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カード師
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カード師の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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タイトルにも記載しましたが小難しく書き過ぎな気がするのですが。。長いので結構集中力が切れて何回も同じラインを読み返すことがありました。途中で挫折する人もいるのでは? 最後の方で出て来ましたが考えたくない人類になるとこういう小説も手に取ろうという人がより少なくなりそうな淋しさもありますが。。 | ||||
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この作者の本ははじめて読みます。 話があっちへ、こっちへ飛んでいき、物語の輪郭をとらえるのが困難に感じて、読んでいるのが苦痛でした。1ミクロも面白くありませんでした。 まるでフランケンシュタインの顔面のような小説です。ツギハギだらけ。 ギリシャ神話の長い話もいらない、中だるみだし、尊師もいらない。そういう文章が始まりそうになると深いため息つくほど嫌でした。 私にとってはおおはずれ。 | ||||
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占い師は、予言師か、はたまたペテン師か。そんな読後感が続いています。 朝日新聞連載小説の単行本化でした。連載時には気にならなかったのかもしれませんが、本筋とは外れているようなギリシャ神話の神ディオニュソス、中世ヨーロッパの錬金術師の尊師、16世紀ヨーロッパの魔女狩り、ナチスのゲッベルス、オウム真理教、コロナウィルスなどのエピソードが挟み込まれています。いわばパッチワーク的な展開でした。それでいて最後まで読ませてしまう作者の筆力の高さには感心してしまいましたが。 ポーカー賭博場でのやり取りには特に引き込まれました。手に汗握るシーンの連続で、その意味ではとても良く描写できていましたし、本書のツボの様な箇所でしょう。このポーカーの臨場感の良さが本書の質の担保なのは間違いありません。 一方、本筋から離れた挿話は読み手を物語から離れさせてしまうことがあり、その意味では本作品でも成功しているとはいいがたいですね。凄い書き手だけに、惜しい回り道だったと言えるでしょう。 ポーカーでのやり取りの凄まじさに読み終えた今も心惹かれています。不思議な小説でした。 | ||||
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朝日新聞連載時から気になっていたが、自分のペースで集中して読みたかったので、単行本化されるのを待って読んだ。 久しぶりに読んだ本格的な文学作品で堪能した。ストーリーとは別に挿入される話も、ストーリーの思いを支える逸話として興味深く読んだ。 手品師になれずに占い師、違法カジノのディーラーになった主人公の話。 カードをめくる、扉を開ける、その先に何があるのかを懼れる。 先の分からないこの世界の理不尽が、阪神・淡路大震災、東日本大震災、コロナウイルスの流行、突然の交通事故などで語られる。 物事は起こる前にすでにそうなることが決められているのではないかという疑念、それならなんとかして事前に知りたいという思い。 自分がどのように死ぬのか、これから何か起こるのか、占いなどによって未来を知りたいという希求。 でも未来が分からないからこそ、人は絶望せずに生きられる。 (もしそのあとすぐ死ぬと分かっていたら、希望をもって生きることはできない。) ※そのあと殺されることが分かっている人に食事をさせて眺める佐藤。周りの人は皆、彼が死ぬことは分かっているので、「どうせ死ぬのに」という虚しい思いで眺めることになる。 占いなど本当はないと気づいた占い師や一生を錬金術に捧げたため錬金術を信じていくしかなかった錬金術師、高額を賭けてしまったため引くに引けない状況になってしまったポーカーゲーム。気づいたときに諦めることができるのか、という問題(コンコルドの誤謬)も考えさせられた。人生は一度きり。 中村文則の作品に通底している「生きることに意味があるのか」「結局全ては無になるのに」が、今回は希望に向かって終わる。 ポーカーゲームの臨場感やプレーヤーたちの心理戦はドキドキして読んだ。 少しずついろいろと解明されていくものの、最後まで主人公の置かれている状況がよくわからなかった。結局、気軽に殺人を犯すような団体でもなかったようなので、その辺が少し疑問。 また株を買い占めて乗っ取るほどの会社でもなさそうだし、それで殺されたり死んだりするのもおかしい気がした。 | ||||
