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魔術はささやく
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【この小説が収録されている参考書籍】
魔術はささやくの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.05pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全69件 41~60 3/4ページ
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日本推理サスペンス大賞受賞 このミス91年 9位 刊行順で言うと、本作はデビュー2作目にあたる。 一件無関係に見えた3名の若い女性の死亡事故に巻き込まれた高校1年生の守が、事件の謎を解き明かしていく作品である。このメインのミステリーに、横領の罪をおかして失踪した父親の行方をうまく絡め、上級のサスペンス作品に仕上がっている。 また、宮部氏の他の作品にもみられる特徴であるが、守を取り巻く、あたたかく、強い登場人物達や、守自身が成長をしていく過程についても心地よく読むことができた。特に、事件が解決した後であえて「最終章」を書いているところに、単なるミステリーに終わらせまいとする作者の強い意志を感じることができた。 | ||||
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主人公の少年の過去と 現在の3人の不可解な自殺の事件が絡み合って、 面白くって一晩で読んでしまいました。 人身事故を起こしてしまった父親とその家族の心情もリアルに描写され もし自分の家族が人身事故を起こしてしまったら・・・、 とリアルにこわくなりました。 最初は主人公がとても不憫でクラスではいじめてくる奴もいるけど、 友人や家族がとてもいい人達で、 主人公も芯がしっかりしていて事件の真相を知ろうと奔走します。 やはり宮部みゆき、後半は怒涛の展開を見せます。 ラストもよかったです。 | ||||
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何より、主人公の淡々とした芯の強さ、頑なに真っ直ぐで、意志の強い人間性に惹かれました。 次々と彼に降りかかるどんな重い現実も、決して他言することなく、自分一人の心に秘め、周りの人間を「守る」。 そんな彼の次の動向が気になって気になって、かなりのペ−スで読み進めた一冊でした。 ミステリーであんなに涙が出たのは初めてでした。 何でも一人で背負ってしまう守に感情移入しすぎたせいで、途中かなり疲れましたが(^^; 他にもかかれている方がいるとおり、守の周囲にも 魅力的な人物が盛りだくさん。 個人的に好きなのは、あねご。守の母親。どちらも 驚くほど「強い優しさを持った女性」でした。 | ||||
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恥ずかしながら宮部みゆきさんの本をこの作品にてはじめて読みました。 単純に推理ものだろうと思いながら、守の家庭環境や過去を知るにつれ、トリックや真相のみでなく、物語全体を彩る人間ドラマ全体に魅せられていった気がします。 守のまわりには実にさまざまな顔をもつ人間たちがいて、そしてそのどれもが闇をかかえ、人間くさく、醜く、寂しい人たちでした。その人たちがたまたま今回の事件に何らかの形で関わり、さまざまに影響を受けながら、リアルな人生を歩んでいる・・・それを読者である私は間近で見ることができたような思いです。 私は、この作品と出会って、宮部さんの人間描写力に舌を巻きました。 しかし、魔術というのは非現実的で、本当にこの小説に書かれているように、人間を自由自在に操ることができるのかどうかは疑わしく思いました。せっかくとてもリアリティの高い描写がされているのに、最終的にありそうもない魔術に帰結したのは、少し残念に思います。 でも、それを差し引いても十分面白かったので星4つで。 | ||||
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自殺に見せかけた連続殺人。次は自分の番とおびえる若い女性。真相に迫るうちに、人間の深い闇の部分を利用した魔術の正体が明るみになっていく…。 主人公の少年の、生い立ちに負けないまっすぐな生き方に心打たれ、実は犯人よりももっと大切なものを追っているのだと分かりました。少年を取り巻く大人たちや同級生。とても人物がよくかけている作品だとと思います。 失踪した父の思いを引き継ぐ、少年への愛。結末が、とても美しくドラマチックなミステリーでした。 | ||||
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約3日で読めた。これはかなり速い。ただ、最近読んでた宮部作品ではめずらしくドキドキ感がなかった。気持ちを揺さぶるような感覚。 だから終始あっさりとした感じ。自分がそういう心理状況だったからか。でも、おもしろかったのは事実。 特に吉武の告白のところ。「僕」と母を見続けて、助けたりしていたこと。よくここまで物語を創作できるもの。素晴しい。 | ||||
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宮部さんならではの盛りだくさんの構成と登場人物で読者を満足させてくれます。 法の網を潜り抜けて、犯罪などとは全く関係ないと言うような顔で過ごしている人たちにも、罪悪感という下意識に刻み込まれているものまでは、消し去ることがでずきないというのも業だと思いました。そんな罰されない犯罪者をその下意識に働きかけることによって自殺という形で罰してしまうのだから、これはまさに魔術でしょう。 自殺の謎が明らかになるにしたがって、も一つの真相が分かってきます。お楽しみに・・・。 | ||||
