此の世の果ての殺人

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評判

此の世の果ての殺人の評価:

3.51/5点 レビュー 55件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.51pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全104件 101〜104 6/6ページ
No.4
(4pt)

ロードムービーとして読むべき、ミステリーではない

まず、文章力は高いと思います。稚拙な箇所がなくそれなりに小説としてまとまっているところは美点です。若い作家さんとしては随分と頑張ったなという印象です。しかし、反面、無駄な描写が多いのが残念。例えば牡蠣小屋の描写や星座のウンチクなどなどですが、その情景を思い浮かべるのが結構な脳の負担になります。ストーリーや物語の臨場感に大きく影響を与えないところなので編集さんが指導してあげても良かったような気がします。(これは大した瑕疵ではないと思いますが)このあたりは次回作に期待です。

物語は二人の女性が偶然に出会ってしまった殺人の真相を追いかけるというものですが、全体の3分の2位まではほとんど進展がなく退屈です。トリックや動機や伏線も今ひとつで、◯◯と◯◯を見間違えるというのは、ちょっといただけませんし、解決方法も無理があるような気がします。つまりミステリーとして読めば肩透かしを食らわされることになりそう。

では、どういう人にお勧めなのかと言うと、暖炉の脇のロッキングチェアにでも座って気長な読書をされる方、あるいは世紀末の陰鬱な雰囲気にドップリと浸りたい方などにお勧めです。巨大隕石が九州に落下するという過酷な環境下、その瞬間までそれぞれの人物が何を考え、どのように生きようとしているのかが描かれています。これについては上手だと思いますし、好ましく思われる方もたくさんいてることでしょう。

超個人的な結論として、ミステリーとしてではなくロードムービーとしてみれば多くの美点はあると思います。ただ乱歩賞作品とすれば不満なだけです。少し前に乱歩賞作家である下村敦史先生の「コープス・ハント」を読みましたが、こちらは楽しめましたし、自分的にはこれが乱歩賞作品です、と決めつけるのは狭量なのかもしれませんね。

次回作も頑張ってください。
此の世の果ての殺人 Amazon書評・レビュー: 此の世の果ての殺人より
4065289203
No.3
(1pt)

別に何とも思いませんでした。

なんでだろう?
地球滅亡も殺人事件も、どうでもよかったです。
ミステリーや滅亡系を何冊か読んでいれば、特に真新しいことはありません。

江戸川乱歩賞はどんなものかと読んでみたら、見事に裏切られました。
もう買いません。
此の世の果ての殺人 Amazon書評・レビュー: 此の世の果ての殺人より
4065289203
No.2
(5pt)

史上最年少の江戸川乱歩賞受賞作。

第68回江戸川乱歩賞受賞作。史上最年少の23歳とのことである。
一、史上最年少について
乱歩賞は、第3回(1957年)の仁木悦子氏の『猫は知っていた』が29歳で受賞している。
その後、もしも、第6回(1960年)「受賞作品なし」の年に、22歳夏樹しのぶ(夏樹静子)氏の最終候補作『すれ違った死』が受賞していれば、最年少記録は未だに破られていないことになるが、それはパラレルワールドでの話で、此の世においては、第24回(1978年)に栗本薫氏『ぼくらの時代』が25歳で記録を更新し、第33回(1987年)に石井敏弘氏『風のターン・ロード』が24歳で記録を更新し、第50回(2004年)に神山裕右氏『カタコンベ』が数カ月若い24歳で記録を更新した。そして、今回の荒木あかね氏『此の世の果ての殺人』が23歳の受賞である(調べ間違いご容赦)。
おめでとうございます。
二、内容(ネタバレ防止)
本書の内容は、2か月後に小惑星が日本に衝突して、人類が滅亡することが確定し、無法地帯となった社会でおきる連続殺人の意外な真相を、自動車保険教習所の女性生徒であるわたしと、女性教官のイサガワ先生が、不思議な絆で結ばれ、様々な人と出会い、様々な危険を乗り越えつつ、解明していく、特殊設定ミステリーである。
あとはネタバレ防止で略。
選評は、京極選考委員は賞賛、他の4選考委員は絶賛で、ここ数年では最高の評価を受けた作品のように思う。欠点の指摘はほぼゼロである。
三、私的感想
○大変面白かった。
○ミステリーの聖典である夏樹静子氏の『私の推理小説作法』の基準で本書を私的評価してみよう。
☆推理小説は・・何か新しい着想がなければ、書くべきではない。→本書には「新しい着想」は間違いなくある。
☆トリックとは・・大きな意味での小説的カラクリ、そこからもたらされる新鮮な意外性といったものである。そこに斬新な知恵を働かせていない限り、推理小説としては失格であろう。→本書には「新鮮な意外性」も「斬新な知恵」もあると思う。
☆新しいアイディアの上に、小説としての感動が加味されれば、成功であろう。→ここが一番難しい。主人公は「とても、いい人」であるが、「兄弟愛」と「赦し」の部分がちょっとウェットすぎて、共感しづらい。わたしとイサガワ先生の微妙な相棒バランス、突進するイサガワ先生、滅亡を前にした社会で自分の業務を継続する人々は、感動的ではある。
☆小説の迫力は、書き手が、自分の小説世界をどれほど信じていたかによって決まる。→この点では、本書は迫力ある小説と思う。
四、私的結論
○全体として、きちんとしたフェミニズムに基づいて書かれた作品と思う。その点でも、新しい時代の乱歩賞にふさわしい。
此の世の果ての殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 此の世の果ての殺人 (講談社文庫)より
4065421896
No.1
(5pt)

