(短編集)

生命式

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評判

生命式の評価:

3.78/5点 レビュー 58件。 D ランク

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平均点3.78pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全76件 41〜60 3/4ページ
No.36
(5pt)

葬式代わりの「生命式」で、死者の肉を料理して食べる「私」たちの物語

短篇集『生命式』(村田沙耶香著、河出書房新社)に収められている『生命式』は、俄には信じられない世界が広がっています。

「私が小さいころは、人肉は食べてはいけないものだった。確かに、そうだったと思う。人肉を食べることが日常に染みついた世界の中で、だんだんと自信がなくなってくる。でも、30年前、私が幼稚園に通っていたころは、確かにそうだった」。

「そのころから、人類は少しずつ変わり始めていた。人口が急激に減って、もしかしたら人類はほんとに滅びるんじゃないか、という不安感が世界を支配した。その不安感は、『増える』ということをだんだんと正義にしていった。30年かけて少しずつ、私たちは変容した。セックスという言葉を使う人はあまりいなくなり、『受精』という妊娠を目的とした交尾が主流となった」。

「そして、誰かが死んだときには、お葬式ではなく『生命式』というタイプの式を行うのがスタンダードになった。昔ながらのお通夜やお葬式をあげる人もいるにはいるが、生命式で済ませれば国から補助金が出るのでかなり安くあがるというのもあり、ほとんどの人が生命式を行う。生命式とは、死んだ人間を食べながら、男女が受精相手を探し、相手を見つけたら二人で式から退場してどこかで受精を行うというものだ。死から生を生む、というスタンスのこの式は、繁殖にこだわる私たちの無意識下にあった、大衆の心の蠢きにぴったりとあてはまった」。

「生命式の後の受精は、神聖なものというイメージがあり、そこかしこで行われる。夜道で何度か見かけたことがあるが、本当に交尾という感じだった。人間がどんどん動物的になってきている気がする」。

この後、遺族による生命式の大掛かりな準備の様子、味付けに工夫を凝らす料理の様子、生命式の参加者たちが味を評価する様子が克明に描かれていきます。

会社で気が合った同僚男性のカシューナッツ炒めにした人肉を食べながら、「こんなふうに、世界を信じて私たちは山本を食べている。そんな自分たちを、おかしいって思いますか?」と尋ねる「私」に、一緒に食べている男性はこう答えます。「いえ、思いません。だって、正常な発狂の一種でしょう? この世で唯一の、許される発狂を正常と呼ぶんだって、僕は思います」。

こういう小説もあり得るのか、と首を傾げながら読み終えたが、ざらざらした舌触りがなかなか消えず、本当に困りました。
生命式 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: 生命式 (河出文庫)より
4309418872
No.35
(5pt)

葬式代わりの「生命式」で、死者の肉を料理して食べる「私」たちの物語

短篇集『生命式』(村田沙耶香著、河出書房新社)に収められている『生命式』は、俄には信じられない世界が広がっています。

「私が小さいころは、人肉は食べてはいけないものだった。確かに、そうだったと思う。人肉を食べることが日常に染みついた世界の中で、だんだんと自信がなくなってくる。でも、30年前、私が幼稚園に通っていたころは、確かにそうだった」。

「そのころから、人類は少しずつ変わり始めていた。人口が急激に減って、もしかしたら人類はほんとに滅びるんじゃないか、という不安感が世界を支配した。その不安感は、『増える』ということをだんだんと正義にしていった。30年かけて少しずつ、私たちは変容した。セックスという言葉を使う人はあまりいなくなり、『受精』という妊娠を目的とした交尾が主流となった」。

「そして、誰かが死んだときには、お葬式ではなく『生命式』というタイプの式を行うのがスタンダードになった。昔ながらのお通夜やお葬式をあげる人もいるにはいるが、生命式で済ませれば国から補助金が出るのでかなり安くあがるというのもあり、ほとんどの人が生命式を行う。生命式とは、死んだ人間を食べながら、男女が受精相手を探し、相手を見つけたら二人で式から退場してどこかで受精を行うというものだ。死から生を生む、というスタンスのこの式は、繁殖にこだわる私たちの無意識下にあった、大衆の心の蠢きにぴったりとあてはまった」。

「生命式の後の受精は、神聖なものというイメージがあり、そこかしこで行われる。夜道で何度か見かけたことがあるが、本当に交尾という感じだった。人間がどんどん動物的になってきている気がする」。