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「エンタメ系とは違い純文学とはこういうものです。」というある意味わかりやすい本作。「純文学あるある。」として「全財産と生命まで賭ける修羅場での手に汗握る描写」に留まることなく「主人公が交錯して入替る」「幻覚、幻聴、幻視が必ず起こる」「ギリシャ神話、ローマ帝国時代の一見無関係の逸話を挿入」「オウム真理教、大震災、コロナなどの社会問題への気配り」そして「最後には希望が(弱いながらも)感じられる」という流れです。 新聞小説をリアルタイムで読んでいなかったのでどの程度加筆されたのはわかりませんが「錬金術師」「魔女狩り」「ブラックホール」をあまりに長々と書いてあるので、このあたりで離脱した新聞読者も多かったろうな、と推測しました。 | ||||
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リアルの占い師、賭博屋、手品師が読んだらどういった感想が聞けるのだろう。 少なくとも「占い師」についてはリアルな内情が取り込まれている。 否、全くのフィクションで書いたのか?ひょっとして作者は取材していないのだろうか? 不確定要素だらけの未来に翻弄される登場人物たち。急速に落ちていく運命に抗う者、受け入れる者、カードを開くまでは誰にもわからない。 主人公の生い立ちの章がやや冗長だった。でも作者には必要な部分だったのだと思う。 希望のあるラストに着地したのが意外だった。 『これから世の中は悪くなります。これは断言です。悪くなるが故に、小説として祈りのようなものを書く必要があった』 この作者の言葉がこの作品の全てであり傑作足らしめている。 | ||||
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去年の冬、君と別れ がとっても面白かった中村文則。 奥深いマジックザギャザリングの世界でのプロデュエリストの話かと思いましたが全く違いました。もしかしてこの一言を言いたいが為に読み進めたのかもしれません。 毎度のことながら息を吐くようにネタバレをします。 あらすじ 心理学を熟知しタロット占い師やポーカーのディーラー稼業をしている主人公は、占いを心酔する資産家である佐藤の顧問占い師となる。闇カジノにディーラーとして潜入するも正体がばれ、法外な掛け金のポーカーに参加させられる。なんとかポーカーを乗り切るが、佐藤は主人公が本当の占い師ではないことに憤り殺そうとする。殺害を踏みとどまった佐藤は自分の反省を綴った手記を主人公に渡す。。。 あらすじを思い出そうとしてもうまくまとまらない。。。というのも、かなり話があちらこちらに飛んでいき、話題も悪魔、UFO、魔女狩り、タロット、ポーカー、心理学などなど小説というより解説じみた説明が挟み込まれるのでテンポが悪くなる印象。 誰もがいう通り、中盤のポーカーについてはめちゃくちゃ面白いので、徹頭徹尾ポーカーをメインに据えてもよかったのでは?と思う。ポーカーの成立確率とか数字で示すリアルと、悪魔やUFOの出現といった空想を両方同じ鍋に入れると無粋だと感じました。 新型コロナウイルスが急に本文に登場し、かなり浮いていたけれど、連載当時に流行り出したので唐突に含めたという。最終章はかなり場当たり的だなぁと思ったが、新聞連載のペースだとそうなってしまうのもやむなしかと。 去年の冬、君と別れはこの三分の一のページ数で凝縮されていただけにやや残念。 マジックザギャザリング、遊戯王も出てこないので本物のカード師とは言えない。 デュエルスタンバイ! | ||||
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おもしろいかった。タロットカード、神話、トランプ、賭博、占い、量子力学などが織込まれ、未来を予想しコントロールする事はできない。心理をコントロールし人を動かし未来を作ることはできる。震災、人災、疫病などによって絶望することもあるが絶望するなって言うお話。『教団x』,『r帝国』の流れを別の切口で語っている感じ。困難な人生だが生きるしかないと言うことかな。でも絶望するなって言ってるけど根底には諦めがある気がする。人生の意味はない、生まれた意味もない、真実は一つ、生物的に生まれて生物的に死ぬだけ。 この作家さんはオウム真理教の事よく取り上げるけど、何かこだわりがあるのかなぁ? | ||||
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子どもの頃オカルト好きだった事を久々に思い出した タロットにも一時ハマったなあ…うあー大アルカナとか小アルカナとか懐かしいー 魔法陣でアスタロト召喚しようとしてブエル来ちゃった落胆のニュアンスを解する自分を笑ってみた 概ね楽しんで読んでいたが、<手記>の度に読みが滞った。それだけ文体替えてるって事だろうか ノリが途切れて、多少読み心地が悪かったかな 多分、苦悩や葛藤の思索の方を読むのが正解なんだろうと思うが、自分はゲームの駆け引きメインに楽しんだ 正直なトコ、読後は「…で?」って感ではあった しかし、長く作家さんとして創作してる方たちは凄いよな…中村氏に限った事ではないけれど、連載モノでも時世をすっと反映させて、まるで「初めから予定していた流れ」の様におさめちゃうんだからなー。素直に感嘆 | ||||
