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(短編集)

たそがれ清兵衛



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【この小説が収録されている参考書籍】
たそがれ清兵衛 (新潮文庫)

たそがれ清兵衛の評価: 4.42/5点 レビュー 62件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.42pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全9件 1~9 1/1ページ
No.9:
(3pt)

藤沢の理想

「自分にはどうも合わないな」と思いながらも、また藤沢周平の作品を手にとってしまった。鶴岡や藤沢周平記念館を実際に訪れてくると、作品を読んでいてそのディテールが何となく前よりは身近になったような気がするのだ。

本作品は、全部で8つの短編からなる。場所は架空の地名が設定されており(あるブログの情報によると海坂藩ものと推定できるとのこと)、時代の特定を可能にする情報はほぼ皆無だろうか。ただ全編を通して、藩の中での財政難をめぐる路線対立が作品の背景をなしており、そういう意味では、江戸の後期と想定していいのだろう。

長期にわたる戦乱の消滅ということになると、文化の爛熟がそれにとって代わるのだが、藤沢の作品にはその側面に焦点を絞ったり、それを背景としたものは、ものは私の知る限りあまりないようだ。もっとも財政難がもたらす商人や高利貸しへの依存とそこに発生する腐敗は重要なテーマなのだが。彼の育った庄内の鶴岡はその種の文化が花開くにはあまりにも都から離れていたからだろうか。それとも著者自身がその種の側面には距離を置いていたからであろうか。

藤沢のこの系統の作品の特徴は藩の財政難とそれへの対応が引き起こす藩内での派閥対立、そしてその対立の「剣」による解消なのだ。ここには二つの疑問が起こる。江戸後期にもなって、この種の荒っぽい解決策が本当に取られることが多かったのか?この種の解決策がはたして是認されていたのであろうか?そしてこの時代までこの作品に出てくるような「剣」の使い手は存在することが可能だったのだろうか。またこの二つの前提を設定すると、相当な緊張感が全編に充満するはずなのだが、実は本短編集にはその種の空気はほぼ皆無なのだ。むしろいつまでも変わることのない緩い日常の継続への諦観が充満しているのだ。

これらの作品の基本構図は、日常生活では平凡で、侍のヒエラルキーの中では下の方に位置する主人公たちが、ふとしたきっかけ(藩内での路線対立のもつれ)でその剣の技量を発揮せざるを得なくなる状況に追い込まれるというわけだ。実はこの逆転現象を楽しむのが本作品だ。

本来であれば作品構成上の相当な矛盾をはらむ設定なのだが、これを違和感なしに解消してしまうのが、藤沢の作家としての技量だったのだろう。また時代がこの種の作品を求めていたのかもしれない。どの作品も80年代以降の発表のようだ。高度成長期は終り、もはや60年代に活躍したスーパースターとしての剣の使い手が無理なく受け止められる時代ではなかった。変わらない平凡の継続と一瞬の非凡の輝きとの間のコントラストを読者が求めていたのかもしれない。
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4101247218
No.8:
(3pt)

映画とは内容が少し異なります

脚本家の介入なのでしょうか、映画の方が筋書きが面白かったです。
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No.7:
(3pt)

入門編

時代小説を読む。時代劇を観る。
齢を重ねて増えてきました。
このジャンルが気になったら手に取ったらどうでしょう?
そんな作品だと思います。
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4101247218
No.6:
(3pt)

映画の方が面白かった

映画が面白かったので、原作はもっと面白いのでは?
と、おもって買いました。
つまらなくはないのですが、個人的には映画のほうが、よい出来だったと思います。
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4101247218
No.5:
(3pt)

ワンパターン

面白いんですよ。ただ、この本に収録されているすべての短編のプロットがワンパターンです。
「人に侮られているが、実は剣の腕前は一流という中年が活躍して面目を施す」
すべてこのパターンです。
世の中で鬱々としている中年オヤジの溜飲を下げるという狙いも見え見えです。
息抜きにはいいけど、それ以上の評価はできません。
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4101247218
No.4:
(3pt)

映画の方が奥行きがある

珍しく、原作より、映画のの方が良いとかんじました。乞食のせいべいと、黄昏せいべいを合わせ、映画が作られていると聞きましたが、全く、別の作品に仕上がっています。映画の台本を読みたいです。
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No.3:
(3pt)

こんなふうに、強く優しくそして精一杯の人生を送ってみたい

たそがれ清兵衛は第26回日本アカデミー賞を受賞した映画「たそがれ清兵衛」の原作だが、映画はこのほかに、藤沢周平の「竹光始末」と「祝い人助八」を原作としているが、「祝い人助八」のこの短編集「たそがれ清兵衛」に含まれている。

全部で8編の短編小説から構成されているのだが、どれも藤沢周平らしい小説ばかりだ。

主人公は、剣の達人であるが剣客としては生きていない。今の生活を精一杯生きている。
彼らにとって、剣は最優先事項ではないのだ。
しかしながら、すごい剣豪なのだ。

ま、だから今の生活を最優先に生きていけるのだろうけれど。
こんなふうに、強く優しくそして精一杯の人生を送ってみたいものだ。
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4101247218
No.2:
(3pt)

真の強さはいつもは見せないもの・・・

この作品の中に登場するどの人物も、普段は陰口をたたかれたり、あざ笑われたりする、うだつの上がらない人物だ。しかし、剣の腕前は抜群だ。ひとたび剣をかまえると、人柄は一変する。さながらスーパーマンというところか。お役目のために剣をふるい、それが終わるとまたいつもの生活に戻り、他人に侮られたりしている。そのギャップの面白さがよく出ている。どの作品にも人を斬る場面が出てくるが、決して残酷には描かれていない。そのことも、ほのぼのとした気持ちで読める一因かもしれない。
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No.1:
(3pt)

「橋ものがたり」とは一味違う短編集

映画の原作でもある「たそがれ清兵衛」「祝い人助八」あたりが面白かった。あとは「うらなり与右衛門」「日和見与次郎」も楽しめた。
 みな、どこか欠陥があって(それでも何故か剣だけはうまい)、人から後ろ指を指されるような存在。最後は剣の腕によって、ハッピーエンドになる話がほとんどで、その辺は先が読めてしまうかも知れない。あと、これは読む側の問題だが、忘れっぽい自分には登場人物の名前が多すぎて、誰が何だっけ?と頁を捲り返すことも多々あった。
 ☆4つにした「橋ものがたり」に差をつける意味で、厳しいけど☆3つ。
たそがれ清兵衛 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:たそがれ清兵衛 (新潮文庫)より
4101247218

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