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奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い



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【この小説が収録されている参考書籍】
奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い (角川ホラー文庫)

奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖いの評価: 3.50/5点 レビュー 12件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全12件 1~12 1/1ページ
No.12:
(4pt)

意識や思考についてはどうなのか?

長編の「幽霊のコンテクスト」と短編「逆さ霊の怪」を収録。物語内の時系列的には後者が先となるが、本書の中心はもちろん前者「幽霊のコンテクスト」だ。実際に「見える」作家が編集者に言わば「振り回される」というタイプの物語だが、ホラーとは言いながらページが進むごとに「怖い」要素が少なくなるのはどうしても問題となるだろう。ただし、登場する「異様な何か」に対する「解釈」(それがタイトルの「コンテクスト」なのだが)はかなり斬新だと言える。とは言うものの、これも物語内の「解釈」を成り立たせるにはその前提としての「意識の存在」が欠かせないとも思うのだが、そこに触れると話はさらに複雑になるだろうから痛し痒しではあるだろう。全体としては、具体例に乏しい理論派の作品という印象。
奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い (角川ホラー文庫)より
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No.11:
(3pt)

切り口を変え新しい恐怖の形を試行錯誤する作者の姿勢を見たように思う

謎の編集者にリードされる駆け出しの怪奇作家(但し霊が視える)…逆に読者の興味を惹くならワーカーという立場で読者との距離を感じさせない編集者より、創作者である作家の方をミステリアスに描く方が興味を惹きやすそうで良さそうだが、違って作者は創作の工夫とかそうした作品の産みの苦しみやらを作品の中に表現されたかったように思われる。そして、作品からは切り口を変えて試行錯誤された新しい恐怖の形を考えておられる作者の姿勢を垣間見たように思うのだがどうだろう?
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No.10:
(4pt)

説明が長いところだけ冗長

テンポ良く物語は進みます。
しかし、描写がとても長く、解説風で、興をそがれます。
映像化のための描写なのか、怪異をいくら描写されても、あまり臨場感はわきません。
情景がきれいだなぐらいの印象。怪異の内容で勝負してほしい。
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No.9:
(3pt)

ホラーではなくオカルトミステリー

日本ホラー大賞優秀賞。
表紙やタイトルからキャラ文芸っぽさが漂う。好みではないけど、メタホラーというジャンルに惹かれて買ったものの……
確かにメタだけど、これはオカルトミステリーだろう。ホラーというなら多少の怖さは欲しかった。
ただ、ホラーではなくオカルト小説として読んだら出来は上々。ミステリ的な理詰めの道程は楽しいし、真相にはちょっぴり切ないオチと意外性があってよかった。
霊をいきなり轢こうとする善知鳥のキャラは面白いし、メタ的なギャクは魅力的。表紙からもわかるように、バディものとしてはあざといというか狙いすぎな気もするけど……男でもキュンとくるものがある。ズルい。
文章も上手いし、このあらすじをこのページ数で収めてるのは、無駄のない構成というか、そうとう書き慣れてるんだろうなぁ、と。新人かと思いきや、元々別の賞を獲ってからの再デビューのようで、主人公のモデルは作者自身なのかな。

ただ、ミステリ的な謎解きとしての、音素とか文脈がどうとかのくだりは……あんまりしっくり来ないかなって……作者が好きなネタだったのかな?
二本目は意外性もありながら、正体がわかった瞬間の今までの謎が解ける感じがちょうど良かった。一本目よりは、ちょっとホラー的な展開もあったし。より短いページ数でホラー、ミステリ、ドラマの三要素が上手く織り込まれてて、二本目のが上手かったと思った。二作目はもっと良くなってるのかもしれない、と期待できる一作だった。
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No.8:
(4pt)

続編も読みたくなる

著者さんのツイートから知った本。
面白くない本は、半ば過ぎまで読んでいても放り投げるので、読み終えたのはそれだけ読ませるものだったということ。続編も手を出すだろう。

