ミーナの行進

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評判

ミーナの行進の評価:

4.43/5点 レビュー 87件。 C ランク

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平均点4.43pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全174件 141〜160 8/9ページ
No.34
(5pt)

幸福と不安の交差する最高の少女小説

この本を読んでいる間、どれほどの幸福感と不安感を味わえたことだろう。

ハンサムで大金持ちの叔父様の芦屋の邸宅での一年間。

13歳の朋子がひとつ年下の感性豊かな従妹の美少女ミーナと過ごす日々は、「ミュンヘンオリンピックの男子バレーボール」への熱中や、「異性への憧れ」など、ごく普通の少女達と同じような日常が詳細に描かれていて、かつて少女だった人だれにでも、なつかしく温かい気持ちを思い出させるものとなっている。

その一方、ミーナの喘息発作や彼女がマッチ箱の図案から紡ぎだす美しく奇妙な物語の数々が不安な通低音となって読者を小川洋子独特の世界へと導く。

先の展開が全然読めず、最後まで不安と緊張と幸福感を味わえました。

そして、ユーモアもたっぷりなのです。

文章も素晴らしい。

文学好きの方はもうとっくに読んでいらっしゃるでしょうが、「赤毛のアン」以来少女小説から離れてしまった人にもおすすめです。

私は83歳の母のために買いました。
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215
No.33
(5pt)

幸福と不安の交差する最高の少女小説

この本を読んでいる間、どれほどの幸福感と不安感を味わえたことだろう。

ハンサムで大金持ちの叔父様の芦屋の邸宅での一年間。

13歳の朋子がひとつ年下の感性豊かな従妹の美少女ミーナと過ごす日々は、「ミュンヘンオリンピックの男子バレーボール」への熱中や、「異性への憧れ」など、ごく普通の少女達と同じような日常が詳細に描かれていて、かつて少女だった人だれにでも、なつかしく温かい気持ちを思い出させるものとなっている。

その一方、ミーナの喘息発作や彼女がマッチ箱の図案から紡ぎだす美しく奇妙な物語の数々が不安な通低音となって読者を小川洋子独特の世界へと導く。

先の展開が全然読めず、最後まで不安と緊張と幸福感を味わえました。

そして、ユーモアもたっぷりなのです。

文章も素晴らしい。

文学好きの方はもうとっくに読んでいらっしゃるでしょうが、「赤毛のアン」以来少女小説から離れてしまった人にもおすすめです。

私は83歳の母のために買いました。
ミーナの行進 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: ミーナの行進 (中公文庫)より
4122051584
No.32
(5pt)

透き通った孤独

「ミーナの行進」は、13歳の少女がおばの家に預けられ聡明で美しく病弱なひとつ年下の従妹と暮らした一年間の物語。

コビトカバが出てくる。従妹のミーナの住む芦屋の洋館にはカバのポチコのための池があり、喘息持ちのミーナはそのコビトカバのポチコに乗って小学校へ登校するのだ。ミーナは排気ガスに弱くひどく車に酔う。芦屋の急な坂道を歩く体力がない。父親の手作りの鞍をポチコに取りつけてミーナは星座をしてその鞍に座る。庭師の老人小林さんがポチ子のタッセルをひいて小学校までの行進が始まる。

コビトカバが登場する時点で、悲しい気配を感じてしまう。カバのポチ子のユーモラスな表情の描写になぜだかさびしくなるのだ。夜、庭のベンチに頭をのせて夜空を眺めているポチ子…

登場する人々の各々の孤独が淡々とした日常の中に語られていく。それぞれが孤独ゆえに、心の触れあう瞬間を少女たちは愛おしみながら小さな物語を紡いでいく。

 小川洋子の小説はいつも力が抜けていて、それでいながらぐいぐいと読者を引き込む魅力にあふれていて期待を裏切らない。

力んでいないところがいい。

さらりと寂しい。

すっきりと美しい。
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215
No.31
(5pt)