史上最年少の江戸川乱歩賞受賞作。

第68回江戸川乱歩賞受賞作。史上最年少の23歳とのことである。
一、史上最年少について
乱歩賞は、第3回(1957年)の仁木悦子氏の『猫は知っていた』が29歳で受賞している。
その後、もしも、第6回(1960年)「受賞作品なし」の年に、22歳夏樹しのぶ(夏樹静子)氏の最終候補作『すれ違った死』が受賞していれば、最年少記録は未だに破られていないことになるが、それはパラレルワールドでの話で、此の世においては、第24回(1978年)に栗本薫氏『ぼくらの時代』が25歳で記録を更新し、第33回(1987年)に石井敏弘氏『風のターン・ロード』が24歳で記録を更新し、第50回(2004年)に神山裕右氏『カタコンベ』が数カ月若い24歳で記録を更新した。そして、今回の荒木あかね氏『此の世の果ての殺人』が23歳の受賞である(調べ間違いご容赦)。
おめでとうございます。
二、内容(ネタバレ防止)
本書の内容は、2か月後に小惑星が日本に衝突して、人類が滅亡することが確定し、無法地帯となった社会でおきる連続殺人の意外な真相を、自動車保険教習所の女性生徒であるわたしと、女性教官のイサガワ先生が、不思議な絆で結ばれ、様々な人と出会い、様々な危険を乗り越えつつ、解明していく、特殊設定ミステリーである。
あとはネタバレ防止で略。
選評は、京極選考委員は賞賛、他の4選考委員は絶賛で、ここ数年では最高の評価を受けた作品のように思う。欠点の指摘はほぼゼロである。
三、私的感想
○大変面白かった。
○ミステリーの聖典である夏樹静子氏の『私の推理小説作法』の基準で本書を私的評価してみよう。
☆推理小説は・・何か新しい着想がなければ、書くべきではない。→本書には「新しい着想」は間違いなくある。
☆トリックとは・・大きな意味での小説的カラクリ、そこからもたらされる新鮮な意外性といったものである。そこに斬新な知恵を働かせていない限り、推理小説としては失格であろう。→本書には「新鮮な意外性」も「斬新な知恵」もあると思う。
☆新しいアイディアの上に、小説としての感動が加味されれば、成功であろう。→ここが一番難しい。主人公は「とても、いい人」であるが、「兄弟愛」と「赦し」の部分がちょっとウェットすぎて、共感しづらい。わたしとイサガワ先生の微妙な相棒バランス、突進するイサガワ先生、滅亡を前にした社会で自分の業務を継続する人々は、感動的ではある。
☆小説の迫力は、書き手が、自分の小説世界をどれほど信じていたかによって決まる。→この点では、本書は迫力ある小説と思う。
四、私的結論
○全体として、きちんとしたフェミニズムに基づいて書かれた作品と思う。その点でも、新しい時代の乱歩賞にふさわしい。
此の世の果ての殺人 Amazon書評・レビュー: 此の世の果ての殺人より
4065289203