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街の狩人: 生物学探偵セオ・クレイ
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街の狩人: 生物学探偵セオ・クレイの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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名探偵ホームズの流れで、証拠、アリバイから犯人を追い込むスタイルではなく、生物の習性から、行動範囲、特徴、特に、擬態を暴く「切り口」が、斬新。ありきたりの「探偵もの」に飽きた方には、お薦めです。 | ||||
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久しぶりに最後まで止まることなく一気に読み上げた一冊。一作目は読んでいないが、充分楽しめた。ひねくれ者の天才と凶悪殺人機、はまれば転けることの無い設定で、解決に使うのは、生物情報工学。面白くない訳がない。短い章建てでテンポよく進んでいく構成も没入感を高めてくれた。色んな仕掛け満載で読み応えたっぷりの一冊だった。 | ||||
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元々このシリーズを読みたくなったきっかけは、小説推理の<今年のベスト・ブック2019>を見たこと。 事件が起きたことさえ誰も気づいてないのに、知識や分析力だけで死体の場所を特定できてしまい、ほんとに穴掘って見つけたりするから。お前が埋めたんだろうと警察に疑われるセオ。 警察から頼りにされてるリンカーン・ライムと比べると、なんて不幸な探偵…そんな感じに紹介されていて、がぜん興味がわいた。 あれで教えてもらわなかったら、こんな面白い本に手をつけてなかったので。北上次郎さんに感謝してます。 実際その後、セオがどれだけ情報提供したり協力を申し出ても→容疑者にされる、相手にされない、憎まれる、と散々な目に。ホームズやポアロ・明智・金田一はラッキーだったんだなと、しみじみセオに同情してしまいました。延々と続く死体探しで疲れきってる彼に、警察は感謝なんかしない。報われないのがフビンすぎる。 ①も②も、メインはセオ VS 殺人鬼の話。でもこれは、セオ VS 警察の話でもあります。 ①では満身創痍になってたセオ。読んでるこっちまで精神的に削られました…。 さぁ今回もきっとズタボロにされる筈。負けるなセオ!と励ます気満々で②を読み始めたのに…アレ? セオがなかなかヒドイ目にあわない(笑)。 さすが学者。学んでますよ。経験をムダにしてない。同じ失敗を繰り返さない。 なんだコイツ案外たくましいじゃないか!とワクワクしながら見直しました♪ 今回のラストにもビックリ。でもまぁ、なるべくしてこうなった気もする。これはこれで好きかも(ニヤリ)。 なにより②では読んでる間のストレスが①と比べて激減した。これは嬉しい。 残念ながらまわりくどい蘊蓄は①と変わらず。何度か本を放りだしたくなりました。 セオ目線の話だから。セオは学者だから。リアリティのためにそういう文章も必要なのはわかってるんですが。 〝アクセスできる情報源〟云々は読むのが本当にめんどくさくて眠くなった。再読する時は心置きなくすっ飛ばせるように、がんばって一度はちゃんと読むんですけどね。 ①・②・どっちも面白くなってくるのが100ページ越えてから。てことは、たぶん途中であきらめてる人も多数いるとみた。惜しい。 せめてあと50、できれば100ページ。続けてみてもやっぱりダメなら、「これは合わない」で確定だと思います。 ①は疲れるけど事件そのものの展開にはドキドキハラハラ。これは②よりも上。 ②は、セオが変わっていくのを楽しむ本だと思う。たった一人でここまでやってる、のは①もそうでしたが。 誰かに期待するのをやめたというか開き直ったというか。ヘタレ返上、って感じ。 シリーズは本国では④まで出てるそうで、その頃のセオはどうなってるのか考えるとちょっと怖い。でもそれを期待してる時点で、もうこのシリーズにハマってるんだろうなぁ。 あと、②の他のお楽しみとしては。多分ここだけで、今後はもう出てこないだろう使い捨て登場人物なのに、あの人もこの人もイイ!んですよ。またセオとどこかで再会してほしい人が4人くらいいます。 不満といえば、ジリアンの出番が少なすぎたこと。③ではもうちょっと増えててほしい。恋愛方面ではあいかわらずこなれてないセオのかわいいところを見たいので。 今から③巻の発売が楽しみです!…出ますよね? 早川書房さん! | ||||