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いかさま賭博場のディーラーが、占い師として送り込まれた権力者に関わることになることで身にかかる災難の数々。 運と自分のスキルで何とか窮地を潜り抜けていく様は、読者も一緒に苦しみと安堵を共有する。 ポーカーのゲームのリアル感と、プレーヤー同士の心理戦は読み応えある。 ただ話が広がり過ぎて多少の消化不良感は残る。 賭博場の面々も全員面白いのに放置されていたり、幼少時代もさらっと触れているけどイマイチその後の人生にどうかかわってきたのか深堀されていないなど物足りなさもある。 番外編で回収してほしいくらいの取り残しも回収して欲しかった。 | ||||
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もっと劇的なラストを想像していたが、ソフトランディングでした。 ただ、この作家は心理の描写が素晴らしい。 自身の分を越えたギャンブル…読んでるだけで息苦しさを感じます。 ただ、デビュー作の「銃」のが好きだなぁ。 | ||||
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オカルトとリアルが別々の話のように感じる。 山場のあるポーカーの場面は、カイジさながら中々の臨場感だけれども、あとから考えると話の筋とあんまり関係がない。 | ||||
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いわゆる奇術師の主人公が、時にはいかさまディーラー、時には占い師として危ない橋を渡りながらなんとか生きながらえていくお話。 今回は特に性的な猫写はなかったですし、ドイツのナチスや魔女狩りなどの薀蓄もはさみつつ、中盤のカジノの話ではワクワク感もあり盛り上がりました。なので比較的エンタメ的にも読みやすい類のお話だったではないかな、とは思いました。 ただ、なんといっても個人的には文章の素晴らしさかなぁ、と。曖昧だけど明確な言葉には表せられないことが、すごく的を得た文章になっていたり、比喩の使い方がいいなあ、とおもったり。なので、大切に一字一句ゆっくり読みました。面白かったです。 | ||||
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たまにテレビや雑誌上で吐かれる強気の言動、日本文学を背負っている風な物言いは、著者が単に芥川賞受賞者という一点を基盤にしている。普段から著者は「先生、先生」と芥川賞受賞作家としておべっかをつかわれる環境の中でものを言い、書いているのであろう。上げ底の賞は罪作りである。 帯に印字された「傑作」という評価は送り手の出版社に記載する権利はなく、評価は他者に委ねられるべきもの。自ら「名店」と名乗る土産物屋の軽薄な宣伝文句と同様の恥ずかしさ。 読まぬ者どもの「文学の不毛」に騙されるな。現在でも読むべき文学作品はこの作品ではなく、ほかに幾つもある。 | ||||
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450ページにも及ぶ長編ですが、一気に読み終わらずにはいられない作者の筆力とストーリー 展開には脱帽するしかありませんでした。先に言いますと、おそらくすべての読者にとって、 本作品で一番読み応えを感じるのは、違法賭博場でのポーカーゲームのやりとりでしょう。 ここまで手に汗握る臨場感と、心理描写をたたみかける小説にはそうそう出会えません。 この小説で作者が伝えたいことは何なのだろうと考えて読むならば、〈エピローグ〉に書かれて いるように、「明日何が起きるかわからないのだから、私たちは絶望なんてできない」という祈り にも似たメッセージなのでしょう。 作中に何度となく、「自分で判断することは苦しい」というフレーズが出てきます。 特に、先行きが不透明で困難な時代に陥りやすい心理です。 一見これは何を意味するのだろうと思う、〈錬金術師〉〈魔女狩り〉〈ナチス政権下〉の手記も、 その裏付けを強化するものとしてとらえるなら、なかなか興味深いです。 この小説では、この30年でこの国で起こった悲惨な出来事である、阪神淡路大震災、オウム真理 教事件、東日本大震災の話が出てきます。そして現在進行形の新型コロナウイルス感染により、 主要な登場人物が死を迎えます。 このような惨劇に遭うたびに私たちは、いつどこでそれが起こるかがわかっていたらと自分たちの 予知能力のなさを嘆きます。 そしていま私たちはこのコロナ感染問題がどのように終息するのかを固唾を呑んで見守りながら、 その早期終息を祈っています。 中村文則さんが最後に書いているように、「明日何が起きるかわからないのだから、私たちは 絶望なんかできない」というメッセージは、だからこそ恐れずにカードをめくろう(立ち向か おう)という応援でもあり、タロット占いと同様に、同じ出来事でも解釈次第で世の中を変える ことができることも示唆しているかのようです。 お勧めの名作です! | ||||
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