ここからは完全にネタバレ。

アイデアとしては中島敦の短編『文字禍』に似ている。『文字禍』を、言語学も織り交ぜながら広げて掘り下げたような作品で、このあたりが人によっては退屈に感じるかもしれない。逆に、言語学にこだわりのある人からすればツッコミを入れたくなるかもしれず、ちょっと読み手を選ぶところがありそう。
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No.7:
(4pt)

おばけの正体を探る謎解き

作中のホラー作家(熊野)と、編集者(善知鳥)のコンビがなんだか楽しい。この1巻に限っては怖さを楽しむより、おばけの正体を探る謎解きを楽しむというところ。作者は作中人物はもちろんお化けにしても、温かい眼差しをもって描いているように思える。近年の女性作家の描く作品はどこまでも怖かったりする。いずれはエンジン全開にしてくるのかも知れない。どこまで続くのか、とにかくシリーズを通してつきあってみたいと思った。
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No.6:
(1pt)

ホラー小説に非ず

評者は本書の理想的読者ではないと思われるので、以下の評もあくまで一個人の意見でしかないことをご理解頂きたいと思う。

その上で申し上げると、本書はホラー小説として破綻している。
何をもってホラー小説、あるいはホラーというジャンルを定義付けするのか、それは十人十色であろうが、少なくとも本書はまったく怖くない。
これはホラー小説を名乗っている限り致命的な欠陥であると言わざるを得ないのではないか。

著者は新人賞である日本ホラー小説大賞優秀賞受賞者であるが、かつて別の筆名で作品を世に出しているので、新人扱いとはいえ素人ではない。
このあたりの経験が、恐らく作家熊野の人物像に一役買っているのではないかと思われるが、その割に物語全体にリアリティが著しく欠如している。
ホラー小説とはエンタメでもあるので、リアリティのバランス配分も難しいと思われるが、それにしても作家と編集者の関係性があまりに異様である(評者は作家でも編集者でもないのであくまで個人的な意見)。

評者の所感としては、本書はホラー小説ではなくミステリー小説である。
両ジャンルに親和性があるのは承知しているが、あまりにもホラー要素が薄弱かつ超常現象をコミカルに描写しているため、背筋が震えることはない。

また、編集者善知鳥の霊に対するほとんど無敵ともいえる対処能力が、緊迫感を皆無にしている。メアリー・スーの名を持ち出すまでもなく、こうした登場人物造形には辟易せざるを得ない。
さらに、作家熊野のキャラクターにしても、怖がりという設定が極めて曖昧である。霊的存在に対する怯えと興味のバランスが取れていないと感じるのは評者だけであろうか。
どうやら巷では主要登場人物2名の関係性(いわゆるバディものとしての)を高く評価する声があるらしいが、評者としては賛成できない。

作中もっとも首をかしげるのは、「究極のホラー小説」という言葉である。
果たして筆者は、この言葉に何らかの具体的なビジョンを抱いているのであろうか。
仮に本書がシリーズ化するとして、最終巻には「究極のホラー小説」が誕生するのであろうか。
たとえシリーズ化したとしても次巻以降を購買するつもりのまったくない評者には知り得ないのであるが、素朴な疑問として提示しておきたい。
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4041061377
No.5:
(5pt)

新しいホラー小説

ホラー文庫から刊行されていますが、巻末の筆者の解説(受賞時の言葉?)には「メタホラー小説」とあります。
作家と編集者を主人公とし、「ホラー小説を書く」という目的のもと、怪奇現象をある意味でロジカルに解き明かしていくため、怖さよりはその過程を楽しむ流れになっているでしょう。
この流れが楽しいです。ミステリの範疇に入ると思うのですが、霊の正体・メカニズムはある種SF的な要素も含まれています。
メタ的に、いわば一歩引いた視点で怪奇に挑むことで、パロディ的なおかしさと笑いも生み出されています。
既存の枠に当てはまらない、いろいろと新しい要素のある一冊でした。
何より主人公たちのキャラクターのやりとりと関係性が好みであったので、シリーズものとして続きが出ればと思っています。
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4041061377
No.4:
(4pt)

