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1934年の地図
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1934年の地図の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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文章の書き方が一人称のようでいて三人称でした。主人公のように語られるので迷います。また、会話だけが続くことも多く、ドアの外でずっと聞いている感覚でした。ファンに怒られそうですが、雰囲気としては巧みではないレイモンド・チャンドラーの『』風味です。 | ||||
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最初は丁寧な描写と飽きさせない場面変更 (主人公京極と元メジャーリーガーの友人ディックとの再会と友情⇒主人公の息子への野球指導 ⇒食事シーン等)がとても気に入ってたけど、中盤くらいから 遅々として進まない話の中核部分にイライラが爆発しそうになった。 予習として序章で京極とディックの関係性は想像できるものなのに 中盤からディック視点で、またなぞり始める。 ベーブルースやルー・ゲーリッグなどの大物も描いているものの 京極とディックの友情話には丁寧を通り越して飽きてきた。 表紙と帯で「友情か、謀略か?」銘打ってしまっている以上、この本の売りは 「ディックが戦前何の目的で来日していたのかを知る」事になってしまっていると思う。 じゃないとこの本は売れないと編集が踏んだか、作者が指示したのか不明だが 多分前者じゃなかろうかと思う。 もはや苦行に近いストーリーを読んで、最後に本当はディックが何をしたのかを ようやく告白してくれるのですが、ほぼ序盤に著者が親切丁寧にバラしている内容で 読んでいれば簡単に推察できる事を、一切捻りなくストレートを投げてきます。 なんというか肩透かしどころの話じゃないです。 戦争の虚しさとか日本人とアメリカ人との友情・恋愛を メインとして描きたかったんでしょうが、何というか謀略等とかを帯に書かなきゃ もう少しちゃんと受け止められたのかもしれない。 | ||||
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オーナー企業のトップが古田選手にたかが選手と発言したり、監督が不倫相手をごまかすためにやくざにお金を渡したり、友人の野球選手を誘って野球賭博をやってしまうようなチームが日本野球の本流という大前提があります。 また、ベープルースもそうで同じくやってきた選手団も白人選手団で、それとかかわることで一流に近づくという、へつらう犬のような部分がうっとうしく、また薄っぺらい感じがぬぐえません。 読了した時の充実感がなく、感動も薄い好みとは違う印象が残りました。 この本をはじめに読んでしまうと、この作者の本は手に取らなくなってしまいそうですね。 | ||||
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随所…というか、ほぼ全体的に野球が絡む内容ですが、野球についての知識や 興味に左右される内容ではないので、気にせず一気に読めました。 あらすじは「戦中の日本に被害を与える遠因となった事を後悔しているアメリカ人ディック」と、 「葛藤しながらもその事を許そうとする日本人京極」の友情の物語なんですが、なんというか、 残念ながら薄っぺらいという印象を持ちました。全体的に重みがなく、説得力もないので、 ディックの後悔と罪悪感も、ディックの罪の意識を許そうとする京極の気持ちも、 絵空事のようにしか受け取れませんでした。 | ||||
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私は堂場の小説をかなりの数読んできた。 警察小説とスポーツ小説共に。 刑事鳴沢了シリーズはなぜこんなに評価が低いのかと当時は憤慨もした。 しかし堂場があまりにも多作な作家になった頃から読むのをやめた。 彼の作品は、だいたい400ページ前後あるが、前半200ページまでは本筋に関係ない話が延々と続きだしたからだ。 伏線を張るのではなく、ただ書き流しているだけという印象を受けた。 本作も「関係ない」とは言えないまでも、読者にはとうに読めていることを引っ張る。 堂場だから我慢して読んだが、他の作者なら投げ出し本にしただろう。 私は10年ほど前に、(まだ彼が読売新聞の記者だったはずだが)読売の夕刊紙上で 「アメリカのハードボイルド小説」から多大な影響を受け、いつかはそんな作品を書いてみたいと 語っているのを読んだ。 最近の堂場の作品を読んでいないのでわからないが、本書はまさに2章まではハードボイルドの文体で綴られる。 顕著なのは、段落の最後を・・・「が」で締めるところ。 『これは好き嫌いがはっきり分かれるところだろう。 私は嫌いではないが。』 真似すればこんな感じ。 レビューの題名の「センチメンタリズム」だが、 堂場の「二度目のノーサイド」を読んだラグビー経験者にはわかってもらえるだろうが、 彼の「独りよがり」な思いはあまりにも「甘い」のだ。 実際には、スポーツにおいて「二度目のノーサイド」なんて存在しない。 「あの時」に、勝ったのか負けたのかが全てである。 だからこそ明治大学ラグビー部の監督を長年にわたって務めた北島忠治は「ラグビーは一期一会」と言ったのだ。 ただ堂場はそう思っていないのだろうけど。 この甘さは、同じハードボイルド系の香納諒一の描く女性像にも通じるものがあると思っている。 そして本作品もその「甘さ」ゆえ、何が言いたかったのだろうという思いを読者に与えて終わる。 星二つって辛口と思う方は、堂場の初期の作品を読んでみて欲しい。 せめて、鳴沢了全巻とスポーツものでは「8年」ぐらいは。 ただし、ドラマ化された失踪人捜索課はやめておいたほうがいいです。 ハードボイルド系作家の常として、あと5年すれば、堂場は時代物を書くだろうと予想する。 大層偉そうなことをレビューしたけれど、これはあくまでも愛情です。 私自身もどちらかと言えば「二度目のノーサイド」があると期待していたいほうなので。 | ||||
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サスペンス風。 ★主人公の台詞が軽い その場その場でいい加減なことを言っているだけなのか、数ページ後には真逆のことを言い出す主人公。 354頁より 『「私は、戦争についてあれこれ言う権利も知識もない」京極は静かに話し始めた。』 しかし、その数ページ後には、戦争中の誰の行為が断罪されるべきで、誰の行為が免罪されるべきなのかを滔々と述べ立てる。戦争の知識はないのに、戦争の全体を見なければ語り得ないような特定行為の責任について、情熱的に断言してみせる京極。これは一体どういうことなのか。 カビの生えた戦争反省文を摘み食いし過ぎた所為か、同一人物の台詞に多くの矛盾が生じている。 これによって、物語のオチがよく分からないものになってしまった。 ★読者は既に知っている ある登場人物のある秘密は、早い段階で読者に知れる。にもかかわらず、主人公は必死になってその秘密を探っている。 退屈だ。 古畑任三郎のように、犯人(重要な秘密)が判っていて、その上で楽しむ物語なのか、そうでないのかが曖昧だ。読者には既に秘密が明かされているのに、まるで「読者に秘密が明かされていない」かのような文章が続いていく。 難しい小説だ。 ______ ★編集協力 本書末尾によると「齊藤勉、廣瀬愛子、山本あい」の三氏が編集協力。 | ||||
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