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陽炎の門
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陽炎の門の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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下士から執政に昇った主人公、20年前に自らの証言が友を死に至らしめたばかりか、その介錯を己が手で。紆余曲折の末、妻はその友の娘。そして今、友の息子であり妻の弟である青年が江戸より下向、自分を敵として仇討ちに。と、ここまでは作者お馴染みのコテコテ小藩物ですが、かつて友の咎を証拠づけた落書の真贋をめぐり謎は謎を生み・・・過去の因縁と周囲の思惑、藩内の派閥や侍ならではの矜持が絡むミステリ仕立て。主人公自ら探偵役となって、なかなかのページターナーとなる筋立ては、作者がお好きだったという海外推理物のにおいも。ラストで登場する「真犯人の告白」長文やその思考推移、秘された心情、大団円を含めれば、クリスティの一部作品、いやむしろ横溝正史の気配が濃く(おどろおどろしい面ではなく、ひとの心の奥底にある哀しさという部分)。 小藩サムライ物として、あるいは時代ミステリとして、それぞれ単独で見ればパタパタッと畳まれていて「あれ?」となる部分もあって勿体無い気もしますが、2つの分野の融合作として見れば実に見事な仕上がりなのでは。 また作者の他の物語でも類似の言葉を主人公が放ちますが、本書でも「正義を振りかざし、悪を糺すのもいわばおのれの立場を守らんがための方便なのではありますまいか」と(文庫本249頁)。これは作者御本人が、世にあふれる賢しらに己が「正義」を振りかざして他者の瑕疵をあげつらい糾弾する人々が心の底からお嫌いだったゆえでしょうか。などと思いつつ、今回も、このような物語を残された葉室先生に敬意と感謝を。 | ||||
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中古とはおもえないほどきれいでした | ||||
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筋を通さねば気が済まない氷柱のような気性の主水が主人公。 葉室麟氏の男、そしての女の有るべき生き方、人が生きることの切なさ不条理が清冽に描かれている。 | ||||
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時代小説ですが推理小説のようにドキドキ、ハラハラでした。一気に引き込まれました。何冊か著者の作品は読んでいますが最後まで読まなければ気になって仕方ない状態になります。人間の心理描写も分かります。人間不信になっても不思議ではないですよね。とっても楽しかった。 | ||||
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主人公は最初、ダーティーなイメージで登場するが、少しずつ事件の謎が解き明かされとともに、主人公の本来の真摯な姿が、表現されていくストーリー展開は読みごたえがあった。 桜の木をモチーフに季節感を感じさせながらの描写は筆者独特の世界観を感じる。 | ||||
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葉室さんの作風や文体が凄く好きで、今作も発売日を楽しみに待っていました。 解説にもありますが今回の主人公はいつもと少し違います。 葉室さんの作品をまだ全て読めてはいないのですけれど、殆ど男女共に真面目で心優しい人物が主人公だった為驚きました。 出世願望があり、時には辛辣な言葉もズバッと言える人で「容赦ないな」といい意味で笑った台詞が多々。気持ち良かったです。 人の道を外れた鬼というわけではないのでそこはご安心を。 何が正しいかを常に見極め、それを恐れず貫き通す勇気のある素晴らしい人物です。 レビューのタイトルにも書きましたが、本当に驚きの展開が続きあまりの面白さに一気に読んでしまいました。 誰が「百足」なのか、主水は過ちを犯していたのか、綱四郎は何を想って死んだのか、など謎が盛り沢山で、先が気になり寝不足に! 中でも与十郎についてが気になって気になって。敵なのか味方なのか、そもそも何を考えているのかサッパリ分からない。 なぜだか憎み切れない彼にいつしか愛着が湧いていました。 終盤、「百足」の正体が明らかになりこのまま退治してめでたしめでたしかと思いきやとある人物がまさかの行動をし驚愕の事実が発覚します。そうだとは思わなかった。 本当に最後の最後まで楽しませてくれて気が抜けませんでした。 ラスト2ページは情景がありありと浮かび、切なさも相まって思わず涙が溢れました。 「蜩ノ記」同様、全て終わったのに何だかどうしようもなく悲しさがこみ上げてくる印象深いラストだったと思います。 個人的に葉室さん作品BEST5入りした1冊となり、非常にオススメできる本でした。 | ||||
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ストーリーに深みがあって息もつかせぬ読ませように、気づけば数日寝不足なり。 | ||||
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葉室麟の作品はほとんど読んでいますが、これは抜群に面白くて 一気に1日で読んでしまいました。 彼の作品は時代物でありながらどうなるんだろうというミステリー 的要素をもった作品が多く、やめられなくなる面白さが素晴らしい のですが、そんな中でもこの作品は秀逸です。 そして現代の企業でもよくある派閥、嫉妬、人の動きがふんだんに 織り込まれていてそれぞれの登場人物が際立って描かれています。 企業人である私はまるで今の世界での出来事のように共感してしまい ました。 また彼の作品では達観した凛とした大人の男が主人公であるケースが 多いのですが、この作品では凛としてはいますが、無骨で自らが正し いと思うことを何と言われても貫き通す不器用な男、でもすごく迷い、 悩む人間らしい主人公主水が描かれていて一味違います。 そんな彼が妻への愛を柱に自らの生きざまを命を賭して貫こうとする さまがとても感動的です。 またミステリーの重要な側面になっている彼と行動を共にする与十郎 の悲しみも胸に迫ります。 なかなか現実にはこうはいかないと思いますが、人のいやらしさ、思 惑、欲を描きつつも悩み迷いながら愛を得て正義を貫こうとする男の 生きざまに爽快感や勇気をもらいました。 素晴らしい作品だと思います。 | ||||
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面白い筋書きに、ぺージをめくる手が止まらない。葉室凛ベストか。 | ||||
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期待通りの例の葉室節、コッテリ+繊細 の文体には、ある時、イライラ、ある時、シンミリ・・・と愉しめました。 時代小説には珍しい細やかな表現に魅了されて居ます。 | ||||
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一気に読み進めさせる力のある作品。実に面白い。 また、深い味わいがある。 | ||||
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葉室先生の作品では、蜩ノ記を読んで以来ファンになり、12作ほど読んでますが、この作品もテンポよく読めるもので 桐谷主水のクールさが、ハードボイルド的なタッチもあり新鮮さを感じた。時代物が苦手な方にもお薦めです。 | ||||
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葉室さんの作品は、綿密な下調べと取材によって 往時を彷彿とさせながら大きく訴えるものを持つ。 それでいて読み出したらやめられない魅力的な文章は 当代の歴史小説家の一人であろう。 | ||||
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時代小説の苦手な私も藤沢周平と葉室麟氏は大ファンです。 葉室氏の小説には、どれもサスペンスの要素が含まれており、特にこの小説は、読んでいて時代とか現代小説を超えたスリリングなストーリーで引きつけられるようにあっという間に読んでしましました。 益々、葉室ファンになりました。 | ||||
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葉室凜の持ち味を存分に発揮した作品。 かつて藩を二分した派閥争いが主人公の桐谷主水の執政就任の当日から陰を落とし始め、大団円を迎えるまでにも二転三転するところは著者の直木賞受賞作「蜩の記」を彷彿とさせる渾身の作です。藤沢周平の「海坂藩もの」にも似た藩のお家騒動が題材なのですが、主人公が自身を「不忠不義の臣・氷柱の主水」と言い放つニヒルとも違う醒めた感覚が新しいところかな? | ||||
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