透き通った孤独

「ミーナの行進」は、13歳の少女がおばの家に預けられ聡明で美しく病弱なひとつ年下の従妹と暮らした一年間の物語。

コビトカバが出てくる。従妹のミーナの住む芦屋の洋館にはカバのポチコのための池があり、喘息持ちのミーナはそのコビトカバのポチコに乗って小学校へ登校するのだ。ミーナは排気ガスに弱くひどく車に酔う。芦屋の急な坂道を歩く体力がない。父親の手作りの鞍をポチコに取りつけてミーナは星座をしてその鞍に座る。庭師の老人小林さんがポチ子のタッセルをひいて小学校までの行進が始まる。

コビトカバが登場する時点で、悲しい気配を感じてしまう。カバのポチ子のユーモラスな表情の描写になぜだかさびしくなるのだ。夜、庭のベンチに頭をのせて夜空を眺めているポチ子…

登場する人々の各々の孤独が淡々とした日常の中に語られていく。それぞれが孤独ゆえに、心の触れあう瞬間を少女たちは愛おしみながら小さな物語を紡いでいく。

 小川洋子の小説はいつも力が抜けていて、それでいながらぐいぐいと読者を引き込む魅力にあふれていて期待を裏切らない。

力んでいないところがいい。

さらりと寂しい。

すっきりと美しい。
ミーナの行進 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: ミーナの行進 (中公文庫)より
4122051584
No.30
(5pt)

やさしい霧雨のような話

帯に「ぼくは、この作品に出会えた幸せを、いま噛みしめています」とありますが、まさにこのとおりのあたたかみのあるお話でした。芦屋の洋館に住む病弱で聡明なミーナと彼女をとりまく人々。とくに、書き出しがすばらしくてセンチメンタルなのに憂鬱じゃない、これから素敵なおとぎばなしでもはじまるような、子供のころ以来経験しなかったような期待でいっぱいになりました。繰り返しよんで、この洋館の人々を語り手の朋子のように自分の心に住まわせてしまいたいほどのなつかしさ。そして、挿画がすばらしいのです。この本にぴったり、美しさと懐かしさを封じ込めて、時間のとまったような、かつポップでかわいい絵です。本と同時に挿絵も十分楽しめます。年齢、性別を問わず、すべてのかたに。
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215
No.29
(5pt)

やさしい霧雨のような話

帯に「ぼくは、この作品に出会えた幸せを、いま噛みしめています」とありますが、まさにこのとおりのあたたかみのあるお話でした。芦屋の洋館に住む病弱で聡明なミーナと彼女をとりまく人々。とくに、書き出しがすばらしくてセンチメンタルなのに憂鬱じゃない、これから素敵なおとぎばなしでもはじまるような、子供のころ以来経験しなかったような期待でいっぱいになりました。繰り返しよんで、この洋館の人々を語り手の朋子のように自分の心に住まわせてしまいたいほどのなつかしさ。そして、挿画がすばらしいのです。この本にぴったり、美しさと懐かしさを封じ込めて、時間のとまったような、かつポップでかわいい絵です。本と同時に挿絵も十分楽しめます。年齢、性別を問わず、すべてのかたに。
ミーナの行進 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: ミーナの行進 (中公文庫)より
4122051584
No.28
(5pt)

なぜか懐かしさを感じる

1972年頃のことを覚えている人なら、当時のことを懐かしく思い出すことだろう。

私は当時の記憶はないのだが、それでも何となく懐かしい感じを覚えてしまう。

それは主人公の朋子が当時の様子を回想しながら書いているという形式のためだろう。

朋子の視点から見た、芦屋の豪邸、病弱ないとこのミーナと過ごした時間、淡い恋など、夢のような出来事も含めて、郷愁たっぷりに書かれている。

子供から大人まで、誰もが楽しめるいい作品だと思う。
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215
No.27
(5pt)

