切羽へ

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評判

切羽への評価:

3.98/5点 レビュー 43件。 B ランク

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平均点3.98pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全72件 41〜60 3/4ページ
No.32
(4pt)

まったく分からないのに読み進めてしまう謎

何か起こるのだろうか、と思いながら、下世話なことを期待しながら、何も起きないのかもしれないと思いながら、
ただひたすらに読み進めてしまう、セイさんの心の揺れを追ってしまう、謎。
読み終わった後の虚脱感。

思いを告げられなかったときと同じかもしれない。

切羽までは行ける、でもその先へは進むことができない、掘り進むことのできなかった人たちが自分たちをなぞるための小説か。
結論ではなく、揺れ動く自分を残されてしまった。
切羽へ Amazon書評・レビュー: 切羽へより
4104731021
No.31
(4pt)

まったく分からないのに読み進めてしまう謎

何か起こるのだろうか、と思いながら、下世話なことを期待しながら、何も起きないのかもしれないと思いながら、
ただひたすらに読み進めてしまう、セイさんの心の揺れを追ってしまう、謎。
読み終わった後の虚脱感。

思いを告げられなかったときと同じかもしれない。

切羽までは行ける、でもその先へは進むことができない、掘り進むことのできなかった人たちが自分たちをなぞるための小説か。
結論ではなく、揺れ動く自分を残されてしまった。
切羽へ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 切羽へ (新潮文庫)より
4101302545
No.30
(4pt)

極めて上質なハーレクインとしての読み方

読んでいて、設定がやけに分かり易くエロティックだなぁ と思った。
登場人物の輪郭がステレオタイプに分かりやすい>が安っぽくならないというのは
最新刊『静子の日常』でも感じたが、これは作者のたぐいまれな文章力ゆえの余裕か。

閉じられた南の島というロケーションに
長い髪にいつも白いブラウスとニットのロングスカートという画家の妻。
おまけに(ナースではないが)彼女は養護教員。

グラーマーで、その上いつでも体にぴったり張りつく服を着ている
『本土さん』と戦闘的な不倫をかさねている同僚の女教師。
そこへ「地の裂け目から現れたような」殉教のキリストとみまがう顔をした不思議な男。
なんと こちらは音楽教師。

岬の住宅で初めて見かけた男はなぜか木製の大きな本棚をハンマーで叩き壊しており
霧雨にけぶる校庭には男の弾くピアノが流れ...
と こういうふうに書くとなんだかハーレクイン小説のようだが
実際「大人のための恋愛小説」という意味で上質なハーレクインなんだと思う。

抜群の文章センスと卓越した緻密な構成力(プラス作者の洒脱な感性)が
ややもすれば『叙情的』『純文学的』な方向に読者を連れ去ってしまうが
この作品は直木賞の位置にあってこそ正しい。
恋愛小説ときいて一番に挙げたい一冊に姫野カオルコ「ツ・イ・ラ・ク」があるが
余談ながらこちらは(やって やって やって)やりながら、 純愛に向かっている。

反してなにもしないこと...のいやらしさ(ほかに的確な日本語がみつからないので)としたたかさ。
「寝た、寝た」と公言する同僚の教師、月江の「妻って人種はきっとみんな妖怪なのね」
という言葉に主人公セイの設定を面白がりつつ
移ろう島の自然の如くそれを静観している作者井上荒野が垣間見える。
保健室で男の棘を抜くセイと、セイが微妙に使い分ける島言葉のエロチシズム効果は抜群。
文章にムダがなくさすが井上光晴の娘さんという言い方は失礼か。

どこを取り上げてもクラクラするほどいやらしい...
と 言うような不埒な読み方も出来る軸のしっかりした一冊。
切羽へ Amazon書評・レビュー: 切羽へより
4104731021
No.29
(4pt)

極めて上質なハーレクインとしての読み方

読んでいて、設定がやけに分かり易くエロティックだなぁ と思った。
登場人物の輪郭がステレオタイプに分かりやすい>が安っぽくならないというのは
最新刊『静子の日常』でも感じたが、これは作者のたぐいまれな文章力ゆえの余裕か。