この後、遺族による生命式の大掛かりな準備の様子、味付けに工夫を凝らす料理の様子、生命式の参加者たちが味を評価する様子が克明に描かれていきます。

会社で気が合った同僚男性のカシューナッツ炒めにした人肉を食べながら、「こんなふうに、世界を信じて私たちは山本を食べている。そんな自分たちを、おかしいって思いますか?」と尋ねる「私」に、一緒に食べている男性はこう答えます。「いえ、思いません。だって、正常な発狂の一種でしょう? この世で唯一の、許される発狂を正常と呼ぶんだって、僕は思います」。

こういう小説もあり得るのか、と首を傾げながら読み終えたが、ざらざらした舌触りがなかなか消えず、本当に困りました。
生命式 Amazon書評・レビュー: 生命式より
4309028306
No.34
(5pt)

おすすめ

一度は読む価値ありです。
面白く、一気に読みました!
生命式 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: 生命式 (河出文庫)より
4309418872
No.33
(5pt)

おすすめ

一度は読む価値ありです。
面白く、一気に読みました!
生命式 Amazon書評・レビュー: 生命式より
4309028306
No.32
(5pt)

読み始めて数分で「とんでもねえ本だ」と感じる一冊

ここ最近読んだ本の中で最も「とんでもねえ本」だった。

書店で見かけ、その奇怪な表紙に目を奪われた。いわゆるジャケ買いだ。
帯に書かれた煽り文はどこか抽象的な物言いが多く、誇大広告だったら嫌だなあと思いながら読んでみた。
それらが誇大ではなく、適切な評価であることをものの5分で悟った。

12篇で構成されるこの短編集は、テーマは違えど、わたしたちの身の回りにある「普通」という概念に疑いの目を向けて作られた作品。
その普通という価値観を、極端かつシンプルなワンアイデアで転換させたり、対となる価値観を登場させることで、その「普通の異様さ」を浮き彫りにしてくる。

自分の中にある「普通」が如何に脆いものかを改めて思い知った。
ニーチェの「事実など存在しない。存在するのは解釈だけである」というセリフを思い出した。

表題にもなっている「生命式」も好きだが、「街を食べる」「孵化」あたりは、共感できる人も多いのではないか。
いつの間にか、世の中が言う普通という考えに縛られている自分の存在に気がつけるはず。
そして「ポチ」は、衝撃的。

「自分は常識なんかに縛られない」と思っている人ほど、読むと衝撃を受けるのではないだろうか。
生命式 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: 生命式 (河出文庫)より
4309418872
No.31
(5pt)

読み始めて数分で「とんでもねえ本だ」と感じる一冊

ここ最近読んだ本の中で最も「とんでもねえ本」だった。

書店で見かけ、その奇怪な表紙に目を奪われた。いわゆるジャケ買いだ。
帯に書かれた煽り文はどこか抽象的な物言いが多く、誇大広告だったら嫌だなあと思いながら読んでみた。
それらが誇大ではなく、適切な評価であることをものの5分で悟った。

12篇で構成されるこの短編集は、テーマは違えど、わたしたちの身の回りにある「普通」という概念に疑いの目を向けて作られた作品。
その普通という価値観を、極端かつシンプルなワンアイデアで転換させたり、対となる価値観を登場させることで、その「普通の異様さ」を浮き彫りにしてくる。

自分の中にある「普通」が如何に脆いものかを改めて思い知った。
ニーチェの「事実など存在しない。存在するのは解釈だけである」というセリフを思い出した。

表題にもなっている「生命式」も好きだが、「街を食べる」「孵化」あたりは、共感できる人も多いのではないか。
いつの間にか、世の中が言う普通という考えに縛られている自分の存在に気がつけるはず。
そして「ポチ」は、衝撃的。

「自分は常識なんかに縛られない」と思っている人ほど、読むと衝撃を受けるのではないだろうか。
生命式 Amazon書評・レビュー: 生命式より
4309028306
No.30
(4pt)

「いただきます」とは

村田さんの小説はドキドキする。この短編集のタイトルになった「生命式」という短編についてレビューしたいと思う。
「人間の野性性」「生々しさ」を強く感じた。私たち「人間」は地球上、いや宇宙上において、ただの一生物であり、特別な存在ではないのだということを感じた。その一生物として、「こうすべき」とか大したものであるかのような考えにとらわれることなく、「内なる声」に従い、他の生物と同じように淡々と生きていったらいいのかもしれないと感じた。
「自分の内」をもっと開放し、自由になる・・・たまたま与えられた器(外見)に執着することなく、もっと自由に「自分の内」を漂わせてもいいのかもしれないと感じた。