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たしかにミステリーではあるのですが、読んでいる最中にも、そして読み終えた後にも、推理小説を読んだ、という感じはあまりしません。のっけから面白い、先は見えないのに途中の展開も面白い、とうぜんクライマックスも一読巻置く能わざる、という感じでのめり込む。つまり、面白い小説なのです。ただ、ミステリとして見た場合、この犯行手段は乱歩の時代ならともかく、今描くにはちょっと都合良すぎるのでは…。このあたりにもうちょっと合理的な手段があれば…。 | ||||
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宮部作品を読みたくて読みたくて、さて何を読もうかと迷っていた時にたまたま古本屋で見つけたのがこれで、私の記念すべき宮部みゆき初体験(笑)の作品。まず驚いたのが、主人公とその回りを固める脇役におけるキャラクター設定の見事さ! 登場人物全ての性格設定に奥深さがあり、全ての人物にそれぞれの魅力がある。普通は読み終われば、おぼろげなストーリーは反芻できても細かなシーンなど忘れてしまうものだが、この作品は読後数ヶ月経っているにもかかわらず、次々と印象的なシーンが思い浮かぶ。特に好きなのは、意地悪な同級生に主人公が蜂の一刺しを返すシーン。ここでは主人公が、ある意図を持って行動を起こす。しかし、読者にはその意図が分からない。だが、経過と共に意図が明らかになってきて、その章の終わりで大きなカタルシスが訪れる。つまり、このシーンひとつとっても一級のミステリーなのだ。全体の構成では事件が解決しても、その後に主人公の精神的な「成長譚」がドキドキのサスペンスを伴って挿入される。物語の根幹をなす「催眠術」という道具立てが荒唐無稽過ぎるとの批判もあるようだが、それはあくまでも道具立て。「催眠術って、そんなに上手く行くの?」という疑問さえ差し挟まずに読むことができたなら、きっと面白く読めるはずだ。私的には、ストーリー構成、物語の奥行き、登場人物設定、どれもがハイレベルで素晴らしい作品だと、自信をもってお勧めできる。 | ||||
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単なる謎解きの推理小説だけではない。様々な謎が次から次へと迫ってくるそんな中ででも登場人物の人物描写がていねいに細かく表現されており,謎がとけなくても十分小説になっている。結末へ続く謎解きはこのミステリーをさらに深いものにしている。網の目のように複雑にからまる人間の生み出した暗い謎の奧にあったものが,これも人間らしい深い愛情であったというところが救われた気持ちになる。宮部みゆきを読むならまずここから読んで欲しい。 | ||||
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新聞の社会欄に載った一つの交通事故から始まる予想外のストーリー親戚に引き取られた高校生の主人公がある特技で交通事故の背景を知り友を助け、事件の真相に近づいていく。 友人を自殺未遂に追い込んだ同級生に対する主人公なりの復讐に描かれた少年像は僕の自己体験を追体験させてくれるような錯覚に落ちた。ミステリーの枠に留まらない、この小説を自分より弱い存在に暴力を振るう少年達に一度呼んでほしいと強く願います。 ストーリーの展開は自分でお確かめください。今ここで僕が漏らしてしまって、楽しみを奪いたくはありませんから。 | ||||
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僕は宮部さんのファンで、宮部さんの作品をいろいろと読んで楽しませてもらっていますが、ある意味ではこの作品が個人的には一番好きです。でも、この作品は他の代表作に比べて、読者の評価はそれほど高くないようなので、レビューを書きたくなりました。宮部さんの作品が良いのは、その見事なストーリー構成もさることながら、世の中の不条理、そこから生まれる怒りや苦しみなどの現実的で深刻な問題を正面から描きながらも、最後はなんらかの「答え」を出そうと努力し(その意味で少し理屈っぽいと言えば理屈っぽいけれど)、そして自分なりの答えを提示するのだけれど、その答えがとても暖かくて、前向きで、ほっとできるものになっていることも大きな原因なのかなと思っています(現実に押しつぶされて終わる作品もたまにありますが)。そういう意味での現実との格闘が、「魔術はささやく」では大成功をおさめているように思います。この作品は「憎しみ」という感情と格闘していますが、その視点は暖かく、答えは劇的にもたらされ、読後感は爽やかです。現実的で誠実だからこそ傷ついて、後ろ向きになってしまう。でもできることなら前を向いて、全てを受け入れて生きていきたい。正しい答えはこんなふうにぼんやりと分かっているのだけれど、割り切れない思いが胸から離れず、前に進めなかったことのある全ての人に、この本をおすすめしたいです。 | ||||
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謎解きよりは守くんの問題がどうなるのかな、と気になりながら読みました。ラストで犯人に選択を迫られるあたりは、守くんの心のゆれや迷いが伝わってきてドキドキしながら読みました。もちろん先も読めませんでしたし・・・。ラストもよかったと思います。 | ||||
