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香君
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香君の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全69件 61~69 4/4ページ
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「いま一番よく聞こえるのは、 蕎麦の隣にいる草たちの香りの声です。 アブラムシが増えてきていて、 食われているのです。 痛い、痛いとずっと叫んでいて、うるさいくらいです」 とアイシャは「香りの声」を言葉で語った。 彼女は声なき声を聴く。 「香りで万象を知る」ことを垣間見た。 アイシャは、オアレ稲の秘密を解き放てる者かもしれない。 かつてオアレ稲は人々を飢餓から救った。 ウマール帝国にとっては、戦をせずに国土を広げられる夢の稲だった。 その稲が害虫オオヨマの発生で枯れようとしている。 藩王国の国民の命と藩王国支配が天秤にかけられる。 また飢えるのか。いや帝国の崩壊か。 アイシャは神ではない。 本当の香君かもわからない。 されど飢餓は避けたい。 救い人であってほしい。 | ||||
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最近文を読むことが減っていました。完読出来ないだろうと思っていましたが、二日間で上下巻を一気に完読しました。静かな内容なのに、アイシャの躍動感と青香草の香りがしてくるようでワクワクしました。この物語もアニメ化する時が来るといいな。 | ||||
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一気に読みました。 先生の作品の中では守り人シリーズの次に好きかもです(デビュー作も好きです) 内容については他の方々が述べられてるので割愛しますが、話の終わり方がなんだか、これ続くんじゃない?という感じでした。『○○する香君』としてシリーズ化して欲しいです♪ 先生のあとがきに有りましたが、この作品を書くに中って大変なご苦労もされたみたいです。莫大な資料を読まれ専門家に直接教えを請うことも多々あられたのだとか。 ファンタジーなのにファンタジーっぽく感じられないというのはその辺のご苦労の賜物なのだろうと思われます。 そのような難産によって産まれた作品らしいので、読者が続編を望んでもすぐにとはいかないと思いますが、気長にお待ちしますので是非! | ||||
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内容はさすがは上橋先生、他のレビュー通りに素晴らしかったです。ただAmazon、配送方法が最悪でした。上下巻まとめて購入したのですが、箱に梱包してくれたらいいものの薄手の紙包装。届いてすぐに開けたのに上巻のページの一部が折り曲がっていました。たまにこんなものに!?という商品に手厚い梱包するのに大事に読もうとしていた書籍が粗雑な梱包で悲しくなりました。 書店で手にとって買えばよかったです。 | ||||
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前作「鹿の王」ではファンタジー小説でありながらも医療小説大賞を受賞するほど、人体や病について現実世界に則した形で生き生きと描写されていた。そう、この作者は「まあ、ファンタジーだから」と逃げないのだ。 とことん調べる。正確にわかりやすく書く。その上、専門家に助言まで請う。徹底している。 「これとこれだけ架空の設定、あとは全て現実世界に準ずる!」 このような小説は通常、SFと呼ばれる。 そのためだろうか、上橋さんは社会風刺小説は書かないのだが、あまりにリアルであるため痛烈な問題提起の小説としても読める。 現実でも僅か数種類の穀物で、78億以上の人々の胃袋を支えているし、除草剤と化学肥料と石油がなければもはや現代農業は成り立たない。米国のトウモロコシ生産などは、水質汚染と水量の減少に悩まされながら、政府の補助金によって成り立っていると聞く。 種苗の多くも僅か数社に独占されており、多くの農家は種苗といっしょに化学肥料や除草剤とセットで買うのが現状である。 また人類史的にも穀物栽培の発展により人類は本当に幸せになったか? という疑問が小説内で散見される。大規模は穀物栽培が始まると、国ができ、徴税が始まり、同時に奴隷制ができ、戦争も始まる。 多くの人が狩猟採取時代より体格が悪く、栄養失調であったのに、子供ばかりが生まれ人口が一気に増加した。これらは、全て大規模な穀物栽培をした結果、起こった事だ。「サピエンス全史」では穀物栽培は詐欺だったと述べられるほど、人類にとっては凶事だったのだ。このあたりの話は「反穀物の人類史」が詳しい。 さて当然、物語も面白いのだが、物語の裏側に上記のような穀物栽培の暗い部分が蕩々と流れているように感じるのだ。生物同士が微妙な関係性によって成り立っていることも巧みに描写されており嘆息するばかりだ。 農業や生物、穀物栽培と人類史について興味のある方は特に「ファンタジーなんか」と毛嫌いせず、是非読んでいただきたい。 読めば分る。 このファンタジーは、「本物」です。 | ||||
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上巻の第1章の第1節が終わる28ページまで読み、 はまった人は、下巻もポチッとしましょう。 読み進めていくうちに飽きてくる、 ということはありません。 むしろ、続きが読みたくて仕方ない状態におちいるので、 下巻を準備しておきましょう。 準備が整ったら、上巻の続きを読み、 上橋ワールドに戻りましょう。 入ったら、中々抜け出せませんので、ご注意下さい。 | ||||
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オアレ稲という病害虫を寄せ付けず,収量も極めて多い「夢の作物」によって発展したウマール帝国に危機が訪れます。オアレ稲に深刻な害虫が発生したのです。飢饉や属国の離反のおそれに直面した帝国は,どのように対応しようとするのか・・・といった感じで話が展開していきます。これ以上内容には触れませんが,肩肘張らない,軽やかな筆致で描かれていながら,描かれる内容は,農業政策のあり方とか,危機に際しての国の意思決定のあり方などといった重いテーマに関わっており,色々と考えさせられます。 香りを通じて植物の声を聞くことができるという主人公のアイシャは,非常に魅力的。守り人シリーズのバルサ,獣の奏者のエリン,鹿の王のユナに続いて新しいヒロインが現れたと感じました。 | ||||
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上橋菜穂子先生は自然、政治、神話を織り交ぜたお話が多いですが、どれも緻密に練り上げられていて、ぱっと目に浮かぶようです。 今回の話では匂い様々なことがわかるアイシャという女の子が主人公で、その少女を通して”香り”で見る世界、というのがとても新鮮で斬新でした。 ”オアレ稲”という植物が軸になっており、試行錯誤しながら稲の問題を解決していく、という流れと、周囲の巻き込み方、主人公の考え方は『獣の奏者エリン』のようで、それも読んでいる方々は少し既視感を覚えるかもしれません。 ですが、多少の既視感はあれど、物語のストーリーやキーになるものが違うので、楽しめると思います。 | ||||
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帝国、その属国、帝国建国神話、辺境の民、異能の力、奇跡の稲、人口増加、疫病とその謎。 それらが複雑に絡み合い、 やがて一つの壮大な物語に昇華されていく。 読み始めると、 すぐに上橋ワールドに引き込まれ、 読み終わるまで抜け出せない。 上橋先生の作品はどれも素晴らしいが、 本作も大傑作。 ファンタジー好きには必読の書だ。 なお、上橋先生ファンの方には、 上下巻セットで購入することをすすめる。 上橋先生ファンの方が期待する 良質なハイファンタジーが本作品でも展開されている。 | ||||
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