「食べる」ということに対して、考えさせられる小説でもあった。
食前のあいさつ「いただきます」の究極的な状況だと思った。生きていたそれを慈しみ、愛(まな)で自分の中に入れていく。活かしていく。
そして、私たちが身に着けるもの、普段の生活の中で使うものも、その命を感じ、愛し、接していく触れていく・・・愛に包まれた生活、生き方について考える種を植えられた気がする。
生命式 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: 生命式 (河出文庫)より
4309418872
No.29
(4pt)

「いただきます」とは

村田さんの小説はドキドキする。この短編集のタイトルになった「生命式」という短編についてレビューしたいと思う。
「人間の野性性」「生々しさ」を強く感じた。私たち「人間」は地球上、いや宇宙上において、ただの一生物であり、特別な存在ではないのだということを感じた。その一生物として、「こうすべき」とか大したものであるかのような考えにとらわれることなく、「内なる声」に従い、他の生物と同じように淡々と生きていったらいいのかもしれないと感じた。
「自分の内」をもっと開放し、自由になる・・・たまたま与えられた器(外見)に執着することなく、もっと自由に「自分の内」を漂わせてもいいのかもしれないと感じた。

「食べる」ということに対して、考えさせられる小説でもあった。
食前のあいさつ「いただきます」の究極的な状況だと思った。生きていたそれを慈しみ、愛(まな)で自分の中に入れていく。活かしていく。
そして、私たちが身に着けるもの、普段の生活の中で使うものも、その命を感じ、愛し、接していく触れていく・・・愛に包まれた生活、生き方について考える種を植えられた気がする。
生命式 Amazon書評・レビュー: 生命式より
4309028306
No.28
(5pt)

スーパーサイヤ級トラウマ作品

どういう思考回路したらこんなこと思いつくのほんとに。
どの話もエグいけど、「素敵な素材」はトラウマレベル。本能的な怖さを感じる。

こんな面白い小説が読める時代に生まれていて良かった、とシンプルに感じた作品。
生命式 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: 生命式 (河出文庫)より
4309418872
No.27
(5pt)

スーパーサイヤ級トラウマ作品

どういう思考回路したらこんなこと思いつくのほんとに。
どの話もエグいけど、「素敵な素材」はトラウマレベル。本能的な怖さを感じる。

こんな面白い小説が読める時代に生まれていて良かった、とシンプルに感じた作品。
生命式 Amazon書評・レビュー: 生命式より
4309028306
No.26
(5pt)

「わたしも○○の塩ダレ角煮とか○○のカシューナッツ炒め、を食べたい」あるいは 「食べさせてみたい」と思うようであればアナタもこの世界の住人である。

いたって真面目な人が世の中にはいる。その人は真面目に物事を考え過ぎてしまう。
従って出される結論や視点は、いわゆる普通の人、考え過ぎない人にとってはそれらは
かなり異形に見える。不真面目に見えたり、ふざけているのか?と怒る人もいるだろう。
この世界感になじみが無いためだ。
村田沙耶香はそういう意味で極めて真面目な作家だ。そして12作収録のこの本の中には
極めて真面目に彼女の問い、疑問が投げかけられている。

生命式:なぜ人間を食べてはいけないのか?
素敵な素材:なぜ死んだ人間の身体を素材として装身具や家具として愛でてはいけないのか?
→ちなみに本の表紙は高橋涼子のアート作品で、本物の女性の髪の毛を素材に使ってます。
孵化:なぜ自分の人格をその人間関係に合わせて使い分けてはいけないのか?

村田沙耶香は確信犯的に、これらの普通の人から見ると異様に見える側の人間をあえて気持ち
悪く、或いは読者と異質のものとして感じさせるように書いている。
無自覚でありながら読者が持っているであろう普通の考え方から離れて、自由に物事を考え、
見つめ、行動している真面目な主人公たち。
読者はそれに対峙して怖気るように構成されているのだ。
だが、読了後そのような作者の意図通りの気味悪さに満足して結論付けるのは勿体ない。
しばし、胃の腑の奥に残る印象の残滓を醒めた自分の脳味噌で繰り返し反芻してもらいたい。
或いは自分にも村田沙耶香の提案するこれらの世界を受け入れ、心地よいと感じる部分がこころの
奥底に見つかるはずだからだ。
「わたしも○○の塩ダレ角煮とか○○のカシューナッツ炒め、を食べたい」あるいは
「食べさせてみたい」と思うようであればアナタもこの世界の住人である。
生命式 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: 生命式 (河出文庫)より
4309418872
No.25
(5pt)

