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(短編集)
たそがれ清兵衛
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たそがれ清兵衛の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.42pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全62件 41~60 3/4ページ
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歴史小説しか読んでいなかったので、時代小説は初めてです。ほのぼのとして藤沢周平さんのファンになりました。 映画化されたようですが、DVDを探してみます。 | ||||
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本は、ジャンルを問わず、相当読んできたが、これまで藤沢周平の作品を読んだことがなかった。自分の中で、この程度の作品だろうと、勝手にイメージして、無意識に敬遠してきたのかもしれない。話題になっている作品を読むことのほうが優先度は、高いと思っていた。今、この作品を読み終わって、少し後悔している。もっと早く、藤沢周平の作品を読むべきだったとーーーーー。表題作を含め、8編の短編が収録されているが、一気に読了した。どの作品も、悲しみ、苦悩、癖、傷、弱さといったものを抱える、いわば他者からは侮られがちな侍が主人公。そして彼らは、日頃、想像もしていなかった騒動の中に巻き込まれていく。物語の展開も面白いが、その根底に、作者の温かく、優しく、柔らかな、まなざしが感じられる。藤沢ワールドの一端に触れた思いであった。そして、藤沢作品が多くの人に読まれて絶賛されてきた理由が、少し分かった気がした。その後、長編「蝉しぐれ」を読み終わった。藤沢作品を読んでこなかった後悔が、益々強くなっている。 | ||||
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一見うだつのあがらない侍達がここぞというときに目覚ましい活躍をするという物語の基本形に差異は無いのに、一つ一つの作品がユニークで本当に面白い。時に静かな格好良さに痺れ、時に声をあげて笑い、時にじんわりと目尻を湿らせてしまう、そんな物語が詰まっている。 行間の余白が好きだ。『蝉しぐれ』もそうだったが、本作品でも著者藤沢周平は多くを語らない。登場人物の行動にも会話にも、そして物語そのものにも隙間がある。それでもと言うか、だからこそと言うか、物語がすーっと流れ、読後には思う存分余韻に浸ることができる。たった40-50頁の短い物語なのに、十分な味わいがある。 個人的なお気に入りは、山麓に降り注ぐ陽光が目に浮かぶ『たそがれ清兵衛』、そのど忘れっぷりに声をあげて笑わせてもらった『ど忘れ万六』、温かい恋物語で本書を締め括る『祝い人助八』。 | ||||
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20年ぐらい前に買ってから何回読み返したか分からない作品です。 多分、藤周作品の中でも士道物の短編集という事で言えば一番面白い作品かも知れません。 この本はたそがれ清兵衛が有名ですが 他の短編も負けず劣らず面白く、甲乙付けがたいです。 ともかく、藤沢周平を読んで見たいという方はこの作品から入れば絶対に損はしません。 必ず買って良かったと思う事でしょう。 そして必ず、次の作品を読みたくなると思います。 | ||||
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藤沢作品は、どの作品をとっても、多面的な読み方ができる稀有な作品である。 まずは主人公の気持ちで、つぎにはその妻の気持ちで、 と登場人物の気持ちになって 何度でも読める。 また、読み手の年齢によっても受け取り方が違ってきて、 たとえば社会人になりたてにころはこう思ったのに、 家庭を持ってから読むと、 あーこういうことだったのか と気づくことも多い。 さてこの作品集の主人公は、、 普段はうだつの上がらない武士であるが、実は・・・という話が集められている。 こういう話だと、一読めはやっぱり自分を投影してしまって、 「俺はこんなんで終わる人間ではないのに・・・」というところから ヒーローに変身する「俺」にカタルシスを抱いてしまうのは仕方がない。 しかし、その点をことさら取り上げて、中年サラリーマンの悲哀とするのは読みが浅いと思う。 できれば何度も読み直してほしい。 そうすれば、違った世界が見えることは必定である。 そしてその違った世界を見たとき、読者は人間的に成長していると思う。 最近富みに思うのは、時代小説って、結局のところ藤沢周平作品と池波正太郎の作品のどちらかに しかなりえないのではないかということである。 | ||||
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たそがれ清兵衛は第26回日本アカデミー賞を受賞した映画「たそがれ清兵衛」の原作だが、映画はこのほかに、藤沢周平の「竹光始末」と「祝い人助八」を原作としているが、「祝い人助八」のこの短編集「たそがれ清兵衛」に含まれている。 全部で8編の短編小説から構成されているのだが、どれも藤沢周平らしい小説ばかりだ。 主人公は、剣の達人であるが剣客としては生きていない。今の生活を精一杯生きている。 彼らにとって、剣は最優先事項ではないのだ。 しかしながら、すごい剣豪なのだ。 ま、だから今の生活を最優先に生きていけるのだろうけれど。 こんなふうに、強く優しくそして精一杯の人生を送ってみたいものだ。 | ||||
