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密謀
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密謀の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全34件 21~34 2/2ページ
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印象的だったのは、上杉景勝が徳川家康への降伏を決断する時の言葉でした。 サラリーマンにも参考になる言葉だと思いました。 「自分は家康のような天下人ではなく武者だ。戦場のことなら誰も恐れないが、政治好きではないし、それを行う器量も無い。」 負け惜しみでもなく、己を知って本音からそのように言い切れる。カッコ良さを感じました。 サラリーマン社会でも、偉い地位を目指すのも良いし、はたまた専門分野で仕事人になるのも良いし。そのような中、後者的な人間には目の覚める言葉だと思います。 | ||||
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大河ドラマの原作「天地人」よりも面白そうなので、こちらを手に取りました。 織田から豊臣、徳川へと天下が移っていく中で、上杉がどのような行動をとったのか、策士直江兼続の智謀を元に描かれます。 その時代に活躍したであろう間者の行動も物語に彩りを添えていてとてもおもしろい。 個人的には、上杉といえば上杉謙信しか思いつかなかったのに、上杉景勝に光が当てられ さらに上杉家が綿々とつながっていき、次に読んだ赤穂浪士につながっていくのが興味深い。 石田光成と通じていながら関が原には参戦せず、家を守った上杉景勝の判断に惹かれました。 | ||||
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今年の大河ドラマの直江兼続を扱った小説であるということ、ほとんどの戦国大名が登場してくるというレビュー(これ一冊読めば、大方のことが分かるかな?という横着心)、さらにお気に入りの藤沢周平の小説ということで読み始めた。 何しろ信長、秀吉、家康くらいしか知識がない(笑)。 あとはせいぜい明智光秀、武田信玄、上杉謙信の名前だけは知っている程度。 3分の1くらいまでは、何度も投げ出そうと思った。 が、しかし、豊臣秀吉が力を増していくあたりから、すらすら読めるようになった。 私の印象でも、前半は秀吉、後半は石田三成と、謙信亡き後の在りようを探る上杉家中を、兼続の目を通して描いた物語と感じた。 読み終えて、まず 「秀吉亡き後、なぜ家康だったのか」 「石田三成とはどういう人間だったのか」 「今一つ知られていないが、 景勝は謙信というカリスマ亡き後、まずまず上杉の家を堅実に守ったのではないか」 これらのことを作者は述べたかったのではないか、と感じた。 才気走っていたが、愛敬にかけ、今一つ人望が得られなかった三成、謙信の生きた時代とは違う情勢のもと手堅く上杉家を守った景勝の横顔が、くっきり見えて来るような小説である。 | ||||
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政治と業界ではなく、 「まつりごと」と「ごう」です。 直江の話しよりも、秀吉、家康の権力欲の 凄まじさを直江の口から説明させている感じです。 そして、景勝の佇まいが、藤沢調で凛とした感じを 際だたせています。 某TVの主役よりも、俄然、景勝に興味を持ちました。 個人的には、本筋ではない静四郎の話しが好きでした。 どうせ読みますので、上下巻で購入すべきです。 | ||||
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三成と兼続の間には密約があったのか? なぜ上杉家は、関ヶ原に向かう家康を 追撃しなかったのか? そんな疑問に答えてくれます。 義を重んじ家康に挑戦した直江状。 軍神と呼ばれた謙信の家を 存続させるために取った決断。 おすすめの作品です。 | ||||
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亡き著者55歳の作品。 来年2009の大河ドラマ 直江兼続の「天地人」がまさにこの本の内容。その影響で今また脚光浴び、本の帯も新しくなって、さぞや著者も喜んでいることでしょう。 また、同郷で、且つ、直ぐ近くに春日山城がありながらも、全く上杉謙信、景勝、直江兼続の知識が無かったそれがしも、しっかりお勉強させていただきました。感謝 感謝! これでもか!これでもか!!と言うくらいに戦国武将が出てきます。時代小説が好きでも、歴史上の人物が登場する本が大嫌いで今まで避けてきた分、当然全く無知だった部分にたっぷり知識が蓄積されました。 そうか、豊臣秀吉はこういう人物で、織田信長はこうで、徳川家康はこんなやつだったか? 更に、石田三成がこうで、上杉謙信、景勝の「義」とはこうで、直江兼続はこんなだったか? そうこう言いながら、 この(下巻)はワクワクしながら読みました。さすがは藤沢周平さん、この人の本でなければ絶対に読んでなかったことは言うまでもない。 更に、最後ほのぼのさせてくれる場面は、この著者独特のもの、思わず苦笑いしてしまいました。 火坂雅志著「天地人」NHK出版 とは全く違った、小説家 藤沢周平の世界が堪能できます。 ■お薦め度:★★★★★(戦国武将がほとんど出てくることを覚悟の上で読んで下さい。でも、超お薦めです) | ||||
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小説の中で、兼続の心によぎった言葉です。 大勢に抗えぬ無念さや、義を貫ききれないやるせなさを 一言で言い表しているようで、何回となく読み返しました。 ある意味、謙信の義という足枷があるが故に飛躍しきれない側面も受けました。 ただし、何でもありの戦国の世にあっては、この足枷がいかにも不器用でもあり、 そして、一種の清涼感さえ感じられます。 無駄とは知りながら、もし、上杉家が西軍に参戦したら、結果はどうなっていたのだろう? っと想像を誘う一冊でした。 | ||||
