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どこまでも殺されて
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どこまでも殺されての評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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私は作者のデビュー当時(「変調二人羽織」)からのファンで、「白と黒」、「陰と陽」とを一瞬の内に反転させてしまう作者の"騙しの手腕"の虜となって来た。その意味において、作者の最高傑作は短編集「夜よ鼠たちのために」(こんな事が可能かと呆然とする程の傑作揃い)だと思う。しかしながら、どうも短編と比較して長編の切れ味は今一つという感を抱いており、残念ながら本作もその例に漏れなかった。 前半の1/3程度で、過去に7回"殺された"「僕」の手記が提示される。その後、8回目の殺人事件に巻き込まれた「僕」を巡って物語が展開するのだが、呆然とする程の詰まらなさである。過去に7回"殺された"人間が生きている筈はないから、手記にフェイクがあるのは最初から一目瞭然で、これを如何にして作者が料理するか(不可能を可能とするか)が見所だったが、茶番と言う他はない"こじつけ"にはガッカリさせられた。下手な学園ドラマを観ている様で本当にウンザリした。作者の手腕があれば、もっと巧みに読者を騙せた筈である。 作者の実験的(野心的)精神は買いたいが、代表短編と言われている「美女」(これも詰まらないと思う)同様、それが過ぎると、読む方が白けてしまう。「過ぎたるは及ばざるが如し」とは良く言ったものである。作者には、もう少し気持ち良く読者を騙す長編を数多く残して欲しかった。 | ||||
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