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「そのお役目、余人に回してはいただけませぬか。」 上意討ちの討手を依頼された勘定組井口清兵衛は労咳の妻を思いなんとか断ろうとするが、妻を名医に診せることを条件に討手を引き受ける。 重職会議では上意討ちのための弾劾を始めるところだが、討手の清兵衛はまだ現れない・・・ 全八編を収めた短編集で、剣の達人でありながら悲哀に満ちた男を描いたものが多い。 清兵衛のように労咳の妻の介抱に時間をささげたり、剣の腕とは裏腹にごますりに精を出すものなど、男の悲哀とプライドと闘いを巧みに描写しているところがさすが藤沢作品というところ。 胸を打たれる小説が読みたくなった人にオススメ。 | ||||
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藤沢周平の作品をはじめて読みました。 時代小説は「池波正太郎」ばかり読んでいました。 池波作品とちょっと違います(読後感、余韻、人物像?)が、別の意味で楽 しめた作品でした。 この短編集は、それぞれの人(主人公)の生き様を描いています。 それも身分の決して高くない、日々を普通に生きているだけの武士が主人公。 その日々の生活を護る為の生き様。 武士としてより侍として、いや人としての物語集でした。 満足でした! 映画は「蝉しぐれ」「武士の一分」を観ました。 「たそがれ清兵衛」の映画はまだ観ていないので、DVDを観てみます。 さあ〜次はどの作品がいいかな…。 | ||||
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時代小説にまつわるイメージによって この種の小説をなんとなく遠ざけていたのですが…。 素直に面白かったです。 若い人が読んでも、楽しめる。 エンターテイメント小説だと思います。 (そんな風に言ったら、失礼かもしれませんが) 内容については、私は、この小説をヒーローものとして捉えました。 冴えない主人公が、実は抜群の能力を持ち 多くはないが誰かのヒーローとなる。 そのカタルシスがたまらないです。 今まで時代小説として敬遠してしまっていたことが、 もったいなかったと思わせる小説でした。 | ||||
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普段見栄えがしない人物がイザと言う時スーパー・ヒーローに変身し、颯爽とした活躍を見せる...。現代にも通じるこの御伽噺的願望を時代小説の中で飄々とかなえてくれる連作短編集。弱者への温かい眼差しと権力への反骨心が滲み出た秀作。 タイトル作「たそがれ清兵衛」のテーマは夫婦愛。病妻の看病のため毎日定時で下城し、"たそがれ清兵衛"と陰口を叩かても主人公は厭わない。そして藩の大事にはさり気なく活躍する。更に活躍後も褒賞より愛妻を大切にするのだ。「うらなり与右衛門」は"うらなり"顔の主人公の浮気疑惑と義憤とを巧みに織り交ぜて描いた秀作。主人公の艶聞を藩の権力争いに繋げる展開が巧み。更に自身の指示の結果、若い藩士を死なせてしまうと言う設定が物語の深みを増す。主人公の仇討ちは知恵を使った冷静なもので風雅の味がある。主人公の勝気な妻の言動も面白い。「ごますり甚内」は義父の代に減石された主人公が復石のため必死に"へつらう"様子と獅子奮迅の働きを対比して描いた作品。オチも笑える。「ど忘れ万六」は物忘れの激しくなった隠居老人が嫁のために"昔取った杵柄"を披露する痛快談。「だんまり弥助」は過去の事件の自責の念から無口になった主人公が、藩主の前で仇敵一派に堂々たる弁論を披瀝して一掃する骨太の作品。仇敵を討ち果たした時、無口の呪縛が解き放たれるラストが清々しい。「かが泣き半平」の"かが泣き"は"苦痛などを大ゲサに言う事"の由。命懸けの暗殺がタダ働きに終って、主人公の"かが泣き"は...。「日和見与次郎」は普通の時代小説に近いが、従姉への思慕と若さへの決別を告げるラストの暗殺シーンが印象的。「祝い人助八」の"祝い人"は"乞食のように汚くて臭い様子"。男やもめの主人公の剣技と共に友人の妹との交情が美しく描かれる。特にラストは感動的。 変わり者視される男達の縦横無尽の活躍を描きつつ、男女の機微をも映した傑作短編集。 | ||||
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初出は昭和63年9月新潮社よりリリース。今となっては山田洋次監督の映画で余りに有名になってしまった表題作だが、原作はまったく別物。映画は原作を元に山田監督が見事に再構築したオリジナルと言うべきだろう。 本作は『たそがれ・・』他7作の短編集である。共通点は主人公が『たそがれ』・『うらなり』・『ごますり』・『ど忘れ』・・・だが剣はめっぽう強いということだ。この点で同じ作者の『隠し剣』シリーズと共通の部分が感じられて興味深い。こちらの方が平常の姿を一変する変身願望みたいなものを感じる。 どれも面白い。ドンドン読める。どれも派閥の権力闘争に派閥に属さない剣士を利用して相手の派閥の核になる人物を抹殺させようという派閥理論が出てきて苦笑してしまう。今も昔も同じだ。日本という国の本質を見る気がする。問題なのは企業体自体・あるいは国自体がどんどん弱体化して世界中の真面目な国々に負けつつある現実を意識せずに未だ派閥抗争を展開し続ける国民性だ。たまには自社の株価でも意識すべきなのではなかろうか、派閥銘柄諸君。 | ||||
