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隠れ家の女



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【この小説が収録されている参考書籍】
隠れ家の女 (集英社文庫)

隠れ家の女の評価: 4.00/5点 レビュー 9件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全9件 1~9 1/1ページ
No.9:
(3pt)

最後まで飽きずに読めるけど、少し違和感

冷戦時代のベルリン、パリ(1979年)と現代(といっても2014年ですが)のアメリカを行き来する形で物語は進みます。メリーランド州の田舎町ポストン(ボストンじゃないですよ!)で起きた殺人事件の被害者である2人の夫婦のうち妻が元CIAだったことをその娘は知りませんでした。そしてその犯人が弟(少し知能に障害あり)だということも信じられません。
事件はなぜ起きたのかを捜査するために向かいに住む男性に協力を依頼します。しかしこの男性も裏があるようで何か目的があってそこに住んでいたようです。なぜ夫婦は殺されたのか、CIAだった過去が原因なのか、母は何をしていたのか、何を見てしまったのか。

面白い題材だと思います。実際にこの小説も面白いです。しかし、きっかけとなることが「え、そんなことで?」と思ってしまうのです。それは犯罪には違いないのですが、CIAという組織の大義の中では些細な出来事だとも言えます。もともと自国の利益のために海外で暗殺や工作を行うこと自体が犯罪でもあるので、なぜその犯罪だけに目くじら立てるの?と違和感を覚えます。
まあ女性からすると許せない犯罪なのは確かなのですが、なら殺人はいいのか、と。殺人は「仕事」、その犯罪(はっきり言ってしまうとレ〇プ)は「犯罪」という整理ですかね。この点に違和感を感じなければさらにこの物語は面白いと思います。
あと登場人物に類似性がありすぎて混乱します。もう少し何とかならなかったかなあ。
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No.8:
(2pt)

カスタマー

スパイ小説としてよみました。
晩年のルカのような筋道です。小さいこと(ここでは重要なことになっています)をひねり回す物語の組み立てです。期待していましたが、がっかりでした。
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No.7:
(3pt)

惜しい。

中程までは謎が謎を呼びハラハラドキドキ本当に面白い。惜しむらくは事件の背景と動機について具体的な説明が乏しく最後の種明かしで消化不良に陥ること。東野さやかさんの訳文はひっか引っかかることなく読めてすばらしい。
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No.6:
(4pt)

等身大のヒロインだった

ヒロインがたまたま聞いたことを録音したテープと、卑劣なレイプ行為の目撃がどの様な形で解決するのかハラハラしながら読み終えました。おもしろかったです。
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No.5:
(5pt)

600頁いっき読み確実

現在と35年前を交互に話が展開してゆく。飽きさせないスパイ冒険小説。懐かしいTVドラマ「0011ナポレオン・ソロ」の記述も。アメリカの子供もあのドラマ観てたのか? 当たり前ですね米国発の番組だったもの。
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No.4:
(4pt)

スパイ小説の王道

冷戦緊張下でのベルリンの描写やスパイ活動の実態が非常に興味深く、繋がらない2つの謎が交差する驚きのエンディングは秀逸。これぞスパイ小説だと思いました。謎解きの部分もうまくストーリーに挿入されており、総合エンタメの一冊になっています。
少し残念なのは、百戦錬磨の筈の敵役が少し怠慢に思えること。全編緊張感はありますが、敵役の行動が今一つ中途半端で抜け穴があり、結果として主人公たちが敵役を出し抜くような形になっいて、やや不自然な感じが拭えませんでした。
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No.3:
(5pt)

秀逸!!!

