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(短編集)
八王子怪談 逢魔ヶ刻編
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八王子怪談 逢魔ヶ刻編の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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前作も拝読しましたが、本書も前作に負けず劣らず濃厚で興味深い怪談ばかりでした。 川奈先生の緻密な取材が垣間見えるような、読みやすくて想像のしやすい丁寧な文章でした。 第3弾も是非出していただきたい! | ||||
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深沢山ではなく鑓水ですが、山中を、白い着物を着た白髪の老婆が物凄いスピードで走っているのを目撃しました。 目視ですが身長2メートルはありました。 40年前くらいの体験。 改めてゾッとしました。 | ||||
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八王子怪談と逢魔ヶ刻編と2冊読みました。八王子には沢山の怪談があるんだなと思いました。 | ||||
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怪談ルポライター・川奈まり子氏が、御自身の出身地を題材に纏めた『八王子怪談』の続編。 前作と同様、体験者へのインタビューを基に八王子界隈に纏わる様々な怪談を集め、川奈氏が調査した結果、或いは自らの体験等も加えて一つの作品として仕上げている。 歴史の古さは言う迄もなく、曰く付きの場所も多い八王子と言う土地の不思議な魅力に溢れた一冊であった。 本書に収録されている怪談話は37話。 前作と同様、八王子城や道了堂付近の話は勿論の事、高尾山や様々な峠、或いは城跡、更には具体的な廃墟や施設等々、実に幅広い場所を取材している。 何れの話も決して“身の毛もよだつ”恐怖譚と言う程ではないのだが、余り作り込まれていない所が却って現実的にも思えるし、また、あくまでも個人的な印象ではあるものの、歴史のしっかりとした調査に加えて古典的な知識も有する川奈氏ならではの堅実な文章構成は数多くある「実録怪談集」の中でも異彩を放っているように思えるので、怪談話に「歴史」「民俗学」「伝説」の要素を求めている方にはお薦め出来る。 因みに、これは「黒電話と生首」と言う作品からの引用になるが、八王子の心霊スポットには新旧様々あると言う…前者は悲劇的な史実が基になっている怪談的な伝説や昔話、そして後者は1945年以降に発生したスポット(事件や事故等)になる訳だが、どちらかに偏る事無く様々な逸話が新旧入り乱れて存在している所に八王子の奥深さがあるのだろう。 本書を読んで興味を抱いた方は、是非とも八王子を訪れてみては如何だろうか。 但し、これは前作のレビューにも書かせて頂いた事だが、とにかく「面白半分な気持ち」や「不謹慎な好奇心」が伴った場合に怪異に遭遇するという構図は多くの実録怪談に共通する事でもあるので、八王子を訪ねる時には是非とも真摯な気持ちで行くべきであろう。 何しろ、部外者では知り得ない至る所に多くの歴史が刻みつけられている…それが八王子と言う場所なのだから。 | ||||
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作者は八王子出身。詳しく書いてある。 八王子に特化した怪談は珍しい。文章も読みやすい!たしか作者の前歴はアダルト女優じゃなかったか?作家としての才能もあったんですね! | ||||
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八王子のスポットを歩きたい。 | ||||
