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どぶどろ



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どぶどろの評価: 4.17/5点 レビュー 6件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.17pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(5pt)

読後感

当時の通貨発行の座が置かれた銀座での利権争いを遠景に、寛永時代の江戸風俗を楽しむことが出来る良い作品でした。
どぶどろ (新潮文庫 は 6-1)Amazon書評・レビュー:どぶどろ (新潮文庫 は 6-1)より
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No.5:
(3pt)

ワクワクドキドキを期待していると、とんでもない目に遭うw

2020年の5月頃、NHKのラジオ第一は日曜の放送で、
毎週西田敏行主演のラジオドラマが半村良の小説をドラマ化していて、
この本の主人公、平吉の別の作品だった。

ラジオドラマのほうがすっげぇ面白かったので、
本編ともいうべきこの本を買ってみたんだけど・・・。

うーん・・・。
まず七つの短編(10~20ページほどの)を読まされたあと、
本編ともいうべき「どぶどろ」が始まるんだけど(316ページの長編)、
最初の短編は話が中途半端に終わるものばっかで(なんだろう、これ)と思っていたら、
この七つの短編が「どぶどろ」の中に収斂されていく内容で、
短編に出てきていた登場人物たちが次々に出てきて、短編で消化不良だったその後が
わかってゆくので、途中まではけっこう面白かったんです。

でも、この「どぶどろ」、最後が凄すぎます。
暗すぎて救いようが無くて、後味が最悪です。

まだ二十歳の音吉が背負うには重すぎる「敵」ですよ。
なんとかならんかったのでしょうかね。
後半以降、ちょっと欝モードになりかねない物語でした。

なお、先述のNHKのラジオドラマのほうの平吉の話は、
この「どぶどろ」以前に書かれた「およね平吉時穴道行(ときあなみちゆき)」の
ほうだったのですが、こちらも原作のほうはけっこう凄かったです。
「どぶどろ」巻末の解説によると、
「およね平吉~」のほうが先に発表されていたようで、
しかもどうやら並行世界の話らしいです。おっ、さすがSF作家。
このあと、そっちのレビューも書きますw
どぶどろ (新潮文庫 は 6-1)Amazon書評・レビュー:どぶどろ (新潮文庫 は 6-1)より
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No.4:
(4pt)

時代劇ミステリー

ラジオでこの本を紹介していて、読みたくなりました。面白い本でした
どぶどろ (新潮文庫 は 6-1)Amazon書評・レビュー:どぶどろ (新潮文庫 は 6-1)より
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No.3:
(5pt)

風呂でもぱっと読める楽しさ

宮部みゆきが江戸庶民の生活をこういうふうに書きたいと言っていたのがよく分かります。
情景を表す言葉や、人の心の中の表現方法がよく似ています。
どぶどろ (新潮文庫 は 6-1)Amazon書評・レビュー:どぶどろ (新潮文庫 は 6-1)より
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No.2:
(5pt)

味わい深い異色作

半村良はSF作家のイメージが強いが、なかなか味わい深い時代小説を残している。
構成が凝っていて、それを味わうのも本作の楽しみのひとつなのであまりその部分については触れないでおく。それでも事前に知っておきたい人は下のレビューに詳しく書いてあるので、見ておくと良い。
本作の魅力はなんといっても市井の人々の生き様だろう。人それぞれに幸せを感じたり不幸を感じたりしている。つらいことのほうが多いが何とかがんばって生きている。そんな中で明かりを見つけ出すのだ。
これは本作に収録されているすべての編に共通して言える。結果のよしあしではなく、その過程で何を見出せたか…
どぶどろ (新潮文庫 は 6-1)Amazon書評・レビュー:どぶどろ (新潮文庫 は 6-1)より
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No.1:
(3pt)

無念の物語

7つの短編が、本編に融合されていく巧妙な構成を楽しむことが出来る。
市井無名の人々に対する作者の愛情が、それぞれの短編にそそがれている。なかでも、うだつの上がらぬ40男が出戻り女房に励まされ、男として再生する話は秀逸である。しかし本編どぶどろでは、なぜかやりきれない結末で作者は筆を置いている。主人公である平吉の正義は最後、「どぶ」からすくった「どろ」の中へ捨てられてしまうのだ。ここには勧善懲悪の清涼感はなく、後味の悪いまま物語は終わる。
短編に登場する善良な人々が事件に巻き込まれ、それを追及する平吉は親と慕う人々の正体を見てしまう。そして、いままで自分が偽物の人情の世界で生かされていたことを知る。
「この世はどぶで、俺たちはどぶどろなんだ。饐えて腐りプンプン匂ってやがる」
平吉は善人づらして人を上から見下ろして生きてきたある男に一言でも言ってやりたくて男の屋敷へと向かうのだが、作者は怒りと悲しみに満ちた平吉を突然舞台から降ろした。
女房は夫の手を引っ張って走り出した。
「嫌よ、折角しあわせになれたとこなのに」
その声を、平吉はぼんやりと聞いていた。
しあわせになる為には、いろんなことから目をそむけなくては・・・見て見ぬふり・・・
平吉のこの台詞は、組織に対する個人の無力さと弱者の生きる知恵をあらわしている。
巨大な権力を前にして、あまりに非力な平吉の無念の物語。悪人は一掃されず、事件も闇に葬られる。どぶどろは娯楽の側面からみると成功しているとは言いにくい。平吉の弱者として生まれてきた人間の不幸を主題にしているからだ。
別の意味での意外な結末をあじわえる特異な本である。
どぶどろ (新潮文庫 は 6-1)Amazon書評・レビュー:どぶどろ (新潮文庫 は 6-1)より
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