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地下鉄道
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地下鉄道の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.81pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 21~24 2/2ページ
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19世紀前半のアメリカ南部には、奴隷たちを秘密裏に、命がけで北部に逃がす組織が存在した。地下鉄道、と呼ばれるその組織を、本作では本当に地下に鉄道が走っていたものとして描いている。 設定はフィクションなのだが、伝わってくる黒人奴隷たちの苦しみは本物で、読んでいてとても息苦しかった。 主人公のコーラは、アメリカ南部ジョージア州の農園から逃亡し、地下鉄道に乗って北へと進む。一緒に逃げた2人のうちの1人は殺され、しかしコーラも捕らえに来た人を1人殺してしまう。殺人犯で、逃亡奴隷。 サウス・カロライナからノース・カロライナへ、そしてインディアナへ。北へ北へと逃げるコーラを手助けしてくれた人の中には白人もいる。逃亡奴隷と関わっていることが知られたら処刑されるかもしれないのに、それでも奴隷たちを助けようとする白人がいたことには尊敬させられる。 重いテーマの本ですが、おすすめです! 「アメリカこそが、もっともおおきな幻想である。白人種の人は信じているーこの土地を手に入れることが彼らの権利だと心の底から信じているのだ。インディアンを殺すことが。戦争を起こすことが。その兄弟を奴隷とすることが」 「肌色だけで充分とせねばならない。この色が、われらを今夜ここに、この議論の場へ連れてきたし、また未来へも連れていくだろう。私が真実知っているのは、われらは昇り詰めるときも落ちてゆくときも一体であるということだ。白人という一家の隣に住む黒いおおきなひとつの家族として」 | ||||
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19世紀、アメリカ南部の農園で奴隷として生きる少女の逃亡劇。 当時Underground Railroadという逃げる奴隷を助ける地下組織があったそう。もしそれが本当に地下を走る鉄道だったとしたら、という設定。SFでありファンタジーであり、史実には基づかないけれど、おそらく事実よりもっと正確な真実を描いています。 例えば、物語後半、奴隷制に反対する人々による演説。 『そしてアメリカも。アメリカこそが、もっともおおきな幻想である。白人種の者たちは信じている ― この土地を手に入れることが彼らの権利だと、心の底から信じているのだ。インディアンを殺すことが。戦争を起こすことが。その兄弟を奴隷とすることが。この国は存在すべきではなかった。(中略) なぜならこの国の土台は殺人、強奪、残虐さでできているから。それでもなお、われらはここにいる。』(P360) これは本書のテーマの一部を要約していると思います。この小説が2016年度のピュリッツァー賞、全米図書賞、アーサー・C・クラーク賞を受賞し、40以上の言語に翻訳されること、それが端的に今のアメリカが直面する現実を表しています。 アメリカにおける黒人の歴史を描く本を読むと、黒人音楽の起源がよくわかります。アフリカ大陸の様々な場所から連れてこられた黒人の末裔は、母国語も英語も不自由になり、手足を枷でつながれ、お前たちは人間ではない。神に許しを請うべき下等な生き物なのだと、聖書を渡され讃美歌を聴かされる。 手足は繋がれているから、感情を発散するには、何かを表現するには、讃美歌を歌い、腰を振って踊るしかない。アフリカ各地の風俗とヨーロッパの伝統が混ざる。ソウル、ブルース、ゴスペルといった黒人音楽が生まれる。 最後に、「地下鉄道」について作中で語られる内容を引用します。 『個人的な、自分だけの秘密で、他人に打ち明ける気にはならなかった。悪い秘密ではない、でも、自分の核に深く、親密に関わっていて、わけることはできない。ひとに話したら、それは消えてしまう。(中略) 「地下鉄道はその運営者たちよりおおきい ― それはきみたちすべてなんだよ。」』(P336) | ||||
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タイトルから奇想天外な内容かと思っていたが違った。リアリティのある物語であった。読んでいて、展開はある程度、予想できるが、なんでこうなるんだ!、えぇ!などと、心を締め付けられながら一気に読み終わった。悲しく残酷なテーマだが、アメリカらしくもあり、面白い小説だ。 | ||||
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奴隷制の存在した米国南部が舞台となってはいるが、そこで描かれているのは何時の時代や場所にも当てはまるような普遍的なことばかり。続きが容易に想像できる単純なストーリーではあるものの、物語に引き込まれ、あっという間に読み終えてしまった。発売と同時にKindleで読めるのは有難い。 | ||||
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