魅力的なキャラクター

キャラクターがとても魅力的ですね。
文章も滑らかで、ストーリーも面白い。

肝心のホラーの部分ですが、あまり怖くはないです。
正体がわかるまで、怪異に遭遇している場面の初めの方は結構怖いというかハラハラするんですが。
正体がわかってしまうと怖いというより感動モノかほっこり系。
でも全然怖くないという訳ではないし、ただ怖さで驚かそうとする小説よりもいいんじゃないでしょうか。

続編も読んでみたいなと思える本でした。
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4041061377
No.3:
(4pt)

ぜひシリーズ化して欲しい

「奇奇奇譚編集部」というタイトル(ホラー作家は……のサブタイトルはちょっとどうかと思いましたが色々あるんでしょう)。確かに「文字列の幽霊」の方がイケています。
ですが宮部みゆき氏の書評の通り、本のカバーまでにも物語の謎解きの上で大ヒントになり得るフレーズが上がってしまう事、そして何よりこの初見のバディに大きな奥行や広がりが感じられ、ぜひシリーズ化してほしい、彼らのこれまでの話やこれからの話が読みたい!と思わせる力がこの第1作にあったからではないでしょうか。
もう10作ほど刊行されてるような気すらするのは、作者さんの練度によるものでしょうか。

圧のあるホラー、怖さというエンターテイメントは確かに今作では控え目です。
意図的に控えめにしてあるのでは?と思えます。
このままパワーフレーズで畳み掛ければゾクッと来る素敵なホラー描写の出来上がり……な場面で意図的に方向転換というような感じがあり、つまりその気になれば圧あるホラーも書けるのでは。
しかし今回作者さんが最も観せるべきはこのバディ物の基本スタンスと、作者さんの追い求める恐怖と笑いの共存である事から、私は良かったと思います。

ホラーを含め怪奇の世界は大変に枝分かれが多く、純粋に怖い個人的幽霊もの、筋の通った民俗学的なもの、土着もの、人間が一番怖いサイコ系やバイオレンス、都市伝説、異界もの、わけのわからないもの、他…、かと思えば泣ける系もあり、何か間違えば背中合わせの笑いへとひっくり返ります。
今作は映画のようにホラーからの謎解きの構成でしたが(本当に構成力の安定感が凄い)、ぜひとも短編を含めてシリーズ化し、いずれ熊野の処女作の中身やそれにまつわる話、誰も見た事のないホラー小説を読ませてくれたらと期待しています。と同時に、善知鳥によるホラーへの発想の転換も、読み手として非常に楽しみでならないです。

新しい怪奇の世界を開拓しつつ、現代まで連綿と続く民間伝承・怪奇の様々なテイストを楽しめるシリーズになってくれたらと……
そしておそらくまだ本領を発揮されていないと思われるので期待を込めて星4で!
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No.2:
(2pt)

「文字列の幽霊」改題

第24回日本ホラー小説大賞「優秀賞」受賞作品です。この「優秀賞」とは「大賞」の次点の作品に贈られる賞です。
今回は2本。
同じく優秀賞を受賞した『迷い家』は11月に刊行予定です。

ホラー小説大賞、優秀賞作品はたいてい「ソフトカバー以上の形態」で刊行となるのですが、今回は文庫からスタートということになります。
これは、短編(中編かな?)が2本収録されているからですね。
(注:『ぼっけえ、きょうてえ』『夜市』などは受賞作である「短編」と「書き下ろし」でハードカバー製本だったりするのですが、この場合は「大賞」受賞作だからです)