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藤沢周平の短編集「たそがれ清兵衛」(新潮文庫)を読了。2年ほど前、先に山田洋次監督、真田広之主演の映画をDVDで見ていたので、文庫本を持ってはいたがそのうち読もうと1年以上放っていたものだ。読んでみてわかったのだが、映画と原作では話のすじが相当ちがっている。しかし、下級武士であるがゆえに、世の中の動きや藩の重役による政争の波に翻弄される運命のなか、静かに波を見つめ、侍として信念を凛として貫く姿を描いている点で、山田洋二監督は映画で藤沢の世界を忠実に描いているといえる。 大衆小説、時代小説はともすれば軽く扱われがちだ。しかし私は藤沢氏の描く主人公が持つ「侍としての矜持」に感銘せずにはいられない。登場人物が示す弱いものへの細やかな愛情に、人の世も捨てたものではないと心が温まる思いである。 | ||||
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全8篇の短篇集。 そこには、その性格や容姿のために、まわりから有り難くない渾名をつけられ、侮られている侍が登場します。 しかし、日頃見せる姿とは異なり、実は剣の達人であり、情に厚く魅力的な人物であることが、読み手を惹きつけます。 | ||||
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江戸時代の名もない剣士の物語が集められた短編集です。 しかも、8人の剣士とも華々しい生活というよりも、ちょっと日陰な境遇の人達。ひっそりと生きる男たち。 自分の力を誇ることなく、ひけらかすことなく、おごることなく生きるその姿こそ、まさに「卑怯」という言葉を一番に嫌う「武士道」そのもののように見えました。 華美でなく、誇張しない文章からも、淡々とひたむきに生きた男たちの背中が見えてくるような気がしました。 | ||||
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淡々とした、でも、温かい筆致で描かれる下級武士の生活や心情。武士として、と言うよりも、人間味溢れる其々の主人公に、所謂カッコいいヒーローと言う魅力はない筈なのに、惹き込まれる。 どの話も、結末が悲しくないことも、読後感を爽やかなものにしてくれて嬉しい。 | ||||
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江戸時代の下級武士の城勤めの様子や、街、集落やその雑踏まで がまるでタイムマシンで見てきたのかと思うくらい 生々しく描かれており、「あぁ、昔の世も今とあまり変わらない 部分があったんやなぁ」と郷愁じみた思いで読み、まるで江戸時代 の日本にタイムスリップした感覚で読むことができました。 ちょっとしたテーマパークに紛れ込んだ気分です。 | ||||
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この作品の中に登場するどの人物も、普段は陰口をたたかれたり、あざ笑われたりする、うだつの上がらない人物だ。しかし、剣の腕前は抜群だ。ひとたび剣をかまえると、人柄は一変する。さながらスーパーマンというところか。お役目のために剣をふるい、それが終わるとまたいつもの生活に戻り、他人に侮られたりしている。そのギャップの面白さがよく出ている。どの作品にも人を斬る場面が出てくるが、決して残酷には描かれていない。そのことも、ほのぼのとした気持ちで読める一因かもしれない。 | ||||
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たそがれても光る。 臭くても強い。 日和見でも切れる。 ぼくは強いぞって走り回った子供時代を、 何故か彷彿とさせるのです。 そして、もう紙よりも薄い、透けるような、 はかない女性が描かれます。 「男の子なんだから」ってすりこまれ、 そして傷つき続けた男の子の夢が、花開く。 もう許してね。 囚われているとは解っていても、 この夢からは逃れられない。 男の子の聖書ですねえ。 | ||||
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普段は冴えない どこか変わり者の でも、剣を持たすと凄い武士たちが この物語の主人公です。 そんな彼らが、お上から上意打ちを命じられ 活躍するというストーリーです。 人によって、持っている流派なども違い それも楽しめました。 次の主人公は、どんな変わったキャラの持ち主だろうと 楽しみに次々にページが進みました。 ただ、刃向かうものならば容赦なく 斬って殺してしまうという 昔の社会については 悲しく残念に思いました。 | ||||
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映画の原作でもある「たそがれ清兵衛」「祝い人助八」あたりが面白かった。あとは「うらなり与右衛門」「日和見与次郎」も楽しめた。 みな、どこか欠陥があって(それでも何故か剣だけはうまい)、人から後ろ指を指されるような存在。最後は剣の腕によって、ハッピーエンドになる話がほとんどで、その辺は先が読めてしまうかも知れない。あと、これは読む側の問題だが、忘れっぽい自分には登場人物の名前が多すぎて、誰が何だっけ?と頁を捲り返すことも多々あった。 ☆4つにした「橋ものがたり」に差をつける意味で、厳しいけど☆3つ。 | ||||
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