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天使の爪
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天使の爪の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 21~23 2/2ページ
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本作品は、1995年に刊行され、評判を呼んだ秀逸なハードボイルド「天使の牙」の続編である 男勝りの性格で決して美人ではない保安二課の刑事・河野明日香は、日本全土を席巻する麻薬組織「クライン」の元締め・君国の愛人で美貌を持つ神崎はつみを警察への護送する途中、「クライン」に襲われる。多数の銃弾を撃ち込まれたものの脳は生きている明日香、そして、ただ一発の銃弾が脳を撃ち抜き、体は生きているはつみ。保安二課長・芦田警視の計略により明日香の脳がはつみに移植され、君国をおびき出す囮としての特殊任務をおびた「アスカ」が誕生し、明日香の婚約者であり元同僚の仁王とともに「クライン」と戦う。 「アスカ」の誕生から4年余りが過ぎ、神崎アスカは関東信越厚生局麻薬取締部麻薬取締官!として働くようになる。「アスカ」が「河野明日香」であることは警察の特秘事項となり、美貌を手に入れたものの著しく戦闘能力の落ちたアスカは、閑職に回される。しかし、ある事件をきっかけに元婚約者・仁王こと古芳との最強のコンビが復活し、狼と呼ばれたロシアからの殺し屋と、その裏に潜む巨大な組織と戦うことになる。 この殺し屋は、ある理由から「アスカ」に強い関心を抱いており・・・ 「天使の牙」同様、ハードなアクションが展開される本作は、スピード感にあふれ、秀逸なハードボイルド小説となっている。「脳移植」という(現時点では)非現実的なところに拒否反応を覚える方もいるだろう。かくゆう私も同様の理由で前作「天使の牙」を読むのを後回しにしていたが、ひとたび読み始めてしまう'''全く気にならず、むしろ作品の面白さを格段に増している。 是非お勧めの一冊である。 ただし、前作を読まずに本作品を読むと登場人物の背景の把握が十分に行えず、アスカや仁王の感じる葛藤を十分に理解することができないため、本作品を十分に堪能できないと思う。前作も一級のハードボイルドであり、読んで損のない一冊である。まず前作を読んでから本作を手に取ることをお勧めする。 | ||||
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前作「天使の牙」で、脳移植という非現実的な設定を、見事な一級エンター テイメントに仕上げた筆力に脱帽したものですが、やはり今作でもそのエン ターテイナー振りを遺憾なく発揮されております。 期待に応えるところは応える、期待を裏切るところは裏切る、そういった 読者のツボを心得たベテラン作家ならではの、こなれた作業的なところも 見え隠れしますが、主人公アスカの魅力爆発、非常に大沢先生らしい娯楽 小説に仕上がっています。 CIAやSVRを絡ませて事態を複雑化させても、話が分かり易いのも流石です。 アレクサンドル・ハンは、新宿鮫シリーズの「毒猿」を超えるキリングマシ ーンとして、強烈な印象を残したのではないでしょうか。 | ||||
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本作品は、1995年に刊行され、評判を呼んだ秀逸なハードボイルド「天使の牙」の続編である。 脳死状態のはつみに明日香の脳が移植され、君国をおびき出す特殊任務をおびた「アスカ」が誕生し、明日香の婚約者であり元同僚の仁王・古芳と共に戦う(天使の牙)。4年後、麻薬取締官となり閑職に就いているアスカだったが、ロシアから流出した偽札に絡む事件をきっかけに仁王との最強のコンビが復活する。 (以下のパラグラフで上巻のネタがでます。未読の方ご注意ください。) 下巻では、手術を受けロシアから送り込まれた工作員ハン、アスカに脳移植を施したコワルスキー。KGBの遺産の回収と「脳移植の技術」の確保のため、アスカはロシアとCIAの駆け引きに巻き込まれる。 「河野明日香だった頃、あたしち?体力に自身がありました。でも神崎アスカとなった今、体ではなく頭で戦わなくてはならないと思っています。」「あたしは、犯罪を食い止めるため、手術によって生かされた。ハンは、犯罪をおかすために、手術によって生み出された。だからこそハンを許すことはできない。」アスカは自分の状況を受け入れ、はつみと明日香が融合したより強い自我を確立していく。本能のままに動き、制御を失った殺戮機械として戦い続けるハンをアスカは止めることができるのか? 「天使の牙」同様、ハードなアクションが展開される本作は、スピード感にあふれ、一流のハードボイルド小説となっており、後半のSVRとCIAを巻き込んでの戦闘シーンは作者の面目躍如といったところか?「脳移植」に拒否反応を覚える方もいるだろう。しかし本作品ではむしろここにフォーカスをあて、核兵器にも匹敵する兵器として位置づけている。一方「脳移植」をうけたアスカと彼女を取り巻く人々の苦悩と葛藤、成長が描かれており、作品に奥行きを与えている。 「続編に名作なし」本作品にこの言葉は当てはまらない。 | ||||
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