なぜか懐かしさを感じる

1972年頃のことを覚えている人なら、当時のことを懐かしく思い出すことだろう。

私は当時の記憶はないのだが、それでも何となく懐かしい感じを覚えてしまう。

それは主人公の朋子が当時の様子を回想しながら書いているという形式のためだろう。

朋子の視点から見た、芦屋の豪邸、病弱ないとこのミーナと過ごした時間、淡い恋など、夢のような出来事も含めて、郷愁たっぷりに書かれている。

子供から大人まで、誰もが楽しめるいい作品だと思う。
ミーナの行進 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: ミーナの行進 (中公文庫)より
4122051584
No.26
(3pt)

お手伝いさんも含めた家族の物語

家に私設動物園を作ってしまうほどの上流家庭のおじさん家に、1年間お世話になるストーリーだ。病弱なミーナが、家族みんなから全力で守られているようすが、さりげなく書かれている。そこに、昭和の理想の上流家庭を見出している。視点人物が家族の一人だと自慢めいてイヤらしいが、たまたまお世話になる姪という設定にしたのが良かった。

 少女らしい恋や、少女らしい熱中が、健康的に秘めやかに語られていた。思い出が宝石のように輝いていた。父親の不倫が一家に影を落とすことも含め、家族の絆をぬくもりを持って描いた落ち着きある作品。
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215
No.25
(3pt)

お手伝いさんも含めた家族の物語

家に私設動物園を作ってしまうほどの上流家庭のおじさん家に、1年間お世話になるストーリーだ。病弱なミーナが、家族みんなから全力で守られているようすが、さりげなく書かれている。そこに、昭和の理想の上流家庭を見出している。視点人物が家族の一人だと自慢めいてイヤらしいが、たまたまお世話になる姪という設定にしたのが良かった。

 少女らしい恋や、少女らしい熱中が、健康的に秘めやかに語られていた。思い出が宝石のように輝いていた。父親の不倫が一家に影を落とすことも含め、家族の絆をぬくもりを持って描いた落ち着きある作品。
ミーナの行進 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: ミーナの行進 (中公文庫)より
4122051584
No.24
(5pt)

ぬくもり。

読んでよかったぁ。やっぱり。

ぬくもりを感じられる本でした。

岡山から芦屋で暮らすことになった中学生の朋子。

ポチ子(さて?ポチ子って?)と一緒に小学校に通うミーナ。

双子のような二人のおばあさま方。小林さん。

叔母様。叔父様。龍一さん。

かけることのない家族。

従姉妹の朋子が芦屋の洋館で過ごした一年のお話がベース。です。

マッチ箱。バレーボール。彗星。の、エピソード。

秘密?のとっくりさん、水曜日。

読んでからのお楽しみ!

それから、装幀・挿画がすばらしい。

色に感じるものがあるんだけど。ね。かわいいよ。

ここにも、じ〜んっと。とどいてくるモノがありますよぉ。

また、みんなに会うために読みたい本。

安心できる本ですわ。ん!
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215
No.23
(5pt)

ぬくもり。

読んでよかったぁ。やっぱり。

ぬくもりを感じられる本でした。

岡山から芦屋で暮らすことになった中学生の朋子。

ポチ子(さて?ポチ子って?)と一緒に小学校に通うミーナ。

双子のような二人のおばあさま方。小林さん。

叔母様。叔父様。龍一さん。

かけることのない家族。

従姉妹の朋子が芦屋の洋館で過ごした一年のお話がベース。です。

マッチ箱。バレーボール。彗星。の、エピソード。

秘密?のとっくりさん、水曜日。

読んでからのお楽しみ!

それから、装幀・挿画がすばらしい。

色に感じるものがあるんだけど。ね。かわいいよ。

ここにも、じ〜んっと。とどいてくるモノがありますよぉ。

また、みんなに会うために読みたい本。

安心できる本ですわ。ん!
ミーナの行進 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: ミーナの行進 (中公文庫)より
4122051584
No.22
(4pt)

