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永遠の出口
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永遠の出口の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全86件 41~60 3/5ページ
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主人公、紀子は“永遠”を恐れる子どもだった。 それは若いが故、余計に恐ろしいのかもしれない。 可能性は無限に広がっていて、夢と現実の境目は無きに等しかった。 でも、成長するに従ってどんどんと道は狭まっていく。 その事実に、さるきちも愕然としたものだ。 物語は、小学校から高校までの紀子の成長記録。 思春期のココロ内がつぶさに描かれている。細い針でつんつくされるような感じ。 こそばゆくて、でも止められなくて、ただし、力を込めると先端は鋭く突き刺さって、赤い血が流れるのだ。 友人との厚くて薄い微妙な関係。何もかもがムダに思え非行に走ったり。 仄かな恋心もあれば、ぱっと火がついて、なかなか消えない男の子への想い。 両親に理解してもらえない自分の気持ち。それから、自分でも理解できない、自分という、存在。 自己を模索しうまく手におさまらない感情が、的確に表現されていて、 三十路のさるきちでさえ共感してしまうのだから、10代のヒトたちはもっと紀子を身近に感じるに違いない。 | ||||
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この物語は一人の少女の心の成長を瑞々しくきらきらと描いています. さすが児童文学を書いてこられた森絵都さん.登場人物はみんないきいきとしていて、読みながらその情景をきらきらと思い描くことができます. 話は小学校時代から始まります.読んでいて切ないような胸の奥がキュンとするようなエピソードや、おもわず微笑んでしまう子供らしいエピソードがでてきます.そして中学時代.「私の14歳無駄だらけ」といいながらも、友人や家族の存在の意味に気づいていく主人公.やがて高校生になるとアルバイトや恋を経験しながら、成長していきます.そして迎える高校卒業という節目.新たな気づきを得て、主人公はまた一歩をふみ出すのです. 自分の幼少時代に思いをはせながら読んでみてください.心が洗われる素敵な物語です. | ||||
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森絵都さんの作品のなかで一番好きな作品です。ひとりの女の子が大人になるまでを短編連作で見事に描いています。女の子って、こうだよなと感じる場面がたくさんあります。 | ||||
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通ってきた道、自らの来し方をそのままなぞるかのような、たまらない懐かしさを感じました。 文化的背景や気候や土壌が異なるため、世界共通とは言えないかもしれませんが、描かれていることへのあまりの共感に“誰もがこれを通るのか?”と驚嘆するほどに甘酸っぱく切なく可笑しく焦れったくてそれらの全てが懐かしくてたまりませんでした。 私自身は万引きも成人前の外泊も経験はありませんが、それでも、身に覚えのある、思わず頷いてしまう恥ずかしい勘違いや直向きさは、自分自身を振り返るようで主人公を抱きしめたくなります。子供ながらの気遣いや切なさも、たまらない気持にさせられます。 時代が変われば文化も変わるかもしれない・・・じゃあ、今の子供たちは・・・?思わず今の小学生〜20代の読者に感想を聞いてみたくなります。 | ||||
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子どもの頃、わたしたち、もしくはわたしだけ?「ずっとともだちでいようね」というフレーズをそれはそれは頻繁に言っていた気がする。この先、友達ではなく、知り合いというカテゴリーに入っていくことがほとんどということも知らずに・・・ あの頃を思い出してみると、今この時がずっと続くものだと信じて疑わなかった。でもそんな想いとは裏腹に、人はみな別々の道を歩み、大人になっていく。今考えてみると、あの頃は今に比べるとなんてことない、ぺらぺらな紙みたいな生き方をしていたように思うけれど、でも、なんでかすごく宝物のような日々だったように思う。思い出すと、せつないけれど温まる、そんなシンプルな気持ちになれる。でもでも、そんな思い出ばかりに浸っている暇はないのだ!子どもの頃、信じていたものはとうの昔に「そういうものではないのだ」と悟り、落ち込み、悩んだりもしたけれど、だからこそ、日々勉強。あの頃は宝物だけれど、今という時は、もっともっと宝物。だからわたしは生きていく。 『永遠の出口』は一瞬にしてわたしたちをあの頃へタイムスリップさせ、そして読み終わり、現実へ戻ってきたとき、何かがぽっとこころのなかに生まれる。その、生まれたものを大事にしていけたらきっとわたしたちはわたしたちのままでいられるような気がします。 | ||||