閉じられた南の島というロケーションに
長い髪にいつも白いブラウスとニットのロングスカートという画家の妻。
おまけに(ナースではないが)彼女は養護教員。

グラーマーで、その上いつでも体にぴったり張りつく服を着ている
『本土さん』と戦闘的な不倫をかさねている同僚の女教師。
そこへ「地の裂け目から現れたような」殉教のキリストとみまがう顔をした不思議な男。
なんと こちらは音楽教師。

岬の住宅で初めて見かけた男はなぜか木製の大きな本棚をハンマーで叩き壊しており
霧雨にけぶる校庭には男の弾くピアノが流れ...
と こういうふうに書くとなんだかハーレクイン小説のようだが
実際「大人のための恋愛小説」という意味で上質なハーレクインなんだと思う。

抜群の文章センスと卓越した緻密な構成力(プラス作者の洒脱な感性)が
ややもすれば『叙情的』『純文学的』な方向に読者を連れ去ってしまうが
この作品は直木賞の位置にあってこそ正しい。
恋愛小説ときいて一番に挙げたい一冊に姫野カオルコ「ツ・イ・ラ・ク」があるが
余談ながらこちらは(やって やって やって)やりながら、 純愛に向かっている。

反してなにもしないこと...のいやらしさ(ほかに的確な日本語がみつからないので)としたたかさ。
「寝た、寝た」と公言する同僚の教師、月江の「妻って人種はきっとみんな妖怪なのね」
という言葉に主人公セイの設定を面白がりつつ
移ろう島の自然の如くそれを静観している作者井上荒野が垣間見える。
保健室で男の棘を抜くセイと、セイが微妙に使い分ける島言葉のエロチシズム効果は抜群。
文章にムダがなくさすが井上光晴の娘さんという言い方は失礼か。

どこを取り上げてもクラクラするほどいやらしい...
と 言うような不埒な読み方も出来る軸のしっかりした一冊。
切羽へ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 切羽へ (新潮文庫)より
4101302545
No.28
(4pt)

ゆっくり読みましょう

簡単な文なのであっさり読めるが、
ゆっくり味わいながら読まないと、それで終わりなの?って感じだろう。
繊細で静かな内的世界をを堪能したい人にはおすすめです。

ただ、せっかく舞台が小学校なのだから子どもたちの表現にはもっとリアリティーが欲しい。
どの子もお利口で、でしゃばらず、大人の添え物みたいだ。
切羽へ Amazon書評・レビュー: 切羽へより
4104731021
No.27
(4pt)

ゆっくり読みましょう

簡単な文なのであっさり読めるが、
ゆっくり味わいながら読まないと、それで終わりなの?って感じだろう。
繊細で静かな内的世界をを堪能したい人にはおすすめです。

ただ、せっかく舞台が小学校なのだから子どもたちの表現にはもっとリアリティーが欲しい。
どの子もお利口で、でしゃばらず、大人の添え物みたいだ。
切羽へ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 切羽へ (新潮文庫)より
4101302545
No.26
(4pt)

印象派の絵画のよう

印象派の絵画鑑賞をし終わったかのような読後感。
人間味あふれる脇役たちが繰り広げるドラマと
主人公の緩慢な心の動きが対照的。

トンネルを掘る工事で、穴が繋がるまでの一番先っぽのところ
「切羽」きりは というそうです。
トンネルがつながってしまえば、切羽はなくなる。

この主人公の心は、まさに切羽なのだろうと思う。
舞台は、南の小さな島。
養護教師であり、妻である主人公の女性の心を追った
恋愛小説。

九州の方言がなんとも心地いいです。
切羽へ Amazon書評・レビュー: 切羽へより
4104731021
No.25
(4pt)

印象派の絵画のよう

印象派の絵画鑑賞をし終わったかのような読後感。
人間味あふれる脇役たちが繰り広げるドラマと
主人公の緩慢な心の動きが対照的。

トンネルを掘る工事で、穴が繋がるまでの一番先っぽのところ
「切羽」きりは というそうです。
トンネルがつながってしまえば、切羽はなくなる。

この主人公の心は、まさに切羽なのだろうと思う。
舞台は、南の小さな島。
養護教師であり、妻である主人公の女性の心を追った
恋愛小説。

九州の方言がなんとも心地いいです。
切羽へ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 切羽へ (新潮文庫)より
4101302545
No.24
(4pt)

