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(短編集)
たそがれ清兵衛
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たそがれ清兵衛の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.42pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全62件 1~20 1/4ページ
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良いです | ||||
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見た目や言動から周りから蔭で小馬鹿にするような「あだ名」で呼ばれ侮られている侍たちを主人公に、その「あだ名」をタイトルにした短編8編。 いずれの侍も、実はいずれも剣術の達人で、結局のところ剣術の力で課題を解決する、という点で共通していることから、ワンパターンと言われればそのとおりなのですが、それでも読み進めていくと「ああ、またか」との気持ちにはならず、逆にそれが心地よいというか飽きがこないというか何かじわじわと伝わってくる温かみというのでしょうか、そこはやはり藤沢周平の「読ませる」筆力なのでしょうね。 堅苦しくなく読みやすい文体でありながら軽くなりすぎず味わいある文体で、だからこそ次の作品を読みたくなってくる。 本作は私にとって、「初」藤沢周平作品でしたが、次は長編作品も読んでみたい、そう思わせる文体です。 ふと、本作を現代に置き換えてみるとどうなるんだろうと想像してみました。 会社の中で回りが忙しそうにしていても5時チンでささっと帰宅する「たそがれ社員」、なんとなく頼りない顔つきの「うらなり社員」、上役に対して媚びへつらう「ごますり社員」、元管理職員だったが定年でヒラ社員として再任用中の「ど忘れ社員」、極端に無口でコミュニケーションがとりにくい「だんまり社員」、ああ忙しい忙しいと文句ばかり言っている「かが泣き社員」、もめごとからは距離を取ろうとする「日和見社員」、身なりに気を使わない「祝い人(ほいと)社員」 彼らがそのようにあだ名で呼ばれるには、周りを気にせず我が道をゆく者を理解できず無意識のうちにはじき出そうとし、小馬鹿にする面があるのですが、それは我々が人の良い面よりも、異質な点にばかり目が向いてしまっており、実は彼らなりの理由があり、裏に隠れた「強み」をそれぞれが持っていることに気づいていない、そして、それが何かの機会に表に現れてくる、そういう風にとらえることもできるかもしれません。 人は見かけで判断せず、その人の「強み」を引き出し組織に還元させることが大切だと言えそうです。 | ||||
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状態はきれいで、申し分ありません。 | ||||
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前から欲しかった、程度の良い本が購入出来、本当に感謝しております。 | ||||
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この小説を読み、映画「たそがれ清兵衛」が脳裏に蘇りました。短編集ですがそれぞれ良い味を出しています。 | ||||
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最近は、格好いい男の物語を探して、ハードボイルドを読み漁っていました。 しかし、チャンドラーやハメット、ロスマク、日本人なら大藪春彦、原尞、結城昌治なども読みましたが、どれもしっくりこない。 そこで、時代小説にもハードボイルドタッチの作品はあると聞き、本書を手に取りました。 映画にもなっていたので、タイトルは知ってましたが、著者の作品を読むのはこれが初めてでした。 8つの短編の最初にある「たそがれ清兵衛」を読んで、「これだ!」と思いましたね。 清兵衛の妻への愛。他人にどう思われようと構わないという強い心。そして、藩の一大事に頼られるほどの剣の腕。しかし、本人はいたってクール。 これこそが日本人的な格好良さだと気づきました。 結局、ハードボイルド小説は、日本人が書いたものも含めて、アメリカの価値観なのかなと感じました。 たいていはヤクザや警察相手にも強気に悪態をつく私立探偵が主人公なのですが、この価値観にどうも馴染めなかったんだと、今更気がつきました。 ハードボイルドが廃れて、時代小説が売れている理由が分かった気がします。 今後は、著者の作品を含めて、時代小説を読んでみようと思います。 | ||||