ホームページで受賞作品が一斉に発表されたとき、『文字列の幽霊』というタイトルだったのですが、改題されて『幽霊のコンテクスト』になっています。
『奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い』はシリーズタイトルのようなものです。
このタイトル、良くないです。
考えたのが編集者だとしたら、すごくチャラい。
個人的に以前の「文字列の幽霊」というタイトルが秀逸だと思っていたので、残念でした。しかし、本文は「文字列の幽霊じゃないじゃん!」みたいな内容なので、確かに「幽霊のコンテクスト」で正解なのです。
しかししかし、「文字列と幽霊」という・・・・・・なんか、こわーい小説を読んでいると行間にゴワゴワした異様な物体が詰まっているようなホラー・ストーリーを連想させるすばらしいタイトルが、なんか、受賞させる魂に一枚噛んでいたような気がして、そこらへんは厳しく減点したいと思います。
全然、怖くなかったので。

ホラー小説大賞のレビューには「怖くなかった!金返せ!!」みたいな感想がホント、多いのですが、大方のところ、その議論は無意味です。それは「(血しぶきが)ブシャァァ!」「(怪物が暗がりから)ワァァアア!」「(金槌とかノコギリとか拷問具で)ギャァァァアアア!!!!」みたいなシーンが大好きな人から見たら怖くないけど(ゴアくないけど)、充分だよ!怖いよ!という作品も多いのです。

しかし、本書は別。
本当に怖くないというか、そこがテーマとも重なっているので、逆に怖いとまずいわけですね。
ちょっと、意外な感じで期待を裏切られて残念でした。
「流行を追いすぎ」なんですよねぇ、これ。

ネタバレになるし、あんまり被ってるとかパクってるわけではないんですが、2017年4月からの某人気アニメのホラー版です早い話が。
時代を先取りしていたといえばそうなんですが。

内容について難点をいえば、少し「怪異の説明がよくわからない」部分をあげておきます。
霊に対してマウントを取れる体質のキャラクターが頑張って心霊現象を解説してくれるのですが、ちょっと意味不明でした。
特に以下「(前略)全部、主体が『文脈』を持って、もっと柔らかく言えば、これを伝えよう、形にしようと思って作り上げた結果であり、周りに働きかける意味だ(後略)」の部分。

にいさん、なにゆうてんの?とつぜんどしたの?みたいな感じです(またかっこいいキャラなので余計)

・・・・・・いやまあ、わかるんですけど「おまえが台無しにしとるがな!もっと勉強せえよ!」みたいな。

いろいろ、残念でしたね。
11月に刊行されるもう一つの受賞作と読み比べてみようと思います。
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4041061377
No.1:
(4pt)

ホラーが苦手な人にもおすすめ

ホラーが苦手でそういう小説は読んだ事もなかった自分が、これはどうかと勧められた一冊。

表紙二人、特に右側の善知鳥のキャラが素晴らしい。やり取りが面白くホラー小説だった事を忘れるほど。よく話が作りこまれていて、推理しながら読み進めていくような楽しみもあった。また選評に「物書きなら」とあったが、小説家のみならず、ものづくりに携わる人間なら彼らの心情にグッとくるものがあるはず。
そして本当に、ホラー小説なのに怖くなかった。霊やそういった類の話は恐怖の根源が「分からない」こと。この作品は「メカニズム」という単語が選考員の口から出てくるほど、いい意味でよく作られている。この心霊現象の、ネタバレ避けの為に言えないほどのアレコレがよく分かる。登場人物二人が面白いのもあるが、いろいろと分かりすぎて怖くないのかもしれない。

帯に「バディものとしてまず楽しく」とあった上でこの魅力的な表紙。その期待にも応えてくれたし、二人に惹かれた本編の後で過去の出会い編が書かれているのは非常にニクいやり方だった。是非ともシリーズ化してほしい期待をこめてレビューを書いた。

ただ自分のような怖がりさえ怖くなく楽しめたので、「ホラー小説」として一応星4評価。怖くないと分かっていて読むと、期待を何一つ裏切られずに読めるのではないかと思う。
奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い (角川ホラー文庫)より
4041061377

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