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自分の子供時代を振り返る時ってどんな時ですか? 落ち込んだ時ですか?幸せな時ですか? この本はたぶん幸せな時に思い出したエピソードに違いない。 「今だからわかる」そんな言葉が詰まっているから。 紀子の小3から高3までの回想記。 グループ内のもめ事や、家庭内の問題、非行、初恋、失恋、その他諸々・・・ 永遠に出口はあるのか?出口がないから永遠なのだけど。 子供にとっての永遠は大人の永遠では無いことに気がついた時に、少女は女性になるのかなと思う。 | ||||
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「子供の世界はある面、大人の世界より残酷で手厳しい。融通が利かないだけに他人を許せず、怒りも喜びもストレートなぶん、その矢はまっすぐ突き刺さる。」 「結局のところ、なんだかんだと強がりながらも、私はまだまだ子供だったのだ。だから堅物でも、物分りが悪くても、話が通じなくても、うっとうしくても、それでもやはり両親には正しい人でいて欲しかった。」 「正義であって欲しかった。法律違反などという影のイメージからはかけ離れた聖域にいてほしかったのだ。」 「あなたはお姉ちゃんだから、と理屈で教育を受けてきたせいだろうか。長男長女は比較的粘着質というか、気が済むまで物事を追及するタイプが多いように思える。下の子は弱肉強食で生きてきたので、あきらめが早い。」 なるほどなあ〜と思った作中の文章です。 | ||||
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主人公・紀子の小学三年生から高校卒業するまでを描いた傑作です。女流作家特有の描写のうまさが随所にちりばめられ、まるで実話のようでした。 よかったです。 | ||||
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ひとりの女性の小学生から高校を卒業するまでを綴った児童文学。 冒頭の <私は「永遠」という響きにめっぽう弱い子供だった。> というセンテンスにひかれて読んでみたのだけど、どうもだめだ。 この手の小説にはどうしても感情移入ができない。 同級生と喧嘩をしたり、先生と対決したり、ぐれかけたり、両親が離婚しかけたり、恋をしたり、 平均的な少女の生活が描かれている。 なんとなく懐かしいような、そんな気持ちは湧いてくるけど、 主人公も脇役もちっとも顔が見えてこない。 普通を普通に書き過ぎているのだと思う。 この本を読んで、実家で過ごす時間が退屈だったので、なんとなく卒業した高校に行ってみた。 さして感慨もないし、せつない思いも湧いてこない。 だって今だってせつないことがリアルだもの。 そのとき思った。 ああ、私はこの小説のように、甘酢っぱいような気分で昔をふりかえることをしようとは思わないんだ、と。 要するに大人になれてないってことか。 「黒魔女」と呼ばれてる先生と対決する章はおもしろい!と思ったけど、 対決するためにクラスが団結したところで終わっていて、最後まで書かれてないのが残念。 せっかくおもしろい展開だったのに。 | ||||
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人は人と関わって生きてる。 それが楽しい時もあれば、 煩わしい時もある。 人と交わることが、うまくいってるようでも 実は歯車をごまかしているだけだったり、 うまくいかないことが、あとあとに心を育てていたり。 人との関係も、 自分との向き合いも、 一朝一夕でできるものじゃなくて、 積み重ねなんだよね。 そんなことを伝えてくれる一冊。 いろいろあるよね。 どの年齢にも、その年齢なりのいろいろが。 姉ちゃんの性格の悪さは読んでてもムッとしたけれど。 | ||||
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姫野カオルコの「ツイラク」のほうが好きだなぁ。男性にはちょっときついかも。 | ||||
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そのくらいの年代の女性が読まれるとかなり共感出来る作品だと思います。 そういう私も30代後半。 自分の小学生、中学生の頃を思い出しました。 人物像が丁寧に描かれているので感情移入しやすかったり時代背景が解るだけに納得出来たり。 ただ一つだけ気になったのが口語文で「見れる」という言葉が何度も出てきたこと。 「ら」抜き言葉を小説に使うということがどうかと思った。 著者は児童文学を扱っていた人だけにこういう面はしっかり表現して欲しかった。 つまらないことかもしれないが、私自身「ら」抜き言葉が大嫌いなので。 折角面白い作品だっただけに勿体ない気がした。 そこが星マイナス1の要因です。 | ||||
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大人になった自分が過去の自分を振り返る。 すると、当時、気付かなかったことが見えてきます。 主人公の小学生から高校生までの出来事を綴ることにより、心情の変化を描いています。 何気ない出来事と人との付き合いの積み重ねが“自我”を作るのだと感じます。 | ||||
