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しょうがの味は熱い
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しょうがの味は熱いの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.37pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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久々に小説を読みましたが、すらすら読め、面白かったです。 彼氏がなかなかプロポーズをしてくれない女性には何か気づきになるものがあるかもしれないと思いました。 甘ったるい、ムカムカする、こんなカップルありえない、と評する方もいるみたいですが、いますよ、こんなカップル。 男女の心のすれ違いが生々しく、心に刺さりました。女は相手に依存しすぎて現実から逃げ、男は繊細で現実的すぎて将来が考えられない。 個人的な考えでは、結婚せずに同居し続けて女をただつなぎとめておくのは無責任だと思うし、女のように結婚したら何かが変わると期待するのも間違いだと思う。 既婚の友人のあっさりとした態度が、実際の結婚生活の在り方をよく表していると思いました。 | ||||
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特別印象的な、深刻な内容ではないのですが、ぐんと年上から見ると「大丈夫かなあ?これじゃ」と思い、「しっかりしないともっと困るよ、寂しくなるよ、男を見なよ」と言いたくなる。面白いほど、ダメ女に見える。 | ||||
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愛情はあるが相性の悪い同棲カップル。結婚したい女と結婚に後ろ向きな男のウダウダすったもんだが描かれた連作二編。 愛情?それともただの情?将来のダメさを予感しながらも、決定的に別離を選択できない二人。 本作品の主人公は、結婚に対して何を求めているかも判然としなくなっている。些細な事にイラっとしながら目をつぶって日々を過ごすのは、生活をともにする男女によくある風景だが、そのやんわりと鬱屈した感情が上手く表現されている。絶対幸せになれそうもない二人ですわね。 本作品には著者独特のステキな表現は少なめかな。 | ||||
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綿矢りささんの作品大好きです。登場人物の2人、おそらく結婚してもうまくいきません。 生理的には嫌いじゃないから一緒にいるだけです。でも、2人でいることは時間の無駄ではないのです。 泣いたり、喧嘩したり、出て行ってしまったり、それを追いかけたり、 一度しかない人生を一生懸命いきたらいいのです。 希望がないようで、希望を与えてくれる作品です。 | ||||
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同棲しているカップルの話。 双方の考え方がそれぞれ丁寧に描写されていて、読むのが辛かった。でも少々、このカップルには生活感が感じられないため、突き放して読むことができる。「これは小説だから」と。 家に電子レンジも置かない、必要なものだけで簡素に生活する絃はミニマリストなのか少々怖い。だらしないところが無い。 そして奈世はそんな絃の生活のルールに合わせて同棲できている。凄い。 また奈世は世間離れした考え方をされている。絃と同じ大学を出ているため、企業に就職できそうなものを、児童館のバイトにしてしまう。忙しくないからなのか、もともとなのか、ふんわりした考え方だから「もしかしてこの子は幽霊じゃなかろうか」と怖くなる。 そんな変わったカップル。 奈世は彼に依存しているようで、していない。自分で決めた職で、得られる僅かな賃金でやりくりし、それを、彼のせいだとは考えていない。 帰ってくる彼のために夕食を作って毎日待っている。しかしそれが嫌だとは考えず、ごく普通の毎日としてらこなしている。 これらは簡単そうに見えて難しい。 | ||||
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理性で考えなかなか結婚に踏み切れない男。 感情で突っ走り結婚すれば欠けている何かが埋まると思う女。 見事にすれ違いながらいつかきっとピースがカチッとはまるはず、 とお互い思いつつどうすればそうなるか分からない2人。 読んでいてこんなカップル今の世の中たくさんいる気がした。 章の主観が女の時には煮え切らない男の態度を不満に感じ、 主観が男の時には勝手に突っ走る女に恐怖を感じたりもする。 両親が登場した時にはやはり「そりゃそうだよな」と両親の 意見が正しくも感じる。つまりそれぞれがそれぞれに正しいのだと思う。 一人暮らしの自由と不安定な心情も含め描き方が秀逸。 連続する2つの短編から成っているがタイトルにもなっている1つめの 短編のラストが2人の特徴を表しておりさらに見事な完結を見た(派手では なく、分かりやすくもない)ため個人的にとても気に入った。 | ||||
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同棲とそれに続く結婚への決意を追体験できる一冊。 男性から見た同棲とそれに続く結婚、そして仕事との摩擦を表すと同時に、女性から見た同棲と結婚を描いています。 結婚が現実味を帯びてきた年齢の方が読むと得るものもあるのではないでしょうか。 以下、若干のネタバレ。 男女が感情的に、勢いに任せて結婚を決意してしまったときに親という歯止めが働く現実味あるシーンでは、それまで心情描写が続いていたところから会話劇が始まり、本を読んでいるにもかかわらず現実に引きこまれていくような気分で読み進めることができました。 「自然に、とてむスムーズに」というセリフが大きな意味を持って語られているので、その部分が光って見えました。 今後結婚するときには自然、とてもスムーズに結婚できるといいなぁと思い、きっとまた本作を思い出すのだろうと考えてしまいました。 | ||||