「わたしも○○の塩ダレ角煮とか○○のカシューナッツ炒め、を食べたい」あるいは 「食べさせてみたい」と思うようであればアナタもこの世界の住人である。

いたって真面目な人が世の中にはいる。その人は真面目に物事を考え過ぎてしまう。
従って出される結論や視点は、いわゆる普通の人、考え過ぎない人にとってはそれらは
かなり異形に見える。不真面目に見えたり、ふざけているのか?と怒る人もいるだろう。
この世界感になじみが無いためだ。
村田沙耶香はそういう意味で極めて真面目な作家だ。そして12作収録のこの本の中には
極めて真面目に彼女の問い、疑問が投げかけられている。

生命式:なぜ人間を食べてはいけないのか?
素敵な素材:なぜ死んだ人間の身体を素材として装身具や家具として愛でてはいけないのか?
→ちなみに本の表紙は高橋涼子のアート作品で、本物の女性の髪の毛を素材に使ってます。
孵化:なぜ自分の人格をその人間関係に合わせて使い分けてはいけないのか?

村田沙耶香は確信犯的に、これらの普通の人から見ると異様に見える側の人間をあえて気持ち
悪く、或いは読者と異質のものとして感じさせるように書いている。
無自覚でありながら読者が持っているであろう普通の考え方から離れて、自由に物事を考え、
見つめ、行動している真面目な主人公たち。
読者はそれに対峙して怖気るように構成されているのだ。
だが、読了後そのような作者の意図通りの気味悪さに満足して結論付けるのは勿体ない。
しばし、胃の腑の奥に残る印象の残滓を醒めた自分の脳味噌で繰り返し反芻してもらいたい。
或いは自分にも村田沙耶香の提案するこれらの世界を受け入れ、心地よいと感じる部分がこころの
奥底に見つかるはずだからだ。
「わたしも○○の塩ダレ角煮とか○○のカシューナッツ炒め、を食べたい」あるいは
「食べさせてみたい」と思うようであればアナタもこの世界の住人である。
生命式 Amazon書評・レビュー: 生命式より
4309028306
No.24
(5pt)

のっけからすごい

最初の2-3話見ただけで割とむなやけを起こしそうな設定から始まるが、読めば読むほど普段はなるべく意識しないで生きているけど自分の奥底にあるものに共感できるポイントを多く見つけられて何度もハッとさせられる作品。
生命式 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: 生命式 (河出文庫)より
4309418872
No.23
(5pt)

のっけからすごい

最初の2-3話見ただけで割とむなやけを起こしそうな設定から始まるが、読めば読むほど普段はなるべく意識しないで生きているけど自分の奥底にあるものに共感できるポイントを多く見つけられて何度もハッとさせられる作品。
生命式 Amazon書評・レビュー: 生命式より
4309028306
No.22
(4pt)

ぞわっとする、自分は異常なのか?正常なのか、そんな感覚をみんなに味わってほしい。

生命式
タイトルの生命式というのは、少子化が進んだ未来での葬式の別名だ。死んだ人の肉を食べたあと、その参加者でセックスを行うことで新たな命の誕生を期待するという式だ。
この生命式の世界では、死んだ人の肉を食べ、セックスをすることは、神聖で、正常なこととされている。主人公の女性は、そんな世界に少し違和感を抱き、馴染めずにいる。そんなとき、仲の良い同僚が死に、そして、彼女は…という物語だ。
この話では、私たちからすると、隠すべきもの、恐ろしいものと負のイメージが強いセックスや、カニバリズムが、神聖で尊いものとして描かれており、私たちと同じような価値観を持った女性が、変わった人と捉えられ生きづらさを感じている。そして、女性は同僚の死により、この、異常としか思えない世界を受け入れてしまう。
そこが、なんだか、私に、世界は儚いものだと訴え、この世界に絶対なんかないのだと伝えているような気がした。そして、常識や世間体に囚われ生きている私に、そんなに物事をナナメに捉えて、世界に批判ばっかりせず一度、その世界を受け入れてみてごらんって言っているような気がして、異常な世界を見せられて、人肉なんか、絶対に食べたくないって思っている正常なはずの自分なのに、なぜかそこに異常性を指摘されたようななんだか不思議な気持ちになった。
文章に透明感があって、汚いものも、おえって言いたくなるようなものも、なんでもかんでもキラキラして感じてすっーとこの世界観が頭に入ってきた。このぞわっとして、自分と向き合わされる話をみんなに呼んで欲しい。
生命式 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: 生命式 (河出文庫)より
4309418872
No.21
(4pt)

