり濃いノワール作品である。 ネットフリックスで映画化され、作者自らナレーションもつとめている。 原作を読む前に映画を見たが、これが非常によく出来ている。原作を読むといかに作品に忠実に映画化されたかがさらによくわかる。作者のナレーションが入ることで映像だけでは足りない部分が埋められ、原作の世界観に没入できるのだ。 太平洋戦争時のソロモン諸島。主人公の父親は仲間が日本兵に拷問され十字架に架けられた姿を発見するという陰惨な体験をする。 妻がガンで倒れると命を救いたい一心からプライベートな祈りの場所を設け十字架に動物の血をかけながら神に祈りを捧げる。 主人公である幼い息子にはそんな父の姿は到底理解できず、父が自殺した後に引き取られた祖母のもとで育つ。そこには訳あって引き取られた女の子がいる。信心深いこの子を妹のように大事にしながら、世の中にはどうしようもないクズがたくさんいる、というのが彼の口ぐせとなっていく。 その通り彼らを取り巻く環境には俗世に溺れた牧師、殺人を繰り返す夫婦、汚職警官などこれでもかというほど人間の醜い部分を読者に見せつける。 映画よりかなりグロテスクな内容が続くが、これによって読者は嫌でも作者の描く世界観に引きづり込まれる。 そして父親が戦地から持ち帰った一丁のルガーが主人公の手に渡された時、彼の運命がまわり始める。 1960年代という時代背景も物語に合っている。この後にアメリカはベトナム戦争という泥沼にハマっていくが、映画ではそれを暗示させるような主人公の姿を描いて終わる。 登場人物のエピソードがそれぞれ描かれるので話しのつながりが見えづらくなるが、そこを乗り越えた先に全てがつながる流れは見事である。 それでも映画を見てから本作を読むという順番は個人的には大正解だった。 巻末の映画評論家の滝本氏の解説は必読。 | ||||
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戦後のアメリカの田舎で、少年が育つが・・・というお話。 上記だけだと何の話か判りませんが、主人公っぽい少年が不遇の中、成長していくという感じで、そこに様々な要因が絡む、というとビルドゥイングス・ロマンみたいですが、あまりそうならず、不遇の内容が悪徳保安官、破戒した牧師、殺人鬼夫婦という鬼畜系の要素になっていて、そういう状況に翻弄される様が描かれたクライム・ノベルになっております。 過去に出版されて、埋もれていた作品かと思ったら、割と最近(2011年)の作品という事で、過去のこの手の作品に影響を受けたかも。個人的には鬼畜系西部劇を書いていた頃のコーマック・マッカーシー氏ややはり鬼畜系のジャック・ケッチャム氏あたりを彷彿とさせる印象を持ちました。 映像配信会社で映像化されるそうで、その縁で翻訳されたらしいですが、単体の作品としても評価できると思います。最近は過去に発売されてそこそこ話題になった作品が、映像化されて復刊されたりするケースが結構ありますが、事情はともあれ、そのお陰で色々読める様になるのは嬉しいです。 結構読み応えのあるクライム・ノベル。機会があったら是非。 | ||||
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