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表題の「たそがれ清兵衛」以外の7篇は傑作だと思います。あだ名をつけられて人に疎まれて、ついには剣をとるが・・・・そこはかとない思いがにじみ出ます。 他の人のレビューにもあるように「たそがれ清兵衛」は山田洋次監督の映画とはまるで別モノです。おそらく山田洋次監督は「たそがれ清兵衛」という題名だけを気に入って中身は祝い人助八」等の短編を基にしたのではないかと思います。もしかすると、藤沢周平も題名だけを先に考えて、内容はそれにあわせて書いたのかもしれません。それほど、他の作品と比べて内容が粗く見劣りがします。はじめから藩の勢力争いの話しがあってずっとあとになってから主人公の清兵衛が登場します。上意討ちを命じられて、会議中に突然あらわれて平然と家老を斬り、平然と帰っていきます。人ひとりを斬るのにそんなになんの感傷もないの?と思ってしまいます。夫婦愛?いえいえ、そんなもの微塵も感じられません。他の7作が秀作なだけに残念です。 | ||||
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清兵衛をはじめ愛すべき小物が主人公。みんな一癖も二癖もある。 | ||||
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前々から気になっていた作品。手に取るまでは短編集とはいざ知らず。 下城の刻を知らせる「たそがれ清兵衛」 うらなりと、言われて引けぬ「うらなり与右衛門」 ゴマスリは、ごまかしのこと「ごますり甚内」 嫁の汚名は忘れて晴らす「ど忘れ万六」 美根の死を黙って晴らす「だんまり弥助」 小太刀持つ、大太刀とはかが泣かず、「かが泣き半平」 日和見は、誰にもつかず、「日和見与次郎」 身はやつしても、剣は閃光「祝い人助八」 よくもまあ、集めに集めた、集いも集った八人の侍。 よくもまあ、渾名に黙っていられた八人が、それぞれが請け負った 宿命と、それぞれが感じる意気と、それぞれが貫く愛に、磨いた技を 剣に宿らせ、挑んだ闘い。 その美しさと、愛嬌と、暖かさに、思わず拍手します。 100点。集って八人。八百点。 お勧めします。お読みください。 | ||||
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「自分にはどうも合わないな」と思いながらも、また藤沢周平の作品を手にとってしまった。鶴岡や藤沢周平記念館を実際に訪れてくると、作品を読んでいてそのディテールが何となく前よりは身近になったような気がするのだ。 本作品は、全部で8つの短編からなる。場所は架空の地名が設定されており(あるブログの情報によると海坂藩ものと推定できるとのこと)、時代の特定を可能にする情報はほぼ皆無だろうか。ただ全編を通して、藩の中での財政難をめぐる路線対立が作品の背景をなしており、そういう意味では、江戸の後期と想定していいのだろう。 長期にわたる戦乱の消滅ということになると、文化の爛熟がそれにとって代わるのだが、藤沢の作品にはその側面に焦点を絞ったり、それを背景としたものは、ものは私の知る限りあまりないようだ。もっとも財政難がもたらす商人や高利貸しへの依存とそこに発生する腐敗は重要なテーマなのだが。彼の育った庄内の鶴岡はその種の文化が花開くにはあまりにも都から離れていたからだろうか。それとも著者自身がその種の側面には距離を置いていたからであろうか。 藤沢のこの系統の作品の特徴は藩の財政難とそれへの対応が引き起こす藩内での派閥対立、そしてその対立の「剣」による解消なのだ。ここには二つの疑問が起こる。江戸後期にもなって、この種の荒っぽい解決策が本当に取られることが多かったのか?この種の解決策がはたして是認されていたのであろうか?そしてこの時代までこの作品に出てくるような「剣」の使い手は存在することが可能だったのだろうか。またこの二つの前提を設定すると、相当な緊張感が全編に充満するはずなのだが、実は本短編集にはその種の空気はほぼ皆無なのだ。むしろいつまでも変わることのない緩い日常の継続への諦観が充満しているのだ。 これらの作品の基本構図は、日常生活では平凡で、侍のヒエラルキーの中では下の方に位置する主人公たちが、ふとしたきっかけ(藩内での路線対立のもつれ)でその剣の技量を発揮せざるを得なくなる状況に追い込まれるというわけだ。実はこの逆転現象を楽しむのが本作品だ。 本来であれば作品構成上の相当な矛盾をはらむ設定なのだが、これを違和感なしに解消してしまうのが、藤沢の作家としての技量だったのだろう。また時代がこの種の作品を求めていたのかもしれない。どの作品も80年代以降の発表のようだ。高度成長期は終り、もはや60年代に活躍したスーパースターとしての剣の使い手が無理なく受け止められる時代ではなかった。変わらない平凡の継続と一瞬の非凡の輝きとの間のコントラストを読者が求めていたのかもしれない。 | ||||
