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(短編集)

セイレーン



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セイレーンの評価: 4.50/5点 レビュー 2件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(5pt)

単行本では小松左京が解説を書いている。

単行本では小松左京が解説を書いている。

次世代の作家として、持ち上げたり、褒めそやしたり、うらやましがったり。

ラフイユテリブル
スラン
ミッドウイッチカッタ
ディーセント
サンタナ アブラクサス
エレクトロニックエンバイラメンt

などのわけのわからない単語が飛び交っています。

「風俗が風俗としての一つのまとまりをもたせ、さらなる異なる風俗の間の翻訳可能性をなりたたせているのは、構造的一貫性をもった論理があり、また逆に論理そのものも、一つの風俗のように時代的歴史的制約をまぬがれない、というのが、いわゆるクーンのいうパラダイムというものでしょう」

さすが大作家だけあって、構えが大きい。

「もるフィックアイデンティティはないがジェネティックアイデンティティはあるという種の存在を考え得るか」

「遺伝的には同一種でありながら一個体一個体が形態的にひどくかけはなれているような生物があったとしても」

才女を語るには、これだけの仕組みがいることがわかった。

本文の内容は、時代を超えた話でおもしろかった。
セイレーン (ハヤカワ文庫 JA 156)Amazon書評・レビュー:セイレーン (ハヤカワ文庫 JA 156)より
4150301565
No.1:
(4pt)

SF小説でしか描けない美しい化け物の物語

「セイレーン」
「Run with the wolf」
の二本が収録された中編集。
「セイレーン」は宇宙SFとサラリーマンSFが交互に語られる手法で、
半村良や眉村卓でも書けそうな佳作だが、
ホラーSFと思わせて見事な人類進化SFになる
「Run with the wolf」が素晴しい!
男と老人が化け物から逃げ回った果てに、
化け物が優れた新人類だと気づき、
彼らに期待して滅びを受け入れる傑作。
普通の男の作家なら、
男女のカップルで逃げ回るもんだが、
我らの栗本女史はそんな陳腐な活劇は書かない。
外見は化け物だが、精神は正しく新人類。
彼らには正常という概念はないのだ!
正常という概念は異常な存在を排斥する方向に進む。
手足や顔のパーツが普通の人間より多かったり少なかったりする彼らは、
少ないパーツの者と多いパーツの者が、
自然と寄り添い行動を共にするのだ。
誰も彼もが化け物の外見の彼らには、
平均的な人間という概念はない。
欠点を補完しあうのが当然の新人類たち。
平均値より上の生活を目指す人間は、
なんて未熟な種かと思いましたよ。
自分のみが上を目指して、
下の者を引き上げようとはしない浅ましい人類。
この小説のように、人類全員が身体障害者にならないと、
本当の他人への思いやりは生まれないだろうと思いました。
なんて美しい相互補助のSF世界!
SF小説でしか描けない美しい夢物語である。
映像化されると「身体障害者を化け物扱いしている」
と抗議され幻の12話になるので、映像化されることはないだろう。
セイレーン (1982年) (ハヤカワ文庫―JA)Amazon書評・レビュー:セイレーン (1982年) (ハヤカワ文庫―JA)より
B000J7O8X4

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