繊細な大人の恋愛小説

井上荒野さんの作品は初めて読んだけど、不思議な文章を書く人ですね。
サラサラと読める読みやすい文章なのに、お互いに触れることすらなく、ぎこちなく求め合う二人の緊張感が行間にまで溢れている。
繊細で官能的。まさに大人の恋愛小説ですね。

出会いは3月。4月、5月、6月・・・と季節の移ろいとともに高まる思い。
決定的な出来事は何もないのに、二人が惹かれあっていることには島の誰もが気づいてる。
思いは日に日に募るのに、何の行動も起こさない主人公とは逆に同僚の月江は誰に隠すこともなく、堂々と不倫の恋に身を焦がしている。
この対照的なコントラストも作品の激しさを増しています。

タイトルにも使われている「切羽」という言葉は、「トンネルを掘っているいちばん先の部分」という意味らしい。
つまり、トンネルが完成すればなくなってしまう部分。
精一杯の勇気を出しても切羽までしかたどり着けなかった二人・・・。
このもどかしさが余韻として残ります。
久しぶりに大人の味わいのある恋愛小説に出会いました。
切羽へ Amazon書評・レビュー: 切羽へより
4104731021
No.23
(4pt)

繊細な大人の恋愛小説

井上荒野さんの作品は初めて読んだけど、不思議な文章を書く人ですね。
サラサラと読める読みやすい文章なのに、お互いに触れることすらなく、ぎこちなく求め合う二人の緊張感が行間にまで溢れている。
繊細で官能的。まさに大人の恋愛小説ですね。

出会いは3月。4月、5月、6月・・・と季節の移ろいとともに高まる思い。
決定的な出来事は何もないのに、二人が惹かれあっていることには島の誰もが気づいてる。
思いは日に日に募るのに、何の行動も起こさない主人公とは逆に同僚の月江は誰に隠すこともなく、堂々と不倫の恋に身を焦がしている。
この対照的なコントラストも作品の激しさを増しています。

タイトルにも使われている「切羽」という言葉は、「トンネルを掘っているいちばん先の部分」という意味らしい。
つまり、トンネルが完成すればなくなってしまう部分。
精一杯の勇気を出しても切羽までしかたどり着けなかった二人・・・。
このもどかしさが余韻として残ります。
久しぶりに大人の味わいのある恋愛小説に出会いました。
切羽へ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 切羽へ (新潮文庫)より
4101302545
No.22
(4pt)

「気配」を写しとった小説

第139回 直木賞受賞作品。

「気配」を写しとった小説。

みつめる眼差し、声のトーン、不自然なみじろぎ・・・
秘めても秘めても漏れ出してしまう恋の気配。

その二人の間に磁場が発生していることは、何も行動に起こさなくても周囲に伝わる。
自分も知っている、相手も同じ思いでいてくれる、夫も気づいている、
親しい友達にも、それどころか、勘のするどい遠い他人にさえ・・・。

キスさえしない。
それなのに、身体ごと持っていかれる。

初めてです、こんな恋愛小説。
切羽へ Amazon書評・レビュー: 切羽へより
4104731021
No.21
(4pt)

「気配」を写しとった小説

第139回 直木賞受賞作品。

「気配」を写しとった小説。

みつめる眼差し、声のトーン、不自然なみじろぎ・・・
秘めても秘めても漏れ出してしまう恋の気配。

その二人の間に磁場が発生していることは、何も行動に起こさなくても周囲に伝わる。
自分も知っている、相手も同じ思いでいてくれる、夫も気づいている、
親しい友達にも、それどころか、勘のするどい遠い他人にさえ・・・。

キスさえしない。
それなのに、身体ごと持っていかれる。

初めてです、こんな恋愛小説。
切羽へ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 切羽へ (新潮文庫)より
4101302545
No.20
(4pt)

何も起こらないけど官能的、で、人として真っ当

こんな描き方って好きだなあ〜
井上光晴の娘さんかあ、さすがだなっておもった。
「切羽」「荒野」・・表紙のこの言葉だけで、
なんだかドキドキワクワクしたが、読んでみて、
その期待を裏切らない小説だった。