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青春小説、と一言で切ってしまうには惜しい。 ヒロイン「紀子」の小学3年生から高校卒業までの変化と成長を追った連作集。 さて、近作は作者初の大人向け小説だが(本来は児童向け)森絵都は作品ごとに作風を変えられる技量の高い作家で、今作は特に秀逸。全編「私」一人称で語られているが、クロニクルともいうべき過去を振り返る形の語り口なので、一人称特有の「視野の狭さ」は無く、統一した「成長した」思考で描かれている。 作中では大事件などは起こらない。誰も殺されないし、誰もチャンピオンにならないし、誰も未来や宇宙に行ったりしない。 でも、お誕生日会や、グレかかった事や、両親の離婚危機や、初めてのバイトや、夢中になった恋や…本人にとっては大事件の連続の人生。 自分自身の人生に全く同じエピソードが被る人はいないだろうけれど、シンクロする部分は多いんじゃないだろうか。 タイトルかつ表題作「永遠の出口」はラストまで読み終わった後、納得させられます。特に女性にはおススメの一冊。 「私は日々の小さな出来事に一喜一憂し、悩んだり迷ったりをくりかえしながら世界の大きさをしって、もしかしたら大人への入り口に通じているかもしれないその出口へと一歩一歩、近づいていった」本文12ページより | ||||
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森先生の作品は女性向けに作られたものが多いので今まで読んだ事が無かったのですが、この作品はおもしろい! 1人の少女の成長をノンフィクション作品のように書いた作品なのですが、少女のいろいろな初体験を読んでいるうちに懐かしい気持ちになれました。 男の私でも楽しめる作品です。 | ||||
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みんなで一緒にお手洗いに行く友情を愛していた人なら好きかも 同じ作家の「つきのふね」のひりひりした「個」のせつなさでこの作家を好きになったけど、ちょっとこれは苦手でした。 そういえばあれも、個が仲間を得る話ではあったのだなと思いながらも 全国共通の“思春期の傷(トラウマ)”・・・ あたしはちがうなぁ | ||||
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初めての恋、初めての非行、初めてのバイト。誰でも通り抜けていく女の子でいられる時間。特に人との距離のとり方に失敗して、初めて付き合った男の子と別れるときは滑稽でいて、そういえば、一生懸命になるのが愛だと思っていたなと思いました。それから、あとでその男の子に、舞い上がっていたのにつまらなそうだったと言われ、キスしたかったと告白され、やはり私の大好きな男の子だったと思うところなど、じーんとしました。一番変なことで悩んで、でも一番楽しい女の子でいられた時間を思い出したくなったら、ぜひ読んでみてください。 | ||||
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自分の実体験と重なるエピソードがある訳ではないのに、「わたし」の心の動き、「わたし」の感じ方の傷つきやすさ、が、「ああ、まさに自分の思春期にもこんなふうな心の不安定さ揺れがあったと思い出す」と感じさせる作品。 | ||||
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世間知らずの学生時代。 まだ自分の意思すらはっきりとしなかったあの頃は、ことあるごとに、 おマセな友達や物知り顔の先輩に、あることないこと吹き込まれ、 心がグラグラ揺れたっけ。 子供だけの世界・・・学校。 わからないことだらけの大人への道。 初めての悩み、将来への不安は、ひとりで抱えるには心細くて、 友達と呼べる誰かと寄り添わずにはいられなかった。 特別なこだわりも才能もなく、これといってやりたいことも見つからず、 どうしたらいいのか、自分をもてあましていた中途半端な青春時代。 語るほどの武勇伝もなく、ほどほどに真面目でほどほどに不良。 かっこ悪くて人には話せない時代だと過去に封印して・・・数十年。 実はこれが、 全国共通の“思春期の傷(トラウマ)”だったと、この本は気付かせてくれる。 あくまでも過去を振り返る口調で書かれているので、大人の思考回路のまま 子供の頃の自分に会いに行くことができる、退行催眠療法的な作品。 不細工でカッコ悪い あの頃の自分を許せる・・・。 初めてなのに、よくわからなかったのに、良くやった。と言ってあげたい。 そんな気分にさせてくれる一冊です。 | ||||
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ささいな事でのケンカ、芽生えた恋心。 小さな冒険心を抱いた小学生時代。 何をやってもダメだと感じ、反抗心から非行へ走った中学生時代。 初めてのバイト、夢中で突っ走った恋。 大人の複雑さを知り、将来への不安を抱いた高校生時代。 どの話を読んでも「あー分かる!」と頷いてしまう。 今から振り返ると、子供の頃なんて根拠のない話ばかり。 何であんなことして、そんな風に思ったんだろう。 でも 本気だった。 夢中だった。 真剣だった。 何とも説明できないこの不思議な気持ち。 大人になった女性には一度読んでみて欲しい作品。 きっと昔の自分に出会えます☆ | ||||
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