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アイデアは面白い。 捜査の流れは現実的では無いと思うが。 | ||||
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ジョー・ヴィクがどうしてシリアルキラーになったのか遺伝子だけの要因か、何かきっかけがあったのか、犯人の背後が今ひとつはっきりしない。 | ||||
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前作から1年。前作の活躍(?)でいろいろな意味で有名になってしまった元大学教授セオ・クレイ。現在は政府に直結するテクノロジー企業で働いている。謀略や戦争につながる研究とイヤな上司など諸々に嫌気がさしていたところに、9年前に失踪した子供の事件を調べて欲しいとの切実な願いを持った父親の依頼に気持ちを揺さぶられる。 前作同様、独自の方法で調査を始めると、都市伝説と化していた「トイ・マン」とが浮かび上がり、またも地元警察やFBIをぶっちぎっての犯人追跡を始める。 前作「森の捕食者」では、作者もこの主人公セオ・クレイの人物像構築に迷いがあったのではないだろうか? そういう意味では、今回は、かなりしっかりとした人物像ができていると思う。 即ち、天才的な頭脳を持ち、頭脳派にしては驚くほど行動的だが、社会性と協調性はゼロ、自己中心的で自信家で独善的、その上、どこでいつの間に会得したのか、かなりの戦闘能力も備えた。結果として、大学教授時代はどうやっていたのか、甚だ疑問な人物像だ。前作の途中で、何かに目覚めた(作者も)、という感じでしょうか? 前作に負った負傷からすると、1年以上入院して、現在でも後遺症に悩まされていてもおかしくないけど、それにはまったく触れず、どこも痛くなさそうで、とっても元気でしたね。 今回も、非常に独善的な考え方から、警察その他諸々を敵に回し、突っ込みどころ満載のとんでもない行動で犯人に向かっていきます。 経歴からすると意外だが、今は遵法精神が全くなさそうな彼にとって、守るべきものはもちろん法律ではない。それでは守るものは人命か、子供の命だけなのか?そして悪い人間は殺してもOKなのか?(結末はちょっとB級映画みたいでした。) 人物像はだいぶ固まったようですが、彼の主義主張、哲学がまだ見えてこない。この辺が整理されると、一皮むけそうな感じです。 相変わらず、翻訳が下手。日本語が雑で下手、というところがもどかしい。タイトルの「生物学探偵」にも疑問です。でもこのタイトルが魅力的なことも否めないか。 ★4つだとちょっとほめすぎだな気もるすけど、3つだとちょっと足りないか、ということで★4つです。 | ||||
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理科系が苦手な人はタイトルを見て本書を避けようとされるかもしれないが、理科系が苦手なぼくでもシリーズ一作目『生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者』ともども本作をしっかりと存分に楽しめたことを保証します。前作よりも理科系とかハイテク数学系などの場面に多くページが割かれている印象はあるものの、それらがストーリーや捜査に重要な小道具の役割を果たしてくれること、またそれら小道具の斬新さ、アイディアの豊富さで、理系云々以上にミステリー・ファンの好奇心をすごく掻き立ててくれるので是非ご安心頂きたい。 小道具ばかりではなく、セオ・クレイの持つ理系学者風の一風変わったキャラもなかなか読みどころである。譲歩せぬ理論。他社を寄せ付けぬ観察眼。犯罪現場や関係する人間たちに対するこだわりと探求力。推理力に働く強い専門性。このあたりが理系学者畑の人間を小説として活かしている個性である。しかし、それを上回るのが人間洞察力。正義感。無茶とも言い換え得る勇気。勝気。怒り。愛情。 