長編ながらぐいぐい引き込まれ、次が楽しみで全く退屈しない展開だった。
読み終わった後でも、幾度も戻って確認したくなり、そうすると伏線がいくつも見えてくる。
諜報員の世界を非常にリアルにシビアに描いている。1979年当時、この世界において(に限らずだが)まだまだ女性蔑視が当たり前。同僚さえも真に信用できない緊張感。
そんな中でCIAに入局したが現場の実務経験がなく雑務を与えられている狡猾さのかけらもない不器用な若い女性職員が、同僚によるレイプ現場を目撃してしまい、強い正義感一心で立ち上がる…。
劣勢の中で同じ思いを抱えていた仲間ができる。
対象は第一線で暗躍し周囲から一目置かれているほどの男。闇の勢力が相手なので彼女たちが逆に追われる立場になり、必死に逃げまどいながらも証拠を固めていく姿が勇ましい。
35年後に起こった事件とリンクして、1979年のヨーロッパと2014年のアメリカを舞台に交互に語られ、謎が徐々に明かされていくという、巧みで素晴らしい作品。どんでん返しもある。
4日間、とっぷりとこの世界に入り込み、これだけ秀逸なものの後には何を読もうかと思うほどだ。
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No.2:
(5pt)

重たいテーマなのに快適で読みやすい。スリリングなスパイ冒険小説の復活!

660ページ。分厚い作品である。内容も決して軽くはない。それなのに、何故かページが進む作品である。原文、訳文が読みやすいとも考えられるけれど、やはりストーリーテリングが秀逸なのだろう。耳に心地よい物語の如く、読んでいて快適な作品なのである。

 王道スパイ小説×謎解きミステリーの合体といったアピールの帯が巻かれているが、その上に加わわった作品の構成とテーマと題材、などのも面白さに推進力を加えた重要な要素なのだろう。

 まずは、二つの時代を交互に行き来するという構成の妙。1979年東西冷戦下のベルリンを舞台に描かれた女性情報職員ヘレンが思わぬ暴行と殺人の事実を知ることにより、職を危うくする<過去>。一方で2014年のメリーランド州イースタンショアで起こった夫婦殺人事件を、被害者の娘アンナが真相を追求する<現在>。

 とりわけ<過去>のシーンでは、情報局内の置かれていた女性たちの立場の弱さ、あるいは蔓延する性差別がテーマとなる。

 暴力的な状況から当たり前のように排出される悲劇たち。これらと叩こうとする駐独、駐仏、米本国の女性三人の苦しいチームワークと挑戦が描かれる。組織対個人。組織対女性、といった構図の中で、ダイナミックなスパイ小説の醍醐味が味わえる。スリリングな冒険小説のように。とりわけパリの街では、クレアの頼もしさが光る。

 一方、<現在>の物語では、重度の知的障害を持つ弟が、殺人事件の第一容疑者として収監されてしまう。無罪を信じるアンナは真相の究明に本腰を入れてゆく。<過去>が<現在>にどう関わってゆくのかは、読者だけに与えられるスリリングな楽しみである。

 題材として与えられるのは、ザ・ポンド「池」として知られたCIA以前の情報組織を秘密裏に継続しようという裏CIAのようなグループの存在であり、これは歴史的事実から収集してきたものだそうである。グループ名も代表者名も実在の記録をもとにしている。

 構成と、テーマ、事実から引っ張ってきた題材。元は国際ジャーナリストとして各国を渡り歩いていたという作者の得意とするところなのだろう。アメリカ諜報史や、女性の権利、など現実の素材を活かした物語の中を、本当に生き生きと活躍する女性たち、そして彼女たちを影ながらも助ける男たちの意気も含めて、何とも頼もしい作品に仕上がった力作である。
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No.1:
(5pt)

ずば抜けた力作!

1979年と2014年の出来事を交互に進めて、サスペンスを盛り上げる、巧みな語り口。フェスパーマンの評判は聞いていたが、ハメット賞の『グアンタナモの囚人』がいつまでたっても訳出されず、いら立っていたところ。著者あとがきによると、実話を取り入れているとのことで、着想に感心した。アメリカのスパイ作家も英国並みに成熟したなと思う。ちょっとばらすと、この作品、最近のスパイものによくあることだが、国際謀略小説ではなく、局内謀略小説だ。面白ければ、それでもいいわけだけど、冷戦的な国家間対立がなくなって、外部に敵がいなくなったという状勢を映しているように見える。どなたか、『グアンタナモ』も訳出してください。
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