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江戸時代うだつの上がらない下級武士を主人公にした短編集。 全ての主人公が、周囲から舐められているが、実は剣の腕が立つという設定。最後に悪人をズバッと切る。 一方で、出世街道を登るわけでも、名門の出でも無く、藩の命令に従うサラリーマン的な悲哀が感じられ中々共感出来る。 短編集なので、それぞれが短く読みやすい。藤沢周平の入門書としても良いのではと思う。 結構よかった。 | ||||
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キンドルのダウンロードに少し手間取りました。 | ||||
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それぞれの剣の使い手、それも藩の平武士の活躍ぶり、葛藤ぶり、人間関係の機微....身近さを覚えながら、一気に読めました。所々江戸時代の生活文化のことばがでてきて、昔の様子に想いを馳せられます。 | ||||
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・それぞれの短編を読み終えると、心が落ち着き、あたたかい気持ちになります。それは作者の登場人物たちへの優しいまなざしのためであると思います。 | ||||
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風貌や普段の行動は冴えないが、剣の達人である主人公が藩命での上意討ちや、抜き差しならぬ決闘に挑む。決闘などに至る経緯や主人公を取り巻く人間模様が人情の機微豊かに綴られている。「うらなり与右衛問」「祝い人助八」が読み応えありだが、いづれの作品も傑作である。 何度読んでも飽きないストーリーのうまさがあり、特に終わり方に余韻を残しており非凡である。 「麦屋町昼下がり」とともに武家物・剣客ものの代表作であるが、いづれも下級武士であり、最後は勝ち残るのだが、そこにいたる下級武士故の悲哀を読み落としてはならない。少し時時間をおいて何度読み直しても感動する。名作とはそういうものであろう。付言すれば池波はどしらかといえば歴史物・時代もであり、柴練はチャンバラであり本格的な剣客・武家物とは言えない。 映画との違いであるがNHKでドラマ化した「蝉しぐれ」「三屋清左衛門残日録」「花のあと」などは概ね原作に沿って作られているが、かなり脚色で変更・省略があり原作を読む事が不可欠であると感じた。ところで、山田洋次監督が短編二~三編を合わせて映画化したものは原作を度外視していおり、安っぽいホームドラマに化している。このような方法は原作者を侮辱するもので邪道であり駄作以外の何物でもない。 原作は、書かれていない部分が「どうなったのであろう」と想像する楽しみがあるが、2~3の短編をごちゃ混ぜにしてつくった映画など見るに堪えない。 | ||||
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初めて藤沢作品を読みましたが、 読み手に原風景の想像を掻き立てる エンターティメント性の高い作風と感じました。是非、他の藤沢作品も読んで見ようと思います。 最後の「祝い人助八」は 「人生捨てたもんじゃないよ。」 と、作者のメッセージを感じました。 大人の御伽話のようで、個人的に好きでした。 | ||||
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脚本家の介入なのでしょうか、映画の方が筋書きが面白かったです。 | ||||
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この文庫本に収録されている短編は下記の8本です。 たそがれ清兵衛 うらなり与右衛門 ごますり甚内 ど忘れ万六 だんまり弥助 がが泣き半平 日和見与次郎 祝い人助八 この中で映画の「たそがれ清兵衛」を喚起せしむるのは最後の「祝い人助八」のみ。劈頭の「たそがれ清兵衛」に到っては類似点すらありません。 すこし調べると映画「たそがれ」の骨子になった作品は「祝い人助八」「竹光始末」で、脚本の比重の7~8割は「竹光始末」に拠っているとのことでした。且つ「祝い人助八」は映画公開にあたって第7編の「日和見与次郎」までだった作品集の後に第8編として貼り付けたものと聞きました。 「竹光始末」はよそで買って読みましたが、どうにも冥利のわるい話です。 | ||||
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たそがれ清兵衛、それは現代の中高年サラリーマンの別名でもある。藤沢文学珠玉の人情武家譚アンソロジー。 | ||||
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時代小説を読む。時代劇を観る。 齢を重ねて増えてきました。 このジャンルが気になったら手に取ったらどうでしょう? そんな作品だと思います。 | ||||
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