怪盗ニック登場
評判
怪盗ニック登場の評価:
4.09/5点 レビュー 11件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1〜9 1/1ページ
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怪盗ニック登場の評価:
4.09/5点 レビュー 11件。 C ランク
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怪盗ものでミステリは当然のような気もするが、一般的な怪盗物と違うのは、盗みに関する謎解きではないところ。ニックは依頼を受けて盗みを働く、その依頼人とのイザコザでニックが推理を働かせるというのが基本スタイル。そこのところが普通の怪盗ミステリと違っているところ。例えるなら日本の漫画(アニメの方が有名か)ルパン三世。
作品は古く1作目の「斑の虎」が1965年の執筆で、日本では早川書房が1976年に刊行、2003年にやっと文庫という流れ。収録作品はハヤカワの独自編纂なので、作品発表順ではない。この辺りは巻末解説に作品紹介がされているので参照されたし。
創元推理文庫から出ている「怪盗ニック全仕事1~3」は、作品発表順で全作品収録されているので、今から読む人はそちらを手にされることをお勧める。あまり気にしない方はこちらをどうぞ、傑作選的なのはこちらだと思うから。
時代的な部分は確かにある、ウォーターゲート事件の2年後で背景が分っていないとピンとこないとか、もちろん携帯電話はないとか、防犯装置が古いとか、しかしそれらを考慮してもあまり古いようには感じられない。短編であることも理由かもしれないが、読んでいて然して時代を感じないのだ。
短編であるが故の欠点もある。話しに深みがないのだ。話しは続いているので色々と繋がってはくるのだが、やはりじっくりと読むような内容ではない。あっさり事件解決されてしまったりする。それでも読んでいて面白いし、ニックの私生活も描かれていて先が気になる。
この作品の一番の特徴は、一つの話しの中に怪盗の活躍と推理ミステリーの両方を楽しめる点だと思う。ニックのこだわりである“金目の物”は盗まない、というポリシーはちょっとおまけのように感じる。というかネタ作りの設定と言うべきか。どちらにしろ短編としての面白さに変わりはなく、この後つづくシリーズの長さに驚く。短編の難しさは何と言ってもネタ作りだ。このシリーズだけでなく多くの短編を著していること自体凄いことだが、そのうえ面白いのだから脱帽する。星さんと比べるのはどうかと思うが、古典ミステリー短編作家の凄さを感じて欲しい。時代を感じさせない腕のごついこと。