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奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い
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奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖いの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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長編の「幽霊のコンテクスト」と短編「逆さ霊の怪」を収録。物語内の時系列的には後者が先となるが、本書の中心はもちろん前者「幽霊のコンテクスト」だ。実際に「見える」作家が編集者に言わば「振り回される」というタイプの物語だが、ホラーとは言いながらページが進むごとに「怖い」要素が少なくなるのはどうしても問題となるだろう。ただし、登場する「異様な何か」に対する「解釈」(それがタイトルの「コンテクスト」なのだが)はかなり斬新だと言える。とは言うものの、これも物語内の「解釈」を成り立たせるにはその前提としての「意識の存在」が欠かせないとも思うのだが、そこに触れると話はさらに複雑になるだろうから痛し痒しではあるだろう。全体としては、具体例に乏しい理論派の作品という印象。 | ||||
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テンポ良く物語は進みます。 しかし、描写がとても長く、解説風で、興をそがれます。 映像化のための描写なのか、怪異をいくら描写されても、あまり臨場感はわきません。 情景がきれいだなぐらいの印象。怪異の内容で勝負してほしい。 | ||||
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著者さんのツイートから知った本。 面白くない本は、半ば過ぎまで読んでいても放り投げるので、読み終えたのはそれだけ読ませるものだったということ。続編も手を出すだろう。 ここからは完全にネタバレ。 アイデアとしては中島敦の短編『文字禍』に似ている。『文字禍』を、言語学も織り交ぜながら広げて掘り下げたような作品で、このあたりが人によっては退屈に感じるかもしれない。逆に、言語学にこだわりのある人からすればツッコミを入れたくなるかもしれず、ちょっと読み手を選ぶところがありそう。 | ||||
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作中のホラー作家(熊野)と、編集者(善知鳥)のコンビがなんだか楽しい。この1巻に限っては怖さを楽しむより、おばけの正体を探る謎解きを楽しむというところ。作者は作中人物はもちろんお化けにしても、温かい眼差しをもって描いているように思える。近年の女性作家の描く作品はどこまでも怖かったりする。いずれはエンジン全開にしてくるのかも知れない。どこまで続くのか、とにかくシリーズを通してつきあってみたいと思った。 | ||||
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ホラー文庫から刊行されていますが、巻末の筆者の解説(受賞時の言葉?)には「メタホラー小説」とあります。 作家と編集者を主人公とし、「ホラー小説を書く」という目的のもと、怪奇現象をある意味でロジカルに解き明かしていくため、怖さよりはその過程を楽しむ流れになっているでしょう。 この流れが楽しいです。ミステリの範疇に入ると思うのですが、霊の正体・メカニズムはある種SF的な要素も含まれています。 メタ的に、いわば一歩引いた視点で怪奇に挑むことで、パロディ的なおかしさと笑いも生み出されています。 既存の枠に当てはまらない、いろいろと新しい要素のある一冊でした。 何より主人公たちのキャラクターのやりとりと関係性が好みであったので、シリーズものとして続きが出ればと思っています。 | ||||
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キャラクターがとても魅力的ですね。 文章も滑らかで、ストーリーも面白い。 肝心のホラーの部分ですが、あまり怖くはないです。 正体がわかるまで、怪異に遭遇している場面の初めの方は結構怖いというかハラハラするんですが。 正体がわかってしまうと怖いというより感動モノかほっこり系。 でも全然怖くないという訳ではないし、ただ怖さで驚かそうとする小説よりもいいんじゃないでしょうか。 続編も読んでみたいなと思える本でした。 | ||||
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「奇奇奇譚編集部」というタイトル(ホラー作家は……のサブタイトルはちょっとどうかと思いましたが色々あるんでしょう)。確かに「文字列の幽霊」の方がイケています。 ですが宮部みゆき氏の書評の通り、本のカバーまでにも物語の謎解きの上で大ヒントになり得るフレーズが上がってしまう事、そして何よりこの初見のバディに大きな奥行や広がりが感じられ、ぜひシリーズ化してほしい、彼らのこれまでの話やこれからの話が読みたい!と思わせる力がこの第1作にあったからではないでしょうか。 もう10作ほど刊行されてるような気すらするのは、作者さんの練度によるものでしょうか。 圧のあるホラー、怖さというエンターテイメントは確かに今作では控え目です。 意図的に控えめにしてあるのでは?と思えます。 このままパワーフレーズで畳み掛ければゾクッと来る素敵なホラー描写の出来上がり……な場面で意図的に方向転換というような感じがあり、つまりその気になれば圧あるホラーも書けるのでは。 しかし今回作者さんが最も観せるべきはこのバディ物の基本スタンスと、作者さんの追い求める恐怖と笑いの共存である事から、私は良かったと思います。 ホラーを含め怪奇の世界は大変に枝分かれが多く、純粋に怖い個人的幽霊もの、筋の通った民俗学的なもの、土着もの、人間が一番怖いサイコ系やバイオレンス、都市伝説、異界もの、わけのわからないもの、他…、かと思えば泣ける系もあり、何か間違えば背中合わせの笑いへとひっくり返ります。 今作は映画のようにホラーからの謎解きの構成でしたが(本当に構成力の安定感が凄い)、ぜひとも短編を含めてシリーズ化し、いずれ熊野の処女作の中身やそれにまつわる話、誰も見た事のないホラー小説を読ませてくれたらと期待しています。と同時に、善知鳥によるホラーへの発想の転換も、読み手として非常に楽しみでならないです。 新しい怪奇の世界を開拓しつつ、現代まで連綿と続く民間伝承・怪奇の様々なテイストを楽しめるシリーズになってくれたらと…… そしておそらくまだ本領を発揮されていないと思われるので期待を込めて星4で! | ||||
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ホラーが苦手でそういう小説は読んだ事もなかった自分が、これはどうかと勧められた一冊。 表紙二人、特に右側の善知鳥のキャラが素晴らしい。やり取りが面白くホラー小説だった事を忘れるほど。よく話が作りこまれていて、推理しながら読み進めていくような楽しみもあった。また選評に「物書きなら」とあったが、小説家のみならず、ものづくりに携わる人間なら彼らの心情にグッとくるものがあるはず。 そして本当に、ホラー小説なのに怖くなかった。霊やそういった類の話は恐怖の根源が「分からない」こと。この作品は「メカニズム」という単語が選考員の口から出てくるほど、いい意味でよく作られている。この心霊現象の、ネタバレ避けの為に言えないほどのアレコレがよく分かる。登場人物二人が面白いのもあるが、いろいろと分かりすぎて怖くないのかもしれない。 帯に「バディものとしてまず楽しく」とあった上でこの魅力的な表紙。その期待にも応えてくれたし、二人に惹かれた本編の後で過去の出会い編が書かれているのは非常にニクいやり方だった。是非ともシリーズ化してほしい期待をこめてレビューを書いた。 ただ自分のような怖がりさえ怖くなく楽しめたので、「ホラー小説」として一応星4評価。怖くないと分かっていて読むと、期待を何一つ裏切られずに読めるのではないかと思う。 | ||||
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