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藤沢周平というと最近の映像化ブームで「夫婦愛」「庶民派」みたいな印象がありますが、実際には時代小説の短編などでも文章がとても上手くて、 軽妙洒脱、そして穏やかな主張はあっても、それが決して押し付けがましくない点も美点だと思われます。 数年前、最初にこれを読んだ時、藤沢さんの時代小説は初めてで、上巻は私が有名武将しか知らない為に少し苦労しましたが(日本史オンチだったので;)中盤以降はどんどん面白くなってきます。 さりげない言葉や文章での心情描写はさすがという他ありません。 藤沢作品なのであからさまに敵対する武将を悪く書いたり、上杉を贔屓したりという描写は少ないのですが、その分読み手としては想像力を働かせる余地があるという印象です。 この作品を読むと「義」を掲げながらも一面では冷静沈着な知将だった直江兼続、謙信の精神をそのまま受け継いだ上杉景勝贔屓になりますね。 兼続を「いい人」すぎる人に描写していないのに、彼の生き方には感銘を受けます。 景勝も男が惚れる武将だったことがわかります。 そして、この時代は草(忍者)を使うのが当たり前だったこともわかります。 三十石に減らされてからの話もこの文章で読みたかった気はしますが、繰り返し読みたくなる余韻と深みのある作品です。 「直江と石田が密約を交わしたという証拠はない」とした上で書かれているのにも好感が持てました。戦国武将の人間性を描きながらも、捏造だらけという印象はありません。 兼続にまつわる女性達の描写がほぼないのが原因かもしれませんが、これが大河の原作がこれだったらなあ…と残念になります。 | ||||
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何時の世も、どの国も歴史は「勝者」からの視点で語られてきた。 敗者は悪しざまに汚名をそそがれ、滅び散ってゆく。 本書は関ヶ原における「敗者」である上杉影勝とその参謀の直江兼続を中心題材 とした歴史小説である。史実を元にした歴史小説だが堅苦しさは全くなく、 登場人物は皆、藤沢周平特有の人間味の溢れた魅力のある人物像で描かれている。 又、史実の描写とフィクションであろう場面の描写のバランスは絶妙で時代小説 としての面白さも十分に堪能できる。 豊臣政権下、影勝と兼続が「謙信の家」の誇りを胸に、時勢を冷静に見つめ、 同盟国として待遇した秀吉に義を通しながらも、時に知略と謀略を駆使して 一国を存続・拡大していく駆け引きなどは戦国時代ならではのスリルに 満ちあふれている。 秀吉没後、我がもの顔で天下掌握に向けて動き出す家康に名家上杉は悠然と立ち向かう。 ことに、あの有名な「直江状」を突き付ける場面などはこの上なく痛快である。 関ヶ原において上杉は結果的に「敗者」となるが、しかし、敗者には敗者のどうしても 譲れない事情と意地があり、それがこの物語の終着点になっている。 敗者の美というべきか不思議ながら美しい余韻が残った。 そして、徳川幕府によって会津120万石から米沢30万石に減封された上杉の物語りは 藤沢周平の遺作となる「漆の実のみのる国」へ継承される。 | ||||
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関ヶ原の勝敗はご存知の通りですが、 私は何故上杉が南下して来なかったのかというのはあまり深く考えたことがありませんでした。 その背景には上杉家の当主としての景勝の気持ちと、 三成という友人を持ち、尚且つ上杉の直参であるという兼続の気持ち、 二つの思いが交錯して胸が詰まるような気分になりました。 江戸期の人情モノを手がけることが多い藤沢周平作品の中でも異色ですが、ラストはやはり彼ならではです。 | ||||
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問答無用の傑作歴史小説。直江兼続小説の最高峰でしょう。兼続を題材にした小説は結構見かけるが、本書には遠く及ばない。これ以上の傑作は今後現れないと断言できる。 | ||||
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二つの謎がある。なぜ上杉は、地理的に不利な豊臣方に荷担したのか。なぜ上杉は関が原のとき参戦しなかったのか。結局「謙信以来の誇り」ということなのだろうと思う。それだけではよくわからないという人は本書を読んで欲しい。といっても、あまりにもさらりと書いているので、私には少々不満だった。(こここそが眼目だろうに) けれどもじつはこれは眼目ではなかったのかもしれない。戦国時代時代に翻弄される藩を描いて、現代の会社を連想する人多いだろう。そういう翻弄する波の姿こそを描きたかったのかも。最後、草たちのそれぞれの運命が清清しい。 | ||||
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この上巻の主人公はじつは兼続や上杉ではない。豊臣秀吉である。(とかってに断定してしまいます^_^;)ここには、吉川英治の英雄秀吉も、司馬遼太郎の天才秀吉もいない。藤沢周平はこの時代を描くのに、その中心人物を描かずに、その周辺諸国の参謀の目を通して描いた。そこには「稀有の器量人」としての秀吉と同時に、天下を自分のものにするためには、あらゆる権謀術策を自然と行える残酷な政治家としての秀吉を描いて見せている。さらにはその兼続自体も、一人の戦国大名の幹部に過ぎないことを知らせるような仕掛けもある。 上巻で秀吉は死ぬ。やがて時代は関が原に向かって行くであろう。戦国の激動の時代を生きるということはどういうことか。藤沢周平と共に眺めていきたい。 | ||||
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徳川の世に決まるまでには、実は幾つかの逆転の可能性があった。最も重要人物であった上杉景勝、直江山城守のお話。内容はかなり史実に則っているが、独自の付加シナリオが藤沢周平調で哀切感を醸し出している。 | ||||
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