とりわけ本書では、テーマとなる原罪として、アフリカで頻発する色素欠乏症の人たちへの迷信による迫害という点に独特のものがあり、国際政治力学により隠蔽される人や犯罪、情報機関や政府による汚職、隠蔽、証拠隠し、証人隠し、等々、セオ・クレイの怒りの向けられる矛先には事欠かない。捜査の過程では、科学から最も遠ざかるブードゥー信仰、似非呪術ネットワークなど、黒魔術的側面に生きる人々も登場する。 あらゆる意味で前作を凌駕するスケールと謎の深さとセネ・クレイの激怒の強さが感じられる。追跡へのこだわりとともに主人公の脱線は激しさを増すばかり。法律すれすれ、いや時には違反行為。それもとんでもなく危険性のある手段を取ってでも、この事件の犯人を駆除しようと命を賭ける。徹底した追及精神と、責任感の強さには狂気さえ窺える。 ちなみに前作未読の方は、序章の段階でネタバレがあるので、前作から順番に読まれたほうが良いかと思われる。主人公の職場や境遇が前作とは変化しており、この先もセオ・クレイの仕事や立場はドラスティックに変化してゆきそうだ。徐々にスケールアップしてゆきそうな予感が見られる本シリーズ。フリークささえ感じさせるほど熱血漢で、しかもどこかオフビートな主人公。若き書き手による若きヒーローは、さらに新たな地平に目を向けてゆくことだろう。目を離せない。まさに油断のならないシリーズなのである。 | ||||
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一作目『の捕食者』は最後の法でハリウッド映画風ドンパチが始まり「やっぱりこの作品もそうなのか」と多少残念に思った。 だが、この2作目は静かに進行して行くサスペンスが魅力的だ。 おまけに1作目でぶれていた主人公の性格が一本筋が通って好ましい。 誘拐事件解決の依頼者である会計士やその雇い主の実業家が持つ裏の顔の設定に何か意味があるのかと疑問に思っていたところ、事件の結末の付け方に「なるほど、このための布石だったのか」とニヤリとしてしまった。 3作目、4作目の邦訳は未だのようだが読んでみたい。 | ||||
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2019年5月に読んだ「森の捕食者」は、少し粗削りでしたが、一途な思い=<霊性>は<科学>を超える生物学探偵セオ・クレイの良きデビュー作でした。 その著作に続く「生物学探偵セオ・クレイ 街の狩人 "Looking Glass"」(アンドリュー・メイン ハヤカワ・ミステリ文庫)を読みました。 舞台はモンタナの森林から、ロス・アンジェルスそしてアトランタ、ジョージアへと移行します。生物学探偵セオ・クレイは、小学生の息子が下校途中で何者かに連れ去られ、九年間行方知れずだという父親から、その捜索を依頼されます。前回のモンタナの事件から注目を浴びているがゆえに、嫌々ながら腰を上げたと言ってもいいでしょう。 彼は調査の過程でロス・アンジェルス近郊の治安の悪い貧困地区では長期にわたり子供たちが行方不明になっていることに気がついてしまいます。「街の捕食者」は一体誰? いつものようにここから先はあまり話すことができませんが、ストーリーは直線的であるにも関わらず前作よりも展開に切れが加わり、よりページ・ターナーの装いです。また、セオ・クレイ自身もアマチュアから、あたかもプロの<犯罪者>のように、良き心をもった<サイコパス>のように(笑)、警察、国家を出し抜きながら、最後までその手を緩めることがありません。生物学探偵としての多くの武器(プロファイリング、遺伝子工学、DNAデータを筆頭とするビッグ・データ、そしてウーバー(笑))を駆使して、唾棄すべき「街の捕食者」を追い詰めていきます。夥しい情報を分析するためのコンテンポラリーな道具立ては、我が国の「背中の蜘蛛」などよりも遥かに艶やかでした。 「五つの重要な要素がある。被害者、殺害の手口、場所、時期、加害者。このうちのひとつ以上がわかれば解決する可能性がある」と宣いながら、セオ・クレイは前回を超えて孤軍奮闘してくれますが、その解決に至る道筋は明らかに「ウェスタン」、米国の伝統に則っているのだと思います。 蛇足ですが、途中セオを救い出すやり手の女性弁護士がチラリと出てきますが、とても魅力的なキャラクターでした。アンドリュー・メインの次回作に向けての隠し玉なのでしょうか?(笑) | ||||
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