心温まるすてきなお話♪

母と二人暮しの朋子は、母が洋裁の腕をみがくために1年間洋裁

学校に通うことになったので、その間伯母のところへ預けられることに

なった。伯母の家族、そこで働く人たち。そしてすてきな家。決して

忘れることのできないできごとを、あざやかに描いた作品。

伯父さん、伯母さん、ローザおばあさん、米田さん、小林さん、そして

ミーナ、朋子。みんなひとつの輪になっているような、確かなつながり

が感じられる。どの登場人物も、とてもすてきな人たちばかりだ。朋子

が1年の間に得たたくさんの思い出は何物にも替え難い。ミーナと同じ

ものを見て同じものに感動したことは、生涯忘れることはないだろう。

こんなにすてきな思い出を持っている朋子を、とてもうらやましいと

思う。1972年から1973年の出来事として書いているが、この

時期私もミーナや朋子と同じように、ミュンヘンオリンピックのバレー

ボールを見て感激していた。だから、彼女たちに共感できることがたく

さんあった。そういう意味ではとても懐かしいものも感じた。心温ま

る、すてきな作品だった。
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215
No.21
(4pt)

心温まるすてきなお話♪

母と二人暮しの朋子は、母が洋裁の腕をみがくために1年間洋裁

学校に通うことになったので、その間伯母のところへ預けられることに

なった。伯母の家族、そこで働く人たち。そしてすてきな家。決して

忘れることのできないできごとを、あざやかに描いた作品。

伯父さん、伯母さん、ローザおばあさん、米田さん、小林さん、そして

ミーナ、朋子。みんなひとつの輪になっているような、確かなつながり

が感じられる。どの登場人物も、とてもすてきな人たちばかりだ。朋子

が1年の間に得たたくさんの思い出は何物にも替え難い。ミーナと同じ

ものを見て同じものに感動したことは、生涯忘れることはないだろう。

こんなにすてきな思い出を持っている朋子を、とてもうらやましいと

思う。1972年から1973年の出来事として書いているが、この

時期私もミーナや朋子と同じように、ミュンヘンオリンピックのバレー

ボールを見て感激していた。だから、彼女たちに共感できることがたく

さんあった。そういう意味ではとても懐かしいものも感じた。心温ま

る、すてきな作品だった。
ミーナの行進 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: ミーナの行進 (中公文庫)より
4122051584
No.20
(4pt)

おとなのためのおとぎ話

「芦屋」行ったことがないのでよく分からないが、こんな風変わりな一家がありえたような町なのだろうか。

大きな洋館に住む裕福な一家。
ドイツ人のおばあさん。
ハーフのハンサムな会社社長の伯父さん。
酒と煙草と活字の誤植探しに暇をつぶす伯母さん。
家事を一切切り盛りし、家庭内の権限をもっている家政婦のおばあさん。
喘息がひどく、カバのポチ子に乗って学校に通う従妹のミーナ。
そこに一年間預けられた母子家庭の少女。

非現実的な家庭の話であるが、そこで語られるエピソードは生き生きとしている。
喘息の苦しさ。
ミュンヘンオリンピックの日本男子バレーボールチームに熱中した話。
ジャコビニ流星雨を見に夜中に出かけた話。
同時代であったものには、懐かしい記憶となって蘇り、
知らない世代にも自分たちの体験のような気持ちにさせてくれるはず。

おとなたちへのおとぎ話である。
そしてマッチ箱の絵につけた寓話がそれだけでキラリと印象的。

最後があまりに都合よくまとめ上げた感じがするので、星一つ減
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215
No.19
(4pt)

おとなのためのおとぎ話

「芦屋」行ったことがないのでよく分からないが、こんな風変わりな一家がありえたような町なのだろうか。

大きな洋館に住む裕福な一家。
ドイツ人のおばあさん。
ハーフのハンサムな会社社長の伯父さん。
酒と煙草と活字の誤植探しに暇をつぶす伯母さん。
家事を一切切り盛りし、家庭内の権限をもっている家政婦のおばあさん。
喘息がひどく、カバのポチ子に乗って学校に通う従妹のミーナ。
そこに一年間預けられた母子家庭の少女。