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すごい。こんなミステリーは読んだことがない。ミステリー部分のツメの甘さなどを引き合いに、批判的ないわれ方をすることも少なくないない作品である。が、逆にいえば、それらを差し引いても、読ませてしまう物語なのだ。「ミステリー」の体裁を借りながら、「下町人情もの」「社会もの」としても成立しているが私はなにより、最高の「青春もの」として読ませてもらった。幼いころからの境遇のためもあって、「錠前破りの名人」にして人知れず心の奥底に「鍵」をかけてしまっている少年、日下守。居候先の主人であり、タクシー運転手をしている叔父が人身事故を起こしたことで、じわじわと解きあかされはじめる、失踪した実父にまつわる意外な事実。15歳の彼が、持てる限りの知恵・行動力を駆使しながらも悩み苦しみ抜いた末に下す、たったひとつの決断。読み進めるうちに、彼と一緒に苦悩し、同じテンポで呼吸している自分に気づき苦笑してしまう。そして、決してこんなに「強く」生きてはいなかった、この年頃の自分自身を思いかえす。私自身が彼とほぼ同時代を生きていたことが、余計に過剰に感情移入させるのかもしれないが自分の子供が同じくらいの年齢になったとき、そっと家の本棚にしのばせ、手に取るのを覗き見たい・・・そんな気分にさせる小説である。 | ||||
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とにかく!みゆき「姫」の作品はミステリであってミステリではない。無造作に人が殺され,その謎と犯人を推理するだけのミステリではない。泣くのだ。主人公の心の傷や痛みを共有し。泣くのだ。殺された者の無念を知って。更に泣くのだ。最悪の悲劇の中に、希望のかけらを見出すことが出来た幸せに。こんなミステリを、そしてミステリ書きを、私はほかに知らない。私はこの作品中、3回泣いた。あなたは何回泣くことができるだろうか? | ||||
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ミステリファンには二種類いる。トリック重視な物を好むか、人間の心理描写が巧みな物を好むかだ。そして宮部みゆきは、松本清張と同様、間違いなく後者のミステリ作家だと思う。宮部は、この作品で催眠術というものを扱って、人の復讐心を問う。作品のラストに疑問を持っている方もいるようだが、それは、事件解決があまりにも単純な物を読みすぎているのでは無いか。主人公の守少年は、復讐が出来るチャンスを犯人から貰う。少年は、犯人に心を試されるのだ。この内面の戦いこそが、この小説の最大のクライマックスであり、そういった主人公の抱えている葛藤を理解しなければ、宮部作品は何を読んでも理解出来ないかも知れない。彼女の書く、事件解決方法の多くは、内面の戦いの結果なのだ。そして、ラスト、守少年の選択に、私自身は胸を打たれた。トリック重視の方には物足りなさもあるだろうが楽しめる、という点で星は最高点。 | ||||
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この後に書いた「レベル7」にしてもそうだが、読みやすさとすピーティーさには変わらない。宮部みゆきの長所でもあるのだろう。 主人公日下守の伯母の夫であり、タクシー運転手である日下敏夫が、深夜女性を轢いてしまう。その前に2つの事件があり、守自身も関わっていくことになる。 読者としては真相というよりは、この先どうなっていくかが知りたくてたまらない。そこが、探偵役の守とは違うのである。ある程度のネタバレがあるせいで、違った視点から見れるから面白い。テンポがよいし、守に関わる人の温かさが何よりだ。 後半は違った方向へ進むことになる。そこで前の事件との関連性がでてきて、ある意味の本題に進む。おそらく書きたかったのは後半部分のシナリオだろうか。そこで守自身の優しさと強さに読者は共感してしまう。前に書いたように成長物語であるなら、それでいい。 スピード感があるし、次はどうなるだろうかと考えれば読む手が止まらないと思う。物足りなさも感じたので星4つまで。 | ||||
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日本推理サスペンス大賞受賞や数々の賞を総なめしている 宮部さんのバックナンバー集めることにしました。いきなり、こんなミステリアスな内容を読者に突き詰めてくるのは宮部ワールドらしいです。最初に、数ページでその情景を一瞬にして読者に察知させ、そこから、点と点を線で描写していく感覚でした。でも、残念なことに最後の最後で 自分の期待していたクライマックスが、なんか はぁー? なんでそうなるの??ちょっと嬉しくないクライマックスでした。でも、十分ほかのミステリーよりは読み応えあるはずなので 読んで損はないと思います | ||||
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少年を描くのが上手い著者の力量が発揮されていた作品だと思う。軸になる事件そのものの解決より主人公の少年の父親に対する想いや秘められた謎にケリがついた時にこの本の最大の感動が待っていた…心憎いエンディングにもちょっぴりホロリ。 | ||||
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出足はスリラー的、「何で?何が起こったの?」不気味なはじまり。次から次へと起こるミステリーな事件。途中で読者に「・・・かな」と思わせる雰囲気をつくり、犯人との出会いへと・・最後の結末は素直すぎたかな。でも、超高速で読破してしまった私は宮部ワールドへはまった一人だと素直に認めます。 | ||||
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