☆四つは、これからにおおいに期待してるからです。
切羽へ Amazon書評・レビュー: 切羽へより
4104731021
No.19
(4pt)

何も起こらないけど官能的、で、人として真っ当

こんな描き方って好きだなあ〜
井上光晴の娘さんかあ、さすがだなっておもった。
「切羽」「荒野」・・表紙のこの言葉だけで、
なんだかドキドキワクワクしたが、読んでみて、
その期待を裏切らない小説だった。

☆四つは、これからにおおいに期待してるからです。
切羽へ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 切羽へ (新潮文庫)より
4101302545
No.18
(4pt)

愛する妻を見守る夫の物語

一番心に残ったのは主人公のセイの夫である。セイの心の動きを本人以上に全て敏感に感知していたのは夫ではなかっただろうか。石和の存在により、セイの心の中に立った小さな波に気づく。ただ、それを本人に問い詰めることはしない。ただ、見守る。大きくならないよう念じながら見守る。ただ、見守るだけ。東京での打合せもそこそこに予定より早く戻ってきてセイを見守る。

夫にとって一番の試練は、亡くなったしずかさんの遺品の整理にセイが向かったときである。そこには小学校を辞めて行方不明になった石和が来ているであろうことをなぜかセイは予感していた。夫も自分から離れていくセイを追って、故しずかさん宅に向かう…。しかし、セイは現れた夫にを残して、石和とある場所に向かう。そこがこの本のタイトルでもある“切羽”である。帰ってこないかもしれない妻を気をもみながら待つ夫の気持ち。“あのとき夫は、床にぺたりと座り込み、私たちが放り出していった作業を一人黙々と続けていたのだ”という切羽から夫のもとに帰ってきたセイの回顧シーンに現れている。戻ってきた妻が自分を呼ぶ声に、夫は振り返り、“ああ、戻ってきたとね”と妻に微笑するのである。

そして、最後に石和が島を出て行くのを、一人で見守り、そっと祝杯をあげる。

そんな愛する妻を見守る夫の物語は、淡くかすかだが、確かに張り巡らされた伏線から読み取ることができる。セイが切羽から引き返してくることができたのはこの夫ゆえなのだろうか。
切羽へ Amazon書評・レビュー: 切羽へより
4104731021
No.17
(4pt)

愛する妻を見守る夫の物語

一番心に残ったのは主人公のセイの夫である。セイの心の動きを本人以上に全て敏感に感知していたのは夫ではなかっただろうか。石和の存在により、セイの心の中に立った小さな波に気づく。ただ、それを本人に問い詰めることはしない。ただ、見守る。大きくならないよう念じながら見守る。ただ、見守るだけ。東京での打合せもそこそこに予定より早く戻ってきてセイを見守る。

夫にとって一番の試練は、亡くなったしずかさんの遺品の整理にセイが向かったときである。そこには小学校を辞めて行方不明になった石和が来ているであろうことをなぜかセイは予感していた。夫も自分から離れていくセイを追って、故しずかさん宅に向かう…。しかし、セイは現れた夫にを残して、石和とある場所に向かう。そこがこの本のタイトルでもある“切羽”である。帰ってこないかもしれない妻を気をもみながら待つ夫の気持ち。“あのとき夫は、床にぺたりと座り込み、私たちが放り出していった作業を一人黙々と続けていたのだ”という切羽から夫のもとに帰ってきたセイの回顧シーンに現れている。戻ってきた妻が自分を呼ぶ声に、夫は振り返り、“ああ、戻ってきたとね”と妻に微笑するのである。

そして、最後に石和が島を出て行くのを、一人で見守り、そっと祝杯をあげる。

そんな愛する妻を見守る夫の物語は、淡くかすかだが、確かに張り巡らされた伏線から読み取ることができる。セイが切羽から引き返してくることができたのはこの夫ゆえなのだろうか。
切羽へ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 切羽へ (新潮文庫)より
4101302545
No.16
(5pt)