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「霊気みなぎる高尾山や東京屈指の心霊スポット・八王子城跡――東京のベッドタウン・八王子には豊かな自然と歴史、そして怪談好きを唸らせる数々の心霊スポットがある。地元出身の作家・川奈まり子が、緻密な取材をもとに八王子ならではの怪異に迫る第二弾!」という触れ込みの怪談集。 川奈さんは少女時代を片倉台あたりでお過ごしになった元八王子市民で、今回も故郷への郷愁に裏打ちされた怪談集である。取材した体験談を敢えて脚色して「盛る」ことのない方ゆえ、今回も怪談としての因果関係などがはっきりとは明らかにならない不思議体験がそのまま収められている。「道了堂跡の『円』」はそういうテイストの話しだが、確かにあそこではそんなことがありそうだ。あのあたりで一番高いピークが山城にならず、雑木林や桑畑としても利用されなかったということ自体、やはり何か変でしょう? 「さげ坂の家」も、話者の叔父の家とバス停での怪異との関係が分からないところがかえって怖い。 特に印象に残ったのは「糸とり屋敷の想い出」の、祖母の茶飲み友達が家に来た時の話。『耳袋』や『遠野物語』にありそうな、実に古典的な怪異譚である。「同級生からのメッセージ」、「御陵の東」もすばらしい。 ただし、「高月城の夜行さんと橋の子ら」の手形べたべたは、テレビの『新耳袋』のタイトルバックみたいでいささかリアリティが殺がれていた。あと、p.102に紹介されている和歌、「青嵐」はこの場合は読み方は「あおあらし」ではなかろうか…。 八王子はまだまだ怪談がありそうだが、よろしければ次は周辺の日野、町田、多摩あたりの話も是非。 | ||||
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連休中に川奈先生の新作が出るとは、非常に嬉しい。気合いを入れて読みました。 広大な霊園と新興住宅地がかつての山林を侵食し、裾野から広がる殺伐とした町並みの下には古戦場が埋もれている。そこには、落ち武者が出る。戦時中の被災者も出る。刑場跡に建てられた廃病院には看護師さんが出る。八王子城趾周辺には野生のイノシシが出る。ほかにもいろいろ出る。時代的に重なると何かと大変そうなのだが、そこは棲み分けが出来ている。そして、八王子の霊的スポットの由来は戦国時代に遡る。本書の舞台をネットで眺めて見ると、山林と家屋と墓地以外には本当に何も無い。が、そんな辺境に落武者が出るのは、そこに歴史と伝承があるからである。 本書を読みながら思ったのだが、タンスや襖の隙間から出てくるのは青白い手であり、お尻では無い。クレヨンしんちゃん張りに、お尻を振りながら踊り狂われると相当に怖いと思うのだが、それは無い。視る側の都合なのか、先方の矜持によるものか。仏間に現れるのは物静かな和服姿の女性の影であり、尻を掻きながら片肘をついてテレビを見ている姿ではない。これらの合目的な行動の背景には、心理的効果を狙えという何等かのルールがあるのだろう。基本、「なぜ服を着ているのか問題」と同じなのだが、やはり気になる。 思うに、視える人しか視ることが出来ないのではないか。つまり、落武者や姫は、歴史や由来を承知しており、それを意識した人でないと、それを「その形」として認識できないのではないか。彼らは、落城などのインパクトが大きいイベントがあり、それが語り継がれ、そしてそれを視ようとする人がいるからこその存在であり、脈絡無くどこにでも出れるわけではない。八王子には出る。八王子は、落城の歴史の上に成り立っているのだ。落武者こそが、八王子の文化遺産なのである。 さて、本書の舞台である八王子は、そこに縁もゆかりも無く、用も無い人々にとっては、延々と連なるコンクリートの町並みが鬱々とした気分にさせる街であり、特徴や魅力を欠いたその場所に間違っても住みたいとは思わない。通り過ぎる者にとっては、目的地を隔てる無用な空間であり、しかも常に渋滞している厄介な障壁である。が、この印象、この現代の八王子の景観に対するネガティブな印象は何故なのだろうか。ひょっとしたら、無粋な人工物の表皮に覆われてしまった本来の姿の苛立ちが、圧倒的な拒否感として伝わってくるのかもしれない。本来の八王子は、落武者に加え、高尾山の天狗が跋扈し、霊道が縦横に交差し、あの世からの来訪者や生き霊が飛び交う辺境であり、生半可な呪法の加護では身を守れない強力な異界ではないだろうか。 怪談とは、それを体験する人々の心の反映であろう。願わくば、八王子市民以外の方々が本書を手に取られ、その住民と心を同じくして、本来の八王子の姿に思いを馳せられんことを。 | ||||
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