シブミ
評判
シブミの評価:
3.89/5点 レビュー 38件。 D ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全164件 81〜100 5/9ページ
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シブミの評価:
3.89/5点 レビュー 38件。 D ランク
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読後、まず感じたのは、イスラエルの女性エージェントを救うというストーリーはもしかしてつけたしのようなものだったのか?ということ。というのは、主人公が上海で生まれて日本で育つ過程と戦後の日本でどうして生きのびたかという生い立ち、それから主人公の趣味である洞穴探検の話にかなりのページ数が割かれていて、その合間にストーリーが展開するという感じなのだ。洞穴探検がいかに手に汗を握るスリリングなスポーツかということがかなり詳しく描かれていて、のめりこむあまりに途中でストーリーを忘れてしまった?と思えるほど(笑)。
そして、作者が描きたかったのは、ニコライという主人公の人間性、日本的なる精神、そのスピリットと崇高さ、それに対比してアメリカやロシアの程度の低さ、そしてそんな文化的、精神的に貧しい国が大国となってしまい世界に大きな影響を持つことの恐ろしさだったのかも、と思ってしまった。
この作者は日本に住んでいたことがあるのだろうか?または囲碁や武道などを習っていた、日本に来たことがあるとか、もしくは日本人の知り合いがいたのだろうか?戦後の日本をまるで自分が見てきたかのように正確に描写し、日本人の気持ちを代弁する、というか、日本人が書いたといっても通るくらいに日本人の気持ちや視点に立って状況が描かれているのは驚きだった。外国人が描いた日本というのは、日本人から見たらどこかおかしい場合が多いのだけれど、ここまで正確に日本的なるものを描くことができるとは。
タイトルの「シブミ」というのは、日本人からすればあまりいい意味に聞こえないと思うけれど(私はまず「シブ柿」を連想してしまった、笑)「わび、さび」のような意味に取ってもいいかと思う。作者はアメリカ人にもかかわらず、アメリカの雑でデリカシーや風情のない実用一点張りのような文化、精神性が大嫌いだったのだろうか?どのような人だったのか、もっと知りたいのだがあまり情報がない。
また、読んでいる間にふと思い出したのはトマス・ハリスの「ハンニバル・ライジング」。日本人の伯母ムラサキに育てられたハンニバルが彼女から多大な影響を受けるという設定。こちらは日本と中国を混同している部分があってあまりいただけないのだが、映画で主役を務めたギャスパー・ウリエルの顔が「シブミ」を読んでいる間ずっとちらついてしまった。
この作者は一作ごとに作風がまったく違うそうだが、「バスク、真夏の死」や「夢果つる街」も評判が高いので、今度読んでみようと思う。また、「シブミ」の続編に当たると言われている「サトリ」もぜひ。