久々に“美しい”と思える恋愛小説でした

夫を深く愛しているからこその物語だと思う。
それでも普段隠れている自分のどこかが、夫とは違うものに惹かれ、
どうしようもない想いにとらわれて行くのもよくわかる。
単調な島の生活の中で、その刺激的な想いは主人公の内で強くなっていくのだけれど、
その合間にも描かれる夫との馴れ初めや日常生活が、
夫への愛の深さを再確認しているようにも思う。

そうして淡々と描かれて行く物語は、強烈ではないけれども、
美しい印象を残してくれた。
愛というものの深さ、恋というものの切なさ。
荒野さんの小説は、文体や漢字の分量も美しく感じられる。

余計ではありますが、
その昔、純愛物だからと「マディソン郡の橋」を薦められて読んで、憤慨した私のような者には、
「切羽へ」は、涙が出るくらいの純愛小説でした。
切羽へ Amazon書評・レビュー: 切羽へより
4104731021
No.15
(5pt)

久々に“美しい”と思える恋愛小説でした

夫を深く愛しているからこその物語だと思う。
それでも普段隠れている自分のどこかが、夫とは違うものに惹かれ、
どうしようもない想いにとらわれて行くのもよくわかる。
単調な島の生活の中で、その刺激的な想いは主人公の内で強くなっていくのだけれど、
その合間にも描かれる夫との馴れ初めや日常生活が、
夫への愛の深さを再確認しているようにも思う。

そうして淡々と描かれて行く物語は、強烈ではないけれども、
美しい印象を残してくれた。
愛というものの深さ、恋というものの切なさ。
荒野さんの小説は、文体や漢字の分量も美しく感じられる。

余計ではありますが、
その昔、純愛物だからと「マディソン郡の橋」を薦められて読んで、憤慨した私のような者には、
「切羽へ」は、涙が出るくらいの純愛小説でした。
切羽へ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 切羽へ (新潮文庫)より
4101302545
No.14
(4pt)

美しい作品

二十歳そこらのガキが読んでも深く味わえない小説が直木賞を受賞して、喜ばしいことです。団塊の世代が大量にリタイアして、よき読者になることを期待すれば、この傾向がしばらく続いて欲しいと思います。
 淡い色彩のちょっと幻想的な風景画から、物語をすいっとすくいとって、季節のめぐりにそうっと流したような、そんな作品。意味ありげなエピソードも、登場人物の口にする言葉も、どういうことだろうと深読みしようとすると、作品の色彩が死んでしまう。
 主人公の好きになる男が、けしていわゆるいい男ではなく、ちょっと滑稽な感じがするところが、よかったです。世の中からかなりはぐれていて、一心不乱に盆踊りを踊ったり、女を挟んで恋敵と取っ組み合ってみたり。これがいわゆるいい男だったら、この物語の色彩がまったく違ったものになってしまったと思います。
余談ですが、このレビューのコーナーって、明らかに担当編集者が書いたと思われるものがありますよね。作品の紹介が的確で、文章もシロウトと違って読みやすい。購入する際にとても役立ってます。頑張ってください。
切羽へ Amazon書評・レビュー: 切羽へより
4104731021
No.13
(4pt)

美しい作品

二十歳そこらのガキが読んでも深く味わえない小説が直木賞を受賞して、喜ばしいことです。団塊の世代が大量にリタイアして、よき読者になることを期待すれば、この傾向がしばらく続いて欲しいと思います。
 淡い色彩のちょっと幻想的な風景画から、物語をすいっとすくいとって、季節のめぐりにそうっと流したような、そんな作品。意味ありげなエピソードも、登場人物の口にする言葉も、どういうことだろうと深読みしようとすると、作品の色彩が死んでしまう。
 主人公の好きになる男が、けしていわゆるいい男ではなく、ちょっと滑稽な感じがするところが、よかったです。世の中からかなりはぐれていて、一心不乱に盆踊りを踊ったり、女を挟んで恋敵と取っ組み合ってみたり。これがいわゆるいい男だったら、この物語の色彩がまったく違ったものになってしまったと思います。
余談ですが、このレビューのコーナーって、明らかに担当編集者が書いたと思われるものがありますよね。作品の紹介が的確で、文章もシロウトと違って読みやすい。購入する際にとても役立ってます。頑張ってください。
切羽へ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 切羽へ (新潮文庫)より
4101302545