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「煮え切らない男と煮詰まった女の、現代の同棲物語」 アマゾンの作品紹介のコピーも秀逸! 本作は、女から見た結婚観と男から見た結婚観が、見事に表現されています。 女は結婚がゴールだと思っていて、結婚さえすればこの煮詰まった状況が打破できると思い込んでいる。 男は結婚がスタートだと思っていて、付き合っている現状でも喧嘩が絶えないのに、結婚なんかしてうまくいくはずがないと思っている。 どちらも正しいし、どちらも自分が正しいと思っている。 だから平行線で、いくら話し合っても着地点が見付からない。 女性が男性を追い込んでいく様を、こんなにリアルに見事に描いた小説は他に無いと思う。 女は男の帰宅を待ち構え、発電できそうなくらいのパワーで追い込んでいく。 男が自分にウンザリしてきているのは分かっている。 分かっているけど、あと一歩、あと一言、まだ追い込める余地があるのでは?と思う。 男は女のことをちゃんと好きだったのである。 でも仕事でクタクタに帰ってきた後での毎晩の女の追及に、もはや女のことが好きなのかよく分からなくなっている。 女のことが好きなのかはよく分からないが、こんな状況で結婚してもうまくいくはずが無いことは分かっている。 女はもはや男と結婚したいのか、単に男を頷かせたいのか分からなくなっている。 この男が自分と結婚したいと思っていないことが許せないのである。 きっと私のことが好きではないんだ。そうに違いない。 「私のこと本当はどう思っているの?」「もう好きじゃないんでしょ?」と更に追い込む。 力尽きた男は、もう好きじゃないと言ってしまう。 そこでようやく女は安堵するのである。 やっぱり!そうだと思った! 石橋を叩いて叩いて叩き割る。 ね、やっぱり割れたでしょ? 渡らなくて良かったー! この疑心暗鬼からの解放によって得られる安堵感。 ラース・フォン・トリアー監督の『メランコリア』でも描かれています。 隕石の衝突により地球が滅亡する。 隕石が衝突する寸前で、主人公はとても幸せそうな表情をするのですね。 もうこれで隕石が衝突したらどうしようと悩むことはない!不安から解放される! 私も自滅型なので、とても共感しました。 ぜひ未婚の男女に読んでもらいたいなぁ。 うまくいっていない既婚者にもお薦めです | ||||
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双方の気持ちが盛り上がっている間はプレ新婚でバラ色の毎日。 でも一緒に暮らすうちに愛の温度差が段々開いて行ったり、双方の結婚願望に落差があるとつらさもひとしお。 奈世はまるで日々小さな失恋を体験しているよう。 そんな状況が纏綿と描かれています。 語り手が彼女→彼と交互になっていて、同じ出来事の受け止め方の違いが描かれています。 現実はこの小説のラストのようにはならないケースが多いのではないかと思いますが・・ 瑞々しく女の子らしい作風が好きです。 | ||||
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綿矢さんの作品では「最初の1行」でガシッ!っと掴まれてしまうのですが、 今回は特にそういうこともなく淡々と始まり終わった気がします。 気づくと、いつものように「いつ爆発するのか?」と期待しながら読んでいる自分がいました。 綿矢さんってこういうのも書けるんですね。 男性目線と女性目線の違い、性別が異なるとここまで考えが違うのか、 しかもほとんど真逆?そういうのが綿矢さんの言葉で細かく丁寧に書かれていたと思います。 小説だけどほぼ実話みたいな小説です。 若い女性、独身の女性には参考になるのではないでしょうか。 | ||||
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大好きな綿矢りささんの新刊なので迷わず購入しました。 標題作は、2008年に雑誌掲載されたもので、 すでに刊行されている『勝手にふるえてろ』『かわいそうだね?』『ひらいて』よりも前に書かれたものです。 綿矢りささんの小説の醍醐味は、 思わず「あるある!!!」と叫んでしまうような超リアルな日常の描写と、 声を出して笑ってしまうくらいの登場人物たちの暴走、 にあると、私は思っているのですが、 「しょうがの味は熱い」は、そういう雰囲気が少し影をひそめているように思います。 「あるある」描写は秀逸ですが、綺麗なものを選んで書いているような気がして、 例えば、冒頭の 「整頓せずにつめ込んできた憂鬱が扉の留め金の弱っている戸棚からなだれ落ちてくるのは、きまって夕方だ。」 という文章は、とても素敵で「わかるわかる」っていう状況描写なんですが、 いつもの、めっちゃわかるけどあえてその状況を描写しようってよく思ったな!っていうのではない気がします。 真面目で綺麗な雰囲気。 他の話がふざけている、というわけじゃないんですが! 何となくですが、江國かおりさんの小説と同じような雰囲気を感じました。 二編目の「自然に、とてもスムーズに」では、ちょっと雰囲気が戻っています。 でも、流れている空気はやっぱり少し切ない。 登場人物の不安な気持ちが、胸に痛いです。 でもこのセンチメンタルなかんじが、『ひらいて』や『亜美ちゃんは美人』に繋がっているのかもしれません。 テーマは、同棲と結婚、に伴う様々なすれ違い。 すれ違いも綿矢さんの小説の主要なテーマかな、と思います。 男女の違いに終始せず、恋愛について書けるのがさすがだな、と思いました。 「本の話」のウェブサイトにインタビューがありますよ〜☆ | ||||
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