非現実的な家庭の話であるが、そこで語られるエピソードは生き生きとしている。
喘息の苦しさ。
ミュンヘンオリンピックの日本男子バレーボールチームに熱中した話。
ジャコビニ流星雨を見に夜中に出かけた話。
同時代であったものには、懐かしい記憶となって蘇り、
知らない世代にも自分たちの体験のような気持ちにさせてくれるはず。

おとなたちへのおとぎ話である。
そしてマッチ箱の絵につけた寓話がそれだけでキラリと印象的。

最後があまりに都合よくまとめ上げた感じがするので、星一つ減
ミーナの行進 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: ミーナの行進 (中公文庫)より
4122051584
No.18
(5pt)

温かい愛と、安心に満ちた上質な作品

主人公といとこのミーナがともに暮らした一年間。
二人の少女の成長、それを温かく見守る家族の姿をユーモラスに描く、
伸びやかで質の良い成長物語です。

全編があたたかい光に包まれているような
幸福と安心に満ちています。
本編中に悪意がまったく描かれることがなく、
穏やかな気持ちで読み終えることができ、
こんなに気持ちの良い本は久しぶり♪

「ミーナの行進」というタイトルの意味がわかった時には
ミーナの確かな成長に私までもが誇らしい気持ちになりました。

いつまでも家族の生活をのぞいていたかった。
素敵な本に出会えました。
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215
No.17
(5pt)

温かい愛と、安心に満ちた上質な作品

主人公といとこのミーナがともに暮らした一年間。
二人の少女の成長、それを温かく見守る家族の姿をユーモラスに描く、
伸びやかで質の良い成長物語です。

全編があたたかい光に包まれているような
幸福と安心に満ちています。
本編中に悪意がまったく描かれることがなく、
穏やかな気持ちで読み終えることができ、
こんなに気持ちの良い本は久しぶり♪

「ミーナの行進」というタイトルの意味がわかった時には
ミーナの確かな成長に私までもが誇らしい気持ちになりました。

いつまでも家族の生活をのぞいていたかった。
素敵な本に出会えました。
ミーナの行進 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: ミーナの行進 (中公文庫)より
4122051584
No.16
(5pt)

マッチ箱がみたい!

本作品は、主人公の中学生になる女の子が、「ミーナ」の家で暮らす1年間の物語です。語り手である主人公の目を通じて、ミーナとその家族、ぽち子(ぽち子!)そして主人公自身の様子がつづられています。中学生の女の子ならではの正義感、感情のゆれなどが伝わって、味わい深い作品となっています。

ミーナは小さなころから体が弱く、坂の上にある学校に通学するには体に負担がかかることから、乗り物に乗って通学します。通学風景はなかなか素敵です。

まだ幼く、体も弱いミーナは、外で遊ぶことを許してもらえないことから、部屋の中に自らの世界を築いてゆきます。その美しさに魅了される主人公。読んでいるこちらも魅了されます。

この本のもうひとつの魅力は、美しい「挿絵」にあります。ミーナの創る美しい世界が活字で描かれ、ふとページをめくると象徴的な挿絵が目に飛び込んできます。額に入れて飾りたいくらいです。

小川洋子ファンはもちろん、初めて小川洋子さんの本を手に取る方にもお勧めです。
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215
No.15
(4pt)

きれいな気持ちにしてくれる

岡山に住む母子家庭の少女、朋子が母の都合で1972年3月からの1年間、芦屋にある大きな会社の社長を務める伯父の邸宅で過ごすなかで起こる様々なできごとを、現在から回想するというかたちで語られる作品だ。朋子のひとつ年下のミーナや邸宅内に住む個性豊かな人々との交流がとてもいきいきと描かれていて、良質のホームドラマを見ているような感覚になった。とくにミュンヘンオリンピックの男子バレーボールのくだりなどは、小川さんの思い入れもあるようなタッチで、実に能弁に語られている。折々に挟まれる、ミーナのマッチ箱のイラスト童話は、イソップの寓話のような世界で、これだけでもひとつの作品集として成り立つような出来映えだ。

朋子が過ごしたこの1年は、30年を経た現在でも、彼女の中ではついこの間のことのように思い出されるのである。実に穏やかで心温まる佳作である。
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215