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天使も怪物も眠る夜
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天使も怪物も眠る夜の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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壮大な、素晴らしいテーマの作品だとは思うのですが、とにかく登場人物が多すぎ、話の要素も、未来のツールもごちゃごちゃとたくさんあって、収拾がつかなくなった感じです。吉田さんの良さがなかったな。残念です。 | ||||
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読み終わってから、8人の作家による連作の最終作だと知りました。作中に出てきた、意味のありそうな、でもよくわからない符号はほかの7作からの引用だったのですね、納得。 ということで、独立した作品としても十分に楽しめます。未来に発明されていてほしいモノがたくさん出てきて面白い。 (80年後かあ、どうなるのかなあ。) | ||||
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螺旋プロジェクトもいよいよ最終刊、八冊目となる未来編。アンカーを託された作家はクラフト・エヴィング商會の吉田篤弘。螺旋プロジェクトのルールである「海族」と「山族」の争いに終止符を打つことはできるのか、そしてクラフトエヴィング商會らしい個性は打ち出せるのか? 私の結論を先に述べれば、よくまとめ切ったものだと感心したし、螺旋プロジェクトのアンカーに相応しい力量であったと思った。 物語は解説でわかるように、伊坂幸太郎の「スピン・モンスター」において東京を東西に分断する「壁」ができた2021年から74年が経過した2095年の東京が舞台となり、幻の映画「眠り姫の寝台」と幻の酒「Golden Slumber」を巡る群像劇が始まる。 なにしろ、人物紹介の見開きのイラストページに提示される人物だけで25人。このうち愛読家秘密結社の部長グスコーとブドリはおそらくクラフトエヴィングの吉田夫妻のカリカチュアと思われご愛嬌だが、その他の23人の人物を有機的にストーリーに取り込み、伏線を張り巡らせるだけでも大変である。 故に作者はこの群像劇を整理し、伏線をばらまいていくのにかなりの頁数を割かねばならず、前半から中盤にかけてやや冗長になってしまったきらいはあるが、グリム&ペローの童話「眠り姫」になぞらえた筋立てに目鼻をつけ、メルヴィルの「白鯨」ばりのクジラを利用して終盤物語を加速させたあとは、一番凡庸だった登場人物を「八番目の王子」にしたてて一気にラストまで読ませてしまった。 無理を承知の相当の力業ではあったが、物語と螺旋プロジェクト双方に見事な落とし前をつけた、吉田篤弘の力量に拍手を送りたい。 もちろん、螺旋プロジェクトの共通アイテムは無理なく取り込んであり、かつ、 「ウナノハテノガタ」からは「イソベリ」という言葉やウナクジラのエピソードを、 「コイコワレ」からは1945年のラムネを、 「死にがいを求めて生きているの」からは植物状態の海族の主人公の目覚めのラストや「アイムマイマイ」を、 「シーソーモンスター」からはもちろんその世界観を、 借用しているところは螺旋プロジェクトを読んできたものにとっては嬉しいサービスである。 そしてクラフトエヴィング商會らしいところはやはりその書籍愛であろう。面白い小説は焚書されるというのは「華氏451度」を思い起こさせるし、「眠り姫」(眠れる森の美女)「白鯨」に関しては上述の通り。 もちろんこの本の装丁もクラフトエヴィング商會が担当している。 以上螺旋プロジェクト八冊につき辛口甘口色々な評価をしてきたが、八組九人の作家の皆さんにはそのチャレンジ精神に敬意を表したい。お疲れ様でした。 | ||||
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