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(アンソロジー)
秘密 異形コレクションLI
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秘密 異形コレクションLIの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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新型コロナを題材にした2作品の明と暗が目立った一冊。 黒澤いずみ作「インシデント」は、今の時代に生きる同業者なら「あー、ありそうだな」と思わせるシチュエーションから今リアルタイムに発生している事象をなぞりつつ、最後はホラーとして落とす逸品。まさに2021年のホラーと言える。 一方で小中千昭作「モントークの追憶」。なんだこれはどうしたトンデモ本か?私は異形コレクションという短編集を買ったはずだが、このタイトルを冠した一文には「マスクは自己免疫を下げる」「ウイルスの粒子はマスクを通過するが風邪を引いた人の飛沫は浴びない」「PCRは感染症判定に使ってはいけない」「マスクから慣らせてワクチンを強制する」「ロックダウンなどのステップを踏んで政府は国民管理のためのマイクロチップ挿入を進めようとしている」などなどのトンデモ論が、ネットでググったらしき知識とともに展開され続ける。小説ではなく「チラ裏」だ。怒りを通り越して哀れですらある。 政治的なメッセージを含んだ小説や反体制をテーマとした小説があっても良い。しかし、現在進行形で発生している人の命に関わる、本当か嘘かもハッキリしていない情報を、その他のただ検索しただけのトンデモ情報とともに、カッコを多用してただ並べただけで小説とはこれいかに。そして最後に「登場人物の一人はすでに死んでました」じゃさすがにプロとして恥ずかしいし、小説集を買ったのにこんなものを読まされたのではたまらない。コンビニでアングラ雑誌を買ったわけではないのだ。 黒澤いずみ氏がイマドキのカルチャーをよく知る比較的若い人であり、ユニークな発想力を持つ期待される作家であることがわかる反面、後者(誰でしたっけ?)はSNSでワクチン保存冷蔵庫のコンセントを抜いて回れと喚いている人たちを彷彿とさせる寒さがあった。 一言で言えば「金返せ」。 井上雅彦氏も後者を掲載することを躊躇ったかのような紹介文を書いているが、今後もう少し慎重になるべきだろう。 | ||||
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