ぞわっとする、自分は異常なのか?正常なのか、そんな感覚をみんなに味わってほしい。

生命式
タイトルの生命式というのは、少子化が進んだ未来での葬式の別名だ。死んだ人の肉を食べたあと、その参加者でセックスを行うことで新たな命の誕生を期待するという式だ。
この生命式の世界では、死んだ人の肉を食べ、セックスをすることは、神聖で、正常なこととされている。主人公の女性は、そんな世界に少し違和感を抱き、馴染めずにいる。そんなとき、仲の良い同僚が死に、そして、彼女は…という物語だ。
この話では、私たちからすると、隠すべきもの、恐ろしいものと負のイメージが強いセックスや、カニバリズムが、神聖で尊いものとして描かれており、私たちと同じような価値観を持った女性が、変わった人と捉えられ生きづらさを感じている。そして、女性は同僚の死により、この、異常としか思えない世界を受け入れてしまう。
そこが、なんだか、私に、世界は儚いものだと訴え、この世界に絶対なんかないのだと伝えているような気がした。そして、常識や世間体に囚われ生きている私に、そんなに物事をナナメに捉えて、世界に批判ばっかりせず一度、その世界を受け入れてみてごらんって言っているような気がして、異常な世界を見せられて、人肉なんか、絶対に食べたくないって思っている正常なはずの自分なのに、なぜかそこに異常性を指摘されたようななんだか不思議な気持ちになった。
文章に透明感があって、汚いものも、おえって言いたくなるようなものも、なんでもかんでもキラキラして感じてすっーとこの世界観が頭に入ってきた。このぞわっとして、自分と向き合わされる話をみんなに呼んで欲しい。
生命式 Amazon書評・レビュー: 生命式より
4309028306
No.20
(5pt)

あらゆる常識が壊されていく感覚を味わえる

文学は常識を破壊するもの。人肉を食べてもいいじゃないか、人毛や爪に皮膚をアクセサリーにしてもいいじゃないか、食べ物の趣味に文句を言うな、無機物に恋してもいいじゃないか、性格なんていくつあってもいいじゃないか。あらゆる常識が壊されていく感覚を味わえる。ほとんどの作品が村田紗耶香さんらしく、グロテスクでぐちょぐちょと湿り気が多い。文学作品って面白なと感じる短編集である。
生命式 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: 生命式 (河出文庫)より
4309418872
No.19
(5pt)

あらゆる常識が壊されていく感覚を味わえる

文学は常識を破壊するもの。人肉を食べてもいいじゃないか、人毛や爪に皮膚をアクセサリーにしてもいいじゃないか、食べ物の趣味に文句を言うな、無機物に恋してもいいじゃないか、性格なんていくつあってもいいじゃないか。あらゆる常識が壊されていく感覚を味わえる。ほとんどの作品が村田紗耶香さんらしく、グロテスクでぐちょぐちょと湿り気が多い。文学作品って面白なと感じる短編集である。
生命式 Amazon書評・レビュー: 生命式より
4309028306
No.18
(5pt)

常識とはなにか?

この作者は徹底して「普通とはなにか?常識とはなにか?」という問いを続けているのだと思う。だからこそ、普段自分たちが「普通こうだよね。」と思考停止してしまっている部分に対して、斬新な切り口で「それって本当に普通なんですか?」と問いかけられているのだろう。
そして、その冷酷な問いかけと共に、その"普通"ではない世界の優しい側面も描こうとしており、奇抜な設定に終始しないところも含めて良い作家さんだなと感じます。
生命式 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: 生命式 (河出文庫)より
4309418872
No.17
(5pt)

常識とはなにか?

この作者は徹底して「普通とはなにか?常識とはなにか?」という問いを続けているのだと思う。だからこそ、普段自分たちが「普通こうだよね。」と思考停止してしまっている部分に対して、斬新な切り口で「それって本当に普通なんですか?」と問いかけられているのだろう。
そして、その冷酷な問いかけと共に、その"普通"ではない世界の優しい側面も描こうとしており、奇抜な設定に終始しないところも含めて良い作家さんだなと感じます。
生命式 Amazon書評・レビュー: 生命式より
4309028306