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(短編集)
瓦礫の死角
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瓦礫の死角の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.80pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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作者の17歳時分の頃を綴った「瓦礫の死角」では、いつものダメ人間な作者の、母親に依存しつつもうだつの上がらない生活面だけでなく、犯罪者の加害者家族という立場から世間との交流を絶たざるを得ない心境や、出所してくる父に対する恐怖心などを独特の文章で描いている。 「4冊目の根津権見裏」では、藤澤清造の没後弟子を自称する作者の、師匠である藤澤清造が残した作品に対する想いや行動が綴られている。 私がこの作者のことを気に入った要因の中に、私自身が元来、一般的にダメ人間と呼ばれる人種に特別惹かれてしまうタチなのとは別に、作者が唯の文章の上手いダメ人間なだけではなく、己が心の底から尊敬し崇拝する人間に対して、なにか直向きな情熱の様な物を感じるからであり、その様に一途に何かを成し遂げようとする人間に、どうしても魅力を感じてしまうからである。 「崩折れるにはまだ早い」では、作者の自死した友人に対する想いや、死に対する考えが書かれており、「誰にも等しくやってくる死こそを最後の救い──現世でのいっときの、勝ち馬と負け犬の恣意的な色分けを全くのチャラとしてくれる、或る種の天からの救済措置」という作者の言葉には大いに同意しつつも、結果的に若くして急逝した作者の死に対する矜持を感じとれた。 | ||||
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お亡くなりになったのが凄く残念でなりません。 凄く好きな作家さんで沢山購読いたしました…. もう新作が出ないのが残念です。 | ||||
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本作においてもこれまで通り堪能することができた。 作品そのものに関しては何の不満もない。 が、気になった点が一つある。 別作品との関連付けを示す但し書きが、そこかしこに見られるのだ。 例えば単行本75頁を開くと、以下のような記述が目に飛び込んでくる。 『---この日の貫太は、午前中のうちに町田のアパートを後にしてきた(「瓦礫の死角」参照)。』 ……これは一体なんだろうか。 無論、言いたいことは分かる。 作者の分身である北町貫太の辿った人生のドラマを読者の脳内に構築する際に、 その時系列配置を容易にするうえでの作者なりの「老婆心」を示すものなのだろう。 それはいいが、読み進める先の所々にこうした「読書ガイド」的な注記が視覚に入ってくる という状況についての考察が浅いようにも思えるのだ。 つまり、昭和五十年代かそこらの東京での時空間が作品世界に没入する読者の脳裏に拡がっている、 まさにその読書体験のさ中に、「××参照」などという文字が割り込んでくれば、 それが例え一瞬であっても、読者固有の読書体験が、例外なく中断の憂き目を見ることになるのである。 やはり、「作品」と「読書ガイド」は、決然と分けられるべきなのだ。 作者自らの手で自作を汚すようなことにもなりかねないこのような趣向は、 すみやかに排除されるべきだと考えるものである。 | ||||
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もういい加減に賞味期限切れではと思いつつ、性懲りもなく読んでみたが、意外(失礼)に傑作。下手すればこれまでの渠の最高作か。芥川賞作家寿命5年説からすると長寿。理由は「藤澤淸造」という精神的支柱に尽きよう。バックボーンがある人は強い。ただ、連作の趣がある故、初心者はとっつきにくいかも。「このことは以前散々書いた」というようなことを述べられても、読んでない者にとっては「知らんがな」。スターウォーズや鬼滅の刃のようにちょっと予習が必要かな…。以下各に一言感想。 「瓦礫の死角」…ラスボスとしての父親の幻影 「病院裏に埋める」…「ラクと退屈では大いなる違い」 「四冊目の「根津権現裏」」…神は細部に宿る 「崩折れるにはまだ早い」…軽い変化。心地よき裏切り 最後に興味本位と誹られるのを承知で提言。お父さんもだが、お姉さんのことも非常に気になる。一度書いてほしい。 | ||||
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近年話題になりベストセラーとなった小説を多くを読み、ヘェーこういうものが『小説』と称されるつまんない時代なんだと思っていた(笑)。作家が先ずはともあれ、この時代に何が受けるかを逆算しながら作品を作っているのがバレバレのこの時に、西村先生が、小説家として、文章も内容も大きく変化し骨格が半端無いお姿に接し、まだまだ日本の文学も大丈夫だよねと、とにかく嬉しくなりました。 | ||||
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ついに著者の作中に著者の母親が登場した。当然、次は父親の登場を期待したいところだが、まあ、そう焦らなくても、著者がまだ書いてない話をこれからもじっくり読んで行きたいと思う。西村先生、焦らずじわじわやってください。 | ||||
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貫多と長い付き合いになる落日堂店主が登場。 小説内で自分のみっともないエピソードを暴露され激怒。 彼の意外な一面を知ることができる「快作」です。 貫多の藤澤清造研究になくてはならない重要人物だということがよくわかります。 2022年2月8日追記: 先般、西村賢太先生が逝去されました。 貫多が執念、というか生命そのものを燃やして蒐集した藤澤清造コレクションは、落日堂店主が遺族(が名乗り出るかどうかは知りませんが)から買い取ることになるのでしょうか…。 | ||||
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表題作の「瓦礫の死角」は家族の話であるため、これまでの作品と比べて少しセンチメンタルな印象を受けました。「病院裏に埋める」では西村節が炸裂しています。西村作品はほとんど読んでいますが、他ニ篇も含めて、今作には非常に新鮮な思いを抱きました。 | ||||
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随所でお父上の影が見え隠れするも、正対でその話を取り扱うまではもう暫く時間がかかりそうですね。 とは言え、抜群の言語センスは唯一無二。「魔太郎めいた」、「悪夢みたいな馬鈴薯ブス」等相変わらずの切れ味。 